計測・制御技術の高度化を目指して

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図2 制御システム 図1 スマートヘッドアクチュエータ

計測・制御技術の高度化を目指して

大学院工学研究院・大学院工学院 教授

梶原

か じ わ ら

いつ

ろ う

(工学部機械知能工学科機械情報コース)

専門分野 : 振動工学,制御工学,レーザー応用技術

研究のキーワード : 機械力学,音響,制御,スマート構造,レーザー

HP アドレス : http://labs.eng.hokudai.ac.jp/labo/lsm/?page_id=127

何を目指しているのですか?

本研究室では、振動計測技術および制御技術の高度化を実現し、社会に役立てることを

目指しています。したがって、対象とする機械やシステムは、みなさんの身近なところに

あります。「社会に役立てる」という観点から、私は産学連携を積極的に推進しています。

特に、情報機器メーカーおよび自動車メーカーとの共同研究を長らく実施しており、実シ

ステムを対象とした制御手法・技術の開発を行っています。産学連携や企業との共同研究

と聞くと、「実用性のみを追求している」と思われがちですが、実際に世に出るシステムに

おいて、所望の性能や機能を実現し、しかも高い信頼性を持たせようとすると、基礎原理

や基礎技術が重要になることがよくわかります。複雑で手間のかかることをすれば、必ず

しもよいシステムができるわけではなく、基本的でかつシンプルなものが受け入れられる

ことが多いのです。これを実現するためのアプローチやシステムの構築を目指し、研究を

行っています。

どんな装置を使ってどんな実験をしているのですか?

情報機器メーカーと協力し、HDDヘッドアクチュエータの振動制御を高度化する研究

を行っています。HDDヘッドアクチュエータの振動抑制は、ディスクの記憶容量を向上

させる上で極めて重要です。スマート構造という技術を駆使し、PZTアクチュエータを搭

載したHDDスマートヘッドアクチュエータを図1に示します。本アクチュエータは、PZT

に電圧を印加することにより、PZT両端で面内方向の力を生じさせ、これを制御入力とし

て利用します。実験システムの構成を図2に示します。本制御により、ディスク高密度化

の障害となる共振振幅を効果的に抑制することに成功し、理想的な周波数特性が実現され

ました。また、本研究室では自動車メーカーとも積極的に産学連携を実施しており、排ガ

スに関する環境性能や燃費性能を向上させる新技術の一つとして、モデルベース制御手法

出身高校:東京都立工業高等専門学校 最終学歴:東京工業大学大学院

理工学研究科

電気・機械

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Compressor

Turbine Cylinder

EGRバルブ

VNTガイドベーン

吸入空気 ブースト圧

排出ガス VNT

図3 ディーゼルエンジンと EGR-VNT システム

に基づくディーゼルエンジンの適応型EGR-VNT協調制御技術(図3)を開発しています。

EGR(排気再循環)とVNT(可変ノズルターボ)は、互いにエンジン特性に深く干渉す

るため、その制御を難しくしていますが、適応型の新たな協調制御ロジックを開発し、従

来の環境性能を大幅に向上させました。

革新的振動計測技術として、レーザーアブレーションにより発生するインパルス力を利

用した非接触レーザー加振法を提案し、高周波数帯域まで高精度に振動計測できるシステ

ムを開発しています。レーザーによる加振力は、レーザーアブレーションによって引き起

こされます。レーザーアブレーションとは、高エネルギーのレーザーを物体に照射した際

に、物体の表面から原子、分子、イオン等が放出され、これらがレーザー光を吸収するこ

とで高温のプラズマが発生し、物体から大量の粒子群が放出される現象です(図4)。これ

を利用した膜構造の真空環境振動計測システムの概観を図5に示します。本システムは、

YAG レーザー、LDV、膜構造および真空チャンバで構成されており、宇宙環境を想定し

た真空環境におけるさまざまな実験に応用できます。

図4 レーザー加振の原理 図5 振動試験システム

次に何を目指しますか?

将来の制御技術に関し、システムが有する非線形系やモデル変動に対して頑強(ロバス

ト)かつ適応的な制御系を、シンプルかつ高い信頼性で構成することが要求されるでしょ

う。知的制御技術という観点から、構造設計手法、モデル化手法、制御理論およびそれを

具現化するためのハードウェアの協調的な発展が望まれ、それに貢献する研究を行ってい

きたいと思います。そして、非接触レーザー加振/振動計測技術に関し、MEMSから宇

宙構造物まで、幅広い対象の高精度振動計測を可能にするとともに、高周波数帯域におけ

る振動特性変化の検知に基づく異常検知システムへと拡張し、安全・安心な社会の実現に

役立つシステムの開発を目指します。

Laser

Atoms, Molecules, Ions, etc. Δm

v Aluminum

Plate Kapton

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参照

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