Ⅴ 市 民 会 館 、 文 化 会 館 、 教 育 文 化 セ ン タ ー
1 . 総 論
市民会館としては堺市民会館、文化会館としては西文化会館、栂文化会館及び 中文化会館の3 施設がある。中文化会館を除く上記各施設は市長公室国際文化観 光部が所管し、これらの管理運営はいずれも財団法人堺市文化振興財団(以下、 ( 財) 堺市文化振興財団という。)に委託されている。
( 財) 堺市文化振興財団は、市民の文化活動の振興を図り、地域文化の創造に努 め、市民生活の向上と地域の発展に寄与することを目的として、堺市が 1 00 %出 資して、平成6 年4月1 日に設立された。
堺市民会館、西文化会館及び栂文化会館については、ホールや会議室を設置し ているというハード面、及び業務内容が貸館事業を主とするというソフト面の同 一・類似性から、堺市と( 財) 堺市文化振興財団との間の委託契約はひとつの契約 書で締結されている。
中文化会館は堺 市教育文化 センター「ソフィア・堺」の中にあって、教育委員会 が所
管し、直営方式で管理し、「ソフィア・堺」内にあるホール、ギャラリー等 の管理及び料金
徴収など一部業務について(財)堺市文化振興財団に管理委託をしている。
堺市民会 館、西文化 会館、栂文 化会館、中 文化会館 の施設 の概要は、次表 のとおり
である。
堺市民会館 西文化会館 栂文化会館 中文化会館 設置年月日 昭和 4 0 年 6 月 平成8 年4月 昭和 5 9 年 6 月 平成6年7 月
所在地 翁橋町2丁 鳳東町6 丁 桃山台2丁 深井清水町 延床面積(㎡) 8 , 9 1 8 6 , 6 8 5 . 1 3 4 , 2 6 9 2 1 , 8 1 4
建物構造
鉄筋コ ン ク リ ー ト 造 4階建
鉄筋コ ン ク リ ー ト 造 7 階建
鉄筋コ ン ク リ ー ト 造 3階建
鉄筋コ ン ク リ ー ト 造 (一部鉄骨造)
6 階建の1階 から4 階 ホール座席数 大1 , 3 8 7 席
小 2 5 4席
6 9 6 席 7 0 9席 7 9 8席
投資額(百万円) 7 6 8 3 , 9 5 5 2 , 2 8 6 1 5 , 2 1 8 従事人員(人)
( ):うち非常 勤・アルバイト
1 3 (7 ) 1 2 (9 ) 1 3 ( 1 0 ) 1 0 ( 5 ) 延利用者数(人) 2 7 9 , 3 2 7 1 1 1 , 4 3 9 1 6 5 , 6 4 2 2 2 9 , 1 3 3
2 . 堺 市 民 会 館 、 西 文 化 会 館 及 び 栂 文 化 会 館 の 管 理 委 託 の 契 約 概 要
( 1 ) 管理運営委託先及び委託金額等
堺市は㈶堺市文化振興財団に対して、市民会館、西文化会館及び栂文化会館 の管理運営を一体的に委託しており、平成1 5 年度の委託契約は、平成1 5年4 月1 日に下記内容で締結されている。
委託する業務名 堺市文化施設管理運営及び使用料徴収業務
履行場所 堺市民会館、堺市立栂文化会館、堺市立西文化会館 履行期間 平成1 5年4 月1日から平成1 6 年3月3 1 日まで
契約金額 4 億1 , 1 7 4万4 , 3 5 9 円(消費税1 , 9 6 0万6 , 8 7 4 円含む)
( 2 ) 委託業務内容の概要 ①管理運営業務
ア 施設・附属施設・備品等の維持管理・点検 イ 使用申込み受付等
ウ 附属設備・備品の貸出 エ 利用関係統計事務
オ その他、館の管理運営に当たって必要な業務 ②使用料徴収業務
ア 受託者領収印を押印して領収書を発行すること。
イ 現金出納簿に記帳し、速やかに払込書により歳入金を指定金融機関等に 払い込むこと。
ウ 領収証書及び領収書の控えとともに、領収金日計表を館長に提出し、照 合及び確認を受けること。
エ その他、使用料徴収に当たって必要な業務。
3 . 堺 市 民 会 館
1 施設の概要 ( 1 ) 施設の設置目的
昭和4 0 年3 月31日に堺市民会館条例並びに堺市民会館条例施行規則が制定 されているところ、条例第1条には、「市民文化の創造及び振興に寄与するため、 本市に堺市民会館を設置する。」と明記されている。
( 2 ) 施設設置の経緯
に用地買収を行い、浄財も寄せられたが、その後市の財政が緊迫して建物建設 計画が延期され、昭和3 8 年から工事に着工して昭和40年に完成した。開設は 昭和4 0 年6 月1 0日、建築費総額は7億6 , 8 7 2 万円である。
( 3 ) 施設の事業 ① 貸館事業 ② 自主公演
上演演目等は、管理委託先である㈶堺市文化振興財団が決定する。 ( 4 ) 開館時間及び休館日
開館時間 午前9 時から午後1 0 時まで
休館日 毎月第2 、第4火曜日(祝日に当たる場合はその翌日) 1 2月3 0日から1 月4日まで
臨時休館あり ( 5 ) 使用料
① 基本料金は、ホール、会議室等使用する施設・設備について、利用時間帯 ごとに細かく決められている。昭和50年10月 1 日にホール・集会室・会議 室使用料・附属設備使用料改定、昭和58 年9月1 日に会議室使用料・附属 設備使用料改定、平成1 0 年4 月1日に大ホール使用料改定を行った。 ② 市外居住者が利用する場合は、基本料金の1 0 割を加算する。
③ 使用者が入場料その他これに類するものを徴収するときは、10割を加算す る。
④ 冷暖房を使用するとき(冷房は6 月1 日から9 月20日まで、暖房は 12 月 1 日から翌年の3 月2 0日まで)は、基本料金の4 割を加算する。
( 6 ) 施設内の主な設備
①ホール 大ホール 1 , 3 8 7席、車椅子席8 席 小ホール 2 5 4席、車椅子席2 席 ②集会室 大集会室 収容定員3 0 0 人 小集会室 収容定員1 0 0 人
第1 から第4 会議室 収容定員 2 8人から1 8人 ③控室 ホール楽屋として6 室
④結婚式場
( 7 ) 使用のための手続き
使用を希望する者は、堺市民会館使用申込書を、使用しようとする日の1 1 ヶ 月前の属する月の初日以降に、市長に提出する。使用料の納付があった後、使 用許可書が申込者に交付される。
( 8 ) 管理運営方法
従前は、市民部の所管として直営であったが、行財政改革の推進、職員の適 正配置、事業の見直しによる事業経費の削減等を求めて、平成1 3年 4月 1日か ら、管理運営を㈶堺市文化振興財団に委託して現在に至る。
2 監査の結果
( 1 ) 公の施設の必要性について
堺市民会館は、昭和20年の空襲で被災した市営の公会堂に代わるものとして、 昭和4 0年に設立された。当時は、堺市内に大きなホールを有する施設は存在せ ず、民間の経済力も復興途上であったので、市民の文化的要求に応えるために 市民会館を建設することは大きな意義があったと考えられる。
堺市民会 館は貸 館業務 を主な 業務とし ており 、特に 大きな 特徴とし ては、 1 , 387 席を有する大ホールをメインホールとして、講演、演劇、舞踊、映画、 音楽等に利用できること、すなわち大きな催し物を行うことができることがあ げられる。大規模なホールを安価で提供できる施設を市が有することは、市民 に対する文化の提供の機会を多くするという見地からその必要性は高い。ただ し、施設・設備の老朽化が進んでおり、後述のとおり施設や設備の改良・改善 が望ましい。
( 2 ) 経済性・効率性について
市民会館は、昭和4 0 年の開館から約 40年という長い歴史をもち、市民に愛 されてきたが、なんといっても施設の老朽化の問題が大きい。一部音響設備も 老朽化が進んでいる。椅子などは応急措置を施してなんとか座れるようにして 使用するなど、必要に応じて修理をしてきているが、破損個所の増加や重大な 箇所の要修理など、年々修繕費が増加している。市民の安全のために耐震性を 強化する等、要求される基準に適合するために避けられない工事もあり、修繕 費の増加傾向に拍車がかかっている。
1 1 月現在 2 件と明らかな減少傾向にある。結婚式場に伴う施設として、衣装室、 着付け室などがあるが、利用目的が異なるとの理由で結婚式がない場合でも他 の用途への転用を許可しておらず、経費のみかかっている状態である。新しい 門出にあたっては古い施設を敬遠しがちであること、結婚式は安ければよいと いうものではないこと、少子化の流れにあることなどからして、今後も結婚式 場の利用が増加することは望めない。
( 3 ) 受益者負担の妥当性について
資料によると、使用料でまかなえるのは経費の約3 0 %である。正職員から非 常勤嘱託・アルバイトへ切り替えることにより運営の効率化を図っているとの ことであるが、人件費の削減だけでは経費の効率化に限界があろう。収支決算 を良くするためには、市民会館を利用しやすくして、興味を引く催し物を多く 行うなどにより、市民が足を運びやすいようにし、また、利用目的の範囲で柔 軟に対応して稼働率の低い部屋を無くしていく努力が必要である。
3 意見
( 1 ) 現在は、管理運営を( 財) 堺市文化振興財団に委託している。( 財) 堺市文化振 興財団は、市民会館の他、栂文化会館、西文化会館(ウェスティ)、中文化会館、 文化館からも管理委託を受けており、同種の公の施設をバランス良く総合的に 管理できる点では、合理的な運営方法である。しかし㈶堺市文化振興財団は堺 市が 1 00 %出資した法人であり、行政と同質的な側面を否定できず、また、事 業内容は「委託業務の範囲」に限られるので、新しいことに挑戦するためには 一つ一つ堺市の意向を確認しなければならず、行動の柔軟性・迅速性の妨げと なり、問題点を見つけても改革が実現されるまでには時間を要する。
指定管理者制度の導入に伴い、従来の管理委託方式は平成 18 年9 月2 日を もって終了する。従って、市民会館の管理については直営に変更しない限り、 指定管理者による管理に移行することになる。専門的知識を有する指定管理者 による管理は、ハード面、ソフト面のいずれにとってもメリットがあると考え る。指定管理者制度の導入にあたり、施設の利用頻度、利用種類、利用者数、 運営に要する費用等を分析して、問題点を浮き彫りにさせ、市民の文化の提供 にふさわしい運営の見直しをすることが必要である。
加を図ることと料金設定を高くすることが考えられる。催し物についてイベン トガイドを発行するほか、財団のホームページ、広報さかい、ホールガイド等 によりPRにつとめているようであるが、更なる工夫が望まれる。また、担当 者には市民会館の目的からして料金は低額でなければならないとの考えが強い。 確かに、「市民のための市民会館」として、私立の同種施設と同程度の使用料を 徴収する必要は無いが、受益者負担の妥当性の見地から料金を見直すことも必 要である。
( 3 ) 個々の問題点はともかく、大ホールを安価に利用できる施設の必要性は認め ざるを得ない。現時点における採算性の向上のために、利用が望めない結婚式 場を廃止し、利用目的を変更した貸室の設置を検討するなど、過去の慣習にと らわれない柔軟な取り扱いが望ましい。
現状における問題点の多くは、施設・設備の老朽化から発生するものであり、 抜本的解決となると、堺市の財政状況を踏まえながらも、大幅なリニューアル の検討が必要である。
4 . 西 文 化 会 館
1 施設の概要 ( 1 ) 施設の設置目的
文化会館に関する条例として、昭和5 9 年3 月30日に堺市立文化会館条例、 平成1 2 年3 月16日に堺市立文化会館条例施行規則が制定されているところ、 条例第1 条には、「市民文化の創造及び振興に寄与するため、本市に文化会館を 設置する。」と明記されている。
( 2 ) 施設設置の経緯
西文化会館は、平成8年 4月に、西支所及び西老人福祉センターと同じ施設 内にて開館し、建設金額は3 9 億 5 ,5 40万 8 ,4 70円であった。設置に至った経緯 は下記のとおりである。
昭和6 3 年3月 支所行政等検討委員会整備方針策定 平成3 年9月 土地買収完了
平成6 年1月 文化会館建設工事着工
平成7 年 7月 愛称「ウェスティ」(英語のWest(西)とActiv ity(活動)をあわせた造語)を決定。
( 3 ) 施設の事業 ①貸館事業 ②会館主催事業
文化講座、作品展示会、料理講習会等
なお、西文化会館主催の文化講座に参加して、そこを修了した受講生た ちが自主的にサークルを結成して、西文化会館の貸室を使用して活動を継 続しており、上記貸館事業はこのサークル活動に負うところが大きい。
【サークル数の推移】
年 度 平成 10 年度 平成 11 年度 平成 12 年度 平成 13 年度 平成 14 年度 平成 15 年度
サークル数 6 5 6 9 7 2 7 8 8 1 8 1
( 4 ) 開館時間及び休館日
開館時間 午前9 時から午後1 0 時まで 休館日 毎週月曜日
祝日の翌日(その日が土曜日又は日曜日にあたるときは火曜日) 年末年始(1 2月2 9 日から1月5 日まで)
( 5 ) 使用料
① 施設使用にかかる基本料金は、ホール、ギャラリー、会議室等使用する施 設・設備について、利用時間帯ごとに細かく決められている。使用料は開館 時より改定されていない。
② 市外居住者(法人その他の団体又は事業所にあっては、その所在地が堺市 の区域外に存するもの)が使用する場合は、基本料金の5 割を加算。 ③ 使用者が入場料その他これに類するものを徴収するとき、又は物品の展示
販売その他営利を目的とする行為を行うときは、基本料金の5 割を加算。 ④ 冷暖房の実施中(冷房は6 月 1日∼9 月20日、暖房は12月 1日∼翌年の 3
月2 0 日)は、基本料金の4 割を加算。
⑤ ホールの舞台設備や照明設備、音響設備等の附属設備、茶道用具、ドラム セット等の楽器類等を使用する場合は、別途使用料を徴収する。
( 6 ) 施設内の主な設備
①ホール 5 4 5席∼7 0 1席対応(内、車椅子席は5 席) ②ギャラリー
④レッスンルーム ⑤楽屋 7室
⑥その他 1 0室(会議室、AVルーム、クッキングルームなど) ( 7 ) 使用のための手続き
使用の申込みから許可までの手続きについては、堺市立文化会館条例施行規 則第3 条に規定されており、下記の手順による。
① ホール・レッスンルーム・楽屋等は使用しようとする日の1 1ヶ月前の日の 属する月の初日、ギャラリー及びレッスンルームの単独使用は使用しようと する日の5 ヶ月前の日の属する月の初日、その他の活動室等は使用しようと する日の2 ヶ月前の日の属する月の初日から、申込みを受け付ける。 ② 使用希望者は、堺市立文化会館使用申請書に使用料を添えて、市長に提出
する。
③ 使用料の納付があった後、堺市立文化会館使用許可書を申請者に交付する。 ( 8 ) 管理運営方法
行財政改革の推進に伴い、職員の適正配置や事業の見直しの中で、事業経費 の削減が見込まれるとともに、市民のニーズにより一層柔軟に応えることがで き、効率・効果的な管理運営が可能となると考えて、西文化会館設立当初(平 成8 年4月1 日)から、㈶堺市文化振興財団に管理運営を委託している。
2 監査の結果
( 1 ) 公の施設の必要性について
「文化都市・堺」を目指す市の姿勢は好ましいものであり、市民文化の創造 及び振興に寄与することを目的として市民が利用しやすい文化会館を設置する ことは意義がある。
西文化会館は、西支所及び西老人福祉センター と同じ施設内に設置されてお り、市民の利便性が図られているが、一方、所管 が異なる施設の複合施設であ ることから、関係機関との協議・調整に時間を要 するなどの問題点がある。複 合施設の管理については、一層の工夫が必要である。
( 2 ) 管理運営の合規性・妥当性について
堺市においては、昭和59 年3 月3 0 日に堺市立文化会館条例、平成 12 年3 月1 6 日に堺市立文化会館条例施行規則が制定されている。管理運営は、堺市委 託事務指名業者等選定審査委員会の承認を得て、㈶堺市文化振興財団に委託し て現在に至る。
極力現金を手元に置かない方策を採るなど、事故の防止につとめている。 西文化会館は、収容人員7 01 名のホールを有し、舞台設備、照明設備、音響 設備、映写設備を設置しており、また文化講座用の木工用具、茶道具、楽器等、 多種多様の備品がある。備品リストはコンピュータで管理されており、取得価 格1 00万円以上の備品は毎年点検の上報告がなされ、それ以外の備品について も適宜点検を行っているが、備品の存否を確認した資料はない。改善が望まれ る。
( 3 ) 経済性・効率性について
設備の老朽化が目立つ。ビデオスタジオは、ビデオ全盛時代の設備のままで、 ビデオのダビングはできるがDVDに移行させることができず、設備が時代遅 れとなっており、稼働率は月に1回程度である。スタジオ利用者はそもそも若 者が多いことを考えれば、今後もDVD設備が無いスタジオは利用者の増加が 見込めない。新たな設備の導入を検討する必要がある。
また、稼働率の高い部屋と低い部屋がある。稼働率の低い部屋については、 当初の利用目的を柔軟化し、稼働率の上昇に努める等しているとのことである。 「ウェスティ」を自主活動の場とするグループを育成し、当該グループに施設 を利用してもらうなどして、稼働率の増加を図る必要がある。
( 4 ) 受益者負担の妥当性について
西文化会館を利用するサークルは、「施設の事業」の箇所で述べた通り増加傾 向にあり、地域に根ざしていることが窺える。しかしながら、資料によれば、 使用料でまかなえるのは経費の4 0. 3 %である。他の文化会館や市民会館と比較 すると高率と言えるが、これは西文化会館の光熱費等を西支所が負担している ことによるものであり、現実の収支決算は非常に厳しいものがある。適正な受 益者負担の検討が望まれる。
3 意見
( 1 ) 指定管理者制度の導入については、専門的な知識とノウハウをもつ指定管理 者による管理は、施設の設置目的を達成するため 、ハード面、ソフト面のいず れにとってもメリットがあると考える。
クル活動が盛んであるので、市民が現在何に興味を持っているか等潜在的要求 を汲み上げて講座を開設し、又は、個人ではなかなか手にできない道具類や設 備を備えて利用の楽しみをもってもらうなど、文化会館の利用を増やす方策を 検討、実行することが望まれる。
5 . 栂 文 化 会 館
1 施設の概要 ( 1 ) 施設の設置目的
文化会館に関する条例として、昭和5 9 年3月30日に堺市立文化会館条例、 平成1 2年3 月16日に堺市立文化会館条例施行規則が制定されているところ、 条例第1 条には、「市民文化の創造及び振興に寄与するため、本市に文化会館を 設置する。」と明記されている。
( 2 ) 施設設置の経緯
大阪府企業局による泉北ニュータウン開発に伴う文化施設として昭和 5 8 年 3 月2 5 日着工され、昭和 5 9 年4 月28日に完成した。建設の総工費は、22億 8 ,6 78 万6 , 0 0 0 円である。
同年5 月 1 0日に大阪府企業局より堺市が引継を受けて、同年 6月 1日開館し た。
( 3 ) 施設の事業 ①貸館事業
②開館主催事業(文化講座、作品展示会、料理講習会等)
文化講座の内容は、教育委員会が決定しており、生涯学習課から委託され て実施している。貸室はサークル活動の作品発表会などに利用されている。 サークル数の推移をみると、ほぼ横這いであるが、多くのサークルが活動し ていることがわかる。
【サークル数の推移】
年 度 平 成 10年 度 平 成 1 1年 度 平 成 1 2年 度 平 成 13年 度 平 成 14年 度 平成 15 年度
サークル数 9 0 9 4 8 5 9 2 9 6 9 2 ( 4 ) 開館時間及び休館日
開館時間 午前9 時から午後1 0 時まで 休館日 毎週月曜日
( 5 ) 使用料
① 施設使用にかかる基本料金は、ホール、集会室等使用する施設・設備につ いて、利用時間帯ごとに細かく決められている。なお、以下のように改定し ている。
平成1 0 年4 月1日 使用料改定
平成1 3 年4 月1日 附属設備(照明設備)使用料改定
平成1 6 年1 0 月1日 第3 講座室間仕切り工事に伴い使用料改定 ② 市外居住者(法人その他の団体又は事業所にあっては、その所在地が堺市
の区域外に存するもの)が使用する場合は、基本料金の5 割を加算。 ③ 使用者が入場料その他これに類するものを徴収するとき、又は営利を目的
とする行為を行うときは、基本料金の5 割を加算。
④ 冷暖房の実施中(冷房は6 月1日∼9 月2 0日、暖房は12月1 日∼翌年3 月2 0 日)は、基本料金の4 割を加算。
⑤ ホールの舞台設備や照明設備、音響設備等の附属設備やシャワー室を使用 する場合は、別途使用料を徴収する。
( 6 ) 施設内の主な設備
① ホール 7 0 9席(車椅子席は5 席)
② 集会室として、講座室、研修室、会議室、音楽室、料理室、陶芸室、和室 の名前が付いた部屋が1 3 室
( 7 ) 使用のための手続き
使用の申込みから許可までの手続きについては、堺市立文化会館条例施行規 則第3 条に規定されており、下記の手順による。
① ホール・楽屋等は使用しようとする日の1 1 ヶ月前の日の属する月の初日、 その他は使用しようとする日の2 ヶ月前の日の属する月の初日から、申込み を受け付ける。
② 使用希望者は、堺市立文化会館使用申請書に使用料を添えて、市長に提出 する。
③ 使用料の納付があった後、堺市立文化会館使用許可書を申請者に交付する。 ( 8 ) 管理運営方法
従前は直営であったが、平成9 年 4月 1日から、㈶堺市文化振興財団に管理 運営を委託している。
2 監査の結果
昭和 58 年に大阪府企業局によって、大規模なニュータウン開発として泉北 ニュータウンが造成された。新しい地域住民への サービスの拠点として栂文化 会館が設置されたことは意義があり、指摘すべき点はない。
( 2 ) 管理運営の合規性・妥当性について
昭和5 9 年3 月30日に堺市立文化会館条例、平成 1 2 年3 月16日に堺市立文 化会館条例施行規則が制定され、これに依拠している。
管理運営は、当初は直営であったが、平成9 年 4月に、堺市委託事務指名業 者等選定審査委員会の承認を得て、㈶堺市文化振興財団に委託して現在に至る。 備品の管理について、備品一覧表が作成されており、不用品を処分したときは リストから削除し、また、舞台関係業務については、専門業者に委託され、ホー ル備品の有無の状態は業者を通じ館長が把握しているが、定期的な点検が望ま れる。
( 3 ) 経済性・効率性について
市民会館ほどではないが、栂文化会館も設立から約20年を経て老朽化してき ており、設備の古さから利用を敬遠されるなど、そこから発生する諸問題があ る。
文化会館としては狭い上、他の所管である図書館の分館が同居しており、本 の返却ポストが文化会館事務所内にあるため、事務所内に本があふれることが あり、警備面の不安がある。
文化会館専用の駐車場がなく、利用者に不便を強いている。泉北ニュータウ ンは2 0年以上前にできた街であり、そのころ居住した人々は高齢化してきてお り、6 0 歳以上の女性の利用者が多い。また、最寄の駅から徒歩 2 分であるが、 夜間の利用が非常に少ない。
( 4 ) 受益者負担の妥当性について
3 意見
( 1 ) 管理運営は、平成 9 年 4月から、( 財) 堺市文化振興財団に委託している。設 置当初は、ニュータウンという特質性を考慮し て、使用料を他の文化会館等 よりかなり低額に設定していたため、収支は未 だに厳しいものがある。しか しもはや「ニュータウン」にこだわる必要はな く、市民へのサービスの平等 性からも他の同種施設と同じような料金設定を行うことが望ましい。 また、指定管理者制度導入について、堺市民 会館や西文化会館の項で述べ たところと同様の専門的な知識・ノウハウをも った指定管理者への移行が望 まれる。
( 2 ) 施設・設備の老朽化により、市民サービスも十分に行えない面が見られる。 市民の欲求は多種多様になってきており、安価 な使用料というだけでは満足 しない。市民は行政に何を求めているか、市民 のニーズを的確に汲み上げて 適切な対処が求められている。アンケート調査 によって次年度の講座企画を 立案するなど工夫がなされているが、収支の改 善だけではなく、利用者の増 加を図るには何をしたらよいか、一層の工夫が望まれる。
6 . 堺 市 教 育 文 化 セ ン タ ー ( ソ フ ィ ア ・ 堺 )
・ 中 文 化 会 館
1 施設の概要 ( 1 ) 施設の設置目的
市民に生涯学習と文化活動の場を提供するとともに、教育に関する研究及び 教育関係職員の研修を行うことにより、文化の発展と教育の振興に資する。 ( 2 ) 所在地 堺市深井清水町1 4 2 6 番地
( 3 ) 開設時期 平成6年7 月 ( 4 ) 施設運営に関する条例等
堺市教育文化センター条例 堺市教育文化センター処務規則 堺市教育文化センター管理運営規則 堺市教育文化センター使用料等規則 ( 5 ) 開館時間及び休館日
①中文化会館:午前9時から午後 1 0時まで、(休館)月曜日、祝日の翌日(そ の日が土・日・月曜日にあたるときは火曜日)、年末年始( 12 月 2 9 日∼翌 年1 月5日)
日∼翌年1 月5 日)
③教育センター:午前9 時から午後 5時 15分まで、(休館)日曜日・月曜日、 祝日、年末年始(1 2 月3 0日∼翌年1月4 日)
④プラネタリウム:午前9 時から午後1 0 時まで、(休館)月曜日、祝日の翌 日(その日が土・日・月曜日にあたるときは火曜日)、年末年始(12 月30 日∼翌年1 月4 日)
⑤中図書館:午前1 0 時から午後7時 3 0分(土・日曜日は午後 5 時)まで、 (休館)月曜日、祝日(その日が土曜日にあたると きは開館、日・月曜日 にあたるときは火曜日)、年末年始(1 2 月3 0日∼翌年1月5 日)、館内整 理日
⑥平和と人権資料館:午前9 時3 0分から午後5 時まで、(休館)月曜日、祝 日(その日が日・月曜日にあたるときは火曜日)、年末年始(1 2 月30日∼ 翌年1月4 日)
( 6 ) 施設の設備内容
鉄筋コンクリート造一部鉄骨造6 階建(地下1階)
1階 ホール(7 9 8 席)、大・小ギャラリー、リハーサル室 2階 クッキンング・ルーム(定員2 8 人)、和室(定員3 0人)、
茶華道室(定員1 5人)、調整室及びスタジオ(定員各1 0 人) 3階 研修室1 及び研修室2 (定員各7 2 人)、研修室3 (定員5 4人) 4階 器楽練習室(定員8人)、ミュージックルーム(定員3 0人)、
工芸室(定員2 8 人)、アトリエ(定員2 0人)
(注)中文化会館の所管する施設スペースは上記のうち2階から4 階となっ ているが、この他に堺市教育文化センター(ソフ ィア・堺)には、教育 センター(3 階から5 階)、プラネタリウム(2 階・6 階) 、情報ラウンジ (2階)、中図書館(別棟 2階)、平和と人権資料館(別棟 1階)があり、 複数の部門が所管する複合施設となっている。
( 7 ) 施設(中文化会館)の事業内容 ・研修室等1 2 室の貸館業務
・主催事業(英会話・絵手紙・茶道・料理教室等の講習会) ( 8 ) 使用のための手続き
使用の申込から許可までの手続については、堺市教育文化センター管理運営 規則第3条に規程されており、下記の手順による。
月の初日、その他は使用しようとする日の2 ヶ月前の日の属する月の初日 から、申込を受け付ける。
② 使用希望者は、堺市教育文化センター使用申込書に使用料を添えて、教 育長に提出する。
③ 使用料の納付があった後、堺市教育文化センター使用許可書を申込者に 交付する。
( 9 ) 施設の所管部署
教育委員会事務局 堺市教育文化センター 中文化会館 ( 1 0 ) 管理運営方法
ホール、リハーサル室、大・小ギャラリーについては 、( 財) 堺市文化振興財 団に管理運営の委託がなされているが、それ以外の中文化会館の施設は 市の直 営によるものである。
2 監査の結果
( 1 ) 複合施設として改善することが望ましい事項
堺市制 1 00 周年記念事業基本計画( 昭和 63 年 4 月) の重点項目の一つとして文 化施設の整備が盛り込まれ、平成2 年 1月、堺市教育文化センター建設基本構 想が策定された。既存の教育機関の整備・拡充を行い、また文化会館や図書館 などの文 化施設 が未整 備であ った中 支所区 域に生 涯学習 情報提 供と文 化の創 造・発信の機能を持つ複合施設として設置された。
施設全体の維持管理については、堺市教育文化センター・中文化会館の所管 となっているものの、教育センターは学校教育部、情報ラウンジは生涯学習部 生涯学習課、中図書館は中央図書館、平和と人権資料館は市民人権局人権部の 所管となっており、それぞれの施設で開館時間や休館日が異なっている。
休館日や開館時間が異なれば、利用者は度々来館しなければならず、全く別々 の施設を利用しているのとなんら変わらないことになる。休館日や開館時間は できるだけ統一し、複合施設としてのメリットが活かせるように運営方法を見 直し、利用者の利便性をさらに向上させていくことが望ましい。
N o . 施設の種類 所管部課
1 中 文 化 会 館 堺市教育文化センター 中文化会館 2 教 育 セ ン タ ー 学校教育部 教育センター
N o . 施設の種類 所管部課 4 中 図 書 館 中央図書館 中図書館
5 平 和と人 権資 料館 市民人権局人権部 平和と人権資料館
( 2 ) 施設設置目的への適合性について ①施設の利用者数の推移
施設(中文化会館)の直近5 年間の利用状況は次のとおりである。
平成 11 年度 平成 12 年度 平成 13 年度 平成 14 年度 平成 15 年度 利用人数 2 5 8 , 0 4 7 2 7 1 , 0 0 9 2 5 9 , 4 4 9 2 4 8 , 5 5 1 2 2 9 , 1 3 3 利用区数 4 , 5 7 7 4 , 8 1 1 4 , 5 7 9 5 , 1 3 0 4 , 6 5 3 平均稼動率( % ) 3 2 . 6 3 4 . 2 3 2 . 7 3 6 . 7 3 2 . 9
利用人数の推移
200,000 210,000 220,000 230,000 240,000 250,000 260,000 270,000 280,000
平成 11 年度 平成 12 年度 平 成13 年度 平 成14 年度 平 成15 年度
年度 人
数
平成6 年の開館後 1 0年が経過しているが、利用者数の伸びは見られず、む しろ減少する傾向にある。また、施設の平均稼動率(1 日を午前・午後・夜 間の3 区分とし、これに開館日数を乗じた利用可能な総利用区数に対する利 用された区数の割合)は、3割台で横ばいとなっている。
らに、比較的新しい施設であるものの、「広報さかい」やホームページに施設 紹介が掲載されているのみであり、市民の認知度が高くないことも一因と考 えられる。広報紙だけでなくケーブルテレビやインターネットなど他の手段 を用いることにより積極的な PR を行い市民への認知度を高める工夫をする 必要がある。また、利用者の利便性を高めるために市内循環バス(ふれあい バス)を積極的に活用するなどの工夫も検討することが必要である。 ②市内類似施設との利用状況の比較
市内の類似施設と、延利用者数を比較してみると、市民会館に次いで利用 者数は多くなっている。しかし、平均稼動率は他の会館が4 割から 6割であ るのと比べても、中文化会館の平均稼動率3 割はかなり低い。
中文化会館 堺市民会館 西文化会館 栂文化会館 延利用者数(人) 2 2 9 , 1 3 3 2 7 9 , 1 8 0 1 2 6 , 1 8 7 1 6 5 , 6 4 2 平均稼動率(%) 3 2 . 9 5 5 . 1 4 4 . 9 6 2 . 5
類似施設との利用状況の比較
44.9 32.9 55.1 62.5 0 50,000 100,000 150,000 200,000 250,000 300,000
中文化会館 市民会館 西文化会館栂文化会館
会館名 延
利
用
人
数
︵
人
︶ 0 10 20 30 40 50 60 70 平
均
稼
動
率
︵
%
︶
延利用者数(人)
平均稼動率(%)
③部屋別の利用区数の推移
(単位:区数) 平成 11 年度 平成 12 年度 平成 13 年度 平成 14 年度 平成 15 年度
ホール 2 9 1 2 9 7 3 3 2 3 3 3 2 8 3 リハーサル室 5 3 4 5 4 4 4 9 5 5 4 2 4 6 7 大キ ゙ ャ ラ リ ー 5 3 7 5 2 9 4 3 6 5 1 6 4 3 7 小キ ゙ ャ ラ リ ー 1 8 3 1 7 5 1 5 3 1 7 4 1 8 2
クッキングルーム 1 6 7 1 1 7 1 2 6 1 5 7 1 4 8 和室 4 8 6 4 7 3 4 6 4 4 9 5 5 1 0 茶華道室 1 7 3 2 0 0 1 9 0 2 1 7 1 9 5 研修室1 3 4 8 4 2 1 3 8 2 4 2 3 3 7 2 研修室2 3 3 7 3 6 2 3 3 2 3 4 4 3 1 6 研修室3 5 2 4 5 4 4 4 8 8 4 7 4 4 2 7 ア ト リ エ 2 3 3 3 0 9 3 2 8 3 3 7 3 6 4 工芸室 3 0 9 3 7 5 3 6 8 3 5 8 3 6 9 ミ ュ ー シ ゙ ッ ク ル ー ム 2 0 8 2 4 3 2 7 2 2 5 6 2 4 7 器楽練習室 1 6 7 1 8 0 1 9 9 1 7 6 1 8 3
スタジオ 4 0 2 1 1 1 8 4
調整室 4 0 2 1 1 3 3 1 0 1 4 9 合計 4 , 5 7 7 4 , 8 1 1 4 , 5 7 9 5 , 1 3 0 4 , 6 5 3
稼動率の低いスタジオや器楽練習室、茶華道室等について、稼動率を向上 させるための特別な対応策がとられていない。
来館者にアンケートを実施したり、市民の満足度調査を実施するなどの方 法により、市民や利用者ニーズを把握した上で、利用されない部屋について は仕様・用途を変更するなどの対策を検討することが必要である。
( 3 ) 受益者負担の検討 ①施設の使用料
中文化会館の各部屋の主な使用料は次のとおりとなっている。
部屋別の使用料 (単位:円) 午前(3時間) 午後(4時間) 夜間(4時間)
午前(3 時間) 午後(4時間) 夜間(4 時間)
和室 1 , 2 0 0 1 , 9 0 0 2 , 1 0 0 茶華道室 1 , 5 0 0 2 , 4 0 0 2 , 6 0 0 研修室1 ・2 3 , 0 0 0 4 , 8 0 0 5 , 2 0 0 研修室3 2 , 5 0 0 4 , 0 0 0 4 , 5 0 0 工芸室 2 , 3 0 0 3 , 7 0 0 4 , 0 0 0 ミ ュ ー シ ゙ ッ ク ル ー ム ・ア ト リ エ 2 , 0 0 0 3 , 2 0 0 3 , 4 0 0 器楽練習室 7 0 0 1 , 1 0 0 1 , 2 0 0 スタジオ 8 , 7 0 0 1 1 , 6 0 0 1 1 , 6 0 0 調整室 3 , 9 0 0 5 , 2 0 0 5 , 2 0 0 (注)冷暖房の実施期間中( 6月 1日から 9月 20 日、12月 1日から 3月 2 0日) は
基本料金の4 割が加算される。また、市外からの利用者・利用者から入場 料その他これに類するものを徴収するときには基本料金の 5 割がそれぞれ 加算される。
施設の開館後1 0 年となるが、7 年前にミュージックルーム及びアトリエの 値下げを行なった以外は、施設等の使用料の見直しが行われていない。
経済環境は1 0 年も経てば大きく変化するものであり、使用料については、 府下の文化会館の動向も勘案しながら定期的に見直しを進めていくことが必 要である。
3 意見
中文化会館はホール・ギャラリーを除き、堺市の直営の施設である。ホール・ ギャラリーは、堺市内の他の文化会館と同様に( 財) 堺市文化振興財団に管理運営 を委託している。ソフィア・堺の施設は、先にも記載したように中文化会館以外 にもプラネタリウムや教育センター、中図書館、平和と人権資料館等があり、複 数の部門が所管する複合施設となっている。