第六章 企業行動と産業構
造
産業構造とは
1国の経済における各産業の生産額の構 成や各産業への生産要素の配分状況を 示すもの
表示する場合
第1次産業:農林水産業
第2次産業:製造業、建設等の加工業
第3次産業:商業、運輸・通信業、金融業、 サービス産業、公務
ペティの法則
経済発展にともない、1人当たり所 得が増加するにしたがい、第1次産業か ら第2次産業、第3次産業へと労働力の 比重が移動していくこと
↓
高度成長の間、第1次産業から第2次産業へ
の比重が上昇し、なかでも重化学工業の比率 が増大した。
国際的要因
世界経済が順調に発展しており、世界貿 易も顕著な伸びを示していた。このもとで、 日本経済は1ドル= 360 円の固定為替相場制 度の恩恵を受けつつ、輸出が順調に伸びた。
国内の要因
・資本ストックの水準は相対的に低 かったものの、国民の貯蓄性向は高く、 高水準の投資を支える基盤が確立してい たこと
・企業の事業拡大、技術革新意欲が 旺盛であったこと
・教育水準の高い若年労働力の多量 の供給が保障されていたこと
日本経済は1970年代石油危機により大
きな打撃を受けたが、その後は先進国の なかでも最もよい成果を収めた。
→理由
1 . 省エネルギーの推進と代替エネ ルギー
への転換
2 . 産業構造の変化
日本の製造業のグローバル化は、貿易摩
擦および円高の進行への対応策としては じまった。
日本企業は貿易摩擦の激化と85年のプ
ラザ合意以降の急速な円高に直面して、 輸出を海外現地生産に切り替えた。
↓
これにより「産業の空洞化」問題が 発生
90年代末から世界の自動車メーカーの国
際的再編がはじまった。この背景として
・環境規制適合車(エコカー)関連技術 である燃料電池車やハイブリッド車の開発 問題
・日米欧の先進国市場での需要の飽和が
目立なかで、中国、ASE AN 、インド等の
潜在成長力に富む市場でいかに成功を収め るかという問題
がある。
日本の電機業界はアジア全体に生産ネッ
ワークを形成していたが、日系企業の提携
事業等で技術力をつけた韓国や中国等の企
業が、上位のシェアを占めるようになった 。
こうして追われる立場になった電機業界は
事業部門を閉鎖や他社へ売却によって、事 業のリストラを図ったり、M&Aを行った りして、再編を試みた。
今後生き残っていくためには、「誰もつ
くっていない製品分野を次々と開拓してい く」しかない。
日本の半導体産業は1970年代後半か
ら生産能力を拡大し、89年には世界の
半導体市場における日本メーカーのシェ アは52%に達した。
しかし、90年代になると大型設備投資
の継続に耐えきれなくなり、レースから
脱退した。
その後大幅な事業再編を行ったが、現在
も苦しい経営強いられており、さらなる 業界再編が必至である。