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当為-実際反応間のずれが感情および偏見的反応に及ぼす影響

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Academic year: 2021

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(1)当為― 実際反応 間のずれが感情お よび偏見的反応 に及 ぼす影響 Prejudice and negative self-affect induced by perceived discrepancies between 'should' and 'would' responses 久保 田 健 Kenichi. 市. Kubota. Abstract Participants(male undergraduates) were asked how a fictitious undergraduate would respond and how they should respond in several contact situations with a Black people. would discrepancies were manipurated on their responses.. The salience levels of should-. Participants were measured an affetive. state at that point and then measured the cognitive and behavioral reactions toward Black people. Participants who were saliant in should-would discrepancies were more evoked negative self-affect(e.g. compunction) and unpleasant affect, and less pleasant affect. previous findings.. These results were consistent with the. However, results suggested that negative reactions toward Black people were. mediated not to negative self-affect, but to unpreasant affect.. Implications for prejudice reduction. were discussed. Key Words: prejudice, 'should' response, 'would' response, discrepancy, nagative self-affect.   外 集 団 に 対 す る 偏 見(prejudice)は,社. 会 心 理 学 が 古 くか ら検 討 して き た 主 要 な 研 究 テ ー マ の. 一 つ で あ る .社 会 問 題 と して の 偏 見 は,人 種 的 ・民 族 的 ・宗 教 的 対 立 の激 しい 国 家 ・地 域 の み な らず,'ほ とん どの 社 会 で 見 られ る.偏 見 の も と とな る社 会 的 カ テ ゴ リー も,性,人 階 級 ・社 会 階 層 に 限 らず,疾 病 ・障 害(ハ. 種 ・民 族 性,. ンセ ン 氏 病,知 的 障 害 者 な ど)や 外見 的 特 徴 な ど,そ. の 範 囲 は 広 範 に 及 ぶ.現 代 で は,偏 見 の 対 象 と な る人 々 に あ か ら さま な嫌 悪 を示 した り,差 別 す る こ と は 少 な く な っ て き て は い る が,彼 ま た は 彼 女 ら と接 触 す る の を 回避 す る な ど と,偏 見 の 表 明 は 潜 在 化 す る形 で 残っ て い る と言 わ れ て い る(Dovidio. & Gaertner, 1986)..   古 典 的 に は,社 会 心 理 学 は 外 集 団 に 対 す る否 定 的 態 度 と して 偏 見 を と らえ て きた.た Allport(1954)は に ま た,そ. と え ば,. 次 の よ うに 偏 見 を 定 義 して い る.「 あ る集 団 に属 してい る か ら と か,そ れゆ え. の 集 団 の 持 っ て い る 嫌 な 特 質 を 持 っ て い る と 思 わ れ る と か い う理 由 だ け で,そ. 対 し て 向 け ら れ る 嫌 悪 の 態 度,な 心 的 構 造 の 問 題 で あ る と し て,偏. い し は 敵 意 あ る 態 度 で あ る 」.ま. た,古. の人 に. 典 的 には偏 見 は歪 ん だ. 見 者 に 特 有 の パ ー ソナ リ テ ィ 構 造 が 主 に 検 討 さ れ て き た. 1  本研 究の 一部は,吉 田富二雄 先生(筑 波 大学 心 理学系)と の共同で,日 本 グル ー プ ・ダ イナ ミックス学会 第48回 大 会   (2000年)に お いて発表 され た もので ある、 また,研 究の実施 には西 田章吾 氏(筑 波 大学人 間学類卒業)の 協力を得 た.  記 して感謝 の意 を表す る..

(2)   (Adorno,  Frenkel-Brunswik,  Levinson,& 一 チ が 導 入 され る と 象 と し て,ス き た.さ. ,偏. Sanford,1950な. Haslarn,&. 見 は 特 定 の 人 々 に 固 有 の 歪 ん だ 態 度 で は な く,す. ベ て の 個 人 に共 通 す る認 知 的. こ に介 在 す る情 報 処 理 の プ ロセ スや メ カ ニ ズ ム を. の 全 体 像 や 機 能 を 明 ら か に す る こ と へ 関 心 が 向 け ら れ る よ う に な っ た(Oakes, Turner,1994}..   社 会 的 認 知 の 観 点 か ら 偏 見 を 分 析 す る 従 来 の 研 究 は,カ 報 処 理 の ア プ ロ ー チ の 二 つ に 大 別 さ れ る.カ ィ テ ィ 理 論(Tajfel,197$,  1987)に. 会 心理 学に認 知 的 アプ ロ. よ り類 似 し た 概 念 と し て 扱 わ れ る こ と が 多 く な っ て. 処 理 の 仕 組 み や 性 質 が か か わ る 現 象 で あ り,そ 解 明 し,そ. か し,社. 見 は 言 わ ば感 情 的 あ る い は 評 価 的 な 要 素 を 含 む 集 団 成 員 に 関 す る 認 知 表. テ レ オ タ イ プ(stereotype)に. ら に,偏. ど).し. 基 づ く.こ. Tajfel&. テ ゴ リー 化 変 容 の ア プ ロ ー チ は,社. Tumer,1979,1986)お. れ ら の 理 論 で は,偏. テ ゴ リー 化 変 容 の ア プ ロ ー チ と 対 人 情 会 的 ア イ デ ンテ. よ び 自 己 カ テ ゴ リー 化 理 論(Turner . 見 の 生 起 に お い て,集. 団 成 員 性 の観 点 か ら 自 己 お よ び他. 者 を 内 集 団 と 外 集 団 に カ テ ゴ リ ー 化 す る 認 知 過 程 の 役 割 を 重 視 す る.一 一 方 で,集   (Allport,1954)や. 上 位 目 標 の 達 成(Sherif,1967)な. ど,か. et  al.,. 団 間接触. ね て よ り偏 見 の 低 減 や 集 団 間 の 調 和. に 効 果 が あ る と され て き た 方 策 が 内 一 外 集 団 間 の カ テ ゴ リー 化 を ど の よ う に 変 容 さ せ る の か,ど の よ う な カ テ ゴ リ ー 化 認 知 の 変 化 が 集 団 間 関 係 の 改 善 に 役 立 つ の か が 検 討 され て い る(詳 Dovidio,  Gaertner, Esses,&  . し か し,カ. Brewer,20x4;久. 保 田,2004を. 理 の 過 程 に 関 す る 研 究 は,カ. ば,Devine(1989)は. 時 的 に 内ー 外 集 団 間 の. れ を 永 続 化 さ せ る の は 困 難 で あ る.対. 人情 報 処. テ ゴ リー 化 あ る い は ス テ レ オ タ イ プ の 活 性 化 が 知 覚 者 の 意 図 を 必 ず. し も 伴 わ ず に 引 き 起 こ さ れ る 自 動 的 過 程(automatic . 後 に,文. 参 照 の こ と).. テ ゴ リ ー 化 は 人 間 の 認 知 の 基 本 的 な 原 理 で あ る が ゆ え に,一. カ テ ゴ リ ー 化 を 潜 在 化 さ せ る こ と は 可 能 で も,そ. し く は,. process)で. 閾 下 プ ラ イ ミ ン グの 手 続 き を 用 い,黒. 章 描 写 さ れ た タ ー ゲ ッ ト(人. あ る こ と を 示 し て い る.た. とえ. 人 に 関連 す る 刺 激 語 を 閾 下 呈 示 した. 種 は 特 定 さ れ て い な い)の. 黒 人 に 対 す る 顕 在 的 な 偏 見 的 態 度 の レベ ル に か か わ らず,タ. 印 象 評 定 を 行 わ せ た,す. る とr. ー ゲ ッ トに 対 し て 形 成 さ れ た 印 象 は. 否 定 的 な も の と な っ た.   ター ゲ ッ トの 社 会 的 カ テ ゴ リー に 関 す る 情 報 や 特 定 の カ テ ゴ リー 化 を 顕 在 化 す る 社 会 文 脈 的 要 因 が 与 え ら れ る と1自 れ ば,偏. 動 的 に ス テ レオ タ イ プ 化 の 活 性 化 あ るい は カ テ ゴ リー 化 が な され る の で あ. 見 や ス テ レ オ タ イ プ の 抑 制 の た め に は,ス. テ レオ タイ プ を後 の 社 会 的 判 断 や 意 思 決 定 に. お い て 適 応 し な い よ う に コ ン トロ ー ル す る こ と が 重 要 と な る.し. か し,自. 動 的過 程 を抑制 す るよ. う な 意 識 的 コ ン ト ロ ー ル は 必 ず し も 容 易 で は な い こ と が 知 ら れ て い る.た Bondenhausen, . Milne,&. Jetten(1994)は,ス. と え ば,Mcrea,. テレ オ タ イ プ を 考 え な い よ う に 求 め た と き に,か. え. っ て 後 の 印 象 形 成 場 面 で ス テ レオ タ イ プ に 一 致 した 他 者 印 象 が形 成 され て しま う こ とを 明 らか に し,こ で は,か. れ を リバ ウ ン ド効 果(rebound . effect)と. 呼 ん で い る.単. え っ て 逆 接 的 な 効 果 が 生 じ る 可 能 性 が あ る の で あ る.. 純 な 思 考 抑 制 に よ る コ ン トロ ー ル.

(3) Devine, Monteith, Zuwerinrik,& Elliot(1991)は,ス の 呵 責(compunction)に. テ レ オ タ イ プ 抑 制 の 動 機 づ け と して,良. 代 表 され る よ うな 自 己 に 対 す る ネ ガ テ ィ ブ な 感 情(以. 後,ネ. 心. ガテ ィブ. 自 己感 情 と表 記 す る)の 喚 起 を重 視 して い る.特 定 の 社 会 集 団 の 成 員 に 対 して 偏 見 を示 した りス テ レオ タ イ プ 的な 反 応 をす る こ とは,社 会 的 に 望 ま し くな い行 為 と して 規 範 化 され て い る.そ. し. て,個 人 の 側 か ら見 れ ば,特 に 明 示 的 な偏 見 的 態 度 を持 ち 合 わ せ て い な い 個 人 は,偏 見 を否 定 す る社 会 的 規 範 を 強 く 内 面 化 して い る と考 え られ る.以 上 の よ うな 状 況 下 で 偏 見 的 な 反 応 を示 して しま うこ とは,実. 際 の 反 応 が 個 人 の 内 面 的 な 規 準 か ら大 き く逸 脱 して い る こ と を 意 味 し,ネ ガ テ. ィ ブ な 感 情 を引 き 起 こす.特 ー 偏 見 的 反 応 一 罰(ネ の 結 果,後. に,良 心 の 呵 責 の よ うな 感 情 は 自 己 焦 点 化 を 促 し,「 手 が か り刺 激. ガ テ ィ ブ 自 己感 情)」 の 連 合 が 形 成 され る と考 え られ る ,こ の よ うな 学 習. の 機 会 で は 代 替 とな る反 応 が 探 索 され,実. 際 の 反 応 を 行 動 規 準 に 近 づ け て い く こ とが. 期 待 され る(Monteith,1993). Devine. et al.(1991)は. 黒 人(実. 験1)と. 同性 愛 者(実. 験2)を. タ ー ゲ ッ トに し た 実 験 か ら,. 非 偏 見 的 な 行 動 規 準 か ら の 逸 脱 と感 情 の 関係 を検 討 した.実 験 参 加 者 は あ らか じめ ター ゲ ッ トに 対 す る顕 在 的 な 偏 見 的 態 度 を測 定 す る質 問 紙 へ の 回 答 を 求 め られ た.そ 触 状 況 を 想 定 し,そ の よ うな 場 面 で ど う反 応 す る べ き か(実 際 は ど う反 応 して しま うか(当 は,当. 為 反 応,"should"response)を. 為 反 応 と実 際 反 応 の 回 答 上 の ず れ(discrepancy)を. した.黒 人 を ター ゲ ッ トに した 場 合(実 験1)に ず れ の 小 さい 人 よ り もネ ガ テ ィ ブ 自 己感 情(罪 感 情(気. が か りな,不 安 な,落. た 実 験2で. して,タ ー ゲ ッ トとの 接. 際 反 応,"would"response),ま 尋 ね られ た.そ. 呈 示 され,そ. の 後,実. た実 験参 加者. の と きの 感 情 状 態 を 評 定. は,偏 見 の 程 度 に か か わ らず ず れ の 大 き い 人 が 悪 感,自. 己 批 判 自 己 へ の 怒 りな ど),お. よび 不快 、. ちつ か な い な ど)を 強 く感 じて い た.同 性 愛 者 を タ ー ゲ ッ トに し. は 偏 見 の 程 度 が 低 く,ず れ が 大 き か っ た 人 の み が ネ ガ テ ィ ブ 自己 感 情 を感 じ た こ とが. 明 らか に な っ た.一 方 で 偏 見 の 程 度 が 高 い 人 は,他 者 に 対 す る よ り強 い 怒 りを示 した. さ らに,Monteith(1993)は,同. 性 愛 男 性 の 受 験 生 の 入 学 審 査 を す る状 況 を 想 定 し,実 験 参 加. 者 が 性 的 な指 向 で 不 合 格 に した(す た(不. な わ ち偏 見 を示 した)と 報 告 す る こ とで,ず れ を 活 性 化 させ. 活 性 条 件 で は 志 願 者 は 異 性 愛 男 性 で あ っ た).実. 同 性 愛 者 につ い て の エ ッセ イ を 読 み,生 再 生 課 題 を 行 っ た.そ. の 結 果,Devine. 験 参 加 者 は 現.在の感 情 状 態 を 評 定 した 後,. じた 思 考 や 感 想 を 報 告 し,最 後 に エ ッセ イ 内 容 に 関 す る et al.(1991)と. 見 者 の み が,ネ ガ テ ィ ブ 自 己感 情 を強 く感 じて い た.そ. 同 様 に,ず れ を 活 性 化 させ た 条 件 の 低 偏 して,ず れ を 活 性 化 させ た 低 偏 見 者 が,. 有 意 に 長 い時 間 を か け て エ ッセ イ を読 み,自 己 に 関 す る思 考 を 多 く報 告 し,エ. ッセ イ の 内 容 を正. し く再 生 した. 当 為ー 実 際 反 応 間 の ず れ を 意 識 す る こ と が,良 心 の 呵 責 の よ うな ネ ガ テ ィ ブ 自己 感 情 を 喚 起 さ せ る とい う結 果 は,本 タ ー ゲ ッ トに,ま. 邦 で も確 か め られ て い る.た. た 塚 本(1998)は. と え ば,潮 村 ・伊 藤(1994)は. 知 的 障 害 者 を タ 一 ゲ ッ トに し,Devine. 黒 人 と女 性 を. et al.(1991)と. 同様.

(4) の 実 験 を 行 っ て い る.そ れ らの 研 究 で も,(特. に 偏 見 の 程 度 の 低 い 入 で)当 為 反 応 と 実 際 反 応 の. ず れ を 大 き く認 知 した 人 が ネ ガ テ ィ ブ 自己 感 情 を強 く感 じて い た とい う結 果 を 報 告 して い る 。 しか し,ネ ガ テ ィ ブ 自 己感 情 が 偏 見 的 反 応 や ス テ レオ タ イ プ 適 用 を 抑 制 す る 動 因 と して 機 能 す る か ど うか は,い 藤(1994),塚. ま だ 十 分 な検 討 が な され て い な い.す. 本(1998)で. な わ ち,Devine  et  a1.(1991),潮. 村 ・伊. は 当 為 一 実 際 反 応 間 の ず れ の 認 知 とネ ガ テ ィ ブ 自 己 感情 の 関 連 性 を. 明 らか に は して い る が,後 の 偏 見 的 反 応 が抑 制 され る か 否 か と い う問題 ま で は検 討 して い な い, ま た,Monteith(1993)は,当. 為 一 実 際 反 応 間 の ず れ の 活 性 化 が 自 己 に 焦 点 化 した 認 知 過 程 を 生. じ させ る こ と を 明 らか に した の で あ り,自 己 焦 点 化 し た認 知(お. よび,後 の 偏 見 的 反 応)が. ネガ. テ ィ ブ 自己 感 情 に よ っ て 媒 介 され る か 否 か とい う点 に つ い て は 十 分 に 検 討 され て い な い と思 わ れ る,以 上 よ り,偏 見 の 意 識 的 コ ン トロー ル の 過 程 に 関 して,ネ. ガ テ ィブ 自己感 情 が 偏 見 の 抑 制 に. 媒 介 的 に 機 能 す る とい う予 測 が 成 り立 つ もの の,先 行 研 究 で は検 討 され な い ま ま で あ っ た と言 え る.そ. こで 本 研 究 で は,当 為 ー 実 際 反 応 間 の ず れ の 顕 在 化 が ネ ガ テ ィ ブ 自 己感 情 お よ び 後 の 偏 見. 的 反 応 へ の 影 響 を検 討 し,予 測 され る感 情 の 媒 介 的 役 割 を 明 らか に す る こ とを 目的 とす る. 実 験 に 先 立 ち,設 定 され る 仮 説 は 次 の2つ で あ る. 仮 説1:当. 為 反 応 と 実 際 反 応 の 問 の ず れ を 強 く顕 在 化 させ た 人 は,特 に マ イ ノ リテ ィ に 対 し顕 在 的 な 偏 見 的 態 度 を持 ち合 わせ て い な い と き,自 己 に 対 す るネ ガ テ ィ ブ な 感 情 を 強 く 感 じる で あ ろ う.. 仮 説2:自. 己 に 対 す る ネ ガ テ ィ ブ な感 情 を強 く感 じた 人 は,後 の マ イ ノ リテ ィ に 対 す る反 応 を 非 偏 見 的 な も の にす る だ ろ う.. 予備 調査. 目. 的 本 実 験 に 先 立 ち,マ イ ノ リテ ィ と の接 触 場 面 に お け る実 際 反 応 ・当 為 反 応 ・偏 見 的 態 度 を 測 定. す る尺 度,お. よび,感. 情 状 態 を 測 定 す る尺 度 の 項 目分 析 を行 った,本 研 究 で は,日 本 人 が 外 国 人. に 対 して 抱 くイ メ ー ジ を検 討 した我 妻 ・米 山(1967)お. よび 中村(1995)の. 結 果 な ど をふ ま え,. 黒 人 を ター ゲ ッ トと して 尺 度 の 作 成 を行 っ た.. 方. 法 被 調査 者. T大 大 学 生91人(男. 子37名,女. 子54名).. 質 問紙 の構 成 1.実. 際 反 応 尺 度 ・当 為 反 応 尺 度Devine(1989)お. 直 接 的,間 接 的 な 接 触 場 面 を10個 設 定 した.そ. よ び 塚 本(1998)な. ど を も と に,黒. 人 との. して そ れ らの 場 面 にお い て 表 出 され る嫌 悪 的 感.

(5) 情 や 回 避 ・拒 否 的 思 考 お よび 行 動 が 被 調 査 者 の 個 人 的 価 値 規 準(∼ す る べ き だ)と 合 す るか 回 答 した(当 為 反 応 尺 度).さ. どの 程 度 適. ら に 同 じ10個 の 接 触 場 面 に お け る 偏 見 的 思 考 ・感 情 ・. 行 動 を 実 際 に どの 値 度 して しま う と思 うか を 回 答 させ た(実 いて も 「 全 くそ う思 わ な い∼ 強 くそ う思 う」 ま で の7件. 際 反 応 尺 度).ど. ち らの 尺 度 に つ. 法 で 回 答 させ た.各 項 目 ご とに,実 際. 反 応 尺 度 得 点 か ら当 為 反 応 尺 度 得 点 を減 じた 値 を ず れ 得 点 と して 求 め た. 2.感. 情 測 定 尺 度Devine(1991)を. も と に 新 た に 項 目 を入 れ 替 え て25個 の 感 情 語 を 選 択 した.. そ して 個 人 的 な価 値 基 準 に基 づ く反 応 と実 際 の 反 応 の ず れ あ る い は 一 貫 性 を意 識 した 時 に 上 記 の感 情 を どの 程 度 感 じた か を7段 階 評 定 させ た(「 全 く あ て は ま ら な い ∼ よ く あ て は ま る 」). 3.黒. 入 に 対 す る 偏 見 的 態 度 尺 度:黒. Racism  Scale(Gaertner& . 人 に 対 す る偏 見 を 測 定 す る 尺 度 と して 開 発 され たAversive. Dovido, 1986)10項. racism scale8項 目(McConahay,1986)を. 目,modern. racism scale8項. 目 とold-fashioned. 参 考 に し,日 本 の 状 況 に 合 うよ うに表 現 を 改 め た18. 個 の 質 問 項 目 を作 成 した,被 調 査 者 は 自 らの 考 え や イ メ ー ジ を5段 階 で 評 定 した(「 ま っ た く そ う思 わ な い ∼ 強 くそ う思 う」). 手続 き. 調 査 は,他. 民 族 に対 す る態 度 を 測 定 す る 調 査 で あ る 旨 を 告 げ,集 合 形 式 で 行 わ れ た.. 調 査 実 施 に あ た り,本 研 究 が 外 国 人 に 対 す る偏 見 ・差 別 を解 消 す る研 究 の た め で あ り,被 調 査 者 の 偏 見 を 助 長 した り外 国 人 の 方 の 名 誉 を傷 つ け る主 旨 の も の で は な い とい うこ とを口 頭 お よ び 文 面 で説 明 した.回. 答 は 当為 反 応 尺 度,実 際 反 応 尺 度,感. 度 の順 で な され た,注. 情 評 定 尺 度,黒. 人 に 対 す る偏 見 的 態 度 尺. 意 事 項 と して 全 て の 質 問 にお い て 思 っ た こ と を あ りの ま ま答 え る こ とが 強. 調 され た.質 問 紙 は 回 答 終 了 後,調 査 者 が 直 接 回 収 を行 っ た.. 結. 果 当為反 応 ・ 雲 際 反応 測定 尺度. と に 平 均 と標 準 偏 差 を 求 め た.そ. 感情 測 定尺度 め,解. して,ず れ 得 点 の 高 い4場 面 を12項 目 を選 定 した(Table1).. 感 情 評 定 の 構 造 を検 討 す る た め 因 子 分 析 を 行 っ た.主. 釈 が 可 能 な3因. に 示 す.第1因. 当為 反 応 ・実 際 反 応 ・ず れ 得 点 の そ れ ぞ れ につ い て,各 項 目 ご. 子 を抽 出 した 後,Varimax回. 転 を行 っ た.各. 因 子 法 に よ り初 期 解 を 求. 項 目 の 因 子 負 荷 量 をTable2. 子 につ い てみ る と 「 悲 しい 」 「 が っ か り した 」 「 落 胆 した 」 「自 己嫌 悪 」 「 罪悪感 」. な どの 項 目 で因 子 負 荷 量 が 高 い.こ れ らの 項 目 はず れ の 意 識 化 に よ っ て 特 に 自 己 に 向 け られ た ネ ガ テ ィ ブ な 感 情 を表 す と考 え られ る.よ っ て 第1因 子 を 「 ネ ガ テ ィ ブ 自 己感 情 」 と命 名 した,次 に 第2因. 子 を見 る と 「幸 福 な 」 「 好感 が持 て る」 「 喜び」「 退 屈 な」 「 楽 しい 」 の5項. 量 が 高 い.す な わ ち,第2因 した,第3因. 目で 因 子 負 荷. 子 は よ り好 ま しい 感 情 の 因 子 負 荷 量 が 高 く 「 快 感 情 」 の 因 子 と命 名. 子は 「 緊 張 した 」 「 興 奮 した 」 「 嫉妬」「 落 ちつ かな い」 「 不 安 な」 「 怒 り」 の 項 目で. 因 子 負 荷 量 が 高 い.こ. れ らの 項 目は 強く 不 快 な 感 情 を表 す もの と考 え られ7第3因. 子を 「 不快 感.

(6) Table1 . 黒 人 との 接 触 場 面 に お け る実 際 反 応 ・当 為 反 応 の 平 均 評 定 値. Tabb2 . 感 情 評 定 尺 度 の 平 均 評 定 値 と 因 子 負荷 量.

(7) 情 」 の 因 子 と 命 名 し た.因 低 い 値 を 示 した. 子 負荷 量 の高 くない. 「退 屈 し た 」 を 尺 度 か ら 削 除 し,最. 黒 人 に 対 す る偏 見 的 態 度 尺 度 得 られ た.因 項 目 は5項. 「沈 ん だ 」 と,下 終 的 に23項. 位 尺 度 ご と のIT相 目 を 選 択 した.. 主 因 子 法 に よ る 因 子 分 析 を 行っ た と こ ろ,解. 子 負 荷 量 が 、40以 上 の10項 目 ず つ 折 半 し てpre-test(項. 目 を 尺 度 項 目 に 採 用 し た(Table3).本 目1,3,6,8,10)とpost-test(項. 関 にお い て. 釈 可 能 な1因 実 験 で は,尺. 子が 度. 目2,4,5,7,9)に. 用 い た. table3. 黒 人 に 対 す る偏 見 的 態 度 尺 度 の 平 均 値 と主 成 分 負 荷 量. 本 実験. 方. 法 実 験参 加者 実験計 画 手続 き. T大 大 学 生 男 子51人 偏 見 レベ ル(高/低)Xず. れ 顕、 在 化(高/低)の2要. 1回 の 実 験 につ き1人 の 実 験 参 加 者 が 参 加 した.実. 因 実 験 参 加 者 間 計 画. 験 参 加 者 は 実 験 室 に 入 室 した 後,. 実 験 者 自身 の 研 究 で あ る 「社 会 的 態 度 に 関 す る 実 験 」 と他 の 大 学 院 生 に 依 頼 され た 「記 憶 の 実.

(8) 験 」 と い う全 く別 の2つ 1.実. の 実 験 を行 う と教 示 され た.. 際 一 当為 反 応 間 の ず れ の 顕 在 化 と感 情 測 定:「 社 会 的 態 度 に 関 す る 実 験 」 の 最 初 の 課 題 と. し て,実 験 参 加 者 は 黒 人 との4つ. の 接 触 場 面 で,架 空 の 大 学 生(感 情 ・思 考 ・行 動)が. 反 応 を ど の 程 度 す る か.(実 際 反 応),お る べ き で あ る か(当. 為 反 応)に. よび,実 験 参 加 者 自身 の価 値 基 準 か ら どの 程 度 そ うす. 回 答 す る よ う求 め られ た.回 答 に 先 立 ち,場 面 をイ メー ジ させ. 内 容 を 口述 で 報 告 さ せ る 練 習 試 行 を行 っ た.ま 項 目 は口 頭 で 教 示 さ れ た.さ. 偏 見的. ら に,黒. た,実 際 反 応 の 測 定 に お い て,場 面 描 写 と評 定. 人 に 対 す る偏 見 的 態 度 を 測 定 す る5項. 目の 尺 度(pre-. test)に も 回 答 す る よ う求 め られ た. そ の 後,実. 験 者 は 実 験 参 加 者 に 次 の よ うに 告 げ た.「 先 程 の 質 問 で は架 空 の 人 物Aさ. 持 ち に な っ て 答 え て も ら い ま した が,そ 反 映 され て い る と思 い ま す.そ. ん の気. こ に は あ な た の 感 情 や 考 え と い っ た もの が 少 な か らず. こ でAく ん に 投 影 され た あ な た 自身 の感 情 や 考 え が 個 人 的 な価. 値 観 と どの 程 度 ず れ て い る の か を測 っ て 見 よ う と思 い ま す 」 実 験 者 は,実 験 参 加 者 の 実 際 反 応 と 当為 反 応 の 差 を 得 点 化 し く ず れ 得 点),9点 バ ッ ク を与 え た(高. 以 上 の 実 験 参 加 者 に 対 して 次 の よ う な フ ィ ー ド. 顕 在 化 条 件) .. 「これ を 見 ま す と あ な た のず れ 得 点 は 比 較 的 高 い も の で ,あ な た は 意 識 して な い か も しれ ま せ ん が,普. 段 の 生 活 の 中 で 偏 見 や 予 断 に 基 づ い た 行 動 は い け な い と考 え て い な が ら も,つ い つ. い そ う した 偏 見 的 に 振 る舞 っ て い る こ とが 見 られ る の で は な い か と判 断 され ま す.あ が つ い て い な い か も しれ ませ ん が,知. なた は気. らず 知 らず の うち に相 手 を傷 つ け る 言 動 を して い る 場 合. も あ る と思 わ れ ま す.'何 か 思 い 当 た る節 が あ りま す か?十 分 注 意 しま し ょ う.」 一方. ,8点. 以 下 の 実 験 参 加 者 に つ い て は,「 これ を 見 ま す と あ な た の ず れ 得 点 は 比 較 的 低 い. も の で,自 分 な りの 価 値 基 準 に した が っ て 日 ご ろ他 者 と接 して い るの で は な い か と診 断 され ま す.も. ち ろ ん あ な た の 実 生 活 に お い て は あ な た の 個 人 的 価 値 観 と実 際 の行 動 に は 多 少 の ず れ が. 生 じて い る 可 能 性 が あ りま す が,全. く問 題 の な い 範 囲 だ と思 わ れ ま す.こ れ か ら も 自分 の 行 動. を律 す る と い う こ と を 大 切 に して 下 さ い.」 と告 げ た(低 顕 在 化 条 件).そ. して,実 験 参 加 者 は. 現 在 の 気 分 を 感 情 測 定 尺 度 で 評 定 した 2.黒. 人 に 対 す る偏 見 的 反 応 の 測 定:実 験 者 は,続 け て 記 憶 に 関 す る ま っ た く別 の 実 験 を 実 施 す. る と教 示 し た,実 験 参 加 者 は,黒 人 を 含 む マ イ ノ リテ ィ が 不 利 な扱 い を 受 け た 出 来 事 が 描 写 さ れ た 短 い 文 章 を 提 示 され,1分. 間 で 内 容 を 記 憶 す る よ う言 わ れ た.干 渉 課 題 と して1分. 間 のア. ナ グラ ム 課 題 を 行 った 後,実 験 参 加 者 は 出 来 事 の 再 生 と理 解 を 尋 ね る質 問 に 回 答 し た.以 上 の 課 題 は,.同 様 の順 序 で4試 行 行 わ れ た,最. 後 に,実 験 参 加 者 は 黒 人 との 接 触 場 面 に お け る 実 際. 反 応 と偏 見 的 態 度 に 関 す る尺 度 に 再 び 回 答 し(post-test),実 験 の 目的 や 教 示 に つ い て 十 分 な デ ィ ブ リー フ イ ン グ を 受 け た. 実 験 で 用 い た尺 度  実 験 で 用 い られ た 尺 度 の うち,実 際 反 応 尺 度 ・当 為 反 応 尺 度 ・黒 人 に 対 す.

(9) る偏 見 的 態 度 尺 度(pre,postの. 順 で α=.93,.91)・. 情,快 感 情 の1順で,α=.88,.69,.90)に. 感 情 測 定 尺 度(ネ. ガ テ ィ ブ 自 己感 情,不. 快感. つ い て は,予 備 調 査 に て 作 成 した 項 目を 用 い た.. 偏 見 的 反 応 の 測 定 の た め に,実 験 参 加 者 は,「 マ イ ノ リテ ィ が 不 当 に 偏 見 ・差 別 を 受 け て い る 」, また逆 に 「 マ イ ノ リテ ィ の 側 に 不 当 な扱 い の 原 因 が あ る」 の ど ち ら に も考 え る こ と が で き る 出 来 事 が 描 写 され た 文 章 を 読 ん だ.そ. して,出 来 事 の 責 任 が マ イ ノ リテ ィ に あ る の か,そ れ と も他 の. 登 場 人 物 に あ る の か,差 別 を受 け た とい うマ イ ノ リテ ィの 主 張 は 正 当 か な ど を8項 (「全 くそ う思 わ な い ∼ 強 く そ う思 う」 の7段 階 評 定),4つ 2個 で,残 150字)や. りは他 の マ イ ノ リテ ィ(女 性,身. 障 者)に. 難 易 度 は 等 し く な る よ う配 慮 され た,結. 目で 評 定 した. の 出 来 事 の うち 黒 人 に 関 す る も の が. 関 す る もの で あ っ た.各 文 章 間 の 分 量(約. 果 の 分 析 で は,黒 人 に か か わ る2場 面 の 評 定. 値 の み を用 い た.. 結. 果 実験参 加 者の 分布. 偏 見 レベ ル の 要 因 につ い て は,黒 人 に 対 す る 偏 見 的 態 度 を 測 定 す る尺 度 項. 目の 中 央 値 を基 準 に 実 験 参 加 者 全 体 を2群 に 分 割 した.ま. た,ず れ 顕 在 化 の 要 因 につ い て は,ず. れ 得 点 に 関 す る 予 備 調 査 の 結 果 を も とに9点 を 基 準 と して2群 け る実 験 参 加 者 の 分 布 は[高 偏 見 ・高 顕 在 化]条 件12人,[高 見 ・高 顕 在 化]条. 件12人,[低. 偏 見 ・低 顕 在 化]条. に 分 け た.そ. 偏 見 ・低 顕 在 化]条. 件 は15人 で あ っ た.各. 感 情 お よび 偏 見 的 反 応 に 関 す る指 標 の 平 均 ・標 準 偏 差 をTable4に. Table4. 喚 起 され た 感 情. 条件 にお. 件12人,[低. 偏. 条 件 ご とに 喚 起 され た. 示 す.. ずれ の顕在 化 と偏 見 レベル に よる感情 お よび偏見 的反応 の 平均 および標準 偏差. ネ ガ テ ィ ブ 自 己 感 情 ・不 快 感 情 ・快 感 情 の 平 均 評 定 値 を 従 属 変 数 と し,偏. レベ ル お よ び ず れ 顕 在 化 の 程 度 を 独 立 変 数 と し た2要. 因 分 散 分 析 を 行 っ た,そ. ブ 自 己 感 情 に つ い て は ず れ の 顕 在 化(F(1,51)=54.09,ρ<.01)お (1,51)=6.76,ρ. の 結 果,各. 〈.05)の. お よ び 快 感 情(F(1,51)=24.40,、. 主 効 果 が 有 意 で あ っ た.不 ρ<.01)に. ガテ ィ. よ び 偏 見 レ ベ ルCF. 快 感 情(F(1,51)=61.74,ρ. つ い て は.ず. の 結 果,ネ. 見. 〈.01). れ 顕 在 化 め 主 効 果 の み が 見 られ た..

(10) す な わ ち,実 際 反 応 と 当為 反 応 の ず れ を強 く意 識 して い た 実 験 参 加 者 は,そ. うで な い 参 加 者 に 比. べ ,ネ ガ テ ィ ブ 自 己 感 情 と不 快 感 情 を 強 く感 じ,快 感 情 を あ ま り感 じて い な か った.ま. た,非 偏. 見 的 な 実 験 参 加 者 は 偏 見 レベ ル の 高 い 参 加 者 に 比 べ,.ネ ガ テ ィ ブ 自 己感 情 を 強 く感 じて い た,以 上 の 結 果 は,仮 説1と. 一 致 す る も の で あ り,潮 村 ・伊 藤(1994)や. 塚 本(1998)の. 結 果 を繰 り返. し確 か め た も の で あ る と言 え る. ず れ 顕 在 化 一感 情 喚 起 ・偏 見 的 反 応 の 関 連 性 を 検 討 す る た め に,パ. ス解 析 を 行 っ た.パ. ず れ 顕 在 化 ・感 情 喚 起 ・偏 見 的 反 応 間 の 関 連 性. ス 解 析 の 結 果 をFigure 1に 示 す(5%水. 準 で有 意 で. あ っ た パ ス の み を 示 す).. Figure 1  ず れ 顕 在 化 ・偏 見 レベ ル ・感 情 ・偏 見 的 反 応 間 の 関 連. 第1に,「. ず れ顕 在 化 の高低 」 は. 情 」(β=.75,ρ. 〈.Ol)と. 「ネ ガ テ ィ ブ自 己 感 情 」(β=.72,ρ. の 間 で 有 意 な 正 の 関 連 が 認 め ら れ た.加. 有 意 な 負 の 効 果 が 見 ら れ た(β=-.46,ρ. 〈.01).ま. 自 己 感 情 」 と 負 の 関 連 性 を 示 し た(β=-.25,ρ 第2に,喚. 〈.01)お. 「ネ ガ テ ィ ブ. 〈.Ol).. 己 感 情 」 は 後の 偏 見 的 反 応 と ま っ た く 関 係 が 見 ら れ な か っ た.代 反 応 」 と 有 意 な 正 の 関 連 性 を 示 し た(β=-.43,ρ<.01).す. 説 と は 異 な り 「ネ ガ テ ィ ブ 自 わ っ て,「 不 快 感 情 」 が. な わ ち,当. 快 感 情 の 喚 起 を 媒 介 と し て,改. =134. ,ρ. 〈.05).ま. 「実 際 反 応 のpre-post変. た,「 偏 見 的 態 度 の レ ベ ル 」 も,感. 度 」 「出 来 事 認 知 」 に 正 の 効 果 を 及 ぼ し て お り,逆. に. 「実 際. 為 反 応 と実 際 反 応 の め て 測 定 され た 黒. 人'と の 接 触 場 面 に お け る 実 際 反 応 を 非 偏 見 的 な も の へ と 改 善 す る 傾 向 が 見 ら れ た.こ 「ず れ 顕 在 化 」 は よ り 直 接 的 に. 「不 快 感. え て,「 快 感 情 」 に 対 し て は. た,「 偏 見 レ ベ ル の 高 低 」 は. 起 さ れ た 感 情 と 後 の 偏 見 的 反 応 の 関 連 性 に つ い て,仮. 間 の ず れ の 大 き さ を 強 く 意 識 し た 参 加 者 は,不. よび. の ほ か,. 化 」 と の 有 意 な 正 の 関 連 を 示 し た(汐 情 を媒介 せず に. 「実 際 反 応 」 「偏 見 的 態. 「実 際 反 応 の 変 化 量 」(preーpost評 定 値 間 の. 差 異) .に 対 し て は 負 の 効 果 が 認 め ら れ た. 、.

(11) 全体 的考 察. 本 研 究 は,マ 応)と. イ ノ リテ ィ と の 接 触 場 面 に お い て 「こ うす る べ き で あ る 」 とい う反 応(当. 「 実 際 そ う して しま うだ ろ う」 と推 測 され る 反 応(実. 際 反 応)と. 為反. の ず れ の 顕 在 化 と,そ れ. に伴 う感 情 的反 応 お よ び 偏 見 的 な 評 価 ・態 度 の 関 連 を検 討 した.当 初 設 定 され た 仮 説 の うち,仮 説1は 支 持 され た.す. な わ ち,当 為 ー 実 際 反 応 間 の ず れ を 強 く意 識 す る こ と は 良 心 の 呵 責 な ど を. 含 む ネ ガ テ ィ ブ な 自 己感 情 を,そ. して 不 快 感 情 を強 く喚 起 させ た.ま. た,ず れ を 強 く意 識 した 実. 験 参加 者 は,快 感 情 を あ ま り感 じな か った.以 上 の よ うなず れ の 顕 在 化 に 関 す る 主 効 果 が 見 られ た とい う結 果 は,先 行 研 究 の 知 見 と一 致 す る もの と言 え る(Devine  et  al,1991;Monteith,1993; 潮 村 ・伊 藤,1994;塚. 本,1998).い. くつ か の 先 行 研 究 で 見 られ た 偏 見 的 態 度 の レベ ル とず れ の. 顕 在 化 の 交 互 作 用 は,本 研 究 で は 見 られ な か っ た.こ. れ は,実 験 参 加 者 とな っ た 日本 人 大 学 生 が. タ ー ゲ ッ トで あ る 黒 人 に 対 し強 い 偏 見 を表 明 す る わ け で は な く,全 体 的 に 示 され る偏 見 的 態 度 の レベ ル が ず っ と低 か っ た た め と考 え られ る.い ず れ に せ よ,当 為 一 実 際 反 応 間 の ず れ の 認 知 や 活' 性 化 が ネ ガ テ ィ ブ な 自 己感 情 を 引 き 起 こす こ と は本 研 究 で も繰 り返 し確 か め られ た. そ の 一 方 で,後 の 偏 見 的 反 応 の抑 制 に お け るネ ガ テ ィ ブ な 自 己感 情 の 媒 介 的 機 能 に 関 し設 定 さ れ た 仮 説2は 支 持 され な か っ た.パ. ス解 析 の 結 果,ネ. ガ テ ィ ブ 自 己感 情 の 強 さ と後 の 偏 見 的 反 応. を 測 定 した 複 数 の 指 標 との 間 に 有 意 な 関 連 性 は ま っ た く見 られ な か っ た.す. な わ ち,ず れ の 認 知. に よ っ て 喚 起 され た ネ ガ テ ィ ブ 自 己感 情 が 後 の 偏 見 的 反 応 の 抑 制 を 動 機 づ け る こ と を 示 す 証 拠 は 得 られ な か っ た,偏 見 的反 応 を 抑 制 す る とい う証 拠 が 見 られ た のは む しろ 不 快 感 情 で あ り,不 快 感 情 を 強 く喚 起 され た 実 験 参 加 者 が,操 い う傾 向 が 見 られ た.加. 作 後 に測 定 され た 実 際 反 応 を 非 偏 見 的 な も の に 改 め た と. え て,ず れ の 意 識 が 感 情 を媒 介 せ ず 実 際 反 応 の 変 化 量 と直 接 的 な 関 係 が 噂. 認 め られ た. 以 上 の結 果 は,今 回 の 実 験 参 加 者 が 黒 人 へ の偏 見 の 抑 制 に 関 し どち らか と言 え ば 他 律 的 な プ ロ セ ス に 従 って い た と考 え られ る,そ の 理 由 と して は,第1に. ず れ の 顕 在 化 が 直 接 偏 見 的反 応 の 表. ・ 明 の 抑 制 と正 の 関 連 性 を示 した .こ の こ とは,実 験 参 加 者 の 立 場 か ら見 れ ば,こ. うす るべ き と 自. 分 で 設 定 して い る 規 準 と実 際 の 反 応 の 間 に 隔 た りが あ る と 実 験 者 か ら言 わ れ,特. に感情 的 な葛藤. を 引 き 起 こす こ とな く,そ. う した 他 者 か ら の指 摘 に 従 い 行 動 を 改 め た,と. と ら え る こ とが で き る.. 特 に 感 情 的 な 葛 藤 を 引 き起 こ さな か っ た の は,実 験 参 加 者 と黒 人 の 間 の 集 団 間 関 係 が 強 い 集 団 間 葛 藤 を含 む よ うな 劣 悪 な もの で な か っ た こ と も 関係 して い る と思 わ れ る.第2に,ず. れの認 知 と. 偏 見 的 反 応 の 抑 制 を 媒 介 した の は 不 快 感 情 で あ っ た,実 験 者 か ら思 い が け ず に 当 為 反 応 と実 際 反 応 間 の食 い違 い を 指 摘 され た と き,実 験 参 加 者 と して は む しろ そ れ を不 当 な 指 摘 で あ る と認 知 し た 可 能 性 が考 え られ る.そ れ ゆ え に,1実 験 者 に よ る不 当 な 評 価 へ の 反 応 と して,怒. りな どの 強 い. 」 不 快 感 情 を 示 し,そ れ が 後 の偏 見 的 反 応 の抑 制 を 動 機 づ け る よ う機 能 した と考 え る こ とが で き る..

(12) 一 方 ,Devine  et  al.(1991)やMonteith(1993)が した 偏 見 抑 制 の モ デ ル は,自. 主 張 す る よ うな,ネ. ガ テ ィ ブ 自己感 情 を 軸 と. 律 的 な プ ロセ ス で あ る と言 え る.偏 見 に基 づ い た反 応 を示 して しま. っ た こ とに 対 し 自責 の 念 を 感 じ る こ と で,そ の 感 情 状 態 か ら回 避 す る た め に,実 際 反 応 を 非 偏 見 的 な もの とな る よ う統 制 し よ う とい う動 機 づ け を 強 め る.そ れ が,実 際 反 応 と(当 為 反 応 が 依 拠 す る)個 人 の 行 動 規 準 を よ り低 い 偏 見 レベ ル へ の 押 し下 げ て い く こ と が想 定 され て い るか ら で あ る.本 研 究 の 結 果 は,少. な く と も 現 状 の 日本 社 会 で は,自 律 的 な 偏 見 低 減 の プ ロセ ス は 成 立 しに. く い こ とを 示 して い る の か も しれ な い.ア. メ リカ 合 衆 国 や 他 の ヨー ロ ッパ 諸 国 な ど と比 較 し て,. 現 在 の 日本 社 会 は 全 体 的 に 見 て 集 団 間 の 葛 藤 が 顕 在 化 され て い な い 状 況 が 比 較 的 長 期 間 継 続 され て い る.も. ち ろ ん,よ. り ミ ク ロ な 社 会 レベ ル で は,日 系 ブ ラ ジル 人 を は じめ外 国 人 の 労 働 者 とそ. の 家 族 が 大 量 に 流 入 し,彼 ら との 葛 藤 が 大 き な 社 会 問題 化 して い る 地 域 も少 な くな い(愛 知 県 豊 田 市 や 静 岡 県 浜 松 市 な ど).し. か し,そ の よ うな ミ ク ロ な 社 会 レベ ル で の 集 団 間葛 藤 が 問 題 意 識. と して 国 民 全 体 に 共 有 され て い る とは 言 い 難 い.ま た,マ よ って 被 る 不 利 益(社. イ ノ リテ ィ に 偏 見 的 態 度 を示 す こ と に. 会 的 な信 用 を失 う,な ど)も 明 確 に意 識 され に く く,個 人 の行 動 を 強 く規. 定 す る規 準 と して 機 能 す る こ と が で き な い 可 能 性 も考 え られ る. 他 律 的 な プ ロセ ス が機 能 す る こ と で,一 定 の 効 果 が 得 られ る か も しれ な い が,他 律 的 な プ ロセ ス に 頼 る こ と は 負 の 側 面 も伴 うだ ろ う.学 習 の 文 脈 で 古 く か ら指 摘 され て きた こ と で あ る が,罰 や 報 酬 に よ る外 発 的 な 動 機 づ け の 手 続 き を 過 剰 に採 用 す る と,非 偏 見 的 な 行 動 規 準 が 内 面 化 され ず,非 偏 見 的 な 行 動 が 特 定 の 場 面(監 が あ る.必. しか 表 明 され な く な る お そ れ. ず し も 意 に 沿 わ な い 行 為 を す る こ と に よ っ て 生 じ る 認 知 的 不 協 和(cognitive. dissosnance)を. 罰 や 報 酬 と 行 為 の 連 合 を 強 化 す る こ と に よ っ て 低 減 す る か5で. Carlsmith,1959).し 考 慮 に 入 れ,さ た と え ば,近. 督 者 が 監 視 して い る な ど)で. た が っ て,ど. の よ う に し た ら 自律 的 な プ ロ セ ス が 機 能 す る よ う に な る の か を. ら に 実 験 の 手 続 き を 詳 細 に 検 討 し て,研 年 で はIAT(inplicit . 的 評 価 課 題(automatic . あ る(Festinger&. 究 を 積 み 重 ね て い く 必 要 が あ る だ ろ う.. association test,  Greenwald,  McGhee,& . evaluation task,  Fazio Jackson, Dunton,& . Schwartz,1998)や. Williams,1995)な. 自動. ど個 人 が 統 制 困. 難 な潜 在 的 態 度 を 測 定 す る 手 法 が い くつ か 考 案 され て い る 一 そ れ らの 潜 在 的 な 測 度 と顕 在 的 な 測 度 を 用 い て 両 者 の ず れ を 意 識 化 さ せ た り,潜. 在 的 な テ ス トの 結 果 を 予 測 させ,そ. 偽 の フ ィ ー ドバ ッ ク を 与 え る な ど の 手 法 を 用 い る こ と が で き る だ ろ う.そ 関 連 が あ る と し て 近 年 さ か ん に 検 討 さ れ て い る 社 会 的 優 越 志 向(久 Pratto Sidanius, Stallworth,&. Bertram,1994)の. の 予 測 に 応 じた. の ほ か,偏. 見 の表 明 と. 保 田,2003;Pratto,1999;. よ う な 個 人 差 変 数 を 導 入 し た り,黒. 人 以外 のマ イ ノ. リテ ィ を タ ー ゲ ッ ト集 団 に し た 実 験 を 展 開 す る こ と も 当 然 必 要 で あ る と 考 え ら れ る..

(13) 参 考 文 献 Adorno,T.W.,Frenkel-Brunswik,E.,Levinson,D.J.,&  York: (ア. Sanford,R.N.(145U)The . authoritarian . personality. . New. Harper. ド ル ノ,T.W.(著)田. 現 代 社 会 学 体 系 Attport,GW.(1954)The (オ ー ル ポ ー. 中 義 久. 12. ・矢 沢 修 次 郎. ・小 林 修 一(訳)(1980)権. 威 主 義 的 パ ー ソナ. リテ ィ. 青 木 書 店). nature. of prejudice.. ト,G.W.(著)原. Cambridge,. 谷 達 夫. Mass:. ・野 村. Addison-Wesley一. 昭(訳)(1968)偏. 見 の 心 理. 培 風 館). Devine, P. G. (1989) Stereotypesand prejudice: Their automatic and controlled components.Journal of Personality & Social Psychology,56, 5-18. Devine,P. G., Monteith, M. J., Zuwerink, L R., & Elliot,A. J. (1991) Prejudicewith and without compunction.Journal of Personality & Social Psychology,60, 817-830. Dovidio, 3. F., & Gaertner, S. L. (1986) Aversive form of racism. In J. F. Dovidio & S. L. Gaertner (Eds.) Prejudice, Discrimination,and Racism,New York:AcademicPress. Pp. 61-89. Dovidio, J. F., Gaertner, S. L., Esses, V. M. & Brewer,M. B. (2004) Social Conflict, harmony, and integration.In T. Millon,.M. J. Lerner,& 1. Weiner(Eds.) HandbOokofpsychology. vol. 5. Personality and social psychology. New York:Wiley.Pp. 485-506. Fazio, R. H. (1995) Attitudes as object-evaluationassosiations:Determinants,consequences,and correlates of attitude accessibility.In R. E. Petty & J. A. Krosnick (Eds.)Attitudestrength: Antecedentsand consequences.Mahwah,NJ; Eribaum.Pp. 247-282. Festinger,L. & Carlsmith,J. M. (1959) Cognitive consequencesof forced compliance.Journal of Abnomal & Social Psychology,58, 203-210. Greenwald,A. G., McGhee,D. E., & Schwartz,J. L. K. (1998) Mesuring individualdifferences in implicit cognition: The implicitassosiationtest.Journal of Personality& Social Psychology,74; 1464-1480. 久 保 田 健 市(2003)大. 学 生 の 社 会 的 公 正 に 関 す る 志 向 性 と社 会 的. ・政 治 的 態 度   人 間 研 究(武. 蔵 野 女 子 大 学.     人 間 関 係 学 部 紀 要),8,1-29. 久 保 田 健 市(2004)ス. テ レ オ タ イ プ と集 団 認 知   大 島   尚. ・ 北 村 英 哉(編)認. 知 の 社 会 心 理 学   6章.   北 樹.     出 版   87ー107. McConahay, . J. B.(1986)Modern .     {Eds.)Prejudice, . racism,  ambivalence, . Discrimination, . Mcrea,  C。 N,, Bondenhausen, . and  Racism,  New  York:Academic . G  V,, Milne, .     rebou  nd. Jo urnal  ofPersonality&Social  Monteith,1V1. . J.(1993)Self-regulation .     Journal  of Personality & 中 村. 真(1995)大. Social. and  the modern . racism  scale. In J. F. Dovidio&S. . L. Gaertner. Press. Pp.91-125.. ・.,&Jerten,」.(1994)Out . of mind  but back  in sight;Stereotypes . on the. Psychology,67,808-817.. of prej udiced  responses:[mpiications . for progress  in prejucie-reduction . efforts.. Psychology,65,469-X85.. 学 生 の 外 国 イ メ ー ジ に 関 す る 研 究 ー 好 き な 外 国 人 と 嫌 い な 外 国 人 の.イ メ ー ジ 比 較 ー. 東.     京 都 立 大 学 心 理 学 研 究   5,33一38, Oakes,  P.  J.,  Haslam, . S. A.,&Turner, . Pratto, F. X  1999)The . puzzle  ofcontinuing .     social dominance . J. C.(1944)Stereotyping . and  social  reality. Oxford:Blackwell.. group  inequality:Piecing . together  psychological, . theory.  In Zanna(Ed.)Advances . in Experimental . Pratto, F., Sidanius,  J., Stallworth,  L. M.,&Bertram, . F. M.199.Social . social, and  cultural  forces  in. Social  Psychology,31,191-263. dominance . orientation:Apersonality .     predicting  social and  political attitudes. Journal  ofPersonality&Socral . Psychology, . Sherif, M.(i967}Group . London:Routledge&Kegan . 潮 村 公 弘. conflict and  co-operation:Their . ・伊 藤 麻 希 子(1994)感. 情 か ら捉 え た 偏 見. social psychology.  ・ス テ. variable. G7,741-763. Paul.. レオ タ イ プ の 認 知 構 造 ー ス テ レ オ タ イ プ 化 類 型 ご.

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参照

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