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JAIST Repository: 国際的知財アフェア・プロフェッショナルの育成事例研究

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Academic year: 2021

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JAIST Repository

https://dspace.jaist.ac.jp/ Title 国際的知財アフェア・プロフェッショナルの育成事例 研究 Author(s) 菊池, 純一 Citation 年次学術大会講演要旨集, 25: 791-794 Issue Date 2010-10-09

Type Conference Paper Text version publisher

URL http://hdl.handle.net/10119/9411

Rights

本著作物は研究・技術計画学会の許可のもとに掲載す るものです。This material is posted here with permission of the Japan Society for Science Policy and Research Management.

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2F17

国際的知財アフェア・プロフェッショナルの育成事例研究

○菊池純一(青山学院大学)

キーワード:◇知財クリニック(知財の健康管理に基づく与益創成活動)、◇知財アフェアズ(知財を健康 にするためのPathway & Outreach の仕事)、◇アドサティス(Adsatis ; property と Liability を組み合わせた 資産)、◇与益(与えるべき利益、用役。受けるべき利益、用役(受益)の対となる考え方)、◇アクア・シ ステム(河川流水、利水、増水に係る知財複合システム)、◇クリエィティブ・エコロジー(Visible IP makes Creative Ecology, People-ship base makes Hidden IP.)、◇知産知招(地産地消に対峙する考え方)

1. 知財クリニック・ドクターの養成からの発展について 知的財産(特許、商標、意匠、著作、営業秘密、種苗など)を保護することは、一つのステップにすぎ ない。積極的に活用することも、重要なステップである。しかし、知的財産を健康にするということが、 もう一つの基本ステップであるというはあまり知られていない。そこで、知的財産についての法的諸要 件を熟知し、その持ち主に戦略的なアドバイスが与えられる専門家を大学院で育てることにした。この 専門家を知財クリニック・ドクターと呼ぶ。知財クリニック・ドクターは、会社や大学などの知的財産 を総合的に診断し、将来、起こり得るリスクの予想(病気の予防)や、無駄な資産の切り捨て(手術)、 眠っている知的財産を上手に活かす方法のアドバイス(健康法の指導)を行う。さらに、知財の移植・ 不妊治療・助産(発明のアーリーステージからのサポート)、知財リハビリ(処方・処置の予後管理、 知財テロ対策)、知財テストベット構築(起業、コンソーシアム編成など)、紛争処理(利益相反、係争 案件への対応)など色々ある。 ミッション・ドクター シニア・ドクター ディビジョン・ドクター 弁護士・弁理士 公認会計士等 との連携 クリニック チーム 知財ドクター 知財インターン 知財クリニック 知財999 IMAG 知財クリニック 推進協議会 テストベット 知財カルテ・DB 1.健康診断(999問診、簡易診断、定期診断) 2.知財ドック(通院セミナー、入院セミナー) 3.内科的処方(契約書等の処方、改善方策提案) 4.外科的処方(棚卸し、撤退・廃棄・中断) 5.移植・不妊治療(ライセンス・共同研究の診断、体質改善、アーリーステージ管理) 6.知財リハビリ(権利実施、信託・証券化の予後管理、知財動向調査) 7.知財テストベット(研究開発支援仮想空間提供、起業支援、ファイナンス支援) 8.紛争処理(調停・仲裁、訴訟支援) 9.CSR活動(教材作成、啓蒙活動)、TQM 知財クリニック・・・青山学院における養成・研究・実践の配置 機構長 事務局 知財DB担当 相模原 青山 (財)知産活用C AGU研究支援 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 大学院ファカルティ 専任教授 客員教授 非常勤講師 ビジネスローセンター 研究員 インターンシップ・プログラム 女子短大 中・高等部 初等部 幼稚園 理工学部、他 生きている知財を健康にすること・・・・・・・ 知財クリニックにおけるインターンは、様々な症例に直面する。5年を経て、200数十症例を経験

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した。例えば、多く発生するケースは、症例 1:A 社は、ビジネス・サプライ・チェーンの中心に位置し ていた知財を略取されていたことを知らなかった。症例 2:B 社と C 大学と D 社は、知財のウィン・ウ ィンの関係を作らないと話は進まないが、知財パッケージ型オープン・イノベーションを編成できなか った。症例 3:E 研究所は、研究開発のアーリーステージが高速化することによって発生した利益相反を 解消できなかった。 臨床的視点から複合的な知財リスクに係るソリューションを提供するのが知財クリニックの仕事で ある。しかし、知財を健康にするという仕事の内容は必ずしも不定形ではなく、特定のパターンが発現 するものである。 2. 知財アフェアズの領域を明確にすること 知財は、稼働している状態において評価する限り、単に情報客体として機能する排他的な財産権では ない。つまり、知財に参画する主体(発明者、著作者、プロデュサー、経営者などの人々)が、特定の情 報客体(知的財産)を再編成することによって、その利用関係を設計したビジネス図式の上で、知財がも たらす「与益」を創成し、知財を統括することによって得られる「受益」を持続的に享受するというも のである。それゆえ、知財は、一種の社会的複合資産、つまり、社会のイノベーションの源泉となる「ア ドサティス(Adsatis)」であるといえる。 このような知財を健康的に持続的に管理するという場合、少なくとも、二つの仕事が発生する。一つ は、パスウェイ(Pathway)の仕事である。もう一つがアウトリーチ(Outreach)の仕事である。 パスウェイ(Pathway)の仕事は、事前の与益、用役を具体的に表現することから始まる。そして、その 一部を他者に譲渡可能な情報として可視化する。さらに、所定の受益として自らの組織に還元すること を一連の仕事内容とする。ルーチン化することが容易な領域である。 これに対して、アウトリーチ(Outreach)の仕事は、やや、非定常的であり、停止条件付きの複数の選択 肢を統括する必要が生じる。知財クリニックの経験からいえば、アウトリーチの仕事は、1)「知財リバ ースエンジニアリング」(例えば、特許発明の当初解決課題を再点検(新用途の探査)の仕事)、2)「知 財パッケージング」(例えば、特許マップに基づく複数の発明をコアとしたビジネス編成の仕事)、3)「知 財トリアージュ」(複合的な利益相反の調整、知財テロ対策などを含む仕事)の三種類に区分けされる。 言いかえれば、知財の用途開発に類似した「与益A 群と与益 B 群の間」をまたぐ仕事であるといえる。 事前の与益・用役の 具体化 与益・用役の可 視化 受益への還元 新たな与益・用役の 具体化 与益・用役の 可視化 ★「知財リバースエンジニアリング」 (Reverse-engineering) (例) 特許発明の当初解決課題を 再点検(新用途の探査) ★「知財パッケージング」 (Packaging) (例) 発明をコアとしたビジネス編成 知財アフェアズ ・・・●パスウェイ(Pathway)の仕事 ・・・★アウトリーチ(Outreach)の仕事 ★「知財トリアージュ」 (Triage) (例) 利益相反の調整 知財テロ対策などを含む 与益B群 与益A群

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3. 事例 1:アクア・システムと流域行政(日中間プロジェクト) このプロジェクトは、中国復旦大学と青山学院大学の連携複合共同研究として稼働中の事例である。 アクア・システムというのは、アクア(河川流水、利水、増水等)に係る知財のサブシステムによって構 築された集合体のことである。そのアクア・システムは、法制度の要件に左右され、複合的リスクを発 現する。このリスクを解析して、政策上のソリューションを提案するというのがプロジェクトの目的で ある。 例えば、中国の水基本法の定めによって、「水」の所有権を国家が持っている。しかし、水基本法の ない日本では、「水」は何人も所有しない「公物」であり、その「水」を含有する「土地や河川床など の管理者がその利用権を行使することになる。ちなみに、2010 年に立法されたドイツの水基本法では、 一般則として水の所有権を設定しているが、地下水は所有権を認めないという図式になっている。 このように、「水」のシステムを考えるときには、法制度の性質が大きな制約的要素となる。したが って、例えば、「増水」に係るプラント技術が特許権を有していたとしても、その技術を実施すること によって得られた「増水」は、中国では私的受益の対象とはならず、日本におけるビジネス・モデルと 同様の図式を展開することが難しいのである。このプロジェクトでは、上海の揚子江の支流に点在する 「増水」の第三セクターを研究の対象としているが、「汚水」を浄化する技術に対する私的受益をどの ような公的財源に求めればよいのか、あるいは、どのような市場競争の枠組みに求めればよいのか、そ もそもの論点が不明なのである。アクア・システムに係る知財アフェアズの領域はマニュアル化されつ つある。かつ、与益創成の一つの解決策として、知財信託の方式が有効であることが判明した。しかし、 残念ながら、この方式の実務的課題は多い。 Input Making Outcome Output Getting Income

Cyclical sub-System of Aqua System

IP Package Core System River System Outcome Aqua Flow Structured Outcomes Structured Outcomes U-point U-point

Junichi Kikuchi , ‘Aqua System and Global Business Schema’, Aqua Project Forum at Fudan University, promoted by Graduate School of Law the department of Business Law, Aoyama Gakuin University, Shanghai 13th-15th Nov. 2009

4. 事例 2:クリエィティブ・エコロジーの創成(日米間プロジェクト)

クリエィティブ・エコロジー(Creative Ecology)というのは、可視化された知的財産(Visible IP)を組み合 わせることによって表層的に形成され、その深層部分では、隠された知的財産(Hidden IP)によって連携 された人々の手足基盤(People-ship Base) が形成され、組織的な創成力が生み出されるという考え方であ る。 この考え方は、やや、難解ではあるが、例えば、次のようなマルセル・デュシャンの先駆的事例があ る。普通の大量製造品の小便器に、「リチャード・マット」という名前をつけて、このマット君を「泉」 であるとした。

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この小便器を「泉」であるとするには、つまり、創造力を持った社会を編成するには、「可視化され た知的財産(Visible IP)」と「隠された知的財産(Hidden IP)」が必要になる。これが、クリエィティブ・エ コロジーの原点であり、芸術と知財の複合体が意味を持った瞬間なのであるという。 ( 例えば) マルセル・ デュ シャ ン 泉 1 9 1 7 普通の男子用小便器に「リチャード・マット (R. Mutt)」という署名をし『泉』というタイトルを付けた 作品。 「レディ・メイド」と称する既製品(または既製品に 少し手を加えたもの)による作品 Is this creative ?

How do you tell people about this?

This media file is in the public domain in the United States. This applies to U.S. works where the copyright has expired, often because its first publication occurred prior to January 1, 1923. 事例の日米間プロジェクトは、米国ボストン市における「地産地消」の旧パターンをリフォームして、 新たな発展モデル、いわゆる、「知産知招」という考えを組み入れたクリエィティブ・エコロジーを構 築しようという試みである。2006 年から実施されているが、国際間で活躍することができる、知財与益 の創成に関わる専門的総合職が求められている。

visible IP

Hidden IP

People-ship Base

Hidden IP

visible IP

Creative Ecology

Hiroko Liu, ’A study case of Creative Ecology -The national Bitter Melon Council in Boston, South end, since 2006’, Intellectual Property Association of Japan,8thannual conference,2010.6.

参照

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告—欧米豪の法制度と対比においてー』 , 知的財産の適切な保護に関する調査研究 ,2008,II-1 頁による。.. え ,