Author(s)
比嘉, 道子
Citation
沖縄県女性史研究 = BULLETIN OF WOMEN'S HISTORY
IN OKINAWA(1): 41-66
Issue Date
1997-03-28
URL
http://hdl.handle.net/20.500.12001/8741
r沖 縄 婚 姻 史』 に み る 「性 。 産 ・ 家 族」 関 連 語 彙 と 若 干 の 説 明
比
嘉
道
子
沖 縄 女 性 史 を 形 あ る も の に し よ う と 願 う 者 に と っ て、 奥 野 彦六 郎 は子 の 星 (ニヌ フ ァ ブ シ) の よ う に 輝 い て み え る。 集 団 生 活 を 営 む 人 間 の 基 本 的 な 「性 ・ 産 ・ 家 族」 と い う 営 み を、 歴 史 的 に 言 説 と し て 再 構 成 し よ う と 試 み る と き、 奥 野 の 成 し た 仕 事 は 確 か な 指 針 と な っ て 私 たち を導 いてく れる。 従 来 民 俗 学 の 枠 組 み の 中 で、 収ま り 良 く 位 置 を 占 め た か のよ う に見 え る こ れ ら の 人 間の 行 為 は、 奥 野 の 研 究 成 果 を 基 点 と す る こ と で、 遺 習 ・ 野 蛮 と形 容 づけ ら れが ち な 狭 い 枠 か ら 引 っ 張 り 出 し、 そ の 前 後 に 時 空 を 広 げ、 歴 史 の 場 で 光 を 当 て る こ と が で き る と 思 う。 そ れ は、 沖 縄 学 の 創 始 者 で あ り、 沖 縄 女 性 史 研 究 の 先 駆 者 で も あ る 伊 波 普 猷 の 業 績 と は 違 っ た 意 味 で 貴 重 な 成 果 だ っ た。 自 分 の 遭 遇 し て い る 状 況 か ら、 問 題 意 識 を た て、 沖 縄 の 伝 統 的 女 性 に 啓 蒙 を 促 し た 伊 波 普 猷 に 対 し、 奥 野 は 在 る が ま ま の 沖 縄 女 性 を 評 価 し た。 前 者 に お い て は ネ ガ テ ィ ブ に 位 置 付 け ら れ た 沖 縄 女 性 で あ り、 後 者 に あ っ て は ポ ジ ティ ブ に 評 価 さ れ た 性。 前 者 は 近代 意 識 に 目 覚 め た 男 性 の 視点 か ら切 り 取 られた 女 性像であ り、 後 者 は ム ラ と い う 集 団 の 中 で 育 ま れ た 自 然 な 女 性 像 を 記 録 し た。 優 れ た 二 人 の男 性の 研究 者 の 異 な っ た 視 点 を 通 し て、 近 世 から 近 代 に 向 かう 沖 縄女 性 の 位 相 を 識 る こ と が でき る と 思 う。 「性 ・ 産」 と い う や や も す る と 風 俗 と い う 面 で 軽 く 流 さ れ が ち な 人 間 の 行為 を、 言 説と し て ま と め る た め に は、 そ れ ら を 表 現 す る 用 語 を、 そ の 時 代 に 使 用 さ れ た よ う に 正 し く 理 解 し な け れ ば な ら な い だ ろ う。 そ の た め に も、 今 回 『沖 縄 婚 姻 史』 (奥 野 彦六 郎) の 中 か ら 、 「性 ・ 産 ・ 家 族」 に 関 す る 語 彙 と そ の 説 明 を 抽 出 し て み た。 同 じよ う な 仕 事 が 先 に、 「南 島 婚 姻 習 俗 語 彙」 と し て 『南 島 研 究』 (婚 姻 特 集 第21号、 1980・9) に も 発 表さ れて い る 。 但 し、 『沖 縄 婚 姻 史』 か ら の 引 用 は44例 で あ る。 な お、 語 彙 の 後 の算 用 数 字 は 主 な 掲 載 ペ ー ジ で あ る。 ( ) は 本 書 の ル ビ や 註 で、 〔 〕 は 筆 者 比 嘉 に よ る 補 足 で あ る。 明 ら か な 誤 植 は 訂 正 し た。 例 え ば、 夜 の 女 史→ 夜 の 女 夫 一 41 一ロ イ エ 制 度 3 他 府 県 で は イ エ 制 度 が 存 在 し て い た 反 面、 個 人 主 義 的 な 思 想 も 発 達 し、 社 会 は 大き く 転 換 し つ つ あ っ た が、 南 島 で は、 昭 和 の 初 年 ご ろ ま で 僻 遠 の 島 で あ れ ば あ る ほ ど、 イ エ 制 度 は 形 成 さ れ ず、 個 人 本 位主 義 も 発 達 し て い な か っ た。 ロ ム ラ 本 位 の 生 活 3 〔奥 野 の 造 語 と 思 わ れ る。〕 美 しい 自 然 環境 の 中で 南 島 の 人々 はム ラ 本位の 生活 を送 り、 ム ラ ご と に 行 な わ れ た 歌 舞 と 結 婚 と の 間 に 密 接 な 関 係 が み ら れ た。 ロ ア シ ビ ナ ー (遊 庭) 4 ム ラ の 中 央 に あ る 遊 庭。羊容樹 や 梯 梧 の 子 根を も れる月 光 を あ びて 若 者 は こ こ で 踊 っ た。 ロ マ ク タ 遊 び 6 121 八 重 山 石 垣 で 士 分 の 二 才 青 年 た ち が 行 う、 百姓 部 落 の 娘 た ち と の 団 体 歌 舞 の こ と。 こ の 遊 び を コ ウ マ ァ ル 遊 び と も い う。 但 し、 こ の 遊 び は 結 婚 に は 至 ら な い。 ロ ユ ー マ ー ル 遊 び 6 八 重 山 〔 コ ウ マ ァ ル 遊 び の こ と か。 〕 ロ ユ ウ 遊 び 6 八 重 山 村 内 の 庶 民 男 女 の 間 で 行 な わ れ た 歌 舞 の 習 俗。 この 歌舞 を と お して 恋 が 芽 生 え、 さ ら に 結 婚 へ 至 る。 ロ ア ヤ ゴ、 ア ァ グ 8 宮 古 節 を 付 け て う た う 歌 の 総 称 で、 叙 事 詩 や 恋愛 歌 を含 む。 ロ ク イ チ ャ ー 8 宮 古 踊 り の 総 称。 広 場 で 輪 を な し て 踊 り、 通 常は ム ラ の 老 若 男 女 が 交 互 に並 んで 盆踊 り の よ う な 手 振 り で 踊 っ て 進 み、 手 拍 子 を 打つ 形式 の も の が 多 い。 ロ ミ ヤ ラ ビ ア ソ ビ 8 伊 良 部 夜 間 若 い 男 女 が ク イ チ ャ ー を し て 遊 ぶ こ と。 ロ ヤ ガ マ ヤ ー 4 11 若 い 女 が 寄 り 集 っ て た い ま つ を と ぼ し、 バ シ ョ ウ 苧 を 紡 い だ り す る 夜 業 場。 や が て、 若 い 男 な ど も そ こ に 集 ま っ て 歌 い、 は て は 三 々 五 々 戸 外 に 出 て 踊 る こ と に な る。 明 治 以 降、 歌 舞 へ の 弾 圧 が 厳 し く な る と 男 も 加 わ り、 夜 業 の 後 雑 魚 寝 を す る 習 わ し の と こ ろ も あ っ た。 こ う し て、 夜 業 の 場 だ っ た ヤ ガ マ ヤ ー は 性 関 係 を 連 想 す る よ う に な り、 歌 舞 の 意 味 も 次 第 に 変 遷 す る よ う に な っ た。 ロ ユ ナ ビ サ ヤ ー 4 ヤ ガ マ ヤ ー の こ と。 一 42 一
口 手 拭 (て い さ じ) 8 18 伊 良 部 与 那 国 ミ ヤ ラ ビ ア ソ ビ の と き、 男 か ら 女 に 手 拭 を 投 げ 掛 け、 それ を 受 け 取 る か 投 げ 返 す か で 諾 否 が 確 か め ら れ た。 与 那 国 で は 女 か ら 花の 色 素 で 濃 紅 に 染 め た 手 拭 や 帯な どを 贈 っ て 情 を 表 わ し、 や が て 心 が 一 致 し た ら 結 婚 す る。 ロ ク イ チ ャ ー ア ー グ 8 多 良 間 島 ク イ チ ャ ー の 時 歌 わ れ る ア ー グ。 口 歌 舞 へ の 弾 圧 11 明 治 の 半 ば 以 降、 ム ラ の 内 外 か ら き び し く な っ て か ら は、 部 落 の 境 界 線 あ た り に、 男 は 泡 盛 を 女 は 肴 を 持 ち 寄 っ て、 一 番 鶏 が 鳴 く こ ろ ま で 乱 舞 し た 処 が 多 か っ た。 ま た、 ヤ ガ マ ヤ ー に、 男 も 加 わ り、 夜 業 の あ と 雑 魚 寝 す る 習 わ し の と こ ろ も あ っ た。 こ れ よ り、 ヤ ガ マ ヤ ー は、 本 来 の 夜 業 の 意 味 よ り、 性 関 係を 連 想 す る よ う に な り、 歌 舞 の 意 味 も 変 遷 し た 。 ロ モ ー ア シ ビ ( 毛 遊 び ) 11 12 若 い 男 女 の 歌 舞 の 名 称。 過 度 期 の 用 語 の よ う で あ る。 ロ ア シ ビ (遊 び) 11 金 武 若 い 男 女 の 歌 舞 の 呼 称。 ロ ミ ヤ ラ ビ ア シ ビ (乙 女 遊 び) 11 具 志 頭 宮 古 若 者 男 女 の 歌 舞 の 呼 称。 ロ ユ ウ ア サ ビ (夜 遊 び) 12 大 宜 味 八 重 山 若 者 男 女 の 歌 舞 遊 び の 呼 称。 臼 十 字 路 遊 び 12 勝 連 〔奥 野 の 造 語 か〕 勝 連 な ど で は、 明 治 の 初 年 ご ろ ま で は 若 い 男 も ヤ ガ マ ヤ ー に 行 き、 三 味 線 を 弾 き 歌 っ た が、 明 治 の 終 わ り 頃 にな る と 部 落 の 十 字 路 で 遊 ぶ よう にな り、 さ ら に部 落 外 で モ ー ア シ ビ を す る よ う に な っ た。 ロ ル シ イ チ ェ (同 志 出 会 い か) 12 107 国 頭 部 落 内 で の 若 い 男 女 の 遊 び の こ と。 ロ モ ー ア シ ビ 12 国 頭 大 宜 味 他 部 落 の 者 と の 若 者 男 女 の 遊 び を 国 頭 で は こ う 呼 ん だ。 大 宜 味 で は 他 部落 間の 男 女 が示 し 合 わ せ て、 人 里 離 れ た 谷 間 や 野 原 で 遊 ぶ こ と を こ う 言 っ た。 以 前 は 各 部 落 内 の 男 女 が、 自 部 落 の 広 場 や 近 く の 海 辺 で 三 味 線 を 弾 き 歌 い 踊 る 夜 遊 び を 指 称 した。 口 正 人 12 32 宮 古 一 人 前 に 貢 租 の 義 務 を 負 う 15 歳 以 上 の 男 女。 宮 古 で は15歳 か ら50 歳 ま で。 こ の こ ろ に な る と、 ム ラ の 歌 舞 に 出 る の を 当 然 と し た。 一 43 一
口 自 由 結 婚 13 ム ラ の 歌 舞 に 参 加 す る こ と は、 即 恋 愛、 恋 愛 即 性 交、 性 交 即 結 婚、 結 婚 即 歌 舞 の 関 係 に あ り、 イ エ の 介 入 と 同 意 を 待 た ず に 結 婚 に 至 っ た。 ム ラ の 歌 舞 の 乱 舞 唱 和 の 問 に も、 全 て の ム ラ 人 の 目 が 注 が れ、 終 生 の 結 婚 が契 ら れた。 〔イ エ 本 位 の 結 婚規 範を、 南 島 の 自 由 結 婚 に 当 て は め て 批 判 す る こ と に、 奥 野 は 異 を 唱 え て い る 。 〕 [コ貞 操 13 一 人 の 男 と 一 人 の 女 が 終 始 排 他 的 に 結 合 す る こ と。 歌 舞 と 自 由 結婚 とを 通 じて、 貞 操 が 守 ら れ た か と い う こ と が、 モ ー ア シ ビ な ど を 評 価 す る と き の 重 要 な 観 点 と な る。 北谷 で も、 モ ー ア シ ビ の 間 に 相 手 を 選 び、 ム ラ の 男 女 は 自 然 に 誰 と 誰 と が 結 婚 す る と わ か り、 自 他 と も に 許 し た 相 手 が 決 ま る と、 他 の 者 は 決 し て 両 人 に は 触 れ な か っ た と い う 。 つ ま り、 貞 操 は 当 事 者 も 含 め ム ラ 内 で 守 ら れ た。 口 乱 交 13 南 島 の 歌 舞 や 自 由 結 婚 に は 乱 交 は な く、 貞 操 が守 ら れ た。 〔他 の 研 究 者 や、 今 日 の 通 説 と は 異 な っ た 奥 野 の こ の 研 究 成 果 は 独 特 で あ り、 女 性 蔑 視 と い う 先 入 観 に ま み れ な い、 学 問 的 態度 か ら導 き ださ れ た。 〕 乱 婚 存 在 説 を 唱 え る 一 木 書 記 官 や 伊 波 普 猷 な ど を 否 定 し、 あ る 時 期 あ っ た 性 関 係 の 混 乱 〔奥 野 は 原 始 乱 婚 の 存 在 を 指 摘。 し か し、 今 日 の 研 究 成 果 で は、 こ れ も 否 定 に 向 か い つ つ あ る 。 〕 は、 時 代 と 社 会 に よ る も の で あ り、 沖 縄 に お け る 貞 操 の 守 護 は 原 則 と し て 堅 固 で 殊 に、 古 に 遡 り 僻 遠 の 地 ほ ど 清 浄 な も の が 見 い だ さ れ る と す る。 ロ ミ ヤ ラ ビ 15 池 間 島 ク イ チ ャ ー の 後 の 若 者 の 求 情 に、 女 が 不 承 知 な ら、 家 人を 起 こ し 決 し て 寝 所 に は 導 か な い 。 全 て 結 婚 は 娘 の 選 択 に 従 っ て 決 ま り、 も し、 二 人 の 青 年 を 導 き 入 れ た と す る と、 妾 を 意 味 す る ミ ヤ ラ ビ と い う 言 葉 で 言 い は や さ れ、 そ の 女 は み ん な か ら遊 ぶ 目 的 で 利 用 さ れ る よ う に な り、 正 常 な 結 婚 か ら は 除 外 さ れ る よ う に な る。 [コ サ ン ガ ナ ー 16 沖 縄 本 島 三 貫 す な わ ち 六 銭 を 人 称 化 し た も の で、 沖 縄 本 島 で は 淫 売 を 意 味 し、 多 情 な 女 を い や し ん で よ ん だ。 ロ グ ウ (偶) 16 恒 久 的 な 配 偶 関 係 に あ る 一 対 の 男 女。 女 家 の 承 諾 を 得 て 完 全 な 夫婦 にな っ て も、 当 分 の 間 は ム ラ の 歌 舞 仲 間 と し て と ど ま る 。 口 引 寄 合 (ひ ち ゆ う れ 一) 16 天 久 天 久 で 毎 年 旧 3 月 3 日 に 行 な わ れ た 娘 の 純 潔 を 試 す 貞 操 検 査。 親 し い娘 どう し手 を 引 き 一 44 一
合 っ て 衆 人 監 視 の 間 を 通 り 抜 け、 上 座 の 老 女 の も と で 饅頭 を 受 け 取 る。 不 義 の 娘 は 相 手 に な っ て 手 を 引 い て く れ る 者 が な く、 平 素 の 行 状 が暴 露 さ れる こ と に な る。 一 種 の社 会 制 裁 で あ る。 昭 和 初 年 ご ろ か ら 廃 れ 始 め、 25年 頃 に は な く な っ た。 口 女 の 家 主 (い な ぐ や あ ぬ し) 17 男 の 家 主 (い き ぐ わ や あ ぬ し) と 並 列 的 に 女 の 家 主 が お り、 結 婚 な どの 人 事 関 係 で は、 こ の 方 に 主 導 権 が あ っ た。 口 女 の 労 働 18 宮 古 八 重 山 芭 蕉、 麻、 綿 な ど か ら 立 派 な 織 物 を 織 り、 貢 納 も し て い た の で 女 の 労 働 は 高 く 評 価 さ れ て い た。 故 に、 生 活 の よ り どこ ろ を 求 め て 打 算 的 に 結 婚 す る よ う な 女 性 は い な か っ た。 口 女 の 水 く み 20 伊 江 島 自 由 結 婚 を し た 女 が、 夕 方男 の 家 へ 水 を 運 んで 来 るよ う にな っ て 初 め て、 父 兄等 も その 結 婚 を 知 っ た 。 口 思 成 (う み な い) 19 伊 平 屋 島 昔 日 毛 遊 び の 結 果 自 分 で 夫 婦 に な っ た 者 を い う。 そ れ は、 数名 で 多 く は 親 が 決 め た。 [コ モ ツ リ ナ イ 20 国 頭 旧 藩 時 代、 字 内 の 歌 舞 か ら結 婚 した 者 は10人中 2 人く ら いな も の で、 結 婚 式 も な く もつ れ あ っ て 一 緒 に な っ た 下 流 の 夫 婦 。 ロ ク チ ザ ト イ 20 国 頭 国 頭 の 中 流 以 上 で は12∼ 3 歳 の こ ろ ク チ ザ ト イ (神 霊 に) し て 伺 い を た て て 夫 婦 を 決 め た 。 こ の よ う に 決 ま っ た も の は あ ま り 遊 び に 出 な か っ た。 口 偶 成 女 夫 ( ぐ う な い み う と う) 21 羽 地 昔 時、 毛 遊 び の 結 果 結 婚 し た 夫 婦 の こ と。 [コ ヤ マ ダ ニ ー 21 勝 連 昔 時 は ヤ ガ マ ヤ ー の 風 習 が あ り、 女 は 芭 蕉 苧 を 紡 ぎ男 は 三 味 線 を 弾 い て 俗 歌 を 小 唱 し、 雑 魚 寝 し た 。 こ の 時 に 私 生 児、 俗 に ヤ マ ダ ニ ー が 生 ま れ る こ と が あ る。 そ の 男 女 は 公 然 の 夫 婦 に な る の を 通 例 と し た。 口 懇 (に ん ぐ る) 21 勝 連 昔 時 同 じ 部 落 内 の 私 通 は 自 由 放 任 で ヤ ガ マ ヤ ー、 十 字路 遊 び、 野 遊 び に お い て 意 気 投合 し 情 交 あ る 男 女 を 懇 と 称 す る。 こ れが 双 方 の 親 の 承 諾 を得 て 夫婦 の な る の を 通 例 と し た。 ロ イ イ ク イ 22 知 念 許 婚 (夫 婦 約 束) す る こ と を い う。 一 45 一
口 夜 の 女 夫 (ゆ ん の み い と) 22 知 念 イ イ ク イ を す ま せ た 後 の 男 女 の 関 係 を い う。 口 遊 野 (あ し び も お) 22 真 和 志 琉 球 王 の 直 領 地 だ っ た 真 和 志 で は、 毛 遊 び は な か っ た が、 夕 食 後、 辻 辻 や 遊 野 に 男 女 が 集 っ て 、 男 は 角 力、 石 差 し 等 を し て 男 女 交 渉 の 機 会 を も っ た。 口 トウ ズ 23 八 重 山 男 女 が 結 合 す る 時 期 か ら す で に そ の 女 性 が、 女 家主 の 古 語 で あ る刀 自と 同 語 であ る トウ ズ と 呼 ば れ た。 ロ ミ ィ ト ン バ 23 沖 縄 本 島 男 女 が 結 合 す る こ ろ か ら 夫 婦 を 意 味 す る こ の 言 葉 で 呼 ば れ た。 口 女 夫 (み い と) 23 沖 縄 家 の 者 の 了 承 を 経 れ ば、 た と え 入 家 前 で あっ て も結 合 した 男 女 は こ のよ う に 呼 ば れた。 口 妻 夫 (と う ず ぶ ど) 23 沖 縄 家 の 者 の 了 解 を 得 た 男 女 の 関 係 を 表 す こ と ば。 女 夫と 同 じ意。 ロ ウ ヤ フ ァ ー 結 び (親 子 結 び) 25 27 与 那 国 島 男 女 が 私 通 の 後、 父 母の 同 意 を 得 て 挙 げる 内 約 式の こ と。 男 は 自 分 の 両 親や 仲 立ち 一 人 と 共 に 女 家 に 赴 き 女 家 の 仏 壇 や 竈 に 線 香 を 捧 げ た あ と、 酒 を 酌 み 交 わ す。 そ の 後 は、 男 は 公 然 と 女 家 に 通 う よ う に な る。 結 婚 に は 親 の 同 意 を 要す る が、 父 母 が反 対 したこと はな い。 口 結 び 26 27 下 地 羽 地 久 高 島 国 頭 地 方 女 家 に 男 女 関 係 の 承 諾 を 求 め る こ と。 口 口 結 ( く ち ひ ち、 又 は く ち び ち か) 、 口 開 (く ち び ら き) 、 口 物 語 (く ち む ぬ が た い) 27 伊 平 屋 結 び と 同 じ 意。 男 の 母親 ま た は 姉 妹 が 女 家 に 行 き結 婚の 承 諾 を 得 る こ と。 ロ ー 合 酒 (い ち ご う ざ き) 26 今 帰 仁 名 護 女 家 に 男 女 関 係 の 承 諾 を 求 め る こ と。 口 二 合 酒 盛 (に ご う ざ き) 26 27 具 志1U 具 志 頭 摩 文 仁 女 家 に 男 女 関 係 の 承 諾 を 求 め る こ と。 口 酒 盛 (さ き む い) 26 勝 連 宜 野 湾 知 念 大 里 糸 満 女 家 に 男 女 関 係 の 承 諾 を 得 る こ と。 口 初 酒 盛 26 城 辺 平 良 女 家 に 男 女 の 関 係 の 承 諾 を 得 る こ と。 ロ ク ハ ン 盛 26 大 宜 味 真 和 志 女 家 に 男 女 関 係 の 承 諾 を 得 る こ と で、 ク ハ ン は も と も と 酒盛 り の 時 の ご馳走 を意 味する。 一 46 一
口 結 び、 口 結 び (く ち む す び) 27 国 頭 地 方 男 の 母 親 ま た は 姉 妹 が 女 家 に 行 き 結 婚 の 承 諾 を 得 る こ と。 こ れ に 違 反 し な いよ う 酒 1、 2 合 を 酌 み 交 わ す。 口 酒 盛 28 金 武 酒 2 合 か 3 合 を 大 抵 夜 分 に 女 親 元 に や り、 親 がそ れを酌 め ば承諾と なり、 後の 酒盛と いっ て、 更 に 1 升 の 酒 を 持 参 し 形 式 的 に 相 談 す る。 口 夜 の 女 夫 (ゆ ん ぬ み い と) 29 知 念 酒 盛 を 終 え た 男 女 の 関 係 を こ う 呼 ぶ。 口 通 い 妻 (か ゆ い と う ず) 29 城 辺 女 家 の 承 諾 を 得 た 後 の 男 女 は こ う 呼 ば れ た。 口 妻 方 居 住 婚 29 与 那 国 親 子 結 び の 後 は 男 が 公 然 と 女 の 元 に 通 い、 忙 しい と き は 互 い に手 伝 い あ う よう に なる。 嫁 が 貧 し か っ た り、 労 働力 が 不足 して い る 場 合 に は、 彼 女 は 長く 実 家 に と どま る こ と に な る。 口 夫 方 居 住 婚 29 池 間 島 城 辺 結 婚 後 少 な く と も 1 カ 月 経 な け れ ば 男 家 に 入 ら ず、 次 男、 三男 の 場合 は、 分 家 独 立 す る と き に は じ め て 実 家 を 離 れ る。 城 辺 で は 子 ど も を 出 産 後、 夫 方 に 居 を 転 ず る。 口 女 の 結 婚 支 度 30 日 常 の 衣 類 の 他 に 1 ∼ 2 枚 を 新 調 し、 普段 の 持 ち 物 を 櫃 に 入 れ て 持 参。 敷き 布 団 代 わ り の ム シ ロ、 糸 車、 糸 籠。 ク シ な ど を い れ る サ バ チ バ コ な ど、 家 産 の100分 の 1 程 度 だ っ た。 口 結 婚 年 令 30 各 地 を 通 じ て、 大 体16.7 歳 か18.9 歳 に 結 婚 し、 遅 く と も24,5 歳 ま で に は 同 棲 自 立 す る。 女 が1.2歳 年 下 な の が 普 通 で、 宮 古 八 重 山 で は1。2歳 上 の こ と も あ っ た。 口 入 墨 30 女 性 は 一 人 前 に な る と 手 の 甲 に 入 墨 を す る 風 習 が あ っ た。 そ れを 入 れ る 時 期 と も 相ま っ て 、 男 性 に と っ て も 大 き な 魅 力 で あ っ た。 宮 古 で は13歳 に な る と 入 墨 し、 国 頭 地 方 で は お よ そ15 な い し18 歳 く ら い に な っ て 結 婚 す る 前 後 に、 八 重 山 で は 結 婚 式 の 頃 に 入 墨 を し た。 中 頭 地 方 や 島 尻 地 方 で は、 子 ど も が で き て か ら と か 結 婚 後 何 年 か 経 て か ら 入 墨 を し た。 大 体24.5 歳 ご ろ ま で に は 入 れ た。 口 結 婚 年 令 制 限 31 金 武 宮 古 八 重 山 与 那 国 結 婚 年 令 を 制 限 す る 内 法 や 法 律 は 存 在 し な い。 沖 縄 で は 早く 結 婚を 促す 傾 向 に あ っ た。 金 武 村 古 知 屋 部 落 で は、 以前 は20歳 にな っ て も 結 婚 しな い と き に は 科 銭を 払 わ さ れ、 金 武 一 47 一
部 落 で は、 村 芝 居 の 仲 間 入 り が で き な かっ た と き も あ っ た。 宮 古 で は 旧 藩 末 期 に 官 庁 か ら 結 婚 を 促 進 す る 法 令 が 出 さ れ た。 八 重 山 の 諸 締 帳 で は 大 抵 男 女18歳 に な っ た ら 帳 面 に 載 せ て、 20歳ま でに 結 婚 を 整 え さ せ る べ き こ と を 明 ら か に し、 そ れ以 上 に な っ て も 結 婚 し な い 者 は、 原 則 と し て 処 罰 さ れ る こ と に な っ て い た。 与 那 国 で は 従 来 再三 通 達 し、 相 変 わ ら ず 年 ごろ に なっ て も 多 数 夫 婦 が 備 わ ら な い の で、 今 後 は 親 兄 弟 で 早々 縁 組 さ せ、 諸 役 人 か ら も 取 り締 ま る べ き 旨、 八 重 山 規 模 帳 に 定 め ら れ て い る。 八 重 山 で は、 誰 と 誰 は 結 婚 せ よ と 命 令 を 出 し た こ と も あ っ た が、 実 行 は さ れ な か っ た。 与 那 国 で も 明 治10年 頃、 年 ごろ の男 女 に 互 い に 婚 約 す る よう に 定め られたこ と があっ たが、 そ れ に よ っ て 一 緒 に な っ た 者 は 一 組 で あ っ た 。 口音信落タト女昏 35 部 落 を 越 え て 通 婚 す る こ と。 近代 ま で 越 え が た い 障 害 が存 在 して い た。 [コ 密 通 36 ム ラ の 公 然 の 歌 舞 を 経 な い で 結 婚 に 至 る こ と。 有 夫 か どう かは 問 題 で は な い。 多 く は女 部 落 に 黙 っ て そ の 女 と 通 じ 結 ぶ こ と。 廃 藩 置 県 後 の沖 縄の 文 書 で は こ の よう な 密通 に姦 通 の 語 を 当 て て い る 。 沖 縄 の 言 葉 で こ れ を 表 す 適 語 は な い。 女 に は 淫 売 と い う 意 味 に 近 い ミ ヤ ラ ビ と 呼 ん だ と こ ろ も あ り、 相 手 の 男 に は 盗 人 呼 ば わ り し た と こ ろ も あ っ た。 口 制 裁 37 近 代 に お け る 密 通 に 対 す る 女 部 落 の 相 手 方 男 性 に 対 す る 対 応 の 仕 方。 そ れ ぞ れ部 落 内 で 自 主 的 に 行 な っ て き た。 制 裁 を 加 え る 者 は 性関 係の 部 面 で は も っ ぱら 二 才 と 呼 ば れる 若 者 た ち の 担 当。 性 に 関 す る こ と で は 若 者 の 総 意 が 部落 の 意 志 を 決 定 す る こ と に なっ た。 ロ ム コ モ チ (婿 持 ) 39 40 42 43 44 宮 古 制 裁 の 方 法 。 大 抵、 夜 間 密 通 に 来 た 他 部 落 の 者 を 取 り 押 さ え て、 若 者 た ち が よ っ て た か っ て 刺 の あ る ア ダ ン や、 サ ル カ チ な ど の 葉 や 蔓 を 巻 き 付 け た 棒 な ど に つ り 上 げ、 字 内 を 引 き 回 し た あ げ く、 溝 に 投 げ 込 み、 半 死 半 生 の 目 に あ わ せ た。 上 地、 与 那 覇、 洲 鎌 で は 激 烈 を 極 め た 。 ロ ァ ッ ツ ァ ギ ー 39 40 42 69 沖 縄 部 落 内 取 締 ま り の た め の 足 枷 式 刑 具。 本名 は 足車。 長さ 4 尺、 直 径 1 尺 ぐ ら いの 丸 太 の 両 側 を 削 っ て そ こ に 長 方 形 の 穴 を う が ち、 こ れ に両 足 を 延 べ 入 れ さ せ、 その 穴 と 交 錯 す る 小 穴 か ら 木 片 な ど を 差 し 込 ん で 苦 し め る も の。 他部 落 間 の 密 通 に も 往々 こ れを 用 い た。 口 村 ウ グ ナ ー 41 宮 古 部 落 全 体 の 会 議 。 そ こ へ は、 村 頭 と し て の 総 聞 以 下 有 志、 家 長、 青 年 等 が 皆 集 ま る。 部 落 の 役 人 た る 与 人 は 関 係 し な い。 一 48 一
口 歌 に よ る 制 裁 44 佐 良 浜 密 通 事 件 が あ る と 字 の 青 年 全 部 が 夜 間 村 落 で 秘 密 の 会 合 を や り、 密 通 し た 男 女 の 関 係 を、 初 め か ら 終 わ り ま で 物 語 っ た 歌 を 作 り、 夜 間 女 の 家の 外に 集 ま り 拍 子 木 様の 物 を持 っ て 歌 い 回 る 。 大 抵 二 晩 か 三 晩 や る 。 ロ ブ ガ マ 樹 48 波 照 間 島 明 治20年 頃 ま で 続 い た 制 裁 で、 ブ ガ マ 樹 と 称 す る 立 木 2 本 に 手 足 を 大 の 字 に 広 げ さ せ 縛 り 付 け 、 悪 臭 の ひ ど い そ の 葉 を 鼻 先 に つ る し、 な お 棒 で 打 っ た り 蹴 っ た り し て 死 に 至 ら し め た こ と も あ っ た と い う 。 ロ ナ ビ ン ドー 入 り 48 小 浜 島 ナ ビ ン ド ー は 小 浜 島 の 地 名。 アカ マ タ 組 に 入 る こ と。 男 は14,5 歳 で 加 入 を 申 し 込 み、 そ の 操 行 を 調 べ て 字 民 協 議 の 上 で 加 入 さ せ、 女 は 将来 貞 操 を 守 り 夫 婦結 合 の 見 込み があ る と 字 民 が 認 め た 者 に 限 っ て 申 し込 み によ り 参 加 さ せた。 加 入 者 で 貞 操 に疑 わ しい か ど があ る と 旧 6 月 の 豊 年 祭 に ナ ビ ン ドー で 字 の 有 力 者 か ら 厳 重 な 訓 戒 を 受 け る の で、 一 般 婦 女 子 も こ れ を 恥 と し て 平 素 か ら 貞 操 を 慎 ん で、 他 字 の 者と の 密 通 を 避 け た。 口 科 銭 51 53 54 55 56 本 部 屋 部 勝 連 大 里 旧 藩 時 代 異 部 落 間 密 通 の 場 合 は 男 か ら300貫 文、 女 から150貫 文 を とる こと にな っ て い た が、 大 抵、 酒 1 斗 く ら い で す ん だ。 ( 本 部) 若 者 が 密 通 の 現 場 を 押 さ え る と、 引 受 人 が 出 るま で青 年 会 場 の 近く にく く り つ け、 時の 吟 味 次 第10円 く ら い の 科 銭 を 申 し 渡 し、 半 分く ら い です ま せ た。 (屋部) 他 部 落 か ら 私 通 に 来 た 男 に 対 し 三 尺 棒、 ま た は六 尺 棒 で 暴 行 を 加 え、 相 手 の 女 性 は 角 柱 に 藁 で つ く っ た 馬 頭 を つ け た も の に 乗 せ て、 自 部落 内 を ドー ドー と 掛 け声 し 太 鼓銅 鋸 を 打 ち な ら し つ つ 担 ぎ 回 る こ と を 例 と し た。 な お 女 の 方 から 科 銭 ま た は 酒1 斗 く らい を 徴 収 す る こ と も あ っ た。 (勝 連) 他 部 落 の 男 と 自 部 落 の 女 の 密 通 が 発 覚 す る と、 男 の 方 か ら 科 銭300貫 文、 な い しは700貫 文 も し く は 泡 盛 1 荷、 な い し は 3 荷 (1 荷 は 1 斗 壷 2 個) を 徴 収 し た。 (大 里) 口 馬 酒 (ま 一 ざ き) 51 52 大 宜 味 金 武 密 通 を 見 つ か っ た 他 字 の 男 は 青 年 た ち か ら 制 裁 を 受 け、 要 求 どおり の 酒を 出 した。 ミ チ カ イ 酒 (道 借 酒) と も い い、 女 の 人 気 や 男 の 財 産 な ど に よ っ て 異 な る が 、 大 体 は 酒 4,5 升 か ら 1 斗 く ら い で あ る。 相 手 の 女 の制 裁 と し て は説 諭 す る く ら い であ る。 (大 宜 味) 密 通 を し た 他 部 落 の 男 か ら 科 銭 を と っ た。 し か し、 そ れ は 科 銭 と は い わ ず、 馬 酒 と い っ た。 こ れ が払 え ない と 男 を 木 馬 に 乗 せ御 嶽 や 御 川 を 引 き 廻 す。 女 へ の 直 接 制 裁 は な い。 (金 武) 一 49 一
ロ ミ チ カ イ 酒 (道 借 酒) 52 大 宜 味 馬 酒 の こ と 。 口 馬 乗 せ 53 本 部 密 通 の 男 を 棒 ま た は シ ュ ロ の 木 に 乗 せ て、 部 落の 大 路 を引 き 廻す 制 裁。 口 馬 手 間 54 77 恩 納 他 字 の 男 と 密 通 し た 女 が 妊 娠 す る と、 女 部 落 の二 才 た ち が 額 を 決め 使い の青 年を たて て、 相 手 の 男 に 通 告 。 男 も 女 の 家 で も 払 わ な い と な る と、 「馬 乗 し ゅ ん」 と い っ て、 木 材 を キ 型 に 組 合 せ、 そ の 中心 に男 を ま た が せ 2 本 の 横 木 をそ れ ぞれ 二 人 ずつ で かつい でつ りあ げ、 部 落 内 数 カ 所 の 共 同 井 戸 を 引 き 廻 し て そ の 水 を 飲 ま せ た。 しか る 後 は免 責 さ れて 公 然 と 出 入 り で き る し、 婚 家 の 祝 い も せ ず に、 一 緒 に な っ た。 口 若 者 揃 い 55 知 念 15歳 か ら25 歳 ま で の 者 が 揃 っ て、 他 部 落 の 男 と 通 じ た 女 の 制 裁 に つ い て 相 談 す る こ と。 口 村 内 法 59 60 旧 藩 時 代 の 藩 庁 の 文 書 の 中 に 見 ら れ る 部 落 の 一 般 的 な 自 主 的 取 り 締 ま り。 問切 り や 島 に 上 か ら 令 達 さ れ た と 認 め ら れ る。 当 時 こ れ に 相 当 する 地 方語 と して は、 沖 縄 本 島 で は村 締 め、 村 固 め、 村 吟 味 と か い っ た 用 語 し か 用 い ら れ て い な か っ た。 [:]内 法 60 明 治18年11月 乙 第77号 達 に よ り 全 県 各 島、 各 間 切 別 に そ れ ぞ れの 部 落 旧 慣 を 過 不 足 なく 届 け 出 で さ せ、 以 後 内 法 と して 成 文 の 大 法 典 が集 成 さ れ た。 た だ し、 内 法 の 本 体 は 部 落 ご と に 実 在 す る 準 則 に 他 な ら な い。 内 法 は 県 当 局 に 届 け 出 たも の の 総 体 に す ぎな い。 届 け 出 に も れ た も の も あ る。 ほ と ん ど村 内 法と 同 趣 旨か、 そ こ か ら 由 来 した と 見 ら れ る 条 章 も 含 ま れ る。 口 姦 通 62 有 夫 姦 の 意 で は な く、 異 部 落問 の 若 者 の 密 通 を 極 度 に 罪 悪 視 した た めの 表現 と思 われる。 口 淫 行 者 取 り 締 ま り 63 与 那 城 具 志 川 異 部 落 間 男 女 の 密 通 に 対 す る、 問 切 内法 の 条項。 科 銭 も しく は 過 金を 払 わ せ、 そ の 金 で 村 中 揃 い で 酒 を 買 い、 処 分 し た。 口 所 払 い 65 部 落 か ら 排 撃 追 放 し て し ま う こ と。 内 部制 裁 の 極刑 と して 古 く か ら 慣行 さ れて い た。 西 原 の 内 法 に は 淫 乱 の 挙 動 が 改 ま ら な い 時 は 女 本 人 だ け 所 払 い す る 旨 明 記 さ れ て い る。 一 50 一
口 夫 (妻) を フ カ ス 66 夫 婦 間 を 侵 犯 す る 姦 通 に あ た る 表 現 で、 夫 (妻) の 目 を かす めく ぐる 意。 個 人 的 に 処 理 さ れ る こ と が 多 く、 与 那 国、 下 地 な どを 除 き、 異 部 落男 女間 の 密 通 にお ける よ う な 制 裁 は ほ と ん ど な か っ た。 ロ マ ル ツ 67 下 地 制 裁 の 方 法 で、 有 夫 の 女 の 姦 通 に 対 す る 制 裁。 夫 が 姦 通 し た 妻 を 後 ろ 手 に 縛 り、 そ こ に 棒 を 通 し て 回 し、 痛 め 付 け る。 ロ ス ネ ス ボ リ 67 下 地 近 代 に な っ て 行 な わ れ た 有 夫 の 女 の 姦 通 に 対す る 制 裁。 姦 婦 の 素 行 がおさま らな い時 は、 親 類 が、 女 の 足 を 延 べ さ せ 木 で ス ネ の 上 を 縛 る 拷問 的 制 裁。 口 首 賃 67 国 頭 姦 通 を 犯 し た 女 か ら、 夫 の 側 の 門 中 が 酒 を 取っ て 飲 む 制 裁。 ロ ジ ュ リ ミ ヤ ラ ビ 68 宮 古 の 五 箇 有 夫 の 女 が 姦 通 を 犯 し た 時 は、 ジ ュ リ ミ ヤ ラ ビ と 記 し た 角 板 に 訳 を 書 い て、 女 の 首 に は め 引 き 回 し た 。 〔コ 科 律 68 1786年 に 制 定 さ れ た 沖 縄 最 初 の 成 文 大 法 典 『琉 球 科 律』 の こ と。 有 夫 の 和 姦 は男 女 と も 原 則 と し て 3 年 の 流 刑 に 処 す る と 定 め ら れ て い る。 口業斤集弄斗律 68 1831年 科 律 を 追 補 制 定 し た も の。 ロ パ リ 69 下 地 2 本 の 丸 木 に は り つ け に す る 制 裁 の 方 法 で、 マ ル ツ な ど と 同 じ、 財 産 を 使 い 果 し た 子 弟 に、 戸 主 ・ 親 族 が 姦 通 し た 妻 に、 家 人 が 盗 人 に 行 っ た。 ロ ヤ ガ マ 札 76 金 武 並 里 夜 間 女 が 一 人 歩 き す る と、 こ の 札を 渡 さ れ、 次 の 違 反 者 を 見 い だ して こ の 札 を 渡 す ま で は、 1 日10 銭 を 払 わ さ れ る こ と に な っ た 。 口 青 年 札 76 金 武 並 里 ヤ ガ マ 札 か ら 発 展 し て 昭 和 初 年 頃 に 風 俗 取 り 締 ま り に 使 わ れ た 札。 口宇兄f義ラ酉 76 83 月券 連 他 部 落 の 者 と の 結 婚 で、 男 が 女 方 の 部 落 の 二 才 た ち に 馬 手 間 を 払 い、 な お 即 座 に ふ る ま っ た 1 斗 ば か り の 酒。 口 二 才 揃 76 勝 連 他 部 落 の 男 と の 結 婚 を 許 可 す る 際 の 馬 手 間 の 額 を 相 談 す る た め に 青 年 た ち が 会 合 す る こ と。 一 51 一
口 二 才 御 物 76 77 83 勝 連 北 谷 他 部 落 の 男 と 結 婚 す る 女 か ら 払 わ れ た 馬 手 間 は、 青 年 の 基 本 金 と し て積 み 立 て ら れ た。 そ の 金 銭 の こ と。 ム ラ 芝 居 や 綱 引 き の 費 用 に 使 わ れ た。 大 正 元 年 ご ろ ま で あ っ た が、 後 は 脅 迫 罪 と し て 刑 事 事 件 に な る こ と を 知 り、 徴 収 し な い よ う に な っ た 。 ロ ウ マ ン ジ ャ ー 77 摩 文 仁 馬 の 謝 の 意 味 か。 馬 手 間 の こと。 他 部 落 の 男 と の 結婚 には 婚 礼 の 三 日 前 に こ れ を取 り、 そ の 上 で 婚 礼 さ せ ら れ た。 口 地 人 揃 (じ ん ち ゅ ず り) 77 摩 文 仁 小 渡 部 落 で、 地 割 り を 受 け る 家 の 主 が 集 ま っ て ウ マ ン ジ ャ ー の 額 を 決 め る こ と で、 青 年 だ け で 決 め た の で は な い。 ロ イ ン ジ ョ ウ ジ ン 79 157 158 159 160 161 162 163 165 中 頭 地 方 の 成 文 内 法 で は 結 婚 式 前 に 男 家 か ら 女 家 に 贈 る 金 銭。 越 来 間 切 内 法 で は、 姻 粧 銭 と 記 す。 名 護 で は 結 婚 式 前 に 女 家 に 贈 る お 金 で 支 度 料 に つ か う。 廃 藩 置県 後 始 ま っ た と いう。 系 持 ち の 呼 称。 島尻 地 方 で は印 形 銭 の 文 字 を あ て る。 口 若 者 頭 81 二 才 (若 者 ) の 中 で 44.5歳と か 40 歳 と か の 年 長 者 。 口 馬 賃 81 美 里 恩 納 異 部 落 問 の 男 女 の 結 婚 に 際 し、 男 が 払う 金銭 のこ と で、 馬 賃 と 称 する と こ ろ は 酒 に 優 先 し て 古 く か ら お 金 が 払 わ れ て い た。 口 馬 酒 81 地 域 に よ っ て 馬 酒 代 、 馬 賃、 馬 酒 料 な ど と 記 す。 北 谷 で は 内 法 で 馬 酒 と 書 き、 現 金 を 徴 収 し て い た。 日 常 語 と し て は馬 手 間 が一 般 的 で あ る。 口番艮引 酒 85 国 頭 3 月 4 日 に 1 年 分 の 異 部 落 間 結 婚 に つ い て 各 1 升 ず つ を 取 っ て 青 年 が 飲 む 酒 のこ と。 同 部 落 内 の 結 婚 で も 5 合 ず つ を 出 さ せ る と い う。 ロ ジ ョ ウ ユ ゥ 86 大 宜 味 異 部 落 間 結 婚 の 時 は 女 家 の 組 の 青 年 達 が、 男 の 方 か ら2 升 な い し5 升 の 範 囲 で徴 収 す る 酒 の こ と。 同 部落 内 結 婚 で も 他 の 組 の 者 か ら は 取 る。 ジ ョ ウ ユ ゥ と は 雑 用 の 意 味 ら し い 。 口 交 際 酒 (ま じ わ い さ け) 86 羽 地 異 部 落 間 結 婚 の 場 合、 女 部 落の 二 才た ち が相 手の 男 か ら 取 っ た 5 合か ら1 升の酒 のこ と。 一 52 一
口 朋 友 開 86 羽 地 内 法 で 規 定 さ れ た 異 部 落 間 結 婚 の 際 は、 焼 酎 1 升 を 徴 収 す る こ と を 言 う。 口 地 手 間 86 国 頭 中 頭 島 尻 異 部 落 問 結 婚 に 際 し、 馬 酒 と 並 行 し て 女 が 負 う べ き 一 生 の 公 租 公 課 を、 男 の側 か ら 女 の 部 落 へ 納 め さ せ た こ と。 口 正 頭 87 部 落 の 総 頭 数 か ら 役 人 や 老 幼 の 頭 数 を 引 き 去 っ た も の。 口 正 頭 米 (そ お じ め え) 88 し い ど め い と も 発 音 す る。 他 部 落 へ 嫁 ぐ女 の 女 部 落 での 税 の 負 担 分 を相 手 の男 に 払 わせ る こ と で、 年 々 払 う も の を 言 う 。 名 護 で は 請 銭 と い う。 口 頭 公 役 賃 88 正 頭 米 を 一 時 に 支 払 う こ と。 [コ 公 役 手 間 米 88 国 頭 大 宜 味 異 部 落 問 結 婚 に 際 し、 男 の 方 か ら女 の村 の 番所 に5 な い し7 俵 を届 けさ せ た 米 の こ と。 内 法 に 規 定 さ れ て い る 。 問 切 に よ っ て 諸 公 役 米、 頭 米、 公 役 免 頭 金 な ど と 記 さ れ て い る。 口 正 頭 割 89 恩 納 異 部 落 問 結 婚 に 際 し、 女 の 方 の 部 落 に700貫 文 以 上、 千 貫文 以 下 を 差 し 出 さ せ て 許 す こ と。 口 公 役 免 89 異 部 落 結 婚 に 際 し、 女 の 村 へ 男 の 方 か ら 毎 年 支 払 った 公役 米を 、3 年 く ら い で 許 し て や っ た こ と。 口 頭 の 税 89 知 念 異 部 落 間 結 婚 に 際 し 馬 手 間 の ほ か に、 男 か ら女 の 部 落 が 取っ た約20円 の 金 銭 の こ と。 []{頃力戎 96 126 『羽 地 仕 置』 に 見 え る 遊 女 の 別 称。 作 者 の 羽 地 朝 秀 向 象 賢は 田 舎 人 が 傾 城 を 出 し、 また そ れ を 慰 め る こ と を 禁 じ、 地 頭 や 役 人 も 惑 溺 す る 者 が 多 く あ る の で そ の 取 り 締 ま り 方 を 三 司 官 に 申 し 送 っ て い る 。 口 辻 ・イ中 島 96 羽 地 朝 秀 向 象 賢 は 各 地 に 散 在 し て い た 傾 城 た ち を 一 カ 所 に 集 め 屋 敷 を 与 え た。 そ こ が 辻 ・ 仲 島 で あ る 。 口 赤 峰 御 嶽 (下 地) 大 城 御 嶽 (狩 俣) 99 神 に 仕 え る 多 数 の 女 が 数 夜 神 ア ヤ ゴ を う た い、 夜 籠 も り を す る 御 嶽。 一 53 一
口 遊 女 ズ リ 発 生 の ロ 伝 え 100 尚 真 王 の 世 子 妃 が 没 し て 後 そ の 墓 屋 を 番 し て い た 侍 女 共 の う ち で 売 春 し た の が ズ リ の 始 め で あ る と い う。 そ の 後 も 貴賎 に 拘 ら ず 同 様 の 生 業 に 就 き、 外 島 貿 易 の 客 にも 接 して い た と 認 め ら れ る 文 献 が 多 々 あ る。 口 恩 納 な べ 101 恩 納 御 教 条 発 布 〔1732年〕 の こ ろ の 女 詩 人。 地 方 村 落 の 遊事 と して の 歌 舞 の 禁 止を 風刺 的 に う た っ た 。 口 上 層 家 門 113 国 の 役 職 に 当 た る 系 持 ち で 公 認 の 系 譜 を 持 つ。 日 常 語 では 良 人 (ゆ かっ ちゅ) と称 し、 無 系 の 百 姓 と 区 別 し た 平 士 な どの 例 も あ る が、 ほ と ん ど士 と は 言 わ な かっ た。 久 米 島 で は こ の 種 の も の を 役 人 の 意 味 で 奉 公 人 と い い、 系 譜 は 与 え ら れ な か っ た が系 持 ち と 同 様 な あ つ か い で あ っ た。 お お よ そ こ の よ う な 人 々 の 総 称 で あ る。 ロ ヤ ァ ド ゥ リ ( 屋 取 り) 115 126 田 舎 落 ち し た 系 持 ち と そ の 子 孫 は 漸 次 相 寄 り 相 加 わ っ て 近 代、 各 所 に 村 落 のよ う なも の を 形 成 す る に い た っ た。 沖 縄 本 島 で は、 こ れ を 仮 に 余 所 に 宿 る 意 で か く 称 す る。 ロ モ ヨ リ 115 宮 古 宮 古 で は 田 舎 落 ち し た 系 持 ち た ち を、 土 地 の 便 宜 に つ いて 移 っ て 来 た 趣 旨 でモ ヨリ と 呼 ぶ。 し か し、 後 に は 系 持 ち に は 限 ら な く な っ た 。 口 上 層 家 門 と 女 子 の 性 的 結 合 の 実 情 116 上 層 家 門 の 間 で は 若 い 男 女 の 歌 舞 も な く、 た ま た ま 私 通す れ ば一 家 一 門 一 般 か ら ひ ど い 制 裁 を 受 け た。 た と え ば、 旧 藩 末 期 に 系 持 ち の 娘 の 私 通 に 当 人 が 三 日 間 日 晒 し に あ い、 そ の 家 も た た き 壊 さ れ 所 払 い に さ れ た。 平 良 で は 親 が 娘 を 追 い 出 す か、 相 手の男 に嬰らす か、 親 が 相 携 え て 田 舎 落 ち す る よ う な こ と も あ っ た。 女 の 顔 に入 墨 を した よう な 実例 も ある。 上 層 家 門 で は、 双 方 の 親 が そ の 婚 約 を 司 っ て い た。 首 里 ・ 那 覇 で は 子 ど も が 生 ま れ る と、 同 時 に、 ま た は10歳 く ら い に な っ た 時 に、 終 生 の 配 偶 者 が 決 め ら れ た。 子 ど も の 婚 姻 に は 女 親 が 関 係 主 宰 し た こ と は、 上層 家 門 も 百 姓 も 同 様 で、 結婚 年 令 で は 女 が 年 上 の こ と も 相 当 あ っ た 。 口 和 姦 117 家 か ら の 肯 定 を 得 な い 密 通。 和 姦 の 男 女 を 寺 入 り80日 に 処す る 規 定 を お い た が、 こ れ は 家 の 者 か ら の 訴 出 の あ っ た と き に 限 っ て 慎 重 に 取 り 上 げ る 旨 定 め ら れ て い て、 直 接 適用 さ れ た 例 は な か っ た よ う で あ る 。 一 54 一
口 上 層 家 門 に お け る 酒 盛 118 酒 盛 は 厳 格 に 行 な わ れ た。 一 般 百 姓 と は 異 な っ て 酒盛 は許 婚 を 意 味 した。 ロ オ ボ コ リ 羽 9 那 覇 吉 日 を 選 び、 婿 側 か ら 母 親 と 近 親 の 女 一 人 が、 下 女 に 細 い 島 ソ ー メ ン と ビ ン シ ー 一 対 す な わ ち 酒 2 合 を 持 た せ、 女 家 に 赴 く。 女 家 で は 形 式 的 に煙 草 盆 と お 茶 を 出 し、 そう め んの 吸 い 物 と ア ン ダ ギ ー が 出 て 杯 ご と と な る。 そ れ は 婿 側 か ら ば か り 杯 を さ し て、 帰 る ま で に ビ ン シ ー の 酒 を す っ か り あ け る こ と に な っ て い る。 オ ポ コ リ と は ホ コ ラ シ ャ ン と 同 意 で、 感 謝 す る 意 で あ る。 ロ ク ハ ン ム イ 119 首 里 オ ボ コ リ の す ん だ 夜、 婿 側 が 嫁 側 の 近 親 を 招 待 し 小 宴 を 持 つ こ と。 大 ア ガ マ、 小 ア ガ マ と い う 老 若 二 人 の 口 利 き の よ う な 女 が 正 装 し て、 包 酒 持 (ち ん ざ き む ち) と い う 男 に 酒 を 持 た せ て 女 家 に 赴 い た。 ロ フ コ ォ ラ サ 119 八 重 山 四 箇 で は、 嫁 入 り の 支 度 に か か る 時 期 に 婿 側 が 酒 一 対 と お 重 に フ コ ォ ラ サ 餅 を 詰 め て 女 家 に 贈 っ た。 口 上 層 家 門 男 性 の 性 的 特 権 120 中 央 に あ っ て は 遊 里 が 彼 ら を 待 ち も う け て お り、 宮 古、 八重 山の 中 心 街 の 子 弟 た ち は、 近 隣 部 落 の 娘 た ち と 月 下 に 歌 舞 を 思 い の ま ま に し、 役 人と し て 赴 任 し た 先 で は 至 る 所 で美 女 を 妻 と し た。 ロ ジ ュ リ 122 以 前 は 系 持 ち も ジ ュ リ に出 て い た。 階 級 の 確 立 と と も に系 持 ち か ら ジュ リ を 出 す こ と が 厳 禁 さ れ た の で、 そ れ 以 後 は ジ ュ リ は す べ て 無 系 の 女 と な っ た 。 口 傾 城 証 文 122 1692年 頃 か ら 毎 年10月、 首 里、 那 覇 の系 持 ち な どの五 人組 に 提 出 さ せ た 傾 城 を 慰 める 者 が な い こ と を 誓 わ せ る 文 書。 ロ ユ ゥ ベ ェ 123 妾 の こ と。 沖 縄 本 島 の 士 分 役 人 も 近 代 、 ジ ュ リ 以 外 の 女 を い わ ゆ る ユ ゥ ベ ェ と し て か こ う こ と が あ っ た 。 旧 藩 末 期 頃、 首 里、 那 覇 の 系 持 ち は 大 半 遊 里 に 外 妾 を も っ て い た。 口 旅 妻 124 宮 古 八 重 山 役 人 が 任 地 で 妾 に し た 部 落 の 女 性 の こ と。 任 地 先 で の 一 時 的 便 宜 の た め で あっ て、 駐 在 の 期 閤 だ け 当 該 部 落 の 女 一 人 と 事 実 上 同 居 し た。 口 宿 引 女 124 宮 古 旅 妻 の こ と を 文 書 で は こ う 書 く。 一 55 一
口 賄 女 124 八 重 山 旅 妻 の こ と を 文 書 で こ う 書 く。 口 掟 (う っ ち) 126 沖 縄 本 島 地 方 部 落 の 長 で、 無 系 出 身 の 者 が漸 次昇 進 して 問 切 の 役職 に 就 いた も の で あ る か ら、 旅 妻 な ど の 問 題 は 全 然 起 こ ら な か っ た。 口 居 住 人 (ち ゅ じ ゅ う に ん) 126 地 の 利 を 求 め て 田 舎 落 ち し た 系 持 ち を、 部 落 の 人 は こ の よ う に 呼 ん で 寄 留 人 扱 い を し た。 彼 ら は 自 ら 性 的 い ま し め に 拘 束 さ れ て い て、 性 的 に は 最 も 閉 じ こ め ら れ た 境 遇 に あ っ たと い え る。 口 地 人 (じ ん ち ゅ) 126 居 住 人 が 荒 地 な ど を 開 拓 し て 一 人 前 の 農 家 と な り、 年 久 しく して 百 姓 と 同 化 した 者。 ロ ヤ ア ド ゥ リ (屋 取 り) 126 田 舎 落 ち し た 系 持 ち が つ ぎ つ ぎ に 移 住 し て 来 て、 旧 部 落 の 付 近 に 構 城 し た 新 興 部 落 の こ と。 こ の 頃 に は性 関 係 にお い て も 百 姓 部 落 の 者 と 同 様 にそ の 女 と も 通婚 する こと があっ た。 [コ 居 住 人 の 密 通 127 沖 縄 本 島 全 体 と し て 系 持 ち の 二 才 達 が 百 姓 女 と 密 通 す れ ば、 他 部 落 の 者 同 様 の取 り 扱 い を 受 け た は ず で あ る が、 密 通 そ の も の が ほ と ん ど な か っ た の で、 制 裁 の 実 例 も 極 め て 稀 で あ っ た。 従 っ て 成 文 内 法 の 科 銭 の 制 裁 に 関 し て 特 に居 住 人 の 場 合 と 明 示 した とこ ろ は 一 つ も な い 。 口 居 住 人 の 正 頭 米 負 担 127 大 宜 味 名 護 居 住 人 や 寄 留 人 が 村 の 女 を 妻 に す る と き は、 正頭 米 の 負 担 を 内 法 で 命 じ た。 口 上 層 家 門 の 性 的 発 展 128 歌 舞 の 抑 制 と 不 自 由 結 婚 の た め に、 上層 家 門の 者 は 漸 次 外 部 へ 性 的 な 発展 を した。 [コ 宮 古 ・ 八 重 山 の 系 持 ち の 性 的 発 展 128 中 心 地 で は か っ て 部 落 内 で 士 民 が 歌 舞 を し て い た の が 厳 禁 さ れ た の で、 近 辺の 部 落 に 進 出。 前 か ら の 歌 舞 仲 間 の 部 落 に 進 出 し た の だ ろ う。 口 性 方 面 へ の 職 権 の 乱 用 128 石 垣 四 箇 辺 で は、 密 通 に 来 た系 持 ち に 女 部落 の青 年 たち が 投 石 殴 打 な どを して、 後 で わ か る と か な ら ず 制 裁 さ れ る の で こ の よ う な こ と は し な か っ た。 そ の 結 果 近 代 にお いて は 系 持 ち に 対 し て は 何 ら の 制 裁 も せ ず、 自 由 な 進 出 の ま ま に ま か せ ら れ た。 僻 遠 の 島 々 で は 旧 藩 末 期 ま で は 官 治 的 で あ っ た が、 そ こ で 役人 が職 権 を 性 方 向 に も 乱用 し相 手 もこ れ に従 っ た。 一 56 一
口 上 納 差 免 129 宮 古 八 重 山 上 層 の 者 が 職 権 を 乱 用 し て、 駐 在の 先々 で 百 姓 女 を 妾 と した。 相 手 の 女 に 経 済 的 特 典 を 与 え た こ と が 制 度 化 し た も の。 そ の恩 恵 が 女 の 一 家 子 孫 に ま で及 ん だの で 役 人 の 旅 妻 が一 般 的 と な っ た。 女 の 方 も 彼 ら の 意を 迎 え 入 れ て 納 税 に お い て 手加 減を 期 待 す る よう に なっ た。 八 重 山 で は そ の 弊 風 は な は だ し い も の が あ っ た。 口 ニ ィ ビ チ ジ ュ リ 138 首 里 那 覇 性 に お い て 経 験 の な い 系 持 ち の 男 は、 結 婚 式 前 後 の 遊 び 相 手 と し て ジ ュリ を買 わ ね ばな ら な か っ た。 その 資 金 は 薪嫁 の 女 友 達 が 結 婚 式 の朝 か ら素 麺 1 貫 く ら い で 売 り上 げた の を 持 た せ た。 そ れ が少 な い と 交 際 が狭 い な どと 苦 情 を い わ れ た。 口 旅 妻 禁 止 139 宮 古 八 重 山 旅 妻 は 百 姓 男 女 の 結 婚 の さ ま た げ に な り、 旅 妻 だ け に 経 済 的 特 典 を 与 え る の は、 納 税 単 位 で あ る 部 落 全 体 に 迷 惑 を か け る こ と に な る 、 以 上 の 理 由 か ら 安 政 4 年、 明 治 7 年、 明治 25 年 に 禁 止 令 が 出 さ れ た。 口 結 婚 促 進 139 八 重 山 男 女 共 原 則 と し て18歳 か ら20歳 ま で の 内 に 結 婚 す べ き こ と を 通達。 口 婚 嫁 儀 式 146 一 合 酒、 二 合 酒、 酒 盛 、 ク フ ァ ン、 一 門 開 き、 根 引 き 祝 い 、 な ど 結 婚 に 至 る ま で と そ の 後 の 祝 い な ど の 諸 儀 式 。 式 の 形 と し て 重 大 な の は 酒 盛 の 類 と ク フ ァ ン と 根 引 き で あ る。 口 根 引 祝 (に び ち いわ い) ま た は 根 引 147 150 嫁 を 迎 え る 際 の 行 事 で、 婿 入 り の 儀 式 と 嫁 入 り の 儀 式 の 二 段 階 に 分 か れる 。 ま た 三 日 の 祝 い と か 初 招 待 と か い わ れ る 後 祝 い が付 加 さ れる こ と が あ る。 婚 嫁 儀 式 の 最 終 段 階 と し て 行 な わ れ る 儀 式 で、 自 由 結 婚 で は こ の 後 昼 夜 男 家 に 同 棲、 不 自 由 結 婚 で は こ の 後 初 め て 夫 婦 関 係 に入 る。 口 群 根 引 (ぶ り に い び ち) 155 金 武 毎 年 九 月 九 日 す な わ ち 「く っ つ く」 と いう 語 呂 の 日 に 村 中同 時に あ ち こ ち で 挙 式す る こ と に な っ て い た 。 口 初 招 待 (ま た は 三 日 の 祝 い、 三 日 招 待 と も) 156 新 夫 婦 が 、 根 引 の 翌 日 ま た は 三 日 目 に 嫁 の 実 家 に 伺 う 儀 式。 ロ イ ル ミ 156 157 158 159 160 仲 里 羽 地 根 引 の 前 日 に、 当 日 の ご 馳 走 の 材 料 を 男 家 か ら 女 家 に 届 け る こ と 。 入 目、 す な わ ち 入 要 物 の 意。 羽 地 で は 身 代 (どう しる) とも 言 う。 口 大 ナ フ ァ ン チ ュ ( う ふ) 157 伊 平 屋 根 引 の こ と。 連 人 衆 (ち り に ん じ ゅ) が 御 花 米 (み ふ あ な み) 、 御 花 御 酒 (み ふ あ な う 一 57 一
ぐ し) 、 シ ジ リ ブ タ と い っ て お 重 に 豚 肉 を 詰 め た も の を 持 参 し て 婿 に 付 き 添 い、 女 家 に 行 き 嫁 を 連 れ て 来 る 儀 式。 口 大 ア ガ マ 157 首 里 嫁 迎 え の 際 の 行 列 で 提 灯 持 ち や 媒 の 次 に 付 く、 場 隈 れた 老 女 の こ と。 口 小 ア ガ マ 157 首 里 大 ア ガ マ の 次 に 付 く 若 い 女 の こ と 。 口 糸 代 159 本 部 新 婿 の 晴 れ 着 を 花 嫁 が 仕 立 て る 縫 い 糸 代 と し て、 特 に嫁 の 方 で34。5貫 す な わち70銭 く ら い を 申 し 受 け て い た。 口 身 代 銭 (み で い し ん) 160 今 泊 女 家 に33貫350を 与 え さ ら に 手 入 物 と し て 通 常 6 円 く ら い を 贈 っ た 金 の こ と。 ロ ド ゥ シ ル 160 嫁 を め と る と き 雑 用 と し て、 夫 の 家 か ら 米 や 金 を 女 家 へ 贈 る こ と で 、 百 姓 用 語。 口 俵 持 た す ん 163 那 覇 吉 日 に 婿 側 か ら ミ サ ダ リ と 称 す る 老 婆 を 案 内 人 に 米 俵 と 御 酒 代 を 下 碑 に 持 た せ 女 家 に 行 き そ こ で、 杯 ご と を す る。 口 土 産 酒 (ち し う ざ き) 164 那 覇 嫁 迎 え の 際、 男 家 か ら 持 っ て き た 瓶 子 の 酒 は 女 家 で あ け て、 女 家 で 新た に満 た した 酒 の こ と 。 そ れ に、 素 麺、 真 米、 塩、 茶 な ど を 携 え て 嫁 入 り す る。 口 ト ウ ツ 164 宮 古 八 重 山 自 ら 織 っ た 反 物 や 手 拭 、 帯 な ど、 花 嫁 が 婿 家 に 贈 る 土 産 物 の こ と。 ロ サ サ ゲ キ 166 宮 古 結 婚 す る こ と 。 ニ イ ビ チ は 那 覇 か ら の 外 来 語。 ス サ ゲ、 サ サ ゲ と い う 記 載 も あ る。 ロ ア イ ナ ー ヨ イ 166 八 重 山 婚 礼 の こ と 。 ロ ム ク ゾ ー イ、 ム ク ゾ ー エ 168 首 里 那 覇 婿 添 か 。 婚 礼 の と き 婿 に 付 き 添 っ て 行 く 者。 宮 古 で は ム コ ジ ョ オ、 ム コ ザ オ と い い 同 系 で あ ろ う 。 口 歳 人 (と し の ん ち) 168 久 米 島 具 志 川 ム ク ゾ ー イ の こ と。 口 果 報 の 人 168 八 重 山 竹 富 島 ム ク ゾ ー イ の こ と 。 一 58 一
口 馬 乗 せ 169 花 嫁 側 の 二 才 連 が 婿 を 馬 に 乗 せ、 さ ま ざま な い た ずら を しな が ら 無 理や り花 嫁 の 家 に 案 内 す る こ と。 馬 と は 米 つ き 用 の 杵 に、 馬 頭 を 描 い て 兎 の 餅 つ き 式 杵 を し ば り、 手 綱 を つ け 石 や 割 れ た 茶 わ ん の 睾 丸 ま で 備 え た 木 馬 で あ る。 口 嘉 例 馬 (か れ い う ま) 171 嫁 の 親 類 が 婿 を 米 つ き 棒 そ の 他 の 丸 木 棒 に 乗 せ て、 字 内の 大 路 を 担 ぎ廻 る こ と。 口 舅 拝 (す た さ お が む) 174 伊 良 部 口 婿 弄 (む く ん だ び) 174 伊 良 部 新 婿 が 女 家 の 舅 拝 の 行 っ た 帰 り を つ か ま え て、 若 者 ども が群 衆 して 辻 ごと に 胴 上 し て、 表 面 上 は 優 待 の 意 味 で そ の 実 滑 稽 的 に 虐 待 し た も の。 [コ 神 御 棚 ( ル ビ は “ か み う た ま ” と な っ て い る が、 “か み う た な” の ま ち が い で あ ろ う ) 175 床 の 前 と も 言 う。 神 霊 化 し た 祖 先 を 祭 っ て い る 棚 。 婿 入 の 時 霊 前 に 先 だ っ て 婿 は こ こ を 拝 む 。 ロ ム ク ツ ズ ヤ ド 179 宮 古 婿 入 か ら 戻 っ て 来 た 婿 が、 嫁 入 の 時 刻 ま で 友 人 た ち と 遊 ぶ と こ ろ。 口 遊 座 (あ し び ざ あ) 179 那 覇 婿 が 嫁 入 の 直 前 ま で、 そ の 友 人 た ち と 遊 ぶ 遊 里 に 設け た 遊 び の 場。 嫁入 り がす ん だ後 も こ こ に 戻 る 。 ロ ド シ ヨ ビ 180 伊 平 屋 婿 が 根 引 の 晩 友 人 に 酒 を 振 る 舞 う こ と。 口 立 酌 180 那 覇 夜 も ふ け て、 花 嫁の 門 出 が迫 る と 母 子 の 間 に 訣 別 の 杯 ご と を 行 な う こ と。 仏 壇 の 障 子 も 閉 め ら れ、 母 親 は 娘 に飾 り 指 輪 を は め て や り 別 室 に 退 き、 父親 も 娘 を 見 送 る こ と は し な い o ロ ウ リ ィ 180 凶 事。 ロ サ リ ィ 180 国 頭 花 嫁 が 生 家 か ら 出 発 す る 際 に 婿 側 か ら 突 拍 子 も な い 声 で お 迎 え の ふ れ を す る 男。 口 婚 礼 隠 れ 181 宮 古 花 嫁 は 式 の 前 日 三 日 間 な い し は 五 日 間 は 奥 の 部 屋 に 閉 じ こ も っ て 人 と 面 会 し な か っ た。 一 59 一
[コ 新 嫁 添 (み い ゆ み ぞ 一 い) 181 那 覇 婿 側 か ら 仲 立 ち の 人 が 嫁 の 迎 え に行 く と、 嫁 側 か ら 仲 立 ち に 相 応 し た 女 た ち や そ れ に 加 わ っ た 嫁 の 友 人 た ち。 口 根 引 人 (に い び ち ん ち ゅ) 182 大 宜 味 新 嫁 添 や 果 報 の 人 に あ た る 人 で、 相 当 の 家 柄 で よ く 繁 盛 し て い る 者 を 選ぶ 。 口 女 夫 人 (み い つ ん ば ち ゅ) 182 国 頭 福 禄 寿 の 夫 婦 が 嫁 を 迎 え に 行 く こ と。 口 櫛 箱 (さ ば ち ば こ) 183 口 安 駄 183 首 里 最 上 流 の 花 嫁 が 乗 る 駕 籠 様 の 乗 り 物。 口 根 引 ミ ヤ ラ ビ 183 伊 江 島 花 嫁 や そ の 一 行 の 女 友 だ ち の こ と。 口 道 ゼ ー キ (消 す 意 味 か) 183 金 武 女 家 の 酒 宴 に 赴 く 途 中、 婿 の 友 だ ち が 通 路 の 両 側 か ら汚 物 を つ け た 竹 な ど で邪 魔 を す る の で、 錠 で そ れ を 開 い て 通 る こ と。 []親 子 の 杯 184 首 里 那 覇 仲 里 恩 納 大 宜 味 婿 入 り は、 婿 と 女 家 の 親 と が 結 ぶ 杯 ごと に重 大 な 意 義 が あっ た。 嫁 入 り の 際 は、 嫁 と男 家 の 親 と の 杯 ご と は 後 回 し に さ れ る か、 な い こ と さ え 普 通 だ っ た 。 口 水 盛 (み じ む い) 184 沖 縄 本 島 花 嫁 が 婿 方 に 着 い て 行 な う 夫婦 間 の 儀 式 の 総 称。 水 と ご 飯 を も っ て 行 な わ れ た。 並 ん だ 婿 と 嫁 に 椀 の 水 を 指 に 湿 し て 両 方 の 額 に つ け、 つ い で 夫 婦 一 緒 に 寄 り 合 い ご飯 を 食べ る 儀 式 。 こ の 間 婿 の 友 人 た ち は ド ー ドー ド ー と 叫 び な が ら 殺 到 し、 突 っ 立 っ た ま ま 口 々 に 新 嫁 を か ら か う。 口 水 盛 の 道 具 185 那 覇 直 径 1 尺1.8寸、 高 さ 1 尺23寸 も あ る 円 い 大高 杯 の 上 に、 明 方 (あ ち ほう) の 御 水 (う び 一) を 入 れ た 椀 や 根 石 (に 一 い し) と い わ れる 小 石 6 個 及 び もち 米の ご飯 を 椀 に 盛 り あ げ た 寄 合 御 飯 (ゆ れ 一 う ぶ ん) の ほ か に、 タ コ 、 ボ ラ、 ラ ッ キ ョ ウ な ど の ご 馳 走 を 並 べ た も の で あ る。 口 明 方 (あ ち ほ う) 185 口 御 水 (う び 一) 185 口 根 石 (に 一 い し) 185 ロ ミ サ ダ リ ー 185 水 盛 の 時、 新 婿、 新 嫁 の 額 に 椀 の 御 水 を つ け る 役 の 人 。 一 60一
ロ ユ リ ー 185 首 里 弁 当 の こ と 。 口 久 高 島 の 結 婚 187 久 高 島 10歳 く ら い の 時 親 の 方 で 婚 約 し、 年 ごろ に なっ て 男 の 側 の 親 が 女 家 に 酒肴 を 持 参 し確 約 す る 。 根 引 に は 婿 入 の 式 は な い が、 水 盛 の あ と 嫁 は そ の 友 人 と ∼ 団 と な っ て 逃 げ 出 し、 森 林、 岩 穴、 他 家 の 小 屋 な ど に 隠 れ る。 婿 や そ の 友 人 が 毎 晩 そ れ を 探 し だ す。 大 体 1 週 間 か か る 。 こ れ で 結 婚 式 は 終 結 と な る。 口 同 棲 187 188 糸 満 摩 文 仁 那 覇 首 里 八 重 山 根 引 の 直 後 花 嫁 が 里 方 に 帰 っ た り し て し ば ら く 同 棲 し な い 所 も あ る。 糸 満 で は 花 嫁 は 式 後 す ぐ に 魚 商 に 出 掛 け、 そ う で な い日 には 夫 の 家 で 働 い て 日暮 に なる と 実 家 に 帰 り、 通 常 1 カ 月 以 上、 長 き は 1,2 年 間 も 後 に 同 棲 し た。 ロ ネ ン ゴ ロ 192 奄 美 大 島 男 女 が 良 い 仲 で あ る こ と。 Eコネ ビ キ 192 奄 美 大 島 結 婚 の こ と。 口 済 口 (す み が ち) 193 日 向 宮 古 島 同 様、 男 自 ら が 酒 1 升、 豆 腐 1 丁 を 持 っ て 茶 入 れ の 印 と す る 。 口 茶 入 れ 193 高 千 穂 婿 の 男 親 と 仲 立 ち 夫 婦 が 女 家 に 出 向 い て 正 式 に 縁 談 を 決 め、 結 婚 の 日 取 り を 決 め る。 そ の 際 嫁 に な る 娘 が 茶 を い れ て 出 す こ と。 正 式 に 話 が 決ま っ た こ と を 意 味 する。 ロ カ タ メ 193 195 高 千 穂 の 川 島 婚 約 が 成 立 す る と 酒 1 升 と 肴 を 女 家 に 持 参 し 杯 を 取 り 交 わ し、 後 結 納 の 品 に 鯛 な ど 2 尾 と 酒 を つ け て 贈 る こ と。 口 樽 入 れ、 樽 開 き 193 日 向 嫁 を も ら い に 行 く 際、 酒 を 携 え て 行 き、 話 が ま と ま り そ う だ と そ の 酒 を 酌 み 交 わ す こ と。 ロ カ ナ メ 194 霧 島 山 の 北 の 小 林 縁 談 が ま と ま る と、 婿 方 の 両 親 等 が 女家 に 鏡 餅 を 婿 の 年 数 だ け 持 参 して 小 宴を開く こと。 餅 は 隣 近 所 に 配 ら れ る。 口 婿 入 り 194 阿 蘇 結 婚 の 祝 儀 が 2 ,3 カ 月 か ら 1 年 も 遅 れ る 場 合 は そ れ を 待 た な い で 男 は 酒 を 持 参 し て 女 家 に 行 く こ と。 こ の 夜 か ら、 婿 は 公 然 と 女 家 に 泊 ま る こ と が で き る。 一 61 一
ロ ス ミ 樽 194 小 国 ナ カ ダ チ (仲 人) が 女 家 に 酒 肴 を 携 え て 行 き、 婚 約 を 確 実 にす る こ と。 そ の 時 結婚 の 日 取 り を 決 め る。 [コ 茶 披 露 194 肥 後 結 婚 直 前 ま で 男 家 か ら 女 家 に 贈 ら れ た キ メ 茶、 茶 の 物、 茶 銀 な ど と 呼 ば れ る も の を 女 家 で 親 類、 近 隣 に 披 露 す る こ と。 口 茶 開 き 194 肥 前 女 家 の 諾 約 を 得 て、 女 家 の 親 類 に 披 露 す る こ と。 口 戻 し 茶 195 肥 前 茶 開 き が 済 ん で 2,3 日 後、 女 家 か ら 婿 に 茶 に 袴 を 添 え て 贈 る こ と。 [コ 乙 名 供 196 奄 美 大 島 中 流 以 上 で は ネ ビ キ 当 日、 婿 方 か ら 嫁 方 に 出 向 く 夫 婦 の こ と。 花 嫁 の 方 でも 乙名 供 一 夫 婦 を た て る 。 口 仲 戻 り 197 奄 美 大 島 新 夫 婦 が 連 れ 立 っ て 嫁の 里 方 に 行 く こ と。 口 二 日 酔 い 197 奄 美 大 島 ネ ビ キ の 翌 日 朋 友 な ど に 披 露 す る こ と。 ロ ヨ メ ジ ョ ム ケ ェ 197 高 千 穂 茶 入 れ 後 1 カ 月 ぐ ら い で こ れ を す る。 ム コ ド ン、 ト ギ (親 友 が こ れ に あ た る)、 仲立 ち、 両 親、 近 親 者 が 酒、 肴 を 持 っ て 女 家 に 行 き 祝 宴 を 催 す。 婿 と ト ギ は 一 足 先 に 帰 り、 嫁 は ヨ メ ジ ョ の ト ギ、 仲立 ち 夫 婦、 両 親、 近 親 者 な ど と 共 に 婿 家 に 行 き、 妻 夫 杯 (ミ オ ト ハ イ) を し て 祝 杯 と な る。 最 後 は 嫁 が 来 客 全 部 に 茶 を 入 れ る 。 こ れ を ヨ メ ジ ョ ノ 茶 と い う 。 ロ ヨ メ ジ ョ ノ チ ャ 197 高 千 穂 ヨ メ ジ ョ ム ケ ェ を 参 照 ロ ゴ ゼ ン ケ 198 姶 良 指 宿 嫁 迎 え の こ と。 指 宿 で は 結 婚 式 を 総 称 し て か く い う。 口 婿 入 り 198 小 国 結 婚 当 日 の 午 後 1 時、 2 時 頃、 婿脇 (婿 と ぎと か 婿 ま が ひ と もい う) と 仲 立 ち、 近 親 者 2,3 人 が 女 家 に 行 き 嫁 の 両 親 と 親 子 の 杯 を す る こ と。 口 後 賑 199 小 国 婿 入 り 後、 婿 が 帰 っ た 後 で 女 家{則 の親 戚、 近 隣 の 者 が 供 応 を 受 け、 嫁 が出 発 す る と ま す ま す 盛 ん に に ぎ や か に す る こ と。 一 62 一
口 中 宿 199 小 国 遠 方 か ら 来 た 嫁 が 嫁 入 り の 時、 婿 の 隣…家 に 一 時 的 に 宿 を 取 る こ と。 ロ ヨ メ ゴ 茶 199 小 国 結 婚 式 の 翌 朝 嫁 が 舅 姑 近 親 の 者 に 茶 を 汲 む こ と。 肥前 の 北 方 で は 嫁 茶 と い う。 口 婿 酒 披 露 199 肥 前 式 後 嫁 の 里 で 開 く 酒 宴 の こ と 。 口 宵 婿 入 り 199 本 庄 婿 入 り が、 嫁 入 り の 日 の 暮 れ 方 に 行 な わ れ る こ と。 嫁 入 り は そ の 夜 分 に 行 な わ れ る。 口 婿 入 り 祝 儀 199 伊 万 里 嫁 入 り に 先 立 っ て 行 な わ れ る 婿 入 り の こ と 。 そ の 帰 途 嫁 を 連 れ て 来 る。 口 歩 み 初 め 199 嬉 野 嫁 が 普 段 着 の ま ま で 手 荷 物 だ け を 持 っ て 嫁 入 り し、 近親 の 者 だ け で 簡 単 に 祝う。 結 婚の 準 備 が 間 に 合 わ な い、 家 計不 如 意 な どの 理 由 で 本 祝 儀 は将 来 に 留 保 さ れる。 口 娘 振 舞 い 200 肥 前 花 嫁 が 嫁 入 り 前 に そ の 女 友 だ ち を 招 い て 振 舞 う こ と。 女 友 だ ち は 下 駄、 手 拭、 布 、 扇 子 の 類 を 贈 る 。 そ れ は 嫁 入 り 後、 婿 の 家 人 や 親 戚 に 配 ら れ る。 口 里 帰 り 200 高 千 穂 沖 縄 の 後 祝 い と 同 じ こ と。 口 三 日 も ど り 200 小 林 沖 縄 の 後 祝 い と 同 じ こ と。 口 三 つ 目 歩 き 200 小 国 沖 縄 の 後 祝 い と 同 じ こ と 。 口 中 戻 り 200 肥 前 の 湊 沖 縄 の 後 祝 い と 同 じ こ と 。 口 初 歩 き 200 肥 前 の 小 城 沖 縄 の 後 祝 い と 同 じ こ と。 口 足 入 れ 200 伊 豆 大 島 男 が 女 家 に 行 き、 ほ と ん ど 式 ら し い こ と を せ ず に、 毎 夜 婿 は 公 然 と 女 家 に 泊 ま る こ と。 口 根 切 り 酒 201 阿 波 婿 入 り の 時 贈 ら れ る 酒 で 女 家 の 親 類 に 対 す る 披 露 に 当 て ら れ る こ と も あ る。 口 茶 入 り、 樽 入 れ 201 常 磐 根 切 り 酒 と 同 じ こ と 。 一 63 一
[コ結 納 201 阿 波 嫁 入 り 前 に 酒 食、 金 品 が 贈 ら れ る こ と。 ロ ユ イ レ、 イ イ レ 201 結 納 の 呼 び 方 の 源 と 思 わ れ る。 ロ ー 見 (い ち げ ん) 迎 え 新 客 201 関 東 方 面 結 納 の こ と。 口 酒 橋 を か け る 202 九 州 性 関 係 を は ば む 溝 で あ る 部 落 の 境 界 を 越 え る こ と。 ロ ダ ッ コ カ シ 202 五 島 福 江 島 他 村 の 男 と 密 通 し た 娘 が 高 所 か ら こ ろ が さ れ る こ と。 口 水 掛 け 203 奄 美 大 島 ネ ビ キ 当 日、 村 の二 才 たち が創 り 船 を 陸 に 引 き 上 げ、 こ れに 水 を 貯 め て花 嫁 花 婿 に かけ る 風 習。 口 初 入 り 203 日 向 の 川 島 結 婚 式 の 後 嫁 は 婿 側 の 親 類 に、 婿 は 嫁の 縁 家 にそ れぞ れ 紹 介 さ れる こ と。 口 祝 い 203 日 向 の 川 島 初 入 り の 時、 婿 に 対 して婦 女 子 が不 意 に 水 を 掛 け る 風 習。 [コ 水 掛 け 料 204 肥 前 水 を 掛 け ら れ な い た め に 贈 る 酒 や 金 銭 の こ と。 ロ ミ ヅ カ ケ セ ン 204 薩 摩 の 坊 津 嫁 入 り 先 の ニ セ 衆 へ 出 す 金 銭 。 こ れ は 部 落 の 収 入 に な る。 口 青 年 樽 204 阿 蘇 樽 入 れ の 夜 に 女 家 に 届 け る 酒 肴 の こ と 。 ロ ム コ ニ ゲ、 ム コ ノ ク ヒ ニ ゲ 205 九 州 婿 入 り の 儀 式 の 最 中 に 婿 が 逃 げ 回 る 風 習。 ロ ハ ラ ヒ 210 口 水 祝 い 210 211 江 戸 の 上 層 方 面 で は 前 年 妻 を 迎 え た 婿 の 家 に、 正 月 元 日 以 降 友 だ ち 等 が 酒 肴 を 携 えて 行 き 、 ま た、 湯 屋 に 連 れ 込 ん で 水 を 掛 け た。 口 水 掛 け 振 る 舞 い 211 水 祝 い の 時、 婿 の 方 で も 酒 食 を 設 け、 浴 室 を 開 い て 水 を 掛 け ら れ る こ と を 謝 す る こ と。 − 64 一