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『小学校における攻防相乱型シュートゲームの「課題ゲーム」開発とその有効性の検討』-戦術的認識及び集団的技能の観点から-

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Academic year: 2021

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(1)小学校における攻防相乱型シュートゲームの「課題ゲーム」開発とその有効性の検討               一戦術的認識及び集団的技能の観点から一                                専攻   教育実践高度化専攻                                コース  授業実践リーダーコース                                学籍番号 P08020E.                                氏 名  筒井茂喜 1.はじめに.  ボール運動の学習に対しては、r各学年で教える教.  長方形のコートの両端にビックゴールのゴールゾー. 育内容が不明確であり、運動能力の低い児童のゲー. ンを設け、ドリブルでゴールゾーンにボールを持ち込め. ム中における学習機会が保障されていない」という指. ば得点が入るゲームである。これによって、「ドリブルで. 摘がある。. 方向を変えて、ズレを創ってぬく」という戦術行動の習.  このことを背景に、学習指導要領改訂においてボー. 得をねらった。. ル運動が、種目圃有の技能ではなく、攻守の特徴(類. ②ランゾーンゲーム. 似性・異質性)や「型」に共通する動きや技能を系統的.  正方形のコートの両端にゴールゾーン、両サイドにサ. に身につけるという視点から、「ゴール型」(以後、攻防. イドゾーンを設け、ゴールゾーンに走り込んでパスを受. 相乱型シュートゲームと呼ぶ)「ネット型」「べ一スボール. ければ得点が入るゲームである。rディフェンスの背後. 型」に類型化され、それぞれのカテゴリーから運動種目. のスペースにタイミングよく走り込み、ズレを創ってぬく」. を選んで指導できることになった。その結果、教師はそ. という戦術行動の習得をねらった。. れぞれの型に共通する知識、技術を認識し、教育内容. ③ゾーンパスゲーム. を明確にした上で、スポーツを教材として再構成して児.  長方形のコートの全ての辺土にゴールゾーンを設け、. 童・生徒に与えることが求められた。. ゴールゾーンの味方にパスが通れば得点が入るゲー.  本研究では、攻防相乱型シュートゲームを対象に、. ムである。「スペースヘの走り込みとリターンパスを使っ. その戦術的特性に基づいて4つの「課題ゲーム」を開. て、ズレを創ってぬく」という戦術行動の習得をねらっ. 発した。そして、これらを段階的・発展的に配列した学. た。. 習過程を作成し、4年、5年生児童に対する、その有効. ④サイドゾーン付きハンドボール. 性を戦術的認識及び集団的技能の観点から検討した。.  長方形コートの両サイドにサイドゾーンを設け、ゴー. 皿.課題ゲーム開発の方法及ぴ学習過程の作成. ルゾーンのポストにボールを当てれば得点が入るゲー. 1.攻防相乱型シュートゲームの教育内容の措定. ムである。rスルーパス、ワンツーリターンパスによって、.  教育内容は、先行研究の成果を踏まえ、戦術的特性. ズレを創ってぬく」という戦術行動の習得をねらった。. を視点に措定した。すなわち、攻防相乱型シュートゲー. 4.学習過程の作成. ムに共通する攻撃の戦術とその学割11頁をrドリブルでズ.  表1に示す学習過程は、【数的・空間的優位の意義. レを割る」「スペースヘの走り込みでズレを割る」「リター. を理解し、活用する】から【数的空間的優位を創る】へと. ンパスでズレを割る」「スクリーンでズレを割る」の4つ. いう枠組みを基本とし、戦術の系統性に基づいた全11. にまとめた。. 時間構成である。. 表1学習過程の概略. 2「課題ゲーム」開発の視点  先行研究の成果を踏まえ、「課題ゲーム」開発の視. 時. 点を『学習課題が頻出する仕組み」『ゲーム人数を少な. 1. くする」r固有の運動特性を損なわない』「技能の個人差. 2. が吸収される仕組み」「簡便性(特別な教具を必要とし. 3,4,5. ない)」の5つとした。. 6. 3開発した4つ「課田ゲーム」. 7,8,9.  (1)(2)から、次の4つのr課題ゲーム」を開発した。. 10.11. ①ビックコールドリブルゲーム. 一38一. 0       10       20      30      40     45. オリエンテーション ターゲットハンドボール(試しのゲーム). 舳岬加斥ム    ゾーンパスゲーム ターゲットハンドボール(試しのゲーム) ラ〃≒ム     サイドゾーン付きハンドホ㌧ル. ターゲットハンドボール(まとめのゲーム大会).

(2) 皿.授業実践と学習成果の測定. 意な差は認められなかった。.  対象は、兵庫県内E小学校4年生30名(男子16名、.  作戦成功の指標となる攻撃完了率は、両学年ともに. 女子14名)と5年生38名(男子19名、女子19名)。. 単元前半に向上したが、単元後半は低下した。これは、.  学習成果の測定は、事前、中、事後に実施した『戦術. 単元前半においては、守備カがそれ程向上しておらず、. 用語テスト」r戦術認識度テスト」、毎時閥ごとのr体育ノ. 単元後半になって守備カが向上したことによって、相対. ートの記述j,rチーム作戦ノート」、全試合を収録したWR. 的に攻撃完了率が下がったと考えられた。フリーな状. を用いて行った。. 態でシュートができたかの指標となるノーマークシュー. w.結果と考察. ト率は、両学年とも単元経過に伴い向上していた。フリ. 1、戦術的認識の側面. ーな状態でのシュートに至る過程で味方とのパス交換.  戦術用語テスト及び戦術認識度テストの成績は、両 学年とも単元経過に伴い有意に向上し、5年生がいず. があったかの指標となる連携ノーマークシュート率は、. 両学年ともに単元経過に伴い向上していた。  以上のことから、ディフェンスカが向上したにもかか. れの時期においても高値を示した。.  体育ノートに記述されていた戦術行動の出現数は、. わらず、パス交換によるフリーな状態でのシュートの割. 両学年ともに単元経過に伴い増加した。種類別では、. 合が増えており、チームとして戦術行動をもとにした組. rスペースヘの走り込み」の増加が顕著であったが、そ. 織的な攻撃ができるようになったと推察された。. の記述内容は、rスペースをみつける作戦」からrスペー. 3.個々のr課題ゲーム』の有効性及ぴ順序性について. スを創る作戦」へと変化していた。したがって、両学年と.  両学年ともに、児童の作戦にみられた戦術行動は、ビック. も単元経過に伴い、より積極的で高度な戦術行動を思. コールドリブルゲームでは、『ピボット、ドリブルの方向、. 考する児童が増えていると評価された。. スピードの変化でズレを創る』、ゾーンパスゲームは、.  また、rスペースを創る作戦」の内実をみると、4年生. 『ポジション取りとパスワークにフェイントを織り交ぜて. では、rボール保持者がスペースを創る作戦」の記述が. ズレを創る』、ランゾーンゲームは、『相手の背後のスペ. 『ボール非保持者がスペースを創る作戦」の記述よりも. ースに走り込んでズレを創る』、サイドゾーン付きハンド. 多い傾向にあった。しかし、5年生では、ほぼ同数であ. ボールは、『前方のスペースヘの走り込み、ワンツーリ. った。これは、4年生は、rボール保持者が相手を引き. ターンパス、逆サイドヘのパスでズレを創る』にまとめら. 付けて、ボール非保持者を生かすという視点」で作戦を. れた。つまり、個々の「課題ゲーム」は、ねらった戦術行. 考える傾向にあり、5年生は、rボール非保持者が相手. 動が出現しているとともに、rポジション取りとパスワー. を引き付けて、ボール保持者を生かす」というボール非. ク」『逆サイドヘのパス」など、新たな気づきに基づく戦. 保持者がボール保持者の視点に立ち、自分の戦術行. 術行動もみられ、r課題ゲーム」配列のl11頁序性は妥当で. 動を思考できるようになってきていることを示していると. あったと考えられた。. 考えられた。.  また、5年生は4年生に比べ、単元はじめから、サイド.  チームの作戦は、両学年ともに、単元はじめのrスロ. ゾーンヘのパス率が高く、サイドゾーンヘの横パスとゴ. ーガン的な作戦」から、単元中のr戦術行動に基づいた. ールゾーンヘの縦パスを織り交ぜた攻撃がみられ、バ. 作戦」を経て、単元終わりのr戦術行動を基にして、チー. ランスよくスペースを活用できていた。. ムそれぞれの特徴に応じて工夫された作戦」へと変化. w.まとめ. していた。また、5年生では、4年生よりも「スペースを創.  開発した4つのr課題ゲーム」を段階的・発展的に配. るためのチーム全員の動き方」を明確に示す傾向がみ. 列した学習過程は、4年、5年生ともに戦術的認識の深. られた。. まり及び集団的技能の高まりを促したことが認められ.  以上のことから、4年、5年生ともに戦術的認識の深. たが、5年生の方により有効であったと考えられた。. まりが推察された。. 2集団的技能の側面. 修学指導教員 大根哲治・永田智子.  ゲームパフォーマンスレベル(GPL)は、両学年とも単. 指導教員 増澤康男. 元経過に伴い有意に向上した。また、学年問には、有. 一39一.

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