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2016年度論文賞の受賞論文紹介:開発者からの視線を感じながらの研究

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Academic year: 2021

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(1)開発者からの視線を感じながら の研究 向井 智彦 東海大学 情報通信学部情報メディア学科 〔受賞論文〕 線形ブレンドスキニングのための例示ベース補助骨リグ構築 向井智彦(東海大学情報通信学部) 情報処理学会論文誌 Vol.56, No.11 pp.2141-2150(2015).  まずはこのような栄誉ある賞に本論文をご選定い ただいた関係者の皆様に感謝いたします.本論文は,. CG キャラクタの複雑な皮膚変形を高速に計算す. る手法について,現 CG とビジュアル情報学研究. 発表会での発表(研究会優秀発表賞および山下記念. 2016 年度論文賞の受賞論文紹介. 研究賞受賞)を経て,国際会議 ACM SIGGRAPH. I3D 2015 に採録された会議予稿に一部加筆して投. 稿したものです.研究着手当初からさまざまなご 意見やご支援をいただいた CG 研究会の皆様にも. 感謝いたします.なお,その後の研究成果は,CG. 分野における最難関学会である ACM SIGGRAPH. 想定読者である開発者・元同僚方の目線を意識しなが. 2016 にフルペーパーとして採択されています.こ. ら実用を指向しつつ実験を繰り返すことで,最終的に. のように一連の研究成果を評価いただけるのは少々. は迷いなく論文を書き上げられた記憶があります.. できすぎている気もしますが,この紙面をお借りし.  そして同時に,本研究成果は商品価値をさておい. てその理由を考察してみます.. て,技術のみを追求できたからこそ得られたとも感.  振り返ると本研究成果は,以前就業していた企業. じています.実務の現場では広く認知されていなが. において同僚方が開発していたシステムに感銘を受. らも,さまざまな理由のために解決に至っていない. けたことに端を発します.当時私が在籍していた開. 技術的問題が数多くあります.学会内では " 決着が. 発部門には,学術研究のさらに先を行く野心的な技 術的課題に取り組みつつ,その成果を着実に商品制. ついた " と見なされている問題も少なくない気がし. ます.そうした現場で取り組むにはリスクの高い技. 作に落とし込むプロセスにも秀でた技術者が数多く. 術的問題に対して,少しずつでも成果を出し続ける. 在籍していました.そうした同僚方の仕事に大き. ことで,産業界にも貢献していければと考えていま. な刺激を受けつつ,実用に足る先端技術を生み出. す.今回の受賞を新たな契機として,今後も教育研. すことの面白さや難しさを実感しました.先端技. 究や産学連携に取り組む所存です.. 術を追い求めつつ,商品価値の最大化を図るプロ. (2017 年 5 月 16 日受付). フェッショナルの仕事を共にできた経験や知見が あったからこそ,本プロジェクトは遂行できたよ うに思います.実は,本論文で提案している技術 自体は,先行研究に新しい解釈を与えた上で,わ ずかな拡張を施したものにすぎません.それでも,. 向井 智彦(正会員) [email protected]  2003 年豊橋技術科学大学大学院情報工学専攻修士課程修了.2006 年同大学院博士後期課程電子・情報工学専攻修了.同年同大情報工学 系助教.2009 年(株)スクウェア・エニックス主席研究員.2014 年 東海大学情報通信学部講師.2017 年同大同学部准教授.博士(工学) . コンピュータアニメーションにかかわる研究に従事.. 情報処理 Vol.58 No.8 Aug. 2017. 711.

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