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1 「世界史」における自然科学史の取り扱い
自然科学の発展は、人間の様々な営みの積み重 ねである世界史に大きな意味を持つ。その重要性 に異論はないであろうが、実際授業でどう取り上
げるか。科目「世界史」における取り扱いに悩ま される分野の一つであろう。
今回、「最新世界史図説タペストリー 三訂版」 のp.274∼275「西洋自然科学史の流れ完全整理」 を使って、西洋自然科学史を効果的に取り上げる
ための授業プランを考えた。縦軸としては「物質 の根源」にこだわった各時代の科学者たちを通し て、自然究明の展開を概観することとし、とくに
18∼19世紀の「化学」の発展を中心においた。ま た、この18∼19世紀の「工業化と科学の発展」の
代表的な人物としてファラデーに注目し、この時 代の科学の発展を印象づけることを核に、科学の おもしろさに触れさせることをねらった。
2 自然科学史を概観する
古代科学の展開
自然現象を神の意志に求めていた発想が、大き く変わっていく時期として古代ギリシアは注目さ
れる。アルケー(万物の根源)を「水」としたタ
レス、「原子(アトム)」としたデモクリトス、4
元素説を提唱したエンペドクレスらは、物質の根
源に対する真剣な眼差しを知るきっかけになるで あろう。もちろん当時の発想が現代にそのまま真 理とされているわけではない。しかし、デモクリ
トスの説いた、物質はそれ以上分割できない何者 かによって構成されているという発想自体は生き
続けているのである。原子を構成する究極物質は
原子核と周囲の電子である(ラザフォード)、陽
子・中性子を集合させる粒子としての中間子の存
在(湯川秀樹)、陽子・中性子のもとになる粒子
であるクォークの存在(ゲルマン)など、今日の
物理学の発展にまでふれることで、「物質の根源」
への問いかけが現在にも受けつがれていることに 注目させたい。
近代科学のあけぼの
自然科学の発展に欠かせない姿勢こそ「実験」
である。13世紀のロジャー =ベーコン、16∼17世 紀のフランシス=ベーコンを指摘することで、こ の後の自然科学の発展を支えた多くの科学者・技
術者に共通する「実験」と「観察」に対する姿勢 を重視したい。また「17世紀の科学革命」のエピ
ソードとしては、ガリレオ=ガリレイとニュート
ンの業績を取り上げることも効果的であり、彼ら
によって基礎づけられた近代科学のイメージがふ
くらむはずである。
工業化と科学の発展
18∼19世紀における科学の各分野は、物質と熱 と電気と波動がそれぞれ関連して発展していく。
ジュール・マイヤー・ヘルムホルツらのエネルギー 保存の法則は、こうした各分野の関連を指摘する 手がかりになる。
この時期の様々な科学者のうち、ファラデーを 取り上げることは19世紀の発展をつかんでいくた
めの効果的な事例である。ロンドン近郊の鍛冶屋 の息子だったファラデーは、13歳で製本屋の見習 いとなり、製本の合間に科学の本をむさぼるよう
に読んだという。やがて王立研究所の化学者デー ビー(1778∼1829)の講演を聴講し、聞き取った
西洋科学技術史の流れを理解するために
「西洋自然科学史の流れ完全整理」を使って
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内容をデービーに送ったことがきっかけとなり、 王立研究所の助手となった。以後、研究室で寝起
きしながら熱心に実験と研究に明け暮れた。科学 者の人物像を取り上げることも場面によっては必
要であろう。彼の数多い業績のうち、電磁誘導の 発見、発電機の原理、電気分解の法則、ファラデー 効果の発見などは、科目「化学」で扱う内容でも
あり、また、電気の研究とその実用化は、電話機・ 電信機・電灯など、今日の我々の生活に大きく関 わっていることを紹介したい。さらに科学入門書
としても著名なファラデーの『ローソクの科学』 は、科学の成果が人びとにわかり
やすく伝えられた好例でもあり、学 問の研究成果は広く人びとに知ら れなければならないという使命を
も伝えてくれる。
「物質」への問いかけは、18∼19
世紀にも続けられ、物質と原子の探 求が深まっていく。産業革命との関
連からも、「化学」の発展は効果的
な題材である。ラヴォワジエは「燃 焼の実験」によって、空気が単一 の気体ではなく窒素と酸素からな
ることを実験的に証明した。また、 33種の元素表を作成し、「質量保存
の法則」をうちだし、従来の経験的 な物質理論から脱して、科学的な新 しい化学の大系をまとめていった。
ドルトンは史上初の原子量表を考
案し、多くの化学記号を採用した。
彼らの研究によって、物質に対する考察は着実に
進んでいったのである。
やがてドイツのリービヒによって、有機化合物 の構成(エチル基など)に対する認識が深められ
ていった。すでにウェーラー(1800∼1882)が、 無機物のシアン酸とアンモニア水(ハーバーと ボッシュによってアンモニアを合成する方法も確
立された)から、人工的に有機物である尿素を作 り出すことに成功し、有機物が生物の体内だけで
なく試験管で合成されることが実証されており、 以後様々な有機化合物が合成される可能性が広 がっていった。リービヒはウェーラーと共同して
研究を進め、有機化合物の分析を進めていったの であった。リービヒの研究成果から化学肥料が生
産され、普及すると、農業生産は増大し、従来の 天然肥料は伝染病発生の温床になるとして使用さ れなくなったという。化学の成果が生活を大きく
変えていった好例である。
こうした有機化合物の研究によって成長した分 野の一つに合成染料も注目される。イギリスの
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料モーヴが合成されると、やがて、あかねの根か
ら得られる赤色の染料(アリザリン)とインドあ いから得られる青色の染料(インディゴ)が人工 的に合成されるようになる。この成功はいずれも
ドイツの化学者によるもので、当初は天然染料と 比べて割高であったため工業化が遅れたが、しだ いに天然染料を圧倒し、ドイツの合成染料工業は
イギリスを追い越していった。イギリスで着目さ れた合成染料が、結果的にはおもにドイツで発展
したのであった。
インドを確保し天然のインディゴに不自由しな かったイギリスは、巨額の開発費を必要とする合
成染料の研究・開発に積極的でなく、かえってそ のような植民地を持たなかったドイツが全力を挙
げてこの分野に取り組んだのであった。この時期 のドイツ、さらにはアメリカの発展を化学の発達 と関わらせ、イギリスの影響力低下と19世紀の覇
権争いに関連づけることで生徒の既習事項とつな ぎやすくなるであろう。
合成染料が果たした役割には、医療への貢献も
指摘される。結核菌・コレラ菌を発見したコッホ
は、合成染料を使って病原細菌を染めて研究を続
けたという。以前から生体組織を染めるとよく見 えることが知られていたが、合成染料が現れると 顕微鏡での観察に大いに役立ったのであった。ま
た、19世紀半ばには石炭のコールタールからとれ る石炭酸が消毒剤として使われていたが、やがて
石炭酸ナトリウムから解熱剤「アスピリン」が合 成された。化学の発展は医薬品の開発にも直接関
わっていくのである。こうして、ジェンナー・パ
ストゥール・コッホ・フレミングらによる病気の 原因究明と、新しい薬品の開発による医学の発展 にも目が向けられるのである。
3 「世界史」における科学・技術
世界史で取り上げたい科学者・技術者は多数で あり、その成果は時として歴史を大きく動かして
いく。ワットの蒸気機関も生徒の興味を引き出す
代表的な題材であろう。化学者ボイルの実験助手
であったパパン(1674∼1712 ?)によって考案
された蒸気で動くピストン機構は、現実にはまっ たく実用化されなかったという。やがてニューコ メン(1663∼1729)によって蒸気機関は初めて実
用化されたが、効率の悪さと蒸気の無駄が欠点で、 様々な試行錯誤を通して改良を加えたのがワット であった。蒸気機関の改良を通じて、我々は長い
年月の改良の積み重ねの意味を知る。発明・発見 が必ずしも突然になされることではないことは生
徒に理解させたい事柄であり、新技術・新発見が 生み出された背景や前提に注目させたい。そのた めにも、タペストリー「西洋自然科学史の流れ完
全整理」を利用することで、科学の各分野の展開 を追っていくことは効果的である。
19世紀の自然科学をながめると、物質の本質は 何かという解明、熱と仕事の関係による熱力学の 発展、電気の研究と電磁気学の深まり、病気との
闘いの進展、進化論に代表される動植物学の発達 など、現代につながる興味深い諸分野が注目され る。いずれも授業で取り上げたい分野である。こ
れらの中から軸になるテーマを選び出し、核にな る人物・成果を設定することで、より生き生きと
科学の進展を伝えていきたい。
<参考文献>
「科学の文化史」平田 寛 朝倉書店 1988
「科学と技術の歴史」道家達將・赤木昭夫 放送大学教育 振興会 1999
「文科系のための科学・技術入門」志村忠夫 ちくま新書 2003
⑦蒸気機関 の し く み
①石炭を燃や し, 水蒸気を 発生させる 。 ①石炭を燃や し, 水蒸気を 発生させる 。 ①石炭を燃や し, 水蒸気を 発生させる 。 ①石炭を燃や し, 水蒸気を 発生させる 。 ①石炭を燃や し, 水蒸気を 発生させる 。 ①石炭を燃や し, 水蒸気を 発生させる 。 ①石炭を燃や し, 水蒸気を 発生させる 。 ①石炭を燃や し, 水蒸気を 発生させる 。 ①石炭を燃や し, 水蒸気を 発生させる 。 ①石炭を燃や し, 水蒸気を 発生させる 。 ①石炭を燃や し, 水蒸気を 発生させる 。 ①石炭を燃や し, 水蒸気を 発生させる 。 ①石炭を燃や し, 水蒸気を 発生させる 。 ①石炭を燃や し, 水蒸気を 発生させる 。 ①石炭を燃や し, 水蒸気を 発生させる 。 ①石炭を燃や し, 水蒸気を 発生させる 。 ①石炭を燃や し, 水蒸気を 発生させる 。
②蒸気の力で , ピストンが 上下運動を行う 。 ②蒸気の力で , ピストンが 上下運動を行う 。 ②蒸気の力で , ピストンが 上下運動を行う 。 ②蒸気の力で , ピストンが 上下運動を行う 。 ②蒸気の力で , ピストンが 上下運動を行う 。 ②蒸気の力で , ピストンが 上下運動を行う 。 ②蒸気の力で , ピストンが 上下運動を行う 。 ②蒸気の力で , ピストンが 上下運動を行う 。 ②蒸気の力で , ピストンが 上下運動を行う 。 ②蒸気の力で , ピストンが 上下運動を行う 。 ②蒸気の力で , ピストンが 上下運動を行う 。 ②蒸気の力で , ピストンが 上下運動を行う 。 ②蒸気の力で , ピストンが 上下運動を行う 。 ②蒸気の力で , ピストンが 上下運動を行う 。 ②蒸気の力で , ピストンが 上下運動を行う 。 ②蒸気の力で , ピストンが 上下運動を行う 。 ②蒸気の力で , ピストンが 上下運動を行う 。
③ 回転運動へ 転換 する 。 ③ 回転運動へ 転換 する 。 ③ 回転運動へ 転換 する 。 ③ 回転運動へ 転換 する 。 ③ 回転運動へ 転換 する 。 ③ 回転運動へ 転換 する 。 ③ 回転運動へ 転換 する 。 ③ 回転運動へ 転換 する 。 ③ 回転運動へ 転換 する 。 ③ 回転運動へ 転換 する 。 ③ 回転運動へ 転換 する 。 ③ 回転運動へ 転換 する 。 ③ 回転運動へ 転換 する 。 ③ 回転運動へ 転換 する 。 ③ 回転運動へ 転換 する 。 ③ 回転運動へ 転換 する 。 ③ 回転運動へ 転換 する 。 科学