• 検索結果がありません。

婦人会

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2022

シェア "婦人会"

Copied!
14
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

婦人会

著者 畑 有梨沙

雑誌名 金沢大学文化人類学研究室調査実習報告書

巻 29

ページ 35‑47

発行年 2014‑03‑31

URL http://hdl.handle.net/2297/40131

(2)

34

れでも農業に携わり生活している人がいた。農業はその人達自身が生きていくための糧である ように感じた。自分が生きている町に誇りを持ち、畑を耕し米を作ってきた先人たちを誇りに 思い、自分たちが農業をしてきたこと、していることに誇りを持っていることがありありと伝 わってきた。そんな農家の方の口から「農家は私達の代で終わってもいい」という言葉を聞い た時は衝撃であった。しかし安易に、蛸島を出て行くことを選び自分の人生を生きている子ど もたちに後継者を求めないのも蛸島で生きてきた誇りゆえではないかと思う。

今回お話を聞かせてくださった蛸島の皆様、珠洲市農協本店・正院支店の皆様、農業の知識 が浅い私に丁寧に説明してくださり思いを語ってくださった農家の皆様にこの場をかりてお礼 申し上げます。ありがとうございました。

35

4 .婦人会

畑 有 梨 沙

1.はじめに 2.婦人会とは 3.蛸島町婦人会 4.活動内容

5.町と婦人会の関わり

6.考察

7.おわりに

1.はじめに

この章では地域の女性たちの活動の中心となっている婦人会に関して、まず最初に全国一 般的な婦人会の動向について述べた後、これと比較して今回調査を行った蛸島町婦人会の活 動に焦点を当て、その特徴などを明らかにして行くこととする。

2.婦人会とは

蛸島町の婦人会の活動にどのような特徴があるのかを知るためには、まず全国的な婦人会の動 向を知ることが必要である。以下は辞典、文献、全国地域婦人団体連絡協議会(以下、全地婦連)

ホームページなどから情報採集し、広く全国一般の婦人会の定義、その活動や目的はいかなるも のかについて筆者個人がまとめたものである。

2.1 婦人会の定義

婦人会は、明治初期ごろに誕生したものが始まりとされており、その当初は仏教、キリスト教 といった宗教と関連して結成され、慈善、教育、風俗改良などを目的としているものが多数であ った。そして現在では、「婦人会」といえば一般に地域婦人会のことを指すようになり、それらは

(3)

36

男女平等の推進、青少年の健全育成、家庭生活並びに社会生活の刷新、高齢化社会への対応、地 域社会の福祉増進、世界平和の確立などの実現につとめることを共通の目的としている団体であ るとされている。以下にその具体的なさまざまな取り組み分野について見てゆく。

2.2 婦人会の取り組み分野 2.2.1 男女平等

男女平等の推進は、1999年に男女共同参画社会基本法が制定されて以降、特に力を注がれてい る項目であり、主に男女ともに個人と人権が尊重され、能力を発揮できる地域社会を目指すほか、

子育て支援、DV(ドメスティックバイオレンス)問題、売春問題の解決といった各分野について、

女性の視点から取り組んでいくものとされている。

2.2.2 政治・政策への提言活動

現在、日本の国会における女性議員の比率は依然として低く1)、また、国際的にも政治・経済 への女性の参画状況は低水準であると言える。この状況を打開すべく、女性たちが日常的に取り 組む活動の蓄積を通して、さまざまな提言活動、政策決定過程への参画、また、政治学習機会の 増加などに取り組んでいくというのが、この政治・政策への提言活動である。

2.2.3 地域住民自治

全国的に市町村の合併が進み地方分権が本格化しているなかで、地域住民は、地方分権をどう とらえるかについて考え、今後においても、住民たち自らが中心となっていける自治を目指すこ とが求められている。これに関しては女性のみの問題というわけではないものの、女性の視点か らも、合併協議会における議論の把握、協議会への積極的な参加を試みるべきであるとされる。

2.2.4 地域社会づくり

近年、女性の働く環境や、家庭内の男女の家事・育児の分担が大きな課題となっている。そこ で家族という範囲を超え、地域組織、NPOなどといった組織を主体として、それぞれが個性と、

相互に支えあい分かち合う精神を大切にしながら、地域の人々が、そして女性が安心して暮らせ る地域社会づくりが必要とされている。

2.2.5 消費者・経済生活問題

家庭内の消費を主に支えることが多い女性にとって、食品・製品偽装、不当な勧誘や詐欺事件 など、多様化・複雑化する消費者問題は関心が深い項目である。これに対して、地域婦人会では

(4)

36

男女平等の推進、青少年の健全育成、家庭生活並びに社会生活の刷新、高齢化社会への対応、地 域社会の福祉増進、世界平和の確立などの実現につとめることを共通の目的としている団体であ るとされている。以下にその具体的なさまざまな取り組み分野について見てゆく。

2.2 婦人会の取り組み分野 2.2.1 男女平等

男女平等の推進は、1999年に男女共同参画社会基本法が制定されて以降、特に力を注がれてい る項目であり、主に男女ともに個人と人権が尊重され、能力を発揮できる地域社会を目指すほか、

子育て支援、DV(ドメスティックバイオレンス)問題、売春問題の解決といった各分野について、

女性の視点から取り組んでいくものとされている。

2.2.2 政治・政策への提言活動

現在、日本の国会における女性議員の比率は依然として低く1)、また、国際的にも政治・経済 への女性の参画状況は低水準であると言える。この状況を打開すべく、女性たちが日常的に取り 組む活動の蓄積を通して、さまざまな提言活動、政策決定過程への参画、また、政治学習機会の 増加などに取り組んでいくというのが、この政治・政策への提言活動である。

2.2.3 地域住民自治

全国的に市町村の合併が進み地方分権が本格化しているなかで、地域住民は、地方分権をどう とらえるかについて考え、今後においても、住民たち自らが中心となっていける自治を目指すこ とが求められている。これに関しては女性のみの問題というわけではないものの、女性の視点か らも、合併協議会における議論の把握、協議会への積極的な参加を試みるべきであるとされる。

2.2.4 地域社会づくり

近年、女性の働く環境や、家庭内の男女の家事・育児の分担が大きな課題となっている。そこ で家族という範囲を超え、地域組織、NPOなどといった組織を主体として、それぞれが個性と、

相互に支えあい分かち合う精神を大切にしながら、地域の人々が、そして女性が安心して暮らせ る地域社会づくりが必要とされている。

2.2.5 消費者・経済生活問題

家庭内の消費を主に支えることが多い女性にとって、食品・製品偽装、不当な勧誘や詐欺事件 など、多様化・複雑化する消費者問題は関心が深い項目である。これに対して、地域婦人会では

37

その地域で起こっている問題を明らかにしつつ、その対策を講じるセミナーなどを開催し、女性 たちががそれらに積極的に参加することで、消費者の権利が守られ、安心して経済生活を過ごす ことができる社会の実現を目指して行くことが望まれる。

2.2.6 環境・食生活問題

現在の大量生産・大量輸入・大量廃棄の消費社会の構造において、省資源省エネルギー、リサ イクル等の取り組みは重要課題である。こうした問題について、女性の身近なくらしや持続可能 な地域づくりから考え、関連した情報の共有と発信、提言等に取り組む必要がある。例えば、地 域ではレジ袋の削減の提言2)や、地産地消を奨励するセミナーを地域で開催するなどといった取 り組みが行われているほか、全国的にも女性と密接に関連している化粧品のパッケージの簡易化3)

といった面から環境問題に取り組んでいる。

2.2.7 子育て・教育

医師・看護師の不足、女性の経済的な貧しさ、配偶者によるDV問題などから、女性による子 育て、そしてそれに伴う子への教育が難しくなっていることが問題視されている。この分野にお いては、若い世代がゆとりをもって家庭を築き子育てが行なえるような、女性の多様な働き方、

子育て支援のしくみ、公的な支援の実現が求められている。各地の婦人会では、子育て支援、地 域の文化・環境などに着目した学校教育との連携、公民館などを拠点とした3世代交流を行った り、公に話題にされにくいDV問題についての講演を行って、女性たちにその現状や対策につい て知ってもらおうとする活動が行われている。

2.2.8 高齢社会問題

現在、日本は少子高齢社会を本格的に歩んでおり、その人口は2005年から減少へと転じた。こ れは上に述べた子育て環境が不十分であることから来る少子化が深く関連していると考えられる。

こうした少子化対策への取り組みを課題とする一方で、高齢者への医療・福祉の充実も緊急の問 題となっている。各地の地域婦人団体では従来から、高齢者福祉関連の活動などに熱心に取り組 んできた団体が多いが、最近ではユニバーサルデザインを取り入れた地域づくりを提案したり、

地域医療の充実を求める提言を行うなどして、高齢社会問題への関心は年々高まっていると言え る。

2.2.9 平和運動

「私たちの大切な人(夫・子ども・恋人・知人など)が、他国の戦場に送られて亡くなること

(5)

38

があってはなりません。憲法改正や解釈変更に反対し、平和憲法を守る運動を進めます」(全地婦 連ホームページより引用)。

全地婦連などでは、上記のように女性の立場から身近な人々を危険にさらすべきではないとい う思いから、紛争を予防しようとする活動に取り組んでいる。近年では北朝鮮による複数回に渡 る核実験や、特定秘密保護法案に関して抗議する意見書を政府に提出するなどといった活動がな されている。

2.2.10 北方領土問題

上記の平和運動と同様に、全地婦連においては、北方領土問題についても取り組みが行われて いる。具体的には、北方領土問題が家庭内でも話題にのぼるきっかけとなるよう、北方海域で採 れる早煮こんぶの頒布をはじめ、元島民の話を聞く会の開催、北方四島交流などを継続している という。

3.蛸島町婦人会

上記の全国的な婦人会の動向を踏まえ、以下、今回調査を行った蛸島町婦人会について、概要、

主な活動内容、また、町内・町外への取り組みについて、詳細に述べてゆくこととする。なお、

情報の提供に関しては蛸島町婦人会会長のAさん(島の地、女性、60歳代)にご協力頂いた。

3.1 概要 3.1.1 役員

役員は全38名、この中から会長(1名)、副会長(2名)、監査(2名)が選出される。2年毎に 各17区から2名ずつ役員を選出する。ただし例外として、区の規模(人数)によっては役員数が 3名もしくは1名となったり、1名も選出しない場合がある。会長、副会長、監査の3役も2年交 代制となっているが、再任は妨げないため、同じ人物により継続される場合も少なくない。

毎年4月に公民館にて総会・決算報告を行っており4)、役員交代の年に当たっていればここに 新旧の役員が出席し、新年度の会長、副会長、監査の3役を決定する。

3.1.2 会員数、年代

現在の全会員数は約350名である。年齢は現在最も若い人で38歳、上は70歳代までが在籍し ている。77歳5)からは同町の長生会に入会することが出来るため、その歳になったら婦人会から そちらへ移籍する人も多いようである。

(6)

38

があってはなりません。憲法改正や解釈変更に反対し、平和憲法を守る運動を進めます」(全地婦 連ホームページより引用)。

全地婦連などでは、上記のように女性の立場から身近な人々を危険にさらすべきではないとい う思いから、紛争を予防しようとする活動に取り組んでいる。近年では北朝鮮による複数回に渡 る核実験や、特定秘密保護法案に関して抗議する意見書を政府に提出するなどといった活動がな されている。

2.2.10 北方領土問題

上記の平和運動と同様に、全地婦連においては、北方領土問題についても取り組みが行われて いる。具体的には、北方領土問題が家庭内でも話題にのぼるきっかけとなるよう、北方海域で採 れる早煮こんぶの頒布をはじめ、元島民の話を聞く会の開催、北方四島交流などを継続している という。

3.蛸島町婦人会

上記の全国的な婦人会の動向を踏まえ、以下、今回調査を行った蛸島町婦人会について、概要、

主な活動内容、また、町内・町外への取り組みについて、詳細に述べてゆくこととする。なお、

情報の提供に関しては蛸島町婦人会会長のAさん(島の地、女性、60歳代)にご協力頂いた。

3.1 概要 3.1.1 役員

役員は全38名、この中から会長(1名)、副会長(2名)、監査(2名)が選出される。2年毎に 各17区から2名ずつ役員を選出する。ただし例外として、区の規模(人数)によっては役員数が 3名もしくは1名となったり、1名も選出しない場合がある。会長、副会長、監査の3役も2年交 代制となっているが、再任は妨げないため、同じ人物により継続される場合も少なくない。

毎年4月に公民館にて総会・決算報告を行っており4)、役員交代の年に当たっていればここに 新旧の役員が出席し、新年度の会長、副会長、監査の3役を決定する。

3.1.2 会員数、年代

現在の全会員数は約350名である。年齢は現在最も若い人で38歳、上は70歳代までが在籍し ている。77歳5)からは同町の長生会に入会することが出来るため、その歳になったら婦人会から そちらへ移籍する人も多いようである。

39 3.1.3 会費

会費は年間500円である。このうち、毎年120円を市婦人会に、県婦人会にも数円出資してい る。

3.2 入会の経緯

婦人会の役員は2年毎に町内で選出することが決まっているため、ほぼ持ち回り制と言え、そ れをきっかけに入会することになる人がほとんどである。

4. 活動内容

4.1 年間行事

以下の表1は2013年4月に発行された「婦人会だより」に記されている蛸島町婦人会の事業計 画一覧である。これをもとに、各行事における婦人会および会長の活動内容について個別に記述 していく。なお、記載日時は2013年度のものであり、「婦人会だより」を入手した2013年8月23 日時点で日時が決定しているもののみを掲載した。

4.1.1 定例会

定例会を原則、毎月1日に公民館で行っており、婦人会役員が出席する。ここでその月に開催 される予定の行事について、打ち合わせが行われる。また、市や県主催のイベントに会長や副会 長が参加した月には、その内容を持ち帰り、定例会で報告し、話し合って蛸島町婦人会での今後 の活動方針を立てるのに活用している。

4.1.2 市婦協議会

珠洲市の婦人団体全てが集まり、総会を行う。新年度最初の総会として、各団体の新旧の入れ 替わりや、決算報告をする。

4.1.3 小学校入学式・卒業式

蛸島小学校の入学式・卒業式へは、来賓として参加している。なお今年、2013年度には4名の 児童が入学したということだが、調査を行う過程で、町の人々、特に女性にとっては児童への関 心が高いのか、今年はどの町の誰が、何人入学したのかなど、正確に知っている人が多いのがと ても印象的であった。

(7)

40

1:蛸島町婦人会事業計画

月 日 事業名 場所

4月

1日 3日 5日

第1回定例会 市婦協総会 小学校入学式 交通安全街頭指導

公民館

市民交流センター 蛸島小学校 信号機交差点

5月

1日 13日 19日

第2回定例会 女性県政バス

第33回市婦人体育大会レクレーション大会 ちふれ化粧品販売

歯舞昆布販売

防犯農園さつま芋植え作業

公民館 金沢方面 珠洲市健民体育館 防犯農園

6月 2日

第3回定例会 小学校創立記念日 婦人リーダー研修会

公民館

金沢市女性センター 7月

17・18日

第4回定例会 市婦協県政バス

公民館 加賀方面 8月 24・25日

第5回定例会

トライアスロン大会協力

公民館

9月 15日

第6回定例会 敬老会

公民館 公民館

10月 24日

27日

第7回定例会

防犯農園さつま芋掘り作業 町民文化祭

公民館 防犯農園

地渡果樹園・公民館

11月 16日

第8回定例会 能登地区県政会議 長寿園ボランティア

公民館

珠洲市工商会議所 12月 7日 交通安全母親大会・第32回県婦人意見交換会 金沢市女性センター

2月

23日

第9回定例会 珠洲まるかじり

公民館

3月 第10回定例会

小学校卒業式

公民館

(出所:「蛸島町婦人会だより」)

4.1.4 交通安全街道指導

入学式以降の1週間ほどの期間と、毎月1、15日、また、春・夏・秋の交通安全期間に、町内 の交差点に立って児童の交通安全指導を行う。町の防犯委員が主体となり、婦人会のほか、青年 団、小学校などさまざまな団体の持ち回りによって行われている。

4.1.5 女性県政バス

石川県が主催している「県政学習バス」という事業で、奥能登の女性の団体やグループを対象 に、県及び市町等の施設見学を通して県政等に対する理解を深め、社会参画意欲を高めることを

(8)

40

1:蛸島町婦人会事業計画

月 日 事業名 場所

4月

1日 3日 5日

第1回定例会 市婦協総会 小学校入学式 交通安全街頭指導

公民館

市民交流センター 蛸島小学校 信号機交差点

5月

1日 13日 19日

第2回定例会 女性県政バス

第33回市婦人体育大会レクレーション大会 ちふれ化粧品販売

歯舞昆布販売

防犯農園さつま芋植え作業

公民館 金沢方面 珠洲市健民体育館 防犯農園

6月 2日

第3回定例会 小学校創立記念日 婦人リーダー研修会

公民館

金沢市女性センター 7月

17・18日

第4回定例会 市婦協県政バス

公民館 加賀方面 8月 24・25日

第5回定例会

トライアスロン大会協力

公民館

9月 15日

第6回定例会 敬老会

公民館 公民館

10月 24日

27日

第7回定例会

防犯農園さつま芋掘り作業 町民文化祭

公民館 防犯農園

地渡果樹園・公民館

11月 16日

第8回定例会 能登地区県政会議 長寿園ボランティア

公民館

珠洲市工商会議所 12月 7日 交通安全母親大会・第32回県婦人意見交換会 金沢市女性センター

2月

23日

第9回定例会 珠洲まるかじり

公民館

3月 第10回定例会

小学校卒業式

公民館

(出所:「蛸島町婦人会だより」)

4.1.4 交通安全街道指導

入学式以降の1週間ほどの期間と、毎月1、15日、また、春・夏・秋の交通安全期間に、町内 の交差点に立って児童の交通安全指導を行う。町の防犯委員が主体となり、婦人会のほか、青年 団、小学校などさまざまな団体の持ち回りによって行われている。

4.1.5 女性県政バス

石川県が主催している「県政学習バス」という事業で、奥能登の女性の団体やグループを対象 に、県及び市町等の施設見学を通して県政等に対する理解を深め、社会参画意欲を高めることを

41 目的としている。

これは5月〜11月の期間、県内の女性団体が希望日時を届け、抽選に当たると運行費用は県負 担でバスが運行されるという事業である。なお、参加人数は30〜50名と規定されている。

蛸島町婦人会では、役員を中心に毎年参加を募っている。2013年度の例を挙げると、当日は旧

蛸島駅を8:30に出発、18:00に到着。参加費は一人1000円で、石川県立看護大学、伝統産業工芸

館、兼六園へ見学に行っている。

4.1.6 市婦人体育大会レクレーション大会

珠洲市全域の婦人団体が参加する体育大会である。比較的大人数が参加する行事のため、運動 を通して、各地区の女性たちの交流が図られている。

4.1.7 防犯農園さつま芋植え作業

蛸島小学校の防犯農園において、蛸島小学校の児童、蛸島保育所の園児とともに、蛸島町の住 民がさつま芋の苗を植える農作業体験である。農作業を通じて青少年の健全育成を図ることを目 的とし、毎年実施されている。これに伴い、10月にはさつま芋掘り作業が行われている。

なお、この作業の前後で同時に児童による防犯の標語を発表する機会が毎年設けられており、

さつま芋植えの際に標語が書かれた札を一緒に土に刺したりする場合もあるという。

4.1.8 ちふれ化粧品・歯舞昆布販売

「ちふれ化粧品」の「ちふれ」は「全国地域婦人団体連絡協議会」から名付けられている。あ る婦人会の会員が、「それぞれの化粧品は同じ品質であるにもかかわらず、値段に差があり過ぎる のではないか」と疑問を呈したことを発端に、地婦連と東京実業(現在のちふれ化粧品)が共同 に開発を進めてきた商品が、このちふれ化粧品である。蛸島町婦人会でもこのちふれ化粧品の販 売を町内で行っている。

また、歯舞昆布の販売も全国の婦人会共通の活動である。商品の種類は、早煮昆布(820円)、 根昆布(480円)、昆布醤油(650円)、こざかなくん(1000円)、とろろ昆布(220円)

のほかに、ハイラップ大(600円)、小(550円)なども同時に販売している。

こうしたちふれ化粧品、歯舞昆布等の売り上げ金は婦人会の活動費の一部として活用される。

商品は町内で頼まれた分だけを注文することになっているが、各家庭に回覧板を回して注文を取 ると、あまり注文数が集まらないため、役員が各家庭を1軒ずつ訪問して注文を取ることで、売 り上げ向上に繋げる工夫をしているという。

(9)

42

4.1.9 小学校創立記念日

毎年6月2日は蛸島小学校創立記念日として、創立記念パレード、相撲大会が開催されている。

同校は今年2013年で創立139年を迎えている。この日の午前は蛸島町内を児童による鼓笛パレー ドが練り歩き、午後には団体戦の相撲大会が行われる。

婦人会からはお祝いを送ったり、相撲大会の様子を観覧するなどして部分的に参加している。

4.1.10 婦人リーダー研修会

県内の団体が集まり、各地区の活動発表を行う場である。太鼓、舞踊、ファッションショーの 披露のほか、梅干し、漬け物などといった特産品の紹介も行われる。蛸島町は珠洲市として参加 し、珠洲の塩などを持ち込んでいるという。

4.1.11 市婦協県政バス

4.1.5の県政バスと概要は同じであるが、こちらでは珠洲市として参加している。2013年度は1

泊2日で加賀方面まで赴いており、見学先は金沢競馬場、県庁舎、安宅勧進帳ものがたり館、小 松産業技術専門学校、こまつ曳山交流館、中川一政記念美術館、千代女の里俳句館であった。

4.1.12 トライアスロン協力

「トライアスロン珠洲大会」として、トライアスロン大会は珠洲市の夏の恒例行事となってお り、2013年度で24回目の開催を迎えた。珠洲大会は珠洲の美しい海の景色を楽しめる一方、険し い峠の急カーブなどは選手にとって難易度が高くかつ魅力的な内容になっており、参加者1500名 以上を数える全国的に見ても大規模な大会である。

蛸島町婦人会は休憩ポイントに待機し、開催期間の2日間とも給水の他、うどん、そばといっ た食べ物の提供を行っている。なお、食べ物の材料費は珠洲市から提供されている。

4.1.13 敬老会

2013年度の敬老会の開催は9月22日であった。蛸島町婦人会にとっては、1年のメインとも呼 べる行事となっているようである。婦人会役員が中心となって長生会(老人会)の人々を公民会 へ招き、料理をご馳走し、歌や踊りでもてなす会である。

料理は役員による手作りのものが準備される。まず前日に準備出来るものに関しては13:00〜

16:00頃に役員15名ほどが集まって仕込みをする。当日はさらに30名ほどが集まって朝6:00から

準備を始める。料理の種類は揚げ物、煮物、茶碗蒸し、酢の物、赤飯、吸い物、焼き物、デザー トで、毎年少しずつ内容は異なるが、出来るだけ地元の材料を使用するようにしている。なお、

(10)

42

4.1.9 小学校創立記念日

毎年6月2日は蛸島小学校創立記念日として、創立記念パレード、相撲大会が開催されている。

同校は今年2013年で創立139年を迎えている。この日の午前は蛸島町内を児童による鼓笛パレー ドが練り歩き、午後には団体戦の相撲大会が行われる。

婦人会からはお祝いを送ったり、相撲大会の様子を観覧するなどして部分的に参加している。

4.1.10 婦人リーダー研修会

県内の団体が集まり、各地区の活動発表を行う場である。太鼓、舞踊、ファッションショーの 披露のほか、梅干し、漬け物などといった特産品の紹介も行われる。蛸島町は珠洲市として参加 し、珠洲の塩などを持ち込んでいるという。

4.1.11 市婦協県政バス

4.1.5の県政バスと概要は同じであるが、こちらでは珠洲市として参加している。2013年度は1

泊2日で加賀方面まで赴いており、見学先は金沢競馬場、県庁舎、安宅勧進帳ものがたり館、小 松産業技術専門学校、こまつ曳山交流館、中川一政記念美術館、千代女の里俳句館であった。

4.1.12 トライアスロン協力

「トライアスロン珠洲大会」として、トライアスロン大会は珠洲市の夏の恒例行事となってお り、2013年度で24回目の開催を迎えた。珠洲大会は珠洲の美しい海の景色を楽しめる一方、険し い峠の急カーブなどは選手にとって難易度が高くかつ魅力的な内容になっており、参加者1500名 以上を数える全国的に見ても大規模な大会である。

蛸島町婦人会は休憩ポイントに待機し、開催期間の2日間とも給水の他、うどん、そばといっ た食べ物の提供を行っている。なお、食べ物の材料費は珠洲市から提供されている。

4.1.13 敬老会

2013年度の敬老会の開催は9月22日であった。蛸島町婦人会にとっては、1年のメインとも呼 べる行事となっているようである。婦人会役員が中心となって長生会(老人会)の人々を公民会 へ招き、料理をご馳走し、歌や踊りでもてなす会である。

料理は役員による手作りのものが準備される。まず前日に準備出来るものに関しては13:00〜

16:00頃に役員15名ほどが集まって仕込みをする。当日はさらに30名ほどが集まって朝6:00から

準備を始める。料理の種類は揚げ物、煮物、茶碗蒸し、酢の物、赤飯、吸い物、焼き物、デザー トで、毎年少しずつ内容は異なるが、出来るだけ地元の材料を使用するようにしている。なお、

43

ここで使用している赤飯は旭町の「井勘いづも堂」に委託し、炊いてもらっている。

当日は9:00頃から長生会の人々が公民館へ集まり始める。毎年、約80人ほどの参加があるとい う。2012年度の敬老会においては、アトラクションとして地元の子供たちの三能太鼓、カラオケ 教室の生徒によるコーラスなどが披露された。婦人会からも、役員の9名が週1回程度の練習を 経て、真室川音頭を披露した。このときの衣装は着物だったが、奥能登珠洲ビーチホテルより無 償で借りる事が出来た。近年は

このアトラクションが減少傾 向にあるという点が、婦人会に とっては不安要素であるとい う。アトラクションは15:00頃 に全て終了し、その後、婦人会 役員が残って反省会を行う場 合もある。

また、在宅で公民館まで足を のばせない人に対しては、敬老 会の終了後、役員が直接家へ訪 問し、赤飯やお菓子を配布して いる。

4.1.14 町民文化祭

毎年、蛸島町公民館内で行われている文化祭である。館内では習い事教室(手芸、工作、花な ど)での各人の成果を出展したり、無料の茶屋や、青年団よる屋台なども出されている。

そして婦人会ではバザーの出店、うどん、おはぎ、寿司の提供などを行っているが、特に食べ 物の準備が大変で、前日に加え、当日も朝5時頃から準備を行わなければならないとため、会に とっては敬老会と同様に重要で、忙しい行事となる。

4.1.15 能登地区県政会議

石川県婦人団体協議会が主催する会議で、県知事も出席し、それぞれの地域の婦人団体が当面 している課題について話し合うことが目的とされている。能登地区以外にも、加賀、金沢、中能 登で地区別に開催されている。なお、2013年度に開催された会議の議題は、「『おもてなしの町

写真1 敬老会の様子 (出所:「蛸島町婦人会だより」)

(11)

44

=輪島』として発信するには」、「能登中居鋳物館について」、「能登町の交流人口を増やすた めに」、「東京オリンピックに向けて」の4つが挙げられている。

4.1.16 長寿園ボランティア

老人ホーム「長寿園」において、蛸島町以外の町の婦人団体と、持ち回りでボランティアを行 っている。2013年度は正院町の婦人会の人々と共同で参加した。当日は長寿園に赴き、お年寄り それぞれの要望を聞いて一緒に折り紙をしたり、散歩したり、会話したりと、1日さまざまな活動 を行う。

4.1.17 交通安全母親大会・県婦人意見交換会

交通安全母親大会とは、石川県交通安全母の会主催となり、地域の交通安全に対する母親の役 割という視点から、交通安全活動の強化充実を図り、事故のない社会づくりを目的に、1981年か ら開催されている大会である。2013年度の今回は33回目の開催を迎え、「自転車の交通事故とそ の責任」と題する講演が行われた。

また県婦人意見交換会は、各地区の婦人会の代表が集まり、その活動内容などを発表する場と なっている。

4.1.18 珠洲まるかじり

珠洲市飯田町春日通りを歩行者天国として、珠洲の特産品を販売する店を集めて珠洲の食を味 わうというイベントである。婦人会からは例年バザー、うどんの出店がされている。

4.2 習い事教室

町の公民館では、婦人会が中心となって講師を招き、以下のような教室を開いている。

書道教室(毎月第1・3水13:30) 民謡舞踊教室(毎月第1・3木 19:30) 詩吟教室(毎週火 19:00)

お花教室(毎月第3水 19:00)

婦人カラオケ教室(毎月第2・4日第2金 19:30) 水墨画教室(毎月第1・3金 19:30)

フラワーアレンジメントを楽しむ会(毎月第3木 19:00) マトリカリア倶楽部(手芸)(毎月第2・4火 13:30) あかね読書会(毎月第4土 14:00)

(12)

44

=輪島』として発信するには」、「能登中居鋳物館について」、「能登町の交流人口を増やすた めに」、「東京オリンピックに向けて」の4つが挙げられている。

4.1.16 長寿園ボランティア

老人ホーム「長寿園」において、蛸島町以外の町の婦人団体と、持ち回りでボランティアを行 っている。2013年度は正院町の婦人会の人々と共同で参加した。当日は長寿園に赴き、お年寄り それぞれの要望を聞いて一緒に折り紙をしたり、散歩したり、会話したりと、1日さまざまな活動 を行う。

4.1.17 交通安全母親大会・県婦人意見交換会

交通安全母親大会とは、石川県交通安全母の会主催となり、地域の交通安全に対する母親の役 割という視点から、交通安全活動の強化充実を図り、事故のない社会づくりを目的に、1981年か ら開催されている大会である。2013年度の今回は33回目の開催を迎え、「自転車の交通事故とそ の責任」と題する講演が行われた。

また県婦人意見交換会は、各地区の婦人会の代表が集まり、その活動内容などを発表する場と なっている。

4.1.18 珠洲まるかじり

珠洲市飯田町春日通りを歩行者天国として、珠洲の特産品を販売する店を集めて珠洲の食を味 わうというイベントである。婦人会からは例年バザー、うどんの出店がされている。

4.2 習い事教室

町の公民館では、婦人会が中心となって講師を招き、以下のような教室を開いている。

書道教室(毎月第1・3水13:30) 民謡舞踊教室(毎月第1・3木 19:30) 詩吟教室(毎週火 19:00)

お花教室(毎月第3水 19:00)

婦人カラオケ教室(毎月第2・4日第2金 19:30) 水墨画教室(毎月第1・3金 19:30)

フラワーアレンジメントを楽しむ会(毎月第3木 19:00) マトリカリア倶楽部(手芸)(毎月第2・4火 13:30) あかね読書会(毎月第4土 14:00)

45

これらの他に、ビーズ教室、ケーキや恵方巻きを作る料理教室など、単発教室を開く事もある。

各教室へは、婦人会の女性たちが友人同士で誘い合わせて入会するという場合が多いようである。

また、前述の敬老会や文化祭などでその成果を披露する機会が設けられている。

講師は蛸島町内に限らず、広く金沢市などからも招いている場合もあるが、ほとんどは蛸島町 民が先生となって開催している。講師を招くための謝礼などもかからず、お互いに「教え合う」

という感覚で、気軽に習い事教室を楽しむことが出来るというのが、この蛸島町の習い事教室の 特徴である。

5.町と婦人会の関わり

さて、婦人会の年間事業計画を中心に個別に記述してきたが、ここでは、町と婦人会の関わり という視点でもいくつか話題を取り上げておきたい。

5.1 婦人会による各家庭への訪問

「4.1.8 ちふれ化粧品・歯舞昆布販売」や、「4.1.13 敬老会」の項でも軽く触れたが、婦人会の

会員は「各家庭に実際に訪問しに行く」ことを大事にしている。残念なことに、全国的な動向と 比例して、蛸島町内でも近年お年寄りの一人暮らしという状況が珍しくなくなって来ており、し ばらく顔を見ないと思ったら、孤独死している、などといった事例も稀ではないという。自分ひ とりで外へ出歩くことも難しいお年寄りに対しては、積極的に周りの人々が顔を見に行って、元 気にしているかどうか確認してあげたい、という思いが婦人会の活動の根底にあるのだろう。

5.2 婦人会と祭り

蛸島町と言えばキリコ祭りであるが、これに対して婦人会としてはいくぶん消極的な姿勢を取 っているようである。キリコを担いで町を練り歩くという祭りの性質からか、町の人々としても

「男たちの祭り」という意識が強いらしく、実際に女性で祭りに関しての会議に参加するのは婦 人会会長ただひとりで、婦人会としても「とにかく安全に祭りを行うように」と意見するのみな のだという。

5.3 結婚式・葬式

蛸島の結婚式・葬式が他の町と比較して非常に派手であることは有名であるが、これに関して

「女性の負担が大き過ぎる」という意見から、町全体に対して蛸島町婦人会により結婚式・葬式 を簡素化するように、という提言がなされたことがある。詳しくは結婚式・葬式に関して別に章

(13)

46

を設けているのでそちらも参照されたいが、実際に女性たちの意見が表明され、町に変化がもた らされた一例と言えよう。

6.考察

前半に記述した全国的な婦人会の動向と、今回調査を行った蛸島町婦人会を比較して見出され ることを以下にまとめる。

蛸島町婦人会はあくまで「町の」婦人会であるという点から、全国活動を行おうというような 傾向は薄い。逆に、町内での人々の繋がりといったものを大切にしているように感じられる。回 覧板をただ回すだけで済むような場合にも、わざわざ家まで行って、家主に会って、会話する。

それが一人暮らしのお年寄りであれば、元気にしているかどうか確認する。また、婦人会の会員 はその活動を通して、普通に生活しているだけでは知り合えなかったような人同士で交流を持つ ことが出来ている。

一方で、婦人会の縮小も否定出来ない事実であり、これが進行することはすなわち、町の人々 の交流が薄くなって行くことに直接繋がるだろう。したがって婦人会の今後としては、会の縮小 の対策についてさらに考えて行く必要に迫られている。

しかし、 現在、この蛸島町婦人会の他に漁業組合、農業組合、珠洲市における婦人会および 女性部が存在しており、そちらに入会している場合は町の婦人会との兼任が困難なため、新しい 入会者を望むのは難しいのだという。さらに、「いつか役員にならなければいけないのではないか」

ということが町の女性にとっては最大の懸念事項であることは否めない。会員になって、さらに 役員になれば主要行事に参加しなければならないが、たいていの女性は仕事をしているため、婦 人会の活動と自分の仕事との両立が困難になってしまう。だから婦人会には入りたくない、さら には、入っていたけど役員が回ってきそうだから退会したい、ということが起こりうるのである。

「2.婦人会とは」の項でも述べたが、女性たちの社会進出が加速しているのは事実であり、蛸 島町でも専業主婦ではなく働く女性は多い。その一方で、市や県の婦人団体の総会は当然のよう に平日の昼間に開催されることが少なくないという。これはつまり、女性は家にいるものであっ て、平日の昼間に総会が開催されても問題はない、という旧体制から抜け出せずにいることの現 れであると指摘出来る。これでは、女性の社会進出という実情とは矛盾している。

蛸島町婦人会では現在、会長ご自身が仕事を持っていることもあり、毎月の町内の定例会など は仕事のある人でも参加しやすいように、必ず夜に時間設定している。また今後も、出来るだけ 負担にならず、誰でも参加しやすいような婦人会づくりを心がけていきたいという。中央の市、

県、そして国というレベルで、実情に見合った活動が行われるようになることを期待したい。

(14)

46

を設けているのでそちらも参照されたいが、実際に女性たちの意見が表明され、町に変化がもた らされた一例と言えよう。

6.考察

前半に記述した全国的な婦人会の動向と、今回調査を行った蛸島町婦人会を比較して見出され ることを以下にまとめる。

蛸島町婦人会はあくまで「町の」婦人会であるという点から、全国活動を行おうというような 傾向は薄い。逆に、町内での人々の繋がりといったものを大切にしているように感じられる。回 覧板をただ回すだけで済むような場合にも、わざわざ家まで行って、家主に会って、会話する。

それが一人暮らしのお年寄りであれば、元気にしているかどうか確認する。また、婦人会の会員 はその活動を通して、普通に生活しているだけでは知り合えなかったような人同士で交流を持つ ことが出来ている。

一方で、婦人会の縮小も否定出来ない事実であり、これが進行することはすなわち、町の人々 の交流が薄くなって行くことに直接繋がるだろう。したがって婦人会の今後としては、会の縮小 の対策についてさらに考えて行く必要に迫られている。

しかし、 現在、この蛸島町婦人会の他に漁業組合、農業組合、珠洲市における婦人会および 女性部が存在しており、そちらに入会している場合は町の婦人会との兼任が困難なため、新しい 入会者を望むのは難しいのだという。さらに、「いつか役員にならなければいけないのではないか」

ということが町の女性にとっては最大の懸念事項であることは否めない。会員になって、さらに 役員になれば主要行事に参加しなければならないが、たいていの女性は仕事をしているため、婦 人会の活動と自分の仕事との両立が困難になってしまう。だから婦人会には入りたくない、さら には、入っていたけど役員が回ってきそうだから退会したい、ということが起こりうるのである。

「2.婦人会とは」の項でも述べたが、女性たちの社会進出が加速しているのは事実であり、蛸 島町でも専業主婦ではなく働く女性は多い。その一方で、市や県の婦人団体の総会は当然のよう に平日の昼間に開催されることが少なくないという。これはつまり、女性は家にいるものであっ て、平日の昼間に総会が開催されても問題はない、という旧体制から抜け出せずにいることの現 れであると指摘出来る。これでは、女性の社会進出という実情とは矛盾している。

蛸島町婦人会では現在、会長ご自身が仕事を持っていることもあり、毎月の町内の定例会など は仕事のある人でも参加しやすいように、必ず夜に時間設定している。また今後も、出来るだけ 負担にならず、誰でも参加しやすいような婦人会づくりを心がけていきたいという。中央の市、

県、そして国というレベルで、実情に見合った活動が行われるようになることを期待したい。

47 7.おわりに

今回調査にあたりご協力いただいた蛸島町の皆様、特に蛸島町婦人会会長さんをはじめとして、

お話をして下さった町の女性の皆様に感謝申し上げます。婦人会のますますのご発展をお祈り致 します。

1)2013年3月に列国同盟により発表されたデータでは、世界の国会の女性議員の比率平均は20.3%であるのに 対し、日本の衆議院議員の比率は7.9%、これは190カ国中163位という結果になっており、世界的に見て も低水準であることが分かる。

2)富山県では1999年頃から全国に先駆け、富山県婦人会が主体となってレジ袋削減活動が推進され、毎バッ ク持参を推奨するチラシ配布やアンケート調査の実施などを行っている。

3)地婦連が提携して生産を行っている「ちふれ化粧品」では、化粧品の包装を簡易化するほか、詰め替えが出 来る商品を多く展開することで資源削減に取り組んでいる。

42012年度までは2年毎に開催となっていたが、2013年度より1年毎に開催となった。

5)以前は75歳から長生会に加入出来たが、現在は高齢化が進んだという理由から加入年齢を引き上げ、77歳 からとなっている。

参照

関連したドキュメント

・「スマイルスポーツボランティア講習会」笹川スポーツ財団 ・「大阪スポーツボランティア養成事業」大阪コミュニティ財団

特定非営利活動法人..

当法人は、40 年以上の任意団体での活動を経て 2019 年に NPO 法人となりました。島根県大田市大 森町に所在しており、この町は

「PTA聖書を学ぶ会」の通常例会の出席者数の平均は 2011 年度は 43 名だったのに対して、2012 年度は 61 名となり約 1.5

「PTA聖書を学ぶ会」の通常例会の出席者数の平均は 2011 年度は 43 名、2012 年度は 61 名、2013 年度は 79 名、そして 2014 年度は 84

「PTA聖書を学ぶ会」の通常例会の出席者数の平均は 2011 年度は 43 名、2012 年度は 61 名、そして 2013 年度は 79

 ①技術者の行動が社会的に大き    な影響を及ぼすことについて    の理解度.  ②「安全性確保」および「社会

山形市の雇用創出事業として、企画調整課共創係の NPO 新会計基準導入支援業務 として受託した事業です。 NPO 法人を取り巻く法的な変化としては昨年