濫訴防止を中心に
著者
龍 鉄
雑誌名
東北ローレビュー
巻
7
ページ
214-238
発行年
2020-03-31
URL
http://hdl.handle.net/10097/00128860
中国における会社決議の瑕疵に関する司法救済制度
濫訴防止を中心に
1 東 北 大 学 法 学 研 究 科 博 士 後 期 課 程龍 鉄
I. は じ め に 1 . 本 稿 の 問 題 意 識 2 . 本 稿 の 用 語 法( 中 国 法 上 の 概 念 に つ い て ) 3 . 本 稿 の 構 成 II. 中 国 に お け る 会 社 決 議 瑕 疵 訴 訟 の 現 状 1 . 決 議 無 効 の 訴 え ( 1 ) 原 告 適 格 ( 2 ) 被 告 適 格 ( 3 ) 無 効 事 由 ( 4 ) 会 社 決 議 が 無 効 ・ 取 消 の 効 力 2 . 取 消 可 能 の 訴 え ( 1 ) 取 消 事 由 ( 2 ) 提 訴 期 間 ( 3 ) 提 訴 権 者 ( 4 ) 裁 量 棄 却 3 . 不 成 立 の 訴 え 4 .取 り 消 し 訴 え に お け る 担 保 提 供 制 度 5 . 決 議 の 執 行 停 止 III. ド イ ツ に お け る 取 消 権 の 濫 用 と 日 本 に お け る そ の 対 策 1 . ド イ ツ に お け る 取 消 権 の 濫 用 ( 1 ) 登 記 停 止 と 取 消 権 の 濫 用 ( 2 ) 濫 用 の 原 因 2 . 日 本 に お け る 濫 訴 の 対 策 IV. 中 国 に お け る 決 議 瑕 疵 訴 訟 の 濫 訴 防 止 1 . 問 題 の 所 在 2 . 執 行 停 止 制 度 ( 1 ) 決 議 執 行 停 止 の 法 的 性 質 ( 2 ) 決 議 執 行 停 止 制 度 の 必 要 性 ( 3 )決 議 執 行 停 止 制 度 の 濫 用 の お そ れ ( 4 )執 行 停 止 の 対 象 と な る 決 議 の 範 囲 の 制 限 3 . 担 保 提 供 制 度 の 再 検 討 ( 1 ) 担 保 提 供 制 度 の 実 行 可 能 性 ( 2 ) 担 保 提 供 命 令 の 要 件 の 明 確 化 ( 3 ) 担 保 対 象 と 担 保 金 額 の 明 確 化 終 わ り に 参 考 『 最 高 人 民 法 院 <中 華 人 民 共 和 国 会 社 法 >の い く つ か の 問 題 の 適 用 に 関 す る 規 定 (四 )』 日 本 語 1 本 稿 は 、 筆 者 が 2018 年 5 月 に 中 国 の 東 北 財 経 大 学 に 提 出 し た 修 士 論 文 を 基 に 、 指 導 教 員 の 得 津 晶 准 教 授 の ア ド バ イ ス を 貰 っ て 日 本 の 読 者 に 中 国 法 の 現 状 と 問 題 意 識 を 伝 え る べ く 大 幅 に 加 筆 修 正 を 行 っ た も の で あ る 。 こ の 場 を 借 り て 得 津 先 生 に お 礼 を 申 し 上 げ る 。Ⅰ. はじめに
1. 本稿の問題意識
中 国 で は 、1993 年 の「 中 華 人 民 共 和 国 会 社 法 」( 以 下 は 中 国 会 社 法 と 略 称 す る ) 111 条 に お い て 初 め て 会 社 決 議 の 瑕 疵 の 問 題 が 取 り 上 げ ら れ た 。 当 該 規 定 は 「 株 主 総 会 、 取 締 役 会 の 決 議 が 法 律 あ る い は 行 政 法 規 に 違 反 し 、 株 主 の 権 益 を 侵 害 す る 場 合 、 株 主 は そ れ を 理 由 と し て 人 民 法 院 に 違 法 行 為 と 侵 害 行 為 の 停 止 を 要 求 す る 訴 え を 提 起 す る こ と が で き る 。」と し て い た 。こ の 規 定 は 、抽 象 的 な 原 則 を 定 め た に 過 ぎ な い 、 執 行 力 が 無 い 、 不 明 確 で あ る な ど の 批 判 が な さ れ た が 、 客 観 的 に 株 主 総 会 ・ 社 員 総 会 の 議 事 あ る い は 決 議 へ の 司 法 介 入 ・ 司 法 審 査 の 根 拠 を 提 供 す る も の で あ っ た2。 そ の 後 、 2005 年 の 中 国 会 社 法 22 条 は 、 会 社 決 議 の 無 効 の 訴 え と 取 り 消 し の 訴 え を 規 定 し て い た 。 そ れ 以 降 の 中 国 会 社 法 改 正 に よ っ て も 当 該 規 定 は そ の ま ま 維 持 さ れ て い る 。現 行 中 国 会 社 法 22 条 は「 会 社 の 社 員 総 会 あ る い は 株 主 総 会 、取 締 役 会 の 決 議 の 内 容 は 法 律 あ る い は 行 政 法 規 に 違 反 す る 場 合 、 無 効 で あ る 。 社 員 総 会 ま た は 株 主 総 会 、 取 締 役 会 の 会 議 募 集 手 続 、 議 決 方 法 が 法 律 あ る い は 行 政 法 規 ま た は 会 社 の 定 款 に 違 反 し た 場 合 、ま た は 議 決 内 容 が 会 社 の 定 款 に 違 反 し た 場 合 、 株 主 は 決 議 が 行 わ れ た 日 か ら 60 日 以 内 、 訴 え を も っ て 人 民 法 院 に 取 り 消 し を 求 め る こ と が で き る 。 株 主 が 前 項 の 規 定 に 従 っ て 訴 訟 を 提 起 し た 場 合 、 人 民 法 院 は 会 社 の 要 求 に 応 じ て 、 株 主 に 相 応 の 担 保 を 要 求 す る こ と が で き る 」 と 規 定 し て い る 。 当 規 定 は 一 定 の 理 論 の 蓄 積 の 下 で で き た が 、 訴 え の 事 由 、 瑕 疵 の 分 類 、 担 保 提 供 、 原 告 の 範 囲 、 非 訴 訟 の 救 済 な ど の 面 で 規 定 が ま だ 十 分 に 明 ら か で な い と 指 摘 さ れ た3。「 立 法 者 が 濫 訴 に 対 抗 す る た め に 会 社 決 議 瑕 疵 訴 訟 に 規 定 し た 訴 訟 担 保 制 度 は 、 民 事 訴 訟 の 基 本 原 理 に 反 す る だ け で は な く 、 ま た 、 濫 訴 問 題 の 原 因 を 2 钱 玉 林 「 论 可 撤 销 的 股 东 大 会 决 议 」 法 学 2006 年 11 号 ( 2006) 35 頁 。 3 陈 开 梓 「 论 公 司 决 议 瑕 疵 司 法 救 济 制 度 的 完 善 」 行 政 与 法 2008 年 10 号 ( 2008) 108 頁 、 丁 勇 「 公 司 决 议 瑕 疵 诉 讼 担 保 制 度 检 讨 及 立 法 完 善 」 法 学 2014 年 5 号 ( 2014) は ド イ ツ の 濫 訴 の 問 題 を 分 析 し 、 中 国 会 社 法 22 条 の 担 保 提 供 規 定 を 検 討 し た 。 李 建 伟 「 公 司 决 议 效 力 瑕 疵 类 型 及 其 救 济 体 系 再 构 建 ----以 股 东 大 会 决 议 可 撤 销 为 中 心 」 商 事 法 论 集 15 巻 ( 2009) は 取 り 消 し の 事 由 、 原 告 、 被 告 な ど の 問 題 を 中 心 に 論 じ た 。 苏 翠 萍 「 股 东 大 会 决 议 不 存 在 制 度 研 究 」 商 事 法 论 集 16 卷 ( 2009) は 専 ら 決 議 の 不 存 在 を 検 討 し た 。解 決 す る も の で も な い の で 、放 棄 す る べ き で あ る 」4と の 批 判 が な さ れ た 。濫 訴 防 止 は 、 提 訴 条 件 、 決 議 執 行 な ど に よ っ て な さ る べ き だ と 考 え ら れ た の で あ る5。 そ し て 、 2017 年 に 公 布 さ れ た 「 最 高 人 民 法 院 <中 華 人 民 共 和 国 会 社 法 >の い く つ か の 問 題 の 適 用 に 関 す る 規 定 (四 )」( 以 下 、会 社 法 司 法 解 釈 四 と 略 称 す る )は( 1) 決 議 無 効 訴 訟 の 原 告 適 格 、( 2) 決 議 不 成 立 訴 訟 の 原 告 適 格 、( 3) 決 議 取 消 訴 訟 の 原 告 適 格 、( 4) 他 の 当 事 者 の 訴 訟 上 の 地 位 、( 5) 決 議 取 消 の 裁 量 棄 却 、( 6) 決 議 不 成 立 と 決 議 無 効 又 は 取 り 消 し の 効 力 の 6 つ の 面 か ら 、 中 国 会 社 法 22 条 の 会 社 決 議 瑕 疵 の 訴 訟 制 度 を 整 備 し た 。し か し 、22 条 3 項 に 関 す る 担 保 制 度 に つ い て は そ の ま ま 維 持 さ れ た 。 こ れ に 対 し て 本 稿 は 、 中 国 法 を 、 濫 訴 の 恐 れ が あ る ド イ ツ 法 、 濫 訴 が 深 刻 な 問 題 と な っ て い な い 日 本 法 と 比 較 し 、 単 に 訴 え る と い う 事 実 の み で は 濫 訴 の お そ れ は な く 、 決 議 瑕 疵 の 訴 え と 執 行 停 止 が 重 な っ て は じ め て 濫 訴 の 恐 れ は 大 き く な る と い う こ と を 明 ら か に し た 。そ の 上 で 、中 国 法 の 解 釈 と し て 、中 国 会 社 法 22 条 3 項 に 関 す る 担 保 提 供 の 規 定 が 原 告 と 被 告 の 訴 え の 権 利 と 義 務 の バ ラ ン ス を 崩 す も の で あ る と し て 削 除 す べ き と い う 見 解 に 対 し て 、 担 保 提 供 の 条 件 を ① 執 行 停 止 の 申 し 立 て が あ る 場 合 、 か つ ② 株 主 な ど の 訴 え が 悪 意 で あ る こ と と 明 確 に す る こ と に よ り 、 合 理 的 な 活 用 の 可 能 性 を 示 し た 。
2. 本稿の用語法(中国法上の概念について)
中 国 法 で は 「 会 社 決 議 」 と い う 概 念 が 用 い ら れ る 。 こ の 会 社 決 議 は 株 式 会 社 の 株 主 総 会 決 議 と 取 締 役 会 決 議 及 び 有 限 会 社 の 社 員 総 会 決 議 と 取 締 役 会 決 議 を 含 む 6。 本 稿 で 取 り 扱 う 対 象 は 有 限 会 社 に お け る 社 員 総 会 と 取 締 役 会 の 決 議 、 そ し て 、 株 式 会 社 の 株 主 総 会 と 取 締 役 会 の 決 議 で あ る 。 そ の 理 由 は 中 国 会 社 法 22 条 に お け る 訴 え を 提 起 す る 可 能 な 会 社 決 議 は 有 限 会 社 の 社 員 総 会 と 取 締 役 会 の 決 議 と 株 式 会 社 の 株 主 総 会 と 取 締 役 会 の 決 議 で あ る か ら で あ る 。 ま た 、 監 査 役 会 は 、 社 員 総 会 で 選 出 さ れ た 監 査 役 と 会 社 の 従 業 員 の 民 主 的 な 選 挙 に よ っ て 選 出 さ れ た 監 査 役 で 構 成 さ れ 、 会 社 の 事 業 活 動 を 監 督 お よ び 検 査 す る 法 定 か つ 常 設 的 な 機 関 で あ り7、会 社 決 議 瑕 疵 の 訴 え と 同 じ 機 能 を 有 す る も の で あ っ て 会 社 の 業 務 執 行 を 決 定 す る も の で は な い 考 え ら れ る 。 従 っ て 、 監 査 役 会 の 決 議 を 対 象 外 と す る 。 な お 、 4 丁 ・ 前 掲 ( 3) 文 献 90 頁 。 5 丁 ・ 前 掲 ( 3) 文 献 95ー 100 頁 。 6 李 ・ 前 掲 ( 3) 文 献 53 頁 。 7 范 健 = 王 建 文 『 公 司 法 ( 第 四 版 )』( 法 律 出 版 社 ・ 2015) 357 頁 。本 稿 で は 社 員 総 会 あ る い は 株 主 総 会 と 取 締 役 会 に お け る 違 い に 触 れ る こ と が 無 い か ら 、 合 わ せ て 「 会 社 決 議 」 と 称 す る 。 特 別 の 説 明 の 無 い 限 り 本 文 で の 「 会 社 決 議 」 は 社 員 総 会 あ る い は 株 主 総 会 と 取 締 役 会 決 議 を 指 す 。 そ し て 、 特 別 の 説 明 の 無 い 限 り 株 主 総 会 ・ 社 員 総 会 決 議 に つ い て の 検 討 は 取 締 役 会 に も 適 用 す る が 、 微 妙 な 差 異 が あ る 。 例 え ば 、 多 数 決 の 場 合 は 株 主 総 会 ・ 社 員 総 会 で は 資 本 多 数 決 が 一 般 で あ る 。 こ れ に 対 し て 、 取 締 役 会 で は 頭 数 で の 多 数 決 が 一 般 で あ る 。
3. 本稿の構成
本 稿 は 、 ま ず 、 中 国 に お け る 会 社 決 議 瑕 疵 訴 訟 制 度 を 紹 介 す る 。 次 に ド イ ツ に お け る 会 社 決 議 訴 訟 の 濫 訴 問 題 と 日 本 の 濫 訴 防 止 の 対 策 に つ い て 検 討 す る 。 最 後 に 、 濫 訴 防 止 に つ い て 比 較 法 的 知 見 か ら 私 見 を の べ る 。Ⅱ. 中国における会社決議瑕疵訴訟の現状
前 述 の よ う に 、2017 年 に 新 し く 公 布 さ れ た 会 社 法 司 法 解 釈 四 は 、6 つ の 面 か ら 会 社 決 議 の 瑕 疵 訴 訟 を 定 め 、 会 社 決 議 の 不 成 立 の 訴 え と 決 議 取 消 の 裁 量 棄 却 制 度 を 取 り 込 ん だ 。 こ れ に よ り 、 中 国 の 会 社 決 議 瑕 疵 訴 訟 は 、 こ れ ま で の 決 議 無 効 と 取 り 消 し の 二 分 割 法 か ら 無 効 の 訴 え 、 取 消 可 能 の 訴 え と 不 成 立 の 訴 え の 三 分 割 法 と な っ て い る 。1. 決議無効の訴え
( 1 ) 原 告 適格 会 社 法 司 法 解 釈 四 第 1 条8に 規 定 さ れ た 決 議 無 効 の 訴 え を 提 起 で き る 者( 原 告 適 格 )は 以 下 の 通 り で あ る9。( 1)株 主 。社 員 と し て 、会 社 の 違 法 行 為 に 対 し て 、社 員 総 会 あ る い は 取 締 役 会 の 決 議 違 法 の 訴 え を 提 起 で き る 。 8 会 社 法 司 法 解 釈 四 第 1 条 : 会 社 の 株 主 、 取 締 役 、 監 事 な ど が 人 民 法 院 に 社 員 総 会 決 議 あ る い は 株 主 総 会 決 議 、 取 締 役 会 決 議 の 無 効 あ る い は 不 成 立 の 確 認 を 請 求 す る と き 、 人 民 法 院 は 受 理 す る べ き で あ る 。 9 杜 万 华 『 最 高 人 民 法 院 公 司 法 司 法 解 释 ( 四 ) 理 解 与 适 用 』( 人 民 法 院 出 版 社 ・ 2017) 26 頁 。( 2)取 締 役 。取 締 役 は 会 社 の 権 限 の 行 使 者 で あ り 、条 文 は な い も の の 、中 国 会 社 法 の 理 論 上 、 取 締 役 の 権 限 ・ 地 位 に 基 づ き 、 違 法 的 な 株 主 総 会 決 議 ・ 社 員 総 会 決 議 ・ 取 締 役 会 決 議 に 対 し て 、 単 独 に 訴 え を 提 起 す る こ と が で き る の は 会 社 決 議 の 適 法 性 に 関 す る 監 督 機 能 の 1 つ と 理 解 さ れ て い る 。 ( 3) 監 査 役 。 中 国 会 社 法 53 条 と 118 条 に よ り 、 監 査 役 は 取 締 役 と 高 級 管 理 者10 の 違 法 行 為 に 対 し 、 訴 え を 持 っ て 止 め る こ と が で き る 。 訴 え を も っ て 株 主 総 会 ・ 社 員 総 会 決 議 と 取 締 役 会 決 議 の 違 法 性 を 是 正 す る こ と は 、 監 査 役 の 権 限 で あ る と こ ろ の 会 社 の 適 法 性 に 対 す る 監 督 の 1 つ と 説 明 で き る 。 以 上 の 3 種 類 の 提 訴 権 者 の 訴 え 提 起 は 、 同 条 で 明 文 に 規 定 さ れ て い る 提 訴 権 者 で あ る 。 そ し て 、 理 論 上 も 実 務 上 も 通 説 と 認 め ら れ て い る 。 争 い が あ る の は( 4)「 等 」と い う 文 言 で あ る 。こ こ で の「 等 」に は 、前 述 の( 1) ~( 3)の 3 種 類 の み が 含 ま れ る の か 、そ れ と も 、3 種 以 外 の 者 を 含 む 趣 旨 の「 等 」 な の か に つ い て 議 論 が あ る 。 そ し て 、 最 高 人 民 法 院 の 解 釈 は 、 後 者 の 立 場 を と っ た 。 最 高 人 民 法 院 の 見 解 に よ る と 、 以 下 の 三 つ の 主 体 に も 提 訴 権 限 が 認 め ら れ て い る11。 ① 高 級 管 理 人 。 株 主 総 会 ・ 社 員 総 会 、 取 締 役 会 が 決 議 を 通 じ て 高 級 管 理 人 の 権 利 と 義 務 を 設 定 す る 場 合 が あ り 、 こ の 場 合 高 級 管 理 人 は 訴 え の 利 益 を 有 し 、 訴 え を 提 起 す る こ と が で き る 。 ② 会 社 の 従 業 員 。 会 社 の 従 業 員 が 原 告 と な る の は 2 つ の 場 合 が あ り 得 る 。 1 つ 目 は 会 社 が 決 議 を 通 じ て 従 業 員 に 対 し て 特 定 の 義 務 を 設 定 す る と き で あ る 。 こ の よ う な 義 務 を 設 定 し た 行 為 が 従 業 員 の 権 利 を 侵 害 す る か ど う か を 会 社 決 議 瑕 疵 訴 訟 で 判 断 す る こ と が で き る と 解 釈 さ れ て い る 。 こ の よ う な 場 合 に 会 社 決 議 瑕 疵 訴 訟 を 通 じ て 原 告 ( 従 業 員 ) の 権 利 を 救 済 す る の は 、 救 済 コ ス ト を 低 下 す る こ と が で き る と 解 釈 さ れ て い る 。 二 つ 目 の 場 合 と は 、 従 業 員 が 会 社 の 株 式 を 持 っ て い る 場 合 で あ る 。 ③ 会 社 の 債 権 者 。 具 体 的 に は 以 下 の 3 つ の 場 合 が 想 定 さ れ て い る 。 従 業 員 の 第 一 の 場 合 と 同 様 、 会 社 が 決 議 を 通 じ て 債 権 者 に 対 し て 特 定 の 義 務 を 設 定 す る 場 合 で あ る 。 第 二 に 債 権 者 が 「 債 券 」 を 有 す る 者 で あ る 場 合 で あ る 。 第 三 に 議 決 権 を 行 使 で き る 債 権 者 の 場 合 で あ る12。 10 高 級 管 理 者 と は 、 会 社 の マ ネ ー ジ ャ ー 、 副 マ ネ ー ジ ャ ー 、 財 務 責 任 者 、 上 場 会 社 の 取 締 役 会 の 秘 書 、 お よ び 会 社 の 定 款 で 指 定 さ れ て い る そ の 他 の 人 員 を 指 す ( 中 国 会 社 法 216 条 )。 11 杜 ・ 前 掲 ( 9) 文 献 27 頁 。 12 契 約 に よ り 、 特 定 の 場 合 に は 、 債 権 者 が 会 社 の 決 議 に 参 加 す る あ る い は 会 社 行 為 の 制 限 を 要 求 す る こ と が 認 め ら れ る 。 最 高 人 民 法 院 は 、 こ の よ う な 場 合 に 、 債 権 者
た だ し 、 こ の ③ に 対 し て は 、 次 の よ う な 反 論 が あ る 。 会 社 決 議 は 、 組 織 法 の 本 質 に 従 い 、 そ の 効 力 は 会 社 の 株 主 、 取 締 役 、 監 査 役 の 内 部 に と ど ま り 、 会 社 外 部 に は 及 ば な い 。 た と え 決 議 に 、 契 約 の 付 属 条 件 を 定 め た り 、 債 権 者 な ど 会 社 外 部 主 体 に 関 す る 内 容 が 含 ま れ た り し て い た と し て も 、 債 権 者 な ど に 直 接 の 影 響 も な い し 、 法 律 上 の 地 位 が 変 わ る で も な い か ら 、 債 権 者 な ど は 決 議 の 効 力 に 何 の 法 律 上 の 利 益 も 有 し な い 。 債 権 者 な ど 会 社 外 部 の 主 体 は 会 社 決 議 の 無 効 あ る い は 不 存 在 の 訴 え を 提 起 す る こ と が で き な い だ け で な く 、 民 事 訴 訟 法 上 の 一 般 の 確 認 訴 訟 も 第 三 者 と し て 訴 訟 に 参 加 す る こ と も で き な い13。 ( 2 ) 被 告 適格 会 社 法 司 法 解 釈 四 3 条 の 規 定 は 会 社 決 議 瑕 疵 訴 訟 の 被 告 を 明 確 に し た 。 今 ま で 被 告 を 巡 っ て 争 い が あ っ た が 、 こ れ に よ り 、 決 着 が つ い た と 考 え ら れ る 。 会 社 決 議 に 争 う 訴 え の 被 告 に つ い て 、 会 社 決 議 瑕 疵 の 発 生 原 因 に よ り 、 そ れ ぞ れ 会 議 の 募 集 人 、提 案 人 、賛 成 票 者14を 被 告 に す る 見 解15が あ る 。し か し 、決 議 結 果 を 決 議 手 続 き の 参 加 者 に 直 接 関 連 す る 必 要 が あ る か ど う か を 根 拠 に し 、 適 格 被 告 を 確 定 す る こ と に は 、 ま だ 議 論 の 余 地 が あ る16と 最 高 人 民 法 院 が 示 し た 。 ( 3 ) 無 効 事由 中 国 会 社 法 22 条 第 1 項 は 会 社 決 議 の 無 効 事 由 を 規 定 し て い る 。 同 条 か ら 見 れ ば 、決 議 無 効 の 事 由 は 決 議 の 内 容 が 法 律 あ る い は 行 政 法 規 に 違 反 す る こ と で あ る 。 会 社 決 議 が 無 効 と さ れ た 場 合 は 会 社 内 部 に 重 大 な 影 響 を 及 ぼ す だ け で な く 、 無 効 と 確 認 さ れ た 決 議 が 執 行 機 関 に よ っ て 執 行 さ れ 、 第 三 者 の 利 益 に も 重 大 な 影 響 を 及 ぼ す た め 、 決 議 の 内 容 が 法 律 や 行 政 法 規 に 違 反 す る 場 合 だ け が 無 効 の 確 認 を す る こ と が で き る 。 決 議 の 無 効 に 関 す る 事 由 が ド イ ツ 法 で は 列 挙 方 式 を 採 用 し 、 可 能 な 限 り す べ て の 無 効 状 況 を 列 挙 規 定 し て い る と と も に 、 決 議 の 無 効 事 由 の 確 認 も 法 律 上 明 示 さ れ て い る 事 由 に 限 定 さ れ17、 こ れ は 裁 判 所 に と っ て 有 用 で あ る と に 提 訴 権 が 認 め ら れ な い と 、 債 権 者 は 契 約 に 基 づ い て 有 す る 権 利 を 行 使 で き な い と 判 示 し た 。 13 丁 勇 「 组 织 法 的 诉 讼 构 造 : 公 司 决 议 纠 纷 诉 讼 规 则 重 构 」 中 国 法 学 2019 年 5 号 ( 2019) 103 頁 。 14 株 主 総 会 ・ 社 員 総 会 に 提 出 さ れ た 議 案 の 取 締 役 会 の 賛 成 取 締 役 を 指 す 。 15 石 纪 虎 「 关 于 股 东 大 会 决 议 效 力 的 探 讨 」 政 治 与 法 律 2009 年 5 号 ( 2009) 116 頁 。 16 杜 ・ 前 掲 ( 9) 文 献 86- 87 頁 。 17 格 茨 ·怀 克 = 克 里 斯 蒂 娜 ·温 德 比 西 勒 『 德 国 公 司 法 』 殷 盛 訳 ( 法 律 出 版 社 ・ 2010)
考 え ら れ る 。 し か し 、 法 改 正 に は 時 間 が か か る た め 、 あ ら ゆ る 状 況 を 法 で 規 定 す る の は 無 理 だ と 思 わ れ る 。 そ れ ゆ え 、 当 条 で の 規 定 は 抽 象 的 な 規 定 を 採 用 し た 。 し か し 、 現 行 法 の 規 定 の 「 法 律 あ る い は 行 政 法 規 に 違 反 す る 」 を 更 に 明 確 す る べ く 、「 法 律 あ る い は 行 政 法 規 の 強 行 規 定 に 違 反 す る 」 と し た 。 こ れ に 対 し て 、「 法 律 あ る い は 行 政 法 規 の 効 力 規 定 に 違 反 す る 」 と の 更 に 厳 格 的 な 意 見 も あ る 。 条 文 の 「 法 律 、 行 政 法 規 」 に 関 し て 、 内 容 的 に 法 律 、 行 政 法 規 に 違 反 す る こ と が あ れ ば 、 す べ て の 場 合 に お い て 、 無 効 に な る の か 。 法 律 規 定 は 強 行 法 規 と 任 意 法 規 に 分 け る こ と が で き 、 任 意 法 規 は 行 為 者 が 法 に よ っ て 適 用 を 変 更 、 選 択 、 ま た は 除 外 す る こ と を 許 可 す る 法 律 規 定 で あ る 。 こ れ に 対 し て 、 強 行 法 規 は 行 為 者 が 法 規 に 従 っ て 行 為 し な け れ ば な ら な い も の で あ り 、 法 に 規 定 さ れ て い る こ と を 任 意 に 変 更 し た り 排 除 し た り す る こ と は 許 さ れ な い 。 も し 会 社 決 議 に 違 法 な 内 容 は あ る が 、 そ の 違 反 は 任 意 法 規 に 対 す る も の で あ る な ら ば 、 そ れ で も 無 効 決 議 と 認 定 す る べ き な の か 。 会 社 の 決 議 が 無 効 で あ る か ど う か の 認 定 は 、 そ の 内 容 が 法 律 、 行 政 法 規 の 効 力 規 定 ( 強 行 法 規 の う ち 違 反 し た 場 合 に 効 力 を 否 定 す る 規 定 ) に 違 反 し て い る か ど う か を 判 断 基 準 と す る べ き18と 言 わ れ て い る 。 こ れ は 決 議 無 効 事 由 の 法 律 、 法 規 を 強 行 法 の 中 で も さ ら に 効 力 規 定 に 制 限 し て い る 。 こ の 見 解 は 決 議 の 無 効 は 、 決 議 に 対 す る 当 初 か ら の 否 定 的 な 評 価 で あ る た め 、 無 効 事 由 は 厳 格 に す る べ き で あ る と い う 判 断 に 基 づ く 。 決 議 の 内 容 が 法 律 、 行 政 法 規 の 中 で も 効 力 規 定 に 違 反 し た 場 合 に の み 無 効 と な る と す る 。 し か し 、 条 文 の 法 律 、 法 規 を 効 力 規 定 に 厳 格 に 制 限 す る 必 要 は な く 、 法 律 、 行 政 法 規 の 強 行 規 定 で あ れ ば よ い と す る 学 者 も い る19。 ( 4 ) 会 社 決議 が 無 効 ・ 取消 の 効力 会 社 法 司 法 解 釈 四 6 条 は 会 社 の 決 議 が 訴 訟 に よ っ て 無 効 と 確 認 さ れ た 場 合 の 効 力 と 取 り 消 し た 場 合 の 効 力 を 規 定 し た 。 会 社 決 議 瑕 疵 訴 訟 と 瑕 疵 の あ る 決 議 を 執 行 し て 相 手 と 発 生 し た 法 律 関 係 と の 間 の 紛 争 は 、2 つ の 独 立 し た 訴 訟 関 係 で あ る 。 会 社 決 議 が 扱 う 内 容 は 、 単 純 な 内 部 関 係 、 単 純 な 外 部 関 係 、 内 部 関 係 と 外 部 関 係 が 結 合 し て い る 場 合 が あ る 。 第 6 条 の 規 定 及 び 最 高 人 民 法 院 の 解 釈 に よ る と 、 単 純 な 内 部 関 係 の 決 議 に つ い て 、 決 議 が 無 効 で あ る こ と が 確 認 さ れ た 場 合 あ る い は 取 り 消 さ れ た 場 合 、 会 社 内 部 の 関 係 者 に 対 し て 当 然 に 効 力 が あ り 、 遡 及 効 が 認 め 550ー 552 頁 。 18 王 雷 「 公 司 决 议 行 为 瑕 疵 制 度 的 解 释 与 完 善 — — 兼 评 公 司 法 司 法 解 释 四 ( 征 求 意 见 稿 ) 第 4~9 条 规 定 」 清 华 法 学 2016 年 5 号 ( 2016) 180 頁 。 19 李 ・ 前 掲 ( 3 ) 文 献 57 頁 。
ら れ る20。 決 議 の 内 容 が 内 部 関 係 と 外 部 関 係 の 両 方 で あ り 、 あ る い は 単 に 外 部 関 係 に 係 わ っ て い る 場 合 に 、 会 社 の 決 議 が 無 効 で あ る こ と が 確 認 さ れ た り 取 り 消 さ れ た り し た 場 合 に は 、 外 部 関 係 に は 善 意 の 第 三 者 に 対 す る 遡 及 効 は な い21。 し か し 、 こ の 規 定 に は 不 十 分 な と こ ろ は 、 会 社 の 決 議 が 取 り 消 さ れ た り 無 効 で あ る こ と が 確 認 さ れ た り し た 後 の 関 連 法 律 関 係 の 問 題 に つ い て 言 及 せ ず 、 特 に 外 部 の 法 律 関 係 に 関 す る 問 題 は 善 意 の 相 手 に 対 す る 規 定 に と ど ま っ て い る こ と に あ る 。 最 高 人 民 法 院 は こ の よ う な 不 備 の 理 由 を 以 下 の よ う に 示 し た 。 無 効・取 り 消 さ れ た 場 合 の 効 果 の 規 定 を 設 け る と す れ ば 、複 数 の 法 律 を 研 究 し 、 会 社 法 を 越 え て 他 の 法 律 を 解 釈 す る 必 要 が 生 じ る 。 し か し 、 こ れ は 明 ら か に 会 社 法 の 司 法 解 釈 作 業 の 範 囲 を 超 え る 。 決 議 を 取 り 消 す こ と に 関 係 す る 各 種 類 の 問 題 の 解 決 の 難 度 及 び 会 社 法 の 司 法 解 釈 の 範 囲 を 超 え た こ と に 鑑 み 、 こ の 問 題 に 対 し て 繰 り 返 し 議 論 を 行 い 、 決 議 に 関 係 す る 可 能 性 の あ る 法 律 関 係 を 整 理 し た 結 果 、 効 力 を 明 確 に す る 規 定 案 を 撤 回 し た22。 ま た 、 同 司 法 解 釈 6 条 の 規 定 は 善 意 の 第 三 者 が 影 響 を 受 け な い こ と を 規 定 し て い る が 、 も し 善 意 で な い 相 手 の 効 力 が ど の よ う な 場 合 で も 、 直 ち に 無 効 に な る の か 。 会 社 の 合 併 、 分 割 な ど 重 大 な 事 項 に つ い て 決 議 が 長 期 間 経 過 し て か ら 無 効 が 確 認 さ れ た り 、 取 り 消 さ れ た り す る と 、 法 律 関 係 の 安 定 に 害 す る 恐 れ が 考 え ら れ る 。
2. 取消可能の訴え
会 社 法 司 法 解 釈 四 2 条 「 会 社 法 22 条 2 項 に 基 づ き 、 社 員 総 会 あ る い は 株 主 総 会 、 ま た は 取 締 役 会 の 決 議 を 取 り 消 す と 請 求 し た 原 告 は 、 提 訴 時 に 会 社 株 主 資 格 を 持 っ て い な け れ ば な ら な い 。」と 規 定 し て い る 。4 条「 株 主 が 社 員 総 会 あ る い は 株 主 総 会 、ま た は 取 締 役 会 決 議 の 取 り 消 し を 請 求 し た 場 合 、中 国 会 社 法 22 条 2 項 の 規 定 に 合 致 す る 場 合 に は 、 人 民 法 院 は 請 求 を 認 め る べ き で あ る が 、 会 議 募 集 手 続 又 は 議 決 方 式 に 僅 か な 瑕 疵 が あ る だ け で あ り 、 か つ 決 議 に 実 質 的 な 影 響 を 与 え な い 場 合 に は 、人 民 法 院 は 請 求 を 認 め る べ き で は な い 。」と 規 定 し て い る 。以 上 の 条 文 と 中 国 会 社 法 22 条 2 項 は 会 社 決 議 の 取 り 消 し 可 能 の 訴 え の 事 由 、提 訴 期 限 、 提 訴 権 者 資 格 及 び 取 り 消 し 可 能 な 決 議 の 裁 量 棄 却 を 規 定 し て い る 。 こ れ ら の 規 定 と 前 述 の 会 社 法 司 法 解 釈 四 6 条 の 決 議 無 効 又 は 取 り 消 し に 関 す る 効 力 の 規 定 と が 、 20 杜 ・ 前 掲 ( 9) 文 献 148 頁 。 21 杜 ・ 前 掲 ( 9) 文 献 148 頁 。 22 杜 ・ 前 掲 ( 9) 文 献 162ー 163 頁 。中 国 の 会 社 決 議 取 り 消 し 可 能 訴 訟 の 法 律 制 度 を 構 成 し て い る 。 ( 1) 取 消事 由 中 国 会 社 法 22 条 2 項 は 会 社 の 定 款 の 違 反 と 法 律 法 規 の 違 反 の 両 方 か ら 会 社 決 議 の 取 り 消 し 事 由 を 定 め て い る 。 一 つ 目 は 決 議 の 内 容 が 定 款 に 違 反 す る こ と で あ る 。 会 社 定 款 は 会 社 の 最 高 規 範 で あ り 、 効 力 が 会 社 の す べ て の 機 関 と 構 成 員 に お よ ぶ 。 し か し 、 そ の 効 力 は 、 会 社 内 部 に 限 ら れ て い る 。 そ の た め 、 決 議 の 内 容 が 会 社 の 定 款 に 違 反 す る こ と は 、 一 般 に 会 社 以 外 の 第 三 者 又 は 社 会 公 共 の 利 益 を 侵 害 す る こ と に は な い で あ ろ う23。仮 に 、こ の よ う な 外 部 へ の 侵 害 が あ れ ば 、法 律 の 規 定 に 違 反 す る こ と に な る 。 定 款 違 反 だ け で は 無 効 が 要 求 さ れ る ほ ど 深 刻 な 侵 害 は 存 在 し な い 。 も ち ろ ん 、 執 行 機 関 に よ っ て 第 三 者 と の 法 律 行 為 が な さ れ た 場 合 は 、 会 社 以 外 の 第 三 者 に も 影 響 が 及 ぶ 。 だ が 、 そ れ は 法 律 行 為 の 効 力 と い う 別 の 問 題 に な る で あ ろ う 。 そ の た め 、 法 律 は こ の よ う な 瑕 疵 決 議 の 取 消 権 を 会 社 の 株 主 に 与 え た 。 二 つ 目 は 会 議 募 集 手 続 き 、 議 決 方 法 が 法 律 あ る い は 行 政 法 規 ま た は 会 社 の 定 款 に 違 反 し た 場 合 で あ る 。 具 体 的 に ど の よ う な 手 続 き の 瑕 疵 が 取 り 消 し 可 能 な の か に は 現 行 法 の 規 定 が な い 。 一 般 的 に は 、 以 下 の よ う な 瑕 疵 が あ る と 整 理 さ れ て い る 。 募 集 手 続 き に は 募 集 権 瑕 疵 ( 表 見 募 集 、 絶 対 無 募 集 権 の 募 集 ) と 募 集 通 知 の 瑕 疵 ( 通 知 の 方 法 が 規 定 違 反 、 通 知 期 間 が 規 定 違 反 、 通 知 内 容 が 規 定 違 反 、 通 知 対 象 が 規 定 違 反 ) が 含 ま れ 、 表 決 方 法 に は 議 長 の 不 適 格 、 無 表 決 権 株 主 が 表 決 に 加 え る こ と 、 表 決 事 項 の 瑕 疵 、 表 決 権 の 計 算 の 間 違 い と 株 主 が 表 決 権 を 行 使 す る と き の 意 思 表 示 瑕 疵 な ど が 想 定 さ れ る24。 し か し 、 以 上 の 事 由 に は 理 論 上 に も ま だ 争 い が あ る 。 具 体 的 な 判 断 は 人 民 法 院 が 事 実 に 合 わ せ て 判 断 す る こ と に 任 さ れ て い る 。 ( 2 ) 提 訴 期間 中 国 会 社 法 22 条 2 項 に 規 定 さ れ た 取 り 消 し の 訴 え の 訴 訟 期 間 は 60 日 で あ り 、 当 該 提 訴 期 限 は 不 変 期 限 で あ り 、当 事 者 が 知 っ て い る か 否 か を 起 算 条 件 と し な い 。 こ の よ う な 規 定 は 主 に 会 社 の 経 営 の 安 定 を 考 慮 し 、 時 間 が 長 す ぎ る 場 合 、 会 社 は 決 議 に 基 づ い て 各 経 営 管 理 活 動 を 行 っ て お り 、 取 り 消 さ れ れ ば 、 会 社 に 大 き な 影 響 を 与 え 、 取 り 返 し の つ か な い こ と に な る か ら 設 け ら れ て い る 。 23 丁 ・ 前 掲 ( 13) 文 献 100ー 103 頁 を 参 照 す る 。 丁 ・ 前 掲 ( 13) 文 献 は そ も そ も 会 社 決 議 の 効 力 は 会 社 内 部 に と ど ま る と 主 張 す る 。 24 李 建 伟 「 论 公 司 决 议 可 撤 销 的 适 用 事 由 — — 基 于 司 法 适 用 立 场 的 立 法 解 释 」 浙 江 社 会 科 学 2009 年 8 号 ( 2009) 44ー 45 頁 。
( 3 ) 提 訴 権者 会 社 法 司 法 解 釈 四 2 条「 会 社 法 第 22 条 第 2 項 に 従 っ て 社 員 総 会 或 は 株 主 総 会 、 ま た は 取 締 役 会 の 決 議 の 取 消 し を 請 求 す る 原 告 は 、 訴 え を 提 起 す る 時 に 会 社 株 主 の 資 格 を 有 す る も の と す る 」 と 規 定 し て い る 。 最 高 人 民 法 院 の 見 解 に よ る と 、 取 り 消 し の 訴 え の 提 訴 資 格 に は 、( 1) 訴 え を 提 起 し た 株 主 が 提 起 す る 時 に そ の 会 社 の 株 主 の 資 格 を 持 っ て い る こ と を 明 確 に し 、 会 議 が 開 催 さ れ た 時 に そ の 会 社 の 株 主 の 身 分 が あ る か ど う か は 問 わ な い 。( 2) 株 主 が 出 席 す る か 否 か 、 表 決 す る か 否 か 、 ま た は 持 株 数 を 問 わ ず 訴 え を 提 起 す る 権 利 を 有 す る 。( 3) 株 主 の み で あ り 、 取 締 役 等 は 提 訴 権 者 で は な い25。 第 一 点 に つ い て 、 楊 建 華 教 授 は 「 も し 決 議 時 に 株 主 の 地 位 を 取 得 し て い な い 者 は 、 株 主 総 会 の 決 議 に 瑕 疵 が あ っ て も 、 そ の 瑕 疵 と の 間 に 利 害 関 係 は な く 、 こ の 形 成 権 を 取 得 し て い な い 。決 議 時 に 株 主 の 身 分 を 持 っ て い る 者 が 提 訴 権 者 と な る 。」 26と 考 え て い る 。ま た 、議 決 権 が 制 限 さ れ た 株 主 で あ っ て も 、株 主 と し て の 情 報 収 集 権 や 質 問 権 な ど そ の 他 の 権 利 を 有 す る 。よ っ て 、議 決 権 の な い 株 主 で あ っ て も 、 こ れ ら の 権 利 を 侵 害 さ れ た 場 合 に は 、 会 社 決 議 取 消 の 訴 え の 原 告 適 格 が 認 め ら れ る27。最 高 人 民 法 院 は「 訴 え を 提 起 す る 時 に 株 主 資 格 を 持 っ て い る と 判 断 し 、す な わ ち 株 主 が 現 実 的 な 利 益 を 持 っ て い る と 認 定 し 、 議 決 後 の 譲 受 ま た は 承 継 に よ り 株 主 に な る 者 は 、 当 該 議 決 が 会 社 の 利 益 に 影 響 を 与 え る 以 上 、 譲 受 人 な ど も 関 係 す る 株 主 な ど を 提 訴 権 者 と 認 め る べ き で あ る 。」28と 示 し た 。 ( 4 ) 裁 量 棄却 会 社 法 司 法 解 釈 四 4 条 「 株 主 が 社 員 総 会 或 は 株 主 総 会 、 ま た は 取 締 役 会 の 決 議 の 取 り 消 し を 請 求 し た 場 合 、 中 国 会 社 法 第 22 条 第 2 項 の 規 定 に 合 致 す れ ば 、 人 民 法 院 は 支 持 し な け れ ば な ら な い 。 し か し 、 会 議 募 集 手 続 又 は 表 決 方 法 に 軽 微 な 瑕 疵 だ け が あ り 、 か つ 決 議 に 実 質 的 な 影 響 が な い 場 合 、 人 民 法 院 は 支 持 し な い 。」 と 規 定 し て い る 。 所 謂 取 り 消 し 訴 え の 裁 量 棄 却 制 度 で あ る 。 こ の 制 度 は 、 会 社 法 司 法 解 釈 四 で 新 た に 取 り 込 ん だ 制 度 で あ る 。 決 議 取 り 消 し 訴 訟 の 裁 量 棄 却 制 度 は 、 日 本 、 韓 国 お よ び 台 湾 地 域 の 法 律 に も 規 定 さ れ 、 理 論 的 に も 実 践 的 に も 重 要 な 意 義 を 持 つ 。 会 社 の 決 議 が な さ れ た 以 上 、 25 杜 ・ 前 掲 ( 9) 文 献 57-62 頁 。 26 杨 建 华 『 民 事 诉 讼 法 问 题 研 析 ( 三 )』( 三 民 书 局 ・ 1997) 問 題 壹 肆 壹 「 撤 销 股 份 有 限 公 司 股 东 会 决 议 之 诉 之 原 告 」 27 蔡 立 冬 = 扬 宗 仁「 论 股 东 会 决 议 撤 销 权 的 主 体 及 其 行 使 」当 代 法 学 2008 年 5 号( 2008) 83 頁 。 28 杜 ・ 前 掲 ( 9) 文 献 59 頁 。
簡 単 に 取 消 さ れ る べ き で は な い 。 株 主 総 会 の 決 議 の 取 り 消 し は 多 方 面 の 法 律 関 係 を 破 壊 し 、 特 に 善 意 の 第 三 者 の 利 益 に 損 害 を 与 え る 可 能 性 が あ り 、 株 主 総 会 決 議 の 効 力 に 対 す る 第 三 者 の 合 理 的 な 信 頼 を 破 壊 し 、 取 引 の 安 全 と 法 律 秩 序 の 安 定 を 害 す る29。条 文 の 規 定 か ら 見 る と 、裁 量 棄 却 の 要 件 は 、ま ず 、裁 量 棄 却 の 対 象 が 会 議 募 集 手 続 き あ る い は 表 決 方 法 上 の 瑕 疵 の み と さ れ て い る 。 次 に 、 手 続 き 上 の 瑕 疵 が わ ず か な 瑕 疵 し か な い こ と が 要 件 と さ れ て い る 。「 わ ず か 」 に 対 す る 判 断 は 、 理 論 と 実 務 は 類 型 化 さ れ て い な い が 、 実 際 に は 、 各 株 主 が 多 数 の 意 思 形 成 に 公 平 に 参 加 で き る か ど う か 、 お よ び そ れ に 必 要 な 情 報 を 取 得 で き る か ど う か が 判 断 基 準 と な り う る30。 最 後 に 、 こ の 瑕 疵 は 、 決 議 に 実 質 的 な 影 響 を 与 え な い こ と で あ る 。 僅 か な 瑕 疵 で あ る こ と と 決 議 に 実 質 的 な 影 響 を 与 え な い と い う こ と は 、 同 時 に 満 た さ な け れ ば な ら な い 。 手 続 き 上 の 瑕 疵 は 決 議 の 結 果 に 全 く 影 響 を 与 え な く て も 、 こ の 手 続 き の 瑕 疵 は 株 主 手 続 き の 権 利 に 対 す る 重 大 な 侵 害 で あ れ ば 、 人 民 法 院 は 原 告 の 訴 訟 請 求 を 却 下 し て は な ら な い 。 こ れ も 諸 国 の 裁 判 実 務 の 通 説 で あ る31。 人 民 法 院 が 裁 量 棄 却 制 度 に よ っ て 原 告 の 訴 訟 請 求 を 却 下 す る に は 、 こ れ ら 3 つ の 要 件 を 同 時 に 満 た す 必 要 が あ る 。
3. 不成立の訴え
三 分 割 法 の 瑕 疵 分 類 は 多 く の 学 者 に 受 け 入 れ た 。 し か し 、 第 三 の 瑕 疵 分 類 の 表 現 は 「 決 議 不 存 在 」、「 有 効 的 な 決 議 が 形 成 し て い な い 」、「 決 議 不 成 立 」 の い ず れ に す べ き か の 争 い が あ っ た 。 司 法 解 釈 は 決 議 不 成 立 と い う 表 現 を 採 用 し 、 こ れ は 理 論 界 の 多 数 の 学 者 の 観 点 と 一 致 す る 。 そ の 理 由 は 以 下 の 通 り で あ る 。 司 法 解 釈 の レ ベ ル で 「 決 議 不 存 在 」 と 「 有 効 的 な 決 議 を 形 成 し て い な い 」 の 2 つ の 新 た な 概 念 を 創 設 す る 必 要 は な い と い う こ と で あ る 。 こ の よ う な 概 念 の 区 別 が 無 意 味 で あ り 、 差 異 が 発 生 段 階 の 違 い に と ど ま る 。 そ れ は す で に 該 当 す る 会 議 が 開 催 さ れ た か ど う か で あ る 。社 会 事 実 の 差 異 が 必 ず し も 1 対 1 で 法 律 条 文 に 反 映 さ れ て い る わ け で は な く 、法 律 条 文 は 事 実 に 対 す る 抽 象 的 な 要 約 で あ る 。「 決 議 不 成 立 」は 、こ の よ う な 概 括 的 な 共 通 認 識 の 結 論 で あ る 。な お 、「 決 議 不 存 在 」と 「 有 効 的 な 決 議 を 形 成 し て い な い 」 の 瑕 疵 分 類 の 表 現 が 中 国 の 民 事 行 為 ( 法 律 行 29 蔡 = 杨 ・ 前 掲 ( 27) 文 献 80 頁 。 30 丁 勇 「 公 司 决 议 瑕 疵 诉 讼 制 度 若 干 问 题 反 思 及 立 法 完 善 」 证 券 法 苑 11 巻 ( 2014) 278 頁 。 31 张 凝 『 日 本 股 东 大 会 制 度 的 立 法 、 理 论 与 实 』( 法 律 出 版 社 ・ 2009) 505 頁 、 丁 ・ 前 掲 ( 9) 文 献 117 頁 。為 ) の 効 力 瑕 疵 タ イ プ の 既 存 の 結 論 と 一 致 し な い32。 会 社 法 司 法 解 釈 四 第 5 条 は 「 社 員 総 会 あ る い は 株 主 総 会 、 取 締 役 会 の 決 議 に 以 下 の 状 況 が 存 在 し 、 当 事 者 が 決 議 が 不 成 立 と 主 張 し た 場 合 、 人 民 法 院 は 認 容 す る べ き で あ る 。( 一 )会 社 が 会 議 を 開 催 し て い な い が 、決 議 が あ る 場 合 。た だ し 、中 国 会 社 法 第 三 十 七 条 第 二 項 又 は 会 社 定 款 に 基 づ き 、 株 主 総 会 を 開 催 せ ず に 直 接 決 定 す る こ と が で き 、か つ 全 株 主 が 決 定 書 類 に 署 名 、捺 印 し た 場 合 を 除 く 。( 二 )決 議 事 項 が 会 議 で 表 決 さ れ な か っ た 場 合 。( 三 )会 議 に 出 席 し た 人 数 又 は 株 主 が 持 っ て い る 議 決 権 が 中 国 会 社 法 又 は 会 社 定 款 の 規 定 に 違 反 す る 場 合 。( 四 )会 議 の 議 決 結 果 が 中 国 会 社 法 又 は 会 社 定 款 に 規 定 さ れ た 賛 成 票 割 合 に 達 し て い な い 場 合 。( 五 ) 決 議 が 成 立 し な い 他 の 状 況 。」と 規 定 し て い る 。こ の 条 文 の 規 定 と 第 一 条 に 関 連 し て 訴 訟 原 告 、第 三 条 の 訴 訟 参 加 者 の 地 位 と が 、不 成 立 の 訴 訟 制 度 を 構 成 し て い る 。
4. 取り消し訴えにおける担保提供制度
中 国 会 社 法 22 条 3 項 は 「 被 告 で あ る 会 社 は 決 議 取 消 可 能 の 訴 訟 を 提 起 す る 原 告 で あ る 株 主 に 対 し て 相 応 の 担 保 を 提 供 す る こ と を 要 求 す る こ と が で き る 」 と 規 定 し て い る 。 こ の 規 定 は 、 一 部 の 学 者 か ら 「 立 法 者 が 濫 訴 に 対 抗 す る た め に 会 社 決 議 瑕 疵 訴 訟 に 規 定 し た 訴 訟 担 保 制 度 は 、 民 事 訴 訟 の 基 本 原 理 に 反 す る だ け で は な く 、さ ら に 、濫 訴 問 題 の 根 源 に 触 れ ず 、放 棄 す る べ き で あ る 」33と 批 判 さ れ て い る 。 筆 者 は 、 会 社 決 議 瑕 疵 訴 訟 に お い て 、 訴 訟 法 に お け る 行 為 保 全 理 論 ( 日 本 法 上 の 民 事 保 全 制 度 に 相 当 す る ) を 単 純 に 運 用 す る だ け で は 、 会 社 決 議 瑕 疵 訴 訟 の 特 殊 性 の 要 求 を 満 た す こ と が で き な い と 考 え て い る 。 行 為 保 全 理 論 は 民 事 訴 訟 で 2012 年 か ら 導 入 さ れ て き た が 、民 事 訴 訟 行 為 保 全 に よ っ て 会 社 決 議 が 執 行 停 止 さ れ た 場 合 で あ っ て も 、 必 要 な 場 合 に は 原 告 が 必 要 な 担 保 を 提 供 し な け れ ば な ら な い 可 能 性 が あ る 。 そ の た め 、 行 為 保 全 制 度 と 中 国 会 社 法 に お け る 担 保 制 度 は 二 つ の 並 行 制 度 で あ る 。 行 為 保 全 制 度 は 会 社 の 決 議 を 執 行 停 止 す る 必 要 が あ る か ど う か に 関 す る 制 度 で あ る 。 他 方 、 担 保 制 度 は 原 告 の 訴 え が 担 保 を 提 供 す る 必 要 が あ る か ど う か に 関 す る 制 度 で あ る 。 前 者 は 原 告 の 利 益 を 考 慮 し た も の で 、 決 議 の 執 行 に よ っ て 原 告 や 会 社 に 取 り 返 し の つ か な い 損 失 を 与 え な い よ う に す る 。 後 者 は 会 社 の 利 益 を 考 慮 し た も の で 、 濫 訴 の 発 生 を 防 ぎ 、 会 社 の 正 常 な 運 営 を 保 障 す る た め に 必 要 な こ と で あ る 。 肝 心 な の は 、 決 議 瑕 疵 訴 訟 に 担 保 制 度 を 導 入 す る か ど う か で は な く 、 担 保 制 度 を ど の よ う に 適 用 す る か と い う 点 で あ り 、 会 社 の 正 常 な 32 王 ・ 前 掲 ( 18) 文 献 170- 171 頁 。 33 丁 ・ 前 掲 ( 3) 文 献 90 頁 。経 営 活 動 が 阻 害 さ れ な い よ う に す る こ と と 、 株 主 が 訴 訟 手 段 を 通 じ て 決 議 の 瑕 疵 紛 争 を 解 決 す る こ と を 妨 げ な い よ う に す る こ と と を 両 立 し て 、 自 分 と 会 社 の 利 益 を 守 る こ と が で き る こ と で あ る 。 し か し 、 現 行 の 法 律 の 規 定 は 担 保 制 度 に 対 す る 会 社 決 議 の 瑕 疵 訴 訟 に お け る 具 体 的 な 規 定 が な い た め 、 会 社 決 議 瑕 疵 訴 訟 の 提 起 に 常 に 適 用 さ れ る も の に み え る こ と か ら 一 部 の 学 者 か ら 不 当 で あ る と の 批 判 を 招 い て い る 。
5. 決議の執行停止
中 国 会 社 法 は ド イ ツ の 会 社 決 議 の 瑕 疵 訴 訟 に お け る 「 登 録 障 害 制 度 」 の 教 訓 を 得 、 訴 え を 提 起 す る こ と を 会 社 決 議 の 執 行 停 止 事 由 と し て い な い 。 し か し 、 同 時 に 法 律 が こ れ に 対 し て 全 く 規 定 し て い な い こ と は 立 法 の 欠 缺 と な っ て い る 。 こ れ は 、 瑕 疵 決 議 訴 訟 の 濫 用 を 招 く こ と に な ら な い が 、 執 行 を 停 止 す る か 否 か に 大 き な 不 明 確 性 を も た ら し て い る 。 こ れ に 対 し て 法 律 が 規 定 し て い な い た め 、 裁 判 実 務 で は 民 事 訴 訟 に お け る 行 為 保 全 の 一 般 原 理 が 活 用 さ れ る こ と が 多 い 。 中 国 の 民 事 訴 訟 法 に お け る 行 為 保 全 に 関 す る 重 要 な 基 準 の 一 つ は 「 判 決 の 執 行 が 困 難 で あ る こ と ま た は 執 行 が 無 意 味 に な る こ と 」 で あ る 。 し た が っ て 、 裁 判 官 は 行 為 保 全 を 適 用 す る 際 に 、 判 決 を 下 し た 後 に 、 判 決 の 執 行 が 困 難 ま た は 執 行 が 無 意 味 に な る か ど う か を 判 断 し な け れ ば な ら な い 。 会 社 決 議 瑕 疵 訴 訟 に お い て 、 判 決 の 執 行 が 困 難 あ る い は 執 行 が 無 意 味 に な る 場 合 は 、 会 社 の 合 併 、 分 割 な ど 会 社 の 将 来 の 発 展 の 方 向 性 や 命 運 に 関 わ る 重 大 な 決 議 で あ る 。 し か し 、 決 議 が 最 終 的 に 無 効 に な る の は 判 決 が 出 さ れ て 以 降 で あ る 。 そ の た め 、 原 告 が 提 出 し た 執 行 停 止 の 申 請 は ど の よ う に 処 理 す べ き か 、 原 告 が 担 保 を 提 供 す る 必 要 が あ る か 、 ど の よ う な 状 況 で 申 請 者 が 担 保 を 提 供 す る 必 要 が あ る か な ど の 問 題 を 明 確 に す る 必 要 が あ る 。 同 様 に 会 社 に と っ て も 、 こ れ ら の 決 議 は 会 社 の 経 営 、 生 存 、 消 滅 な ど の 重 大 な 問 題 に 関 係 し て い る 。 執 行 を 停 止 す れ ば 、 会 社 が 勝 訴 を 得 て も 決 議 執 行 の 最 適 な 時 期 が 過 ぎ 、 無 意 味 な 勝 訴 に な る 可 能 性 が あ り 得 る 。 そ の た め 、 会 社 法 の 特 殊 性 を 考 慮 し 、 民 事 訴 訟 法 の 行 為 保 全 理 論 に 基 づ き 、 会 社 決 議 の 特 殊 性 に 合 わ せ 、 会 社 決 議 の 瑕 疵 訴 訟 に お け る 執 行 停 止 制 度 を 具 体 的 に 規 定 す る 必 要 が あ る 。III. ドイツにおける取消権の濫用と日本におけるその対策
1. ドイツにおける取消権の濫用
( 1 ) 登 記 停止 と取 消 権 の濫 用 ド イ ツ 株 式 会 社 法 に 規 定 さ れ た 株 主 総 会 決 議 の 瑕 疵 の 類 型 は 、 決 議 無 効 、 決 議 取 消 可 能 、 決 議 不 発 効 が あ る 。 決 議 無 効 の 事 由 に つ い て 、 可 能 な 限 り 疑 問 を 排 除 す る た め に 、241 条 で 具 体 的 な 事 由 を 列 挙 し 、詳 細 に 規 定 し た34。具 体 的 に は 実 質 的 な 募 集 手 続 き の 瑕 疵 ( 241 条 1 項 )、 決 議 の 作 成 に お け る 瑕 疵 ( 同 条 2 項 )、 尋 常 で な い 内 容 の 瑕 疵( 同 条 3 項 )、決 議 の 内 容 に 善 良 な 風 習 に 違 反 す る こ と( 同 条 4 項 )、 取 消 さ れ た 決 議 ( 同 条 5 項 )、 公 式 の 抹 消 登 記 手 続 き に よ る こ と ( 同 条 6 項 )。そ れ 以 外 の 瑕 疵 は 内 容 で あ ろ う か 手 続 き で あ ろ う か を 問 わ ず 、取 り 消 し の 事 由 に な り う る 。 決 議 取 り 消 し の 可 能 性 は 決 議 無 効 の 可 能 性 よ り 大 き く 、 か つ 、 取 り 消 し の 訴 え で も 無 効 原 因 を 主 張 で き る か ら 、 裁 判 実 務 で は 決 議 取 り 消 し の 訴 え は 一 般 的 に な り 、 ド イ ツ の 文 献 で も 「 取 り 消 し の 訴 え の 濫 用 」 と 称 す る 事 象 が 発 生 し て い た35。 決 議 瑕 疵 訴 訟 の 濫 用 と は 、 裁 判 実 務 の 中 、 一 部 の 少 数 派 株 主 の 訴 え を 提 起 す る 目 的 が 重 要 な 決 議 の 違 法 性 を 是 正 し 、 決 議 の 合 法 性 と 自 己 の 利 益 を 守 ろ う と す る こ と で は な く 、 会 社 に 迷 惑 を か け 、 重 要 な 決 議 の 執 行 に プ レ ッ シ ャ ー を か け 、 会 社 に 妥 協 を 迫 ら せ て 多 額 の 和 解 補 償 を 得 る た め で あ る36。ド イ ツ 組 織 再 編 法 16 条 ( 合 併 )、125 条( 分 割 )、176 条 1 項( 財 産 譲 渡 )、198 条 3 項( 形 式 変 更 )、株 式 会 社 法 319 条 5 項( 会 社 加 入 )、327c 条 2 項( 少 数 株 主 の 締 め 出 し )な ど の 場 合 、 各 当 事 会 社 の 代 表 者 は 、 登 記 の 申 請 を し な け れ ば な ら な い 。 そ の 際 に 、 合 併 、 会 社 分 割 な ど の 承 認 に 係 る 株 主 総 会 の 決 議 の 効 力 を 争 う 訴 え が 提 起 さ れ て い な い こ と 、 も し く は 期 間 内 に 提 起 さ れ て い な か っ た こ と 、 ま た は そ の よ う な 訴 え が 確 定 的 に 棄 却 さ れ た か 取 り 消 さ れ た こ と を 宣 言 し 、 登 記 裁 判 所 に 通 知 し な け れ ば な ら 34 格 次 = 克 里 ・ 前 掲 ( 17) 文 献 550 頁 。 35 丁 勇 「 德 国 公 司 决 议 瑕 疵 诉 讼 滥 用 问 题 研 究 及 启 示 」 比 较 法 研 究 2013 年 4 号 ( 2013) 35- 36 頁 。 36 丁 ・ 前 掲 ( 35) 文 献 36 頁 。な い37。こ れ が な い 場 合 は 、登 記 を す る こ と が で き な い38。こ の 規 定 は 少 数 派 株 主 の 利 益 を 保 護 す る 目 的 で あ る が 、 ド イ ツ の 裁 判 実 務 か ら 見 れ ば 、 一 部 の 少 数 派 株 主 に 濫 用 さ れ て い た 。 組 織 再 編 に 係 る 決 議 の 効 力 を 争 う 訴 え が 提 起 さ れ る と 登 記 は で き な く な る と い う 効 果 は 、 提 訴 権 限 を 有 す る 株 主 に 、 会 社 と の 交 渉 に お い て 不 相 応 の 手 段 を 与 え る こ と に な る と 評 価 さ れ て い る39。 以 上 の 重 要 の 決 議 以 外 の 一 般 の 事 項 の 決 議 に 対 し 、 株 主 が 決 議 瑕 疵 の 訴 え を 提 起 し た 場 合 、 登 記 裁 判 官 は 訴 訟 が 勝 つ こ と の 可 能 性 に 基 づ い て 、 登 記 す る か ど う か は 自 由 裁 量 と な る 。 し か し 、 事 実 上 勝 訴 の 可 能 性 を 判 断 す る の は 難 し く 、 登 記 裁 判 官 は 訴 訟 の 結 果 と の 一 致 性 を 考 慮 し 、 明 確 に 濫 訴 で あ る 場 合 以 外 、 訴 訟 の 結 果 が で る ま で 登 記 停 止 と 判 決 す る40。 い わ ゆ る 事 実 上 の 登 記 障 害 で あ る41。 1980 年 代 以 降 濫 訴 が 深 刻 に な る 一 方 で あ る か ら 、 そ の 後 の 組 織 再 編 法 の 改 正 案 の 中 で 濫 訴 の 対 策 と し て 登 記 停 止 の 解 除 制 度 を 導 入 し 、 そ の 後 整 備 し つ つ に あ る42。 ( 2 ) 濫 用 の原 因 濫 用 に な る 原 因 は 、( 1 ) 前 述 の 登 記 停 止 制 度 、( 2 ) 訴 え を 提 起 す る 条 件 が 低 い 、( 3 )略 奪 的 株 主 の テ ク ニ ッ ク の 三 つ で あ る43と 言 わ れ て い る 。特 に 登 記 停 止 制 度 は 株 主 が 不 当 利 益 を 得 る た め の 交 渉 手 段 に な る 。 確 か に そ れ は 制 度 設 計 の 問 題 で あ る が 、 筆 者 は こ の 制 度 自 体 は 原 因 で は な く 、 株 主 に こ の 制 度 を 通 じ て 利 益 を え る 機 会 を 与 え た こ と に 原 因 が あ る の で は な い か と 考 え て い る 。 民 事 訴 訟 の 機 能 は 被 害 者 に 対 し て の 補 償 を 実 現 す る た め で あ り 、 利 益 獲 得 で は な い 。 ド イ ツ の こ の 登 記 停 止 制 度 は 「 被 害 者 」 に 利 益 獲 得 の 機 能 を 与 え た 。 こ れ が あ る か ら 、 株 主 は こ の 不 正 な 利 益 獲 得 を 実 現 す る た め に 会 社 を 困 ら せ る 。 37 牧 真 理 子 「 組 織 再 編 に 係 る 決 議 の 効 力 を 争 う 訴 え 」 早 川 勝 ほ か 編 『 ド イ ツ 会 社 法 ・ 資 本 市 場 法 研 究 』( 中 央 経 済 社 ・ 2016) 450 頁 、 丁 ・ 前 掲 ( 35) 文 献 36- 37 頁 。 38 牧 真 ・ 前 掲 ( 37) 文 献 37。 39 牧 真 ・ 前 掲 ( 37) 文 献 459 頁 。 40 丁 ・ 前 掲 ( 35) 文 献 37 頁 。 41 丁 ・ 前 掲 ( 35) 文 献 37 頁 。 42 丁 ・ 前 掲 ( 35) 文 献 39 頁 。 43 丁 ・ 前 掲 ( 35) 文 献 36- 38 頁 。
2. 日本における濫訴の対策
日 本 会 社 法 831 条 の 規 定 に よ る と 、日 本 法 上 、株 主 総 会 決 議 取 り 消 し 訴 訟 の 原 告 は 株 主 、 取 締 役 、 監 査 役 を 主 と し 、 清 算 人 は 原 告 に な る の は 決 議 と の 直 接 の 利 害 関 係 が あ る 場 合 と さ れ て い る 。 提 訴 期 限 は 3 ヶ 月 で あ る 。 株 主 総 会 決 議 瑕 疵 訴 訟 の 被 告 に つ い て 、834 条 16 号 は 決 議 無 効 訴 訟 と 決 議 不 存 在 訴 訟 の 被 告 は 会 社 で あ る と 規 定 し て い る 。17 号 で 取 消 可 能 の 訴 訟 の 被 告 を 会 社 と 規 定 し て い る 。そ の た め 、 日 本 法 上 で は 株 主 総 会 決 議 瑕 疵 訴 訟 の 被 告 は 会 社 で あ る 。 日 本 の 裁 判 実 務 に 深 刻 な 濫 用 行 為 が な か っ た 原 因 は 、 法 律 上 濫 訴 者 に 濫 訴 に よ る 利 益 を え る 隙 を 与 え な か っ た か ら で あ る 。 会 社 決 議 の 濫 用 を 防 ぐ た め の 規 定 に は 、担 保 制 度 と 裁 量 棄 却 制 度 の 二 つ が あ る 。ま ず 、日 本 会 社 法 836 条 1 項 は 株 主 の 提 訴 の 担 保 責 任 を 規 定 し 、「 会 社 の 組 織 に 関 す る 訴 え で あ っ て 、株 主 又 は 設 立 時 株 主 が 提 起 す る こ と が で き る も の に つ い て は 、 裁 判 所 は 、 被 告 の 申 立 て に よ り 、 当 該 会 社 の 組 織 に 関 す る 訴 え を 提 起 し た 株 主 又 は 設 立 時 株 主 に 対 し 、 相 当 の 担 保 を 立 て る べ き こ と を 命 ず る こ と が で き る 。」と す る 。3 項 は「 被 告 は 、第 一 項( 前 項 に お い て 準 用 す る 場 合 を 含 む 。)の 申 立 て を す る に は 、原 告 の 訴 え の 提 起 が 悪 意 に よ る も の で あ る こ と を 疎 明 し な け れ ば な ら な い 。」と 定 め る 。規 定 さ れ た 担 保 制 度 は 、濫 用 行 為 の 発 生 を 防 止 す る と と も に 、被 告 が 担 保 を 要 求 す る 証 拠 を 提 供 し 、 原 告 の 悪 意 を 証 明 し な け れ ば な ら な い と 規 定 し 、 被 告 が 担 保 制 度 を 濫 用 し て 訴 訟 を 阻 止 す る こ と を 防 止 す る こ と も で き る 。 し か し 、 後 述 の 通 り 、 こ の 担 保 制 度 の 規 定 は 適 当 で あ る か に つ い て 疑 問 が あ る 。 次 、 831 条 2 項 は 裁 判 所 の 裁 量 棄 却 制 度 を 規 定 し て い る 。裁 判 所 は 自 由 裁 量 権 を 発 揮 し て 、瑕 疵 を 審 査 す る こ と が で き 、 審 査 の 結 果 、 そ の 瑕 疵 が 手 続 き 上 の わ ず か な 瑕 疵 に 過 ぎ ず 、 決 議 結 果 に 重 大 な 影 響 を 与 え な か っ た 場 合 、 原 告 の 請 求 を 却 下 す る こ と が で き る 。 以 上 の 制 度 は 決 議 取 り 消 し 訴 え の 濫 用 防 止 に 一 定 の 役 を 立 っ て い る こ と は 否 定 で き な い が 、 日 本 に 濫 訴 が 深 刻 な 問 題 に な っ て い な い 理 由 に は な ら な い と 考 え ら れ る 。ド イ ツ の 経 験 か ら 見 れ ば 、濫 訴 に な る 原 因 は 前 述 の よ う に 登 記 停 止 に よ り 、 決 議 取 り 消 し 訴 え に 不 当 な 利 益 獲 得 機 会 を 与 え て い る か ら 。 し か し 、 日 本 に は 、 差 し 止 め の 制 度 が あ る が 、 訴 え を 提 起 す れ ば 、 そ れ だ け で 差 し 止 め が 認 め ら れ る わ け で は な い 。 し か も 、 差 止 は 決 議 取 り 消 し 訴 え な ど と 直 接 関 係 し て い る わ け で は な く 、 組 織 再 編 行 為 と 関 係 す る 。 全 く 関 係 が な い わ け で は な い が 、 そ の 順 番 が 違 う 。 差 止 事 由 の 一 つ は 当 該 組 織 再 編 行 為 が 法 令 ま た は 定 款 に 違 反 す る こ と で あ る 。 そ れ は 承 認 決 議 の 瑕 疵 事 由 に も な り う る が 、 決 議 の 瑕 疵 が 差 止 事 由 と な る わ け で は な い 。 差 止 事 由 は 、 組 織 再 編 行 為 の 法 令 違 反 ま た は 定 款 違 反 で あ る 。 そ れは ド イ ツ 法 の 決 議 に 瑕 疵 が あ る こ と で 、 登 記 を 停 止 し 、 そ れ が 組 織 再 編 行 為 の 差 止 と し て 機 能 す る こ と と は 違 う 。 こ こ に 、 日 本 で は 決 議 取 消 権 の 濫 用 が 発 生 し な い 原 因 が あ る と 考 え ら れ る 。
IV. 中国における決議瑕疵訴訟の濫訴防止
1. 問題の所在
前 述 し た よ う に 、中 国 会 社 法 に は 会 社 決 議 の 執 行 停 止 に 関 す る 規 定 が な い た め 、 裁 判 実 務 で は 民 事 訴 訟 に お け る 行 為 保 全 制 度 を 援 用 す る こ と が 一 般 的 で あ る 。 し か し 問 題 は 、ど の よ う に 行 為 保 全 ル ー ル を 決 議 執 行 停 止 に 適 用 す る か こ と で あ る 。 ま ず 、 決 議 が ど の よ う な 場 合 で 執 行 停 止 の 必 要 が あ る か を 明 確 に す べ き で あ る 。 『 最 高 人 民 法 院 <中 華 人 民 共 和 国 会 社 法 >の い く つ か の 問 題 の 適 用 に 関 す る 規 定 (四 )( 意 見 募 集 稿 )』( 以 下 意 見 募 集 稿 と 略 称 す る ) 第 6、 7、 8 条 は そ れ ぞ れ 執 行 停 止 と 担 保 、 執 行 停 止 と 担 保 に 対 す る 審 査 及 び 当 事 者 の 執 行 停 止 担 保 裁 定 に 対 す る 権 利 等 の 問 題 に つ い て 規 定 し て い っ た が 、 公 布 さ れ た 会 社 法 司 法 解 釈 四 で は 関 連 規 定 は 削 除 さ れ た44。 44 最 高 人 民 法 院 <中 華 人 民 共 和 国 会 社 法 >の い く つ か の 問 題 の 適 用 に 関 す る 規 定 (四 )(意 見 募 集 稿 )第 6 条 (決 議 執 行 停 止 と 担 保 ) 人 民 法 院 が 社 員 総 会 あ る い は 株 主 総 会 、 取 締 役 会 の 決 議 が 無 効 で あ る こ と を 確 認 す る 訴 え 、 ま た は 上 記 の 決 議 を 取 り 消 す 訴 え を 審 査 す る 場 合 、 原 告 は 人 民 法 院 に 被 告 ま た は 第 三 者 に 決 議 の 執 行 停 止 を 申 請 す る こ と が で き る 。 被 告 ま た は 第 三 者 は 、 原 告 に 、 決 議 の 執 行 を 停 止 し た 場 合 に 発 生 す る 損 失 の 可 能 性 が あ る 場 合 は 、 適 切 な 財 産 担 保 を 提 供 す る よ う に 依 頼 す る こ と が で き る 。 第 7 条 ( 執 行 停 止 お よ び 担 保 の 審 査 ) 人 民 法 院 が 社 員 総 会 あ る い は 株 主 総 会 、 取 締 役 会 決 議 が 無 効 で あ る と 確 認 す る 訴 え 、 ま た は 上 記 決 議 の 取 り 消 し の 訴 え を 審 査 す る 事 案 の 中 、 原 告 が 決 議 執 行 停 止 の 申 請 を 提 出 し た 場 合 、 以 下 の 条 件 に 合 致 す る 場 合 は 人 民 法 院 が 執 行 停 止 の 裁 定 を 行 い 、 被 告 ま た は 第 三 者 に 決 議 の 執 行 停 止 を 通 知 し な け れ ば な ら な い 。 ( 一 ) 社 員 総 会 あ る い は 株 主 総 会 、 取 締 役 会 決 議 事 項 が 執 行 さ れ た 後 、 回 復 回 復 で き な い か 、 回 復 回 復 す る こ と が 困 難 で あ る 場 合 。 ( 二 ) 原 告 は 被 告 又 は 第 三 者 に 、 決 議 の 執 行 を 停 止 す る こ と に よ る 財 産 損 失 の 可 能 性 の あ る 範 囲 で 、 要 求 さ れ た 財 産 担 保 を 提 供 し た 場 合 ; ( 三 ) 人 民 法 院 が 決 議 執 行 を 停 止 す る 必 要 が あ る と 判 断 し た 場 合 。意 見 募 集 稿 の 条 項 か ら 見 る と 、 立 法 者 は 会 社 決 議 の 瑕 疵 訴 訟 の 執 行 停 止 制 度 を 設 け る 意 思 が あ っ た が 、 同 時 に 立 法 者 も 当 制 度 の 確 立 が 濫 訴 を も た ら す 可 能 性 が あ る と 評 価 し た た め 、 公 布 さ れ た 会 社 法 司 法 解 釈 四 か ら 執 行 停 止 制 度 は 削 除 さ れ た 。 意 見 募 集 稿 で 規 定 さ れ た 執 行 停 止 の 条 件 は 民 事 訴 訟 法 の 「 執 行 さ れ た 後 、 回 復 で き な い か 、回 復 し に く い 場 合 。」で あ る 。し か し 、会 社 の 決 議 の 場 合 は 、合 併 、 分 割 な ど 重 要 決 議 に は そ の 条 件 に 常 に 満 た す 可 能 性 が あ る か ら 、 ド イ ツ の よ う に 訴 え を 提 起 す れ ば 、 決 議 の 執 行 に 障 害 が 生 じ る 状 態 に な る45と 評 価 さ れ た 。 筆 者 は 会 社 決 議 瑕 疵 訴 訟 で は 、 執 行 停 止 制 度 を 導 入 す る 必 要 が あ る と 考 え 、 担 保 制 度 と の 併 用 制 度 と し て 規 定 す る こ と が で き る と 考 え る 。し か し 、担 保 制 度 に つ い て 、 適 用 条 件 が 低 す ぎ る 場 合 、 間 接 的 に 訴 訟 を 妨 害 す る た め 、 日 本 の 「 原 告 の 訴 え の 提 起 が 悪 意 に よ る も の で あ る こ と を 疎 明 し な け れ ば な ら な い 」 の 規 定 を 参 考 に す る こ と が で き る 。 即 ち 、 原 告 の 訴 訟 の 目 的 は 、 自 分 自 身 や 会 社 の 利 益 を 守 る こ と で は な く 、 会 社 の 決 議 の 執 行 を 妨 害 し 、 不 当 な 利 益 を 得 よ う と す る 場 合 に 限 定 す る こ と で あ る 。 中 少 数 派 株 主 の 利 益 を よ り 良 く 保 護 す る た め に は 、 会 社 決 議 の 執 行 停 止 制 度 を 規 定 し な け れ ば な ら な い と と も に 、 執 行 停 止 の 申 請 者 の 不 当 な 申 請 を 防 止 す る た め に は 、 条 件 に 合 致 し た 場 合 、 す な わ ち 申 請 者 が 悪 意 で あ る こ と を 証 明 す る 証 拠 を 提 供 し た 場 合 、 申 請 者 に 適 切 な 担 保 を 求 め る こ と が で き る 。 中 国 の 現 行 会 社 法 の 会 社 決 議 瑕 疵 訴 訟 に 関 す る 担 保 規 定 か ら 見 る と 、 現 在 の 担 保 提 供 要 求 が 株 主 が 訴 え を 提 起 す る 時 点 で 、 被 告 で あ る 会 社 は 原 告 に 担 保 の 提 供 を 要 求 す る 権 利 が あ る 。 こ の 規 定 は 検 討 す る 必 要 が あ り 、 訴 訟 自 体 が 決 議 の 執 行 な ど に 影 響 を 及 ぼ す わ け で は な い か ら で あ る 。 一 部 の 学 者 が 指 摘 し た よ う に 、 原 告 と 被 告 の 訴 え る 権 利 と 応 訴 義 務 と の バ ラ ン ス を 崩 す も の で あ っ た46。 会 社 決 議 は 訴 訟 を 受 け て も 、 執 行 に 影 響 を 及 ぼ さ な い 限 り 、 訴 訟 手 続 き で 会 社 に 実 質 的 な 影 響 を 与 え ず 、 人 民 法 院 が 最 終 判 決 を 下 し た 後 に の み 、 双 方 当 事 者 に 実 質 的 な 影 響 を 与 え る 。 理 論 と 諸 外 国 の 実 践 か ら 見 る と 、 原 告 が 決 議 執 行 停 止 の 申 請 を 提 出 す れ ば 、 決 議 に 実 質 的 な 影 響 を 与 え 、 会 社 の 利 益 に 影 響 を 与 え る 。 決 議 の 執 行 を 停 止 し な い 場 合 、 原 告 が 訴 権 を 濫 用 し て も 決 議 や 会 社 の 利 益 に 影 響 を 人 民 法 院 は 審 査 を 経 て 、 原 告 の 訴 え が 故 意 に よ り 、 社 員 総 会 あ る い は 株 主 総 会 、 取 締 役 会 の 決 議 の 執 行 を 遅 ら せ る 場 合 、 申 請 を 却 下 す る べ き 。 第 8 条 (当 事 者 が 執 行 停 止 担 保 に 対 す る 権 利 ) 当 事 者 は 人 民 法 院 が 社 員 総 会 あ る い は 株 主 総 会 、 取 締 役 会 決 議 の 執 行 停 止 の 裁 定 に 不 服 が あ る 場 合 、 1 回 の 審 査 申 請 を 申 し 立 て る こ と が で き る 。 審 査 期 間 中 は 、 裁 定 の 実 行 を 停 止 し な い 。 45 丁 ・ 前 掲 ( 35) 文 献 45 頁 。 46 丁 ・ 前 掲 ( 3) 文 献 91 頁 。
与 え ず 、 原 告 も こ の 手 続 で 不 当 に 利 益 を 得 る こ と が で き ず 、 予 防 す る 必 要 が な い と 考 え ら れ る 。