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10.ニューガラスについて

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Academic year: 2021

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月日の流れるのは,早いもので,ニューガラス誌が100号を迎えたのこと,本当におめ でとうございます。フォトニクスという言葉が,セラミックス協会の部会の名前に入っ て,非常に身近になっている現在,この25年間にわたるニューガラスフォーラムを支え てこられた方々に言葉では言い表せない感謝と,その信念がなしえたものだという感慨に 浸っております。 私事になりますが,30数年前の研究を始めたころは,ガラスに将来はあるのか?とい う議論に先輩や同級生,後輩たちと酒を酌み交わしながら,夜を徹して議論をしたもので す。当時は,学生運動の残り火が燻り,産学連携などと口走れば,日帝に組する反革命分 子として“総括”(さらし首)されたものでした。まだ青い議論でしたが,当時真剣にガ ラスのことを考えたのが,今の自分を支えていると思っています。 そのような議論が日ごと行われたのは,一種の閉塞感がガラス学会全体に広がっていた せいであるといえます。この殻を打ち破ったのが,それまでの炭化珪素やニクロム線を用 いた電気炉によってのみ行われてきた熔融急冷法によるガラス製作に新しい動きが出てき たことだと思います。それらは,溶液からガラスを作るゾル−ゲル法,気相からガラスを 作るスパッタリング法などの PVD 法,同じ気相ながら反応を伴う CVD 法,高周波誘導 炉にガスを吹きかけて落とした融液をローラーや遠心力で急冷する超急冷法等で,従来法 によるガラス化範囲を広げたばかりでなく,高温熔融による不純物の侵入,原子の揮発, 酸化などの欠点を克服したのである。これらの新手法がガラスの可能性を大きく広げた。 たとえば,通信用ガラスファイバー,アモルファス太陽電池や薄膜トランジスター,有機 無機ハイブリッド材料など多種多様の応用である。この領域における日本の貢献も特筆さ れるべきである。例えば,作花先生や泉谷先生などをはじめとするキラ星のような大先生 方の指導の下,ニューガラスと呼ばれる新しいガラスが登場した。私が,当時出来たばか りのニューガラスフォーラムに接したのは,この頃である。従来の酸化物ガラスばかりで なく,金属ガラスやアモルファス半導体,ハライドガラス,オキシナイトライドガラス, 有機無機ハイブリッドなどセラミックス協会ばかりでなく,応用物理学会,日本化学会,

ニューガラスについて

三重大学 工学部

那 須 弘 行

(Serial. No.81∼87編集長)

特 集 Ⅱ − 1)

歴代編集委員長より第100号発行に向けて

NEW GLASS Vol.26 No.1 2011

(2)

金属学会などをも巻き込むガラス・非晶質研究の一大潮流がやってきた。 私が,ニューガラスフォーラムとの関係を持ち始めたのは,当時東工大の教授であった 川副先生と日本板硝子の西澤氏の力が大きい。三重に移った私が,東京に呼ばれたのは, ニューガラスフォーラムの編集委員会であった。勿論,編集委員の一人としてである。当 時感じたのは,その若い組織ゆえ?からの熱気であった。各委員下好きなことを言い合い ひとつの雑誌に仕上げていくのは,面白かった。私は,委員を3年間務めたが,その後も 送られてくるニューガラス誌が楽しみであった。その後編集委員長を勤めさせてもらった が,読者の皆様の評価はいかがなものであったが,気になるところである。今も成長し続 けるニューガラス誌とフォーラムに期待している。

NEW GLASS Vol.26 No.1 2011

参照

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