事
項
｜
葉 根 菜 類 の 冬 期 加 温 栽 培 で は こ ま つ な が 有 利 で 、 あ り 、 太 陽 光 発 電 エ ネ ル ギ ー の 利 用 は 暖 房 費 節 減 及 びC 0 2排 出 量 削 減 に 効 果 が あ る県 南 地 域 の 冬 期 多 日 照 条 件 下 で 、 パ イ プ ハ ウ ス を 利 用 し て 冬 期 間 に 葉 根 菜 類 を 加 温 栽 培
し た と こ ろ 、 生 育 、 収 量 及 び 経 済 性 が 明 ら か に な っ た 。 ま た 、 太 陽 光 発 電 エ ネ ル ギ ー を 利
ね ら い ｜ 用 し た 電 気 温 水 器 と パ ワ ー ヒ ー ト パ イ プ に よ り 、 最 低 温 度 10℃ を 目 標 に 加 温 し た 場 合 の 暖
房 費 節 減 効 果 と こ ま つ な 栽 培 期 間 の 二 酸 化 炭 素 排 出 量 の 削 減 効 果 が 明 ら か に な っ た の で 参
考に供する。
1 冬 期 加 温 栽 培 に お け る 葉 根 菜 類 の 収 量 ・ 経 済 性
( 1) 冬 期 間 に 加 温 で き る 施 設 で 、 葉 根 菜 類 を11月から 2月 に1か 月 間 隔 で4 回 播 種 し た と こ ろ 、 こ ま つ な は 37∼57日 で 収 穫 で き 、 収 量 は 180∼240k g / a程 度 で 、 冬 期 間 に 同 一 圃場で 3 回 の 作 付 が 可 能 で あ る 。 こ ね ぎ は 90∼136日 で 収 穫 で き 、 収 量 は 550∼900k g/ a 程 度 で あ る 。 こ か ぶ は 55∼82日 で 収 穫 で き 、 収 量 は 510∼580k g / a程 度 で 、 冬 期 間 に 同 一 圃場で 2 回 の 作 付 が 可 能 で あ る 。 だ い こ ん は 71∼115日 で 収 穫 で き 、 収 量 は 900∼950 k g/ a程度で、ある。
( 2) こまつなについて、 11月 上 旬 か ら 3月 下 旬 ま で の 期 間 に 3回 連 作 し て 実 証 し た と こ
指
、世
寺干
参
考
内
ろ 、 可 販 収 量 は1作当たり 203∼223k g/ aで、 3作合計で、は 640k g/ a で、ある。作業別の労 働 時 間 で は 、 収 穫 ・ 調 製 作 業 が 約 6 0 %と大半を占め、合計の労働時間は112hr / aで、ある。 粗 収 入 は 25万円 ／a程度で、ある。経営費の内、施設費（償却・修理）は 6. 2万円 ／aで、ある 。 光 熱 電 動 費 は 11. 7万円 ／aで 、 ほ と ん ど が 暖 房 費 で あ る 。 所 得 は 7. 3万円／aとなる 。 容
2 太 陽 光 発 電 エ ネ ル ギ 一 利 用 に よ る 暖 房 費 節 減 及 びC 0 2排 出 量 削 減 効 果
( 1) 鉄骨ノ＼ウス（硬質フィルム、 324
r
r
f
） に お い て 、 日 中 は 太 陽 光 発 電 を 利 用 し た 電 気 温水 器 と パ ワ ー ヒ ー ト パ イ プ 、 夜 間 は 灯 油 炊 き ボ イ ラ ー を 利 用 し た 温 水 器 と パ ワ ー ヒ ー
ト パ イ プ に よ り 、 最 低 温 度 10℃を目標に加温し、 11月 上 旬 か ら 3月 下 旬 ま で の 期 間 に
こまつなを 3団 連 作 し た 場 合 の 暖 房 費 は 8 万円／aと な り 、 パ イ プ ハ ウ ス の 11. 7万円／a
より 3. 7万円／a少 な い
( 2) 太 陽 光 発 電 を 利 用 す る 鉄 骨 ハ ウ ス で は 初 期 コ ス ト は 高 い も の の 、 こ の 期 間 に3 t
/a
の二酸化炭素排出量の削減が可能である。期待自れる効果
1
1
とまつなの冬期加温栽培導入の目安となる。2 太 陽 光 発 電 に よ る 農 業 利 用 上 の 省 エ ネ 効 果 及 び 二 酸 化 炭 素 排 出 量 の 削 減 効 果 が わ か る 。
1 こ ま つ な は 収 益 性 の 高 い ト マ ト 等 と の 輪 作 作 物 と し て 導 入 す る こ と が 望 ま し い 。
利用上の注意事項
1
2
栽 培 に 供 し た パ イ プ ハ ウ ス （ 農 P Oフィルム、 223r
r
f
、 3間× 23問、 69坪 ） で は 、 終 日 灯 油 炊 き の 温 風 暖 房 機 に よ り 、 最 低 温 度 10℃を目標に加温した。3 太 陽 光 発 電 装 置 の 規 模 は 20KWである。
担当部署｜青森県農林総合研究センター畑作園芸試験場 栽 培 部
（担当者名）｜（岩瀬利己、木下貴之、木村一哉、相坂直美、西舘勝富）
対 象 地 域 ｜ 県 南 地 域
発 表 文 献 等 ｜平 成 15∼18年 度 青 森 県 農 林 総 合 研 究 セ ン タ ー 畑 作 園 芸 試 験 場 試 験 成 績 概 要 集
門
i
【根拠となった主要な試験結果】
表 1 パ イ プ ハ ウ ス 加 温 栽 培 に お け る 葉 根 菜 類 の 収 量 （平成14
∼
17年 青 森 農 林 総 研 畑 園 試 ）こ ま つ な こh ぎ こかぶ： だ い こ ん
播 種 期 ｾＮ 穫 男月 可 販
H
文 穫 再月 可 販 J 3JZ 穫 望月 可 販H
叉 穫 員月 可 販要回数 収 量 要回数 収 量 要日数 収 量 要目数 収 量
月／旬 月／旬 日 k g / a 月／旬 日 k g / a 月／旬 日 k g / a 月／旬 日 k g / a
11 ／上 12 ／中 4 4 19 8 2／下 110 548 1/下 7 6 534 2/中 104 912
12 ／上 1／中 4 7 191 3. ／中 105 7 7 8 2/中 i''τ7 556 3.，／中 99 913
1／上 2/中 4 3 201 4 ／中 95 8~l8 3／中 6f3 5 3 3 3／下 84 962
2／上 3／中 37 227 5／上 90 843 4 ／上 56 571 4 ／中 929
H1 7年 3f乍計 27- 52 639
（注） 1 こ ま つ な 品 種 は 楽 天 、 草 丈25∼ 30c mを 目 安Lこ収穫
2 こ ね ぎ 品 種 は 待 秀 、 葉 鞘 径3mm以 上 を 可 販 収 量 と し た
3 と か ぶ 品 種 は 玉 里 、 葉 付 き 全 長30c mで 調 製
4 だ い こ ん 品 種 は 春 街 道 、 10c m葉 付 き で 調 製
表 2 パ イ プ ハ ウ ス 加 温 栽 培 の 経 済 性 試 算
（ 平 成14∼ 17年 青 森 農 林 総 研 畑 圏 試 〕
ヱ冒 日 単 位 f：！毛 言式 イ乍 物
だ い こ ん こカコ右手2 イ乍 こ才3ぎ こ ま つ な 3作
JfY'.二人
販 売 収 量 Kg / a 929 1097 767 6 3 9
価 格 円／k g 122 112 183 4 0 0
手且JfY'.J丸、 円 ／a 113, 338 122, 864 140, 361 255, 760
経 営 費
共 通 （ 固 定 〕 円／a 10, 000 20‘000 15, 000 4 ,2 2 9
光 熱 電 動 費 円 ／a 116, 528 116, 528 116, 528 116, 528
施 設J農 機 具 費 円.，l a 62, 213 62: , 213 62, 21: 3 62, 213
言十 円／a. 188, 741 U) 8, 741 193, 741 182, 970
R行f皐 円. ./ a --7乙‘4 0:3 75、8'7'7 市 53‘ ：380 7 2 ,7 9 0
労 働 報 酬 円／h r - 3宅7 7尽 - 1匂11伶 の＇.d 652 労 働 時 間 hr / a 20. 0 68. 0 86. 0 111. 7
〔 注 ） 販 売 価 格 は 八 戸 中 央 卸 売 市 場Lこ お け る 冬 期 間 の 平 成15∼17年 の3カ 年 平 均
表3 主 な 算 定 基 礎 （平成 17年 青 森 農 林 総 研 畑 園 試 ）
算 定 其ームー・ 百楚
工費 日 耐用年数 購 入 価 格 稼 働 率 備 考
（年） （円）
パ イ プ ハ ウ ス 8 850, 000 0. 417 23 2IT[
パ イ プ ハ ウ ス 温 風 暖 房 機 5 800, 000 0. 625 灯 油 式
灯 油 代 ( l Q ) 70
電 気 代 （l k wh) 20
（ 注 ） 稼 働 率 は 、 施 設5 / 1 2、 暖 房 機 5. /8
表 4 加 温 方 法 の 遣 い に よ る 暖 房 費 節 減 及 びCO2排 出 量 削 減 効 果
（平成1 4∼ 1 7年 青 森 農 林 総 研 畑 園 試 〉
イ 共 試 施 設 と 加 温 方 法
エ買 目 単 ↑立 ノ マ イ プ ハ ウ ス ＋f丁 鉄 骨 ハ ウ ス ＋ 油 炊 温 風 日 芽 房 機 ヒ ー ト パ イ プ
暖 房 費 円／a 1 1 6 ,5 2 8 7 9 ,5 7 9
（差額） 円／a ム3 6 ,9 4 9
（比率） ~/ 口 100 6 8
CO2排 出 削 減 量 3) k g - CO2 / a
。
3 ,0 0 0（差） k g CO2 / a ム3 ,0 0 0
（注〕 1 11∼3月 Lこ 最 低 気 温 1 0℃ 目 標 Lこ こ ま つ な 3作 を 加 温 栽 培 し た 場 合
2 鉄 骨 ハ ウ ス C324r r r ） は 太 陽 光 発 電 エ ネ ル ギ ー を 使 用 し た
3 C O2排 出 削 滅 童 ＝ C O2 削 滅 原 単 位 （ 0 .3 k g ） × 期 間 発 電 量Cl O, OOOKW)
。
δ
F
同
