【論文要旨】 【目的】精神科訪問看護を受けている母親が訪問看護師と関わりながらどのように保育サ ービスを活用しているか、インタビューにより母親の体験を記述することである。 【方法】質的記述的研究法を用いた。研究対象者は首都圏の精神科訪問看護ステーション において協力を依頼し、精神科訪問看護を受けており子供を保育園に預けている統合失調 症及び、双極性障害を持つ母親5 名に研究の同意を得て半構造化インタビューを行った。 その際研究対象者の許可を得て録音し逐語録を作成した。逐語録は Nvivo 12 Pro for Windows にインポートし、対象者と精神科訪問看護師の関わり、保育サービスを活用する 体験に焦点をあて、意味のまとまりごとに文章または区切りになる部分で切片化した。抽 出されたデータ同士を比較し、類似性や差異性普遍性を常に検討しながらカテゴリーを生 成した。この作業は各対象者のインタビューが終了するごとに行い、新たな対象者のデー タから導き出されたカテゴリーと、すでに抽出したカテゴリーと比較し、整理・統合した。 最終的に抽出されたすべてのカテゴリー間の関係性を検討した。その中心になるコアカテ ゴリーを抽出し、カテゴリー間の関係を整理した。本研究は、2018 年度聖路加国際大学倫 理審査委員会の承認を受けて実施した(承認番号 18-A 007)。 【結果】分析の結果、1 個のコアカテゴリー、9 個のカテゴリー、28 個のサブカテゴリー が抽出された。精神科訪問看護を受けている母親が保育サービスを活用している体験のコ アカテゴリーは《保育サービスを活用して楽になる》であった。対象者は子供を保育園に 預けたことで育児の負担が軽減し楽になったと感じていたが、子供を保育園に預けること は対象者にとって不安を伴う体験でもあった。しかし訪問看護師や保育士の理解を得て継 続して保育園に預けるうちに時間を有効につかうことや、主体的に保育サービスを活用す ることができるようになった。また対象者は自らの体験を肯定的に捉えられるようになっ ていた。 【結論】支援者は対象者の体調が不安定になる時期や、病気の特性として不安を持ちやす いことを理解する。育児の支援体制は対象者の精神症状の安定している時に話し合い、あ らかじめ準備をする。また対象者が支援を求めやすいような環境を整え、安心して保育サ ービスを活用できるように関わっていくことが大切である。支援者は母親がエンパワメン トされるように支援することが重要である。
精神科訪問看護を受けている母親が保育サービスを活用する体験
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参加者:黒崎雅子 ( 理事:栃木、訪問看護ステーション星が丘 ) 、杉原幸子 ( 役員:君津中央病院医療連携室 ) 、大桐 四季子 ( 役員:ふたわ訪問看護ステーション