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答弁書(主張の総括) 過去の発言等/沖縄県

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平成27年(行ケ)第3号

地方自治法245条の8第3項の規定に基づく埋立承認処分取消処分取消 命令請求事件

原 告 国土交通大臣 石 井 啓 一 被 告 沖縄県知事 翁 長 雄 志

答 弁 書

平 成 2 7 年 1 1 月 2 7 日 福岡高等裁判所那覇支部民事部ⅡC係 御中

被告訴訟代理人

弁護士 竹 下 勇 夫

同 亀 山 聡

同 久 保 以 明

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被告訴訟代理人

弁護士 加 藤 裕

被告訴訟代理人

弁護士 松 永 和 宏

被告指定代理人

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第1 請求の趣旨に対する答弁 1 本案前の答弁

(1)原告の訴えを却下する。

(2)訴訟費用は原告の負担とする。 2 本案の答弁

(1)原告の請求を棄却する。

(2)訴訟費用は原告の負担とする。 との判決を求める。

第2 本案前の答弁の理由-訴権の濫用 1 はじめに

原告は、本訴訟に先立ち、平成27年10月13日、その機関であ る事業者の沖縄防衛局をして国土交通大臣に対し、本件承認取消処分 について、地方自治法(以下、「地自法」という。)第255条の2 に基づく審査請求及び行政不服審査法(以下、「行審法」という。) 第34条第3項及び4項に基づく執行停止申立なる手続(以下合わせ て「本件審査請求等」という。)をなし、国土交通大臣は、すでに同 月27日、当該申立を適法とし、本件承認取消処分の執行停止決定(以 下「本件執行停止決定」という。)をなした。本件審査請求等及び本 件執行停止決定と本件訴訟における請求とは、その対象・目的がいず れも本件承認取消処分の取消にあること、その理由も同一であること、 そしてこれを求めているのが国という同一の主体であること、さらに はこれを所管するのがいずれも国土交通大臣であること、という共通 性を有している。

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野古への新基地建設にノーと声を上げてきたにもかかわらず、これに 対して政府が新基地建設を強行しようとしている姿勢に加え、法治主 義の名の下に法を濫用してまで民意を抑えつけようとしていることに 対して、やはり多くの沖縄県民が抱いている疑問ではないだろうか。 被告は、以下、まず本件訴訟が国による法の濫用による訴えであり、 これを理由に却下されるべきことを主張する。

2 本件審査請求等が不適法であること ⑴ 行政法研究者有志の声明

平成27年10月23日、行政法研究者有志93名は、本件審査 請求等に関して、「辺野古埋立承認問題における政府の行政不服審 査制度の濫用を憂う」と題する声明を発表した(呼びかけ人は、岡 田正則早稲田大学教授、紙野健二名古屋大学教授、木佐茂男九州大 学教授、白藤博行専修大学教授、本多滝夫龍谷大学教授、山下竜一 北海道大学教授、亘理格中央大学教授の7名)。声明の全文は以下 に掲げるとおりである。

周知のように、翁長雄志沖縄県知事は去る10月13日に、仲井 眞弘多前知事が行った辺野古沿岸部への米軍新基地建設のための公 有水面埋立承認を取り消した。これに対し、沖縄防衛局は、10月 14日に、一般私人と同様の立場において行政不服審査法に基づき 国土交通大臣に対し審査請求をするとともに、執行停止措置の申立 てをした。この申立てについて、国土交通大臣が近日中に埋立承認 取消処分の執行停止を命じることが確実視されている。

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行政不服審査法は予定しておらず(参照、行審1条1項)、かつ、 来 年 に 施 行 さ れ る 新 法 は 当 該 処 分 を 明 示 的 に 適 用 除 外 と し て い る (新行審7条2項)。したがって、この審査請求は不適法であり、 執行停止の申立てもまた不適法なものである。

また、沖縄防衛局は、すでに説明したように「一般私人と同様の 立場」で審査請求人・執行停止申立人になり、他方では、国土交通 大臣が審査庁として執行停止も行おうとしている。これは、一方で 国の行政機関である沖縄防衛局が「私人」になりすまし、他方で同 じく国の行政機関である国土交通大臣が、この「私人」としての沖 縄防衛局の審査請求を受け、恣意的に執行停止・裁決を行おうとい うものである。

このような政府がとっている手法は、国民の権利救済制度である 行政不服審査制度を濫用するものであって、じつに不公正であり、 法治国家に悖るものといわざるを得ない。

法治国家の理念を実現するために日々教育・研究に従事している 私たち行政法研究者にとって、このような事態は極めて憂慮の念に 堪えないものである。国土交通大臣においては、今回の沖縄防衛局 による執行停止の申立てをただちに却下するとともに、審査請求も 却下することを求める。

これほど多くの行政法研究者が、現在進行形である政府の行為に 対して法の支配への危機感を募らせて声明を発出したことは、かつ てないことと言えよう。被告も、この声明と同じく、本件審査請求 等は、本来国民の権利利益の救済のために定められた行政不服審査 請求手続を国が外交・防衛上の公益上の理由で利用したものであっ て、不適法であり却下すべきであると主張している。

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そこで、以下、本件審査請求等が不適法であることについての被 告の見解を明らかにする(なお、以下の論述は、本件審査請求等の 手続内で被告が提出した第1意見書第2項において主張したもので ある。)

ア はじめに

地自法第255条の2による法定受託事務に係る処分に対する行審 法による審査請求及び執行停止申立(以下、両者をあわせて「審査 請求等」という。)について、現行法には、国の審査請求等の適格 を否定する明文規定は存しない。

しかし、行政不服審査制度は、私人の個別的な権利利益の簡易迅 速な救済を制度趣旨とするものであり、この制度趣旨より、本来国 には請求等適格が認められないものと言うべきであり、例外的に、 私人とまったく同様の立場で個別の権利義務が侵害された場合、す なわち「固有の資格」(一般私人の立ちえない立場)に基づかない 場合にのみ、審査請求等の適格が認められるものと言うべきである。

沖縄防衛局は、平成25年3月22日、沖縄県に対し、沖縄県名 護市辺野古の辺野古崎地区及びこれに隣接する水域等を埋立対象地 とする普天間飛行場代替施設建設事業に係る公有水面埋立承認出願 (以下、「本件埋立承認出願」という。)を行ったものであるが、 本件埋立承認出願は、国が、私人とまったく同じ立場で申請をした ものではない。すなわち、「固有の資格」に基づいて出願されたこ とは明らかであり、審査請求等の適格は認められないものである。 イ 行審法及び地自法は国に審査請求等の適格を本来許容していない

と解すべきこと

(ア) 行審法は私人の救済を目的とする手続であること

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く行政庁に対する不服申立てのみちを開くことによって、簡易迅速 な手続による国民の権利利益の救済を図る」ことを目的としている (第1条)。

すなわち、行政不服審査は、行政作用により、個別の権利利益の 侵害を受けた私人を救済するための制度であって、外交・国防上の 利益といった一般的公益のための制度ではなく、また、行政主体間 の紛争解決を制度の対象とするものではない。

個別的な権利利益を侵害された私人の簡易・迅速な救済という制 度趣旨より、本来国が審査請求等の適格を有しないことは当然であ る。

「固有の資格」に基づかないとして、国が私人と同視されて審査 請 求 等 の 適 格 が 認 め ら れ る の は 例 外 的 な も の と い う べ き で あ る か ら、その判断は厳格になされなければならない。

(イ) 地方自治保障という観点からも国の審査請求等の適格は本来否 定されるべきこと

a 地方分権推進委員会の基本方針

地自法第255条の2は、平成11年の地方分権一括法による 地 自 法 改 正 に よ る 地 方 公 共 団 体 の 事 務 の 区 分 の 再 構 成 等 が 行 わ れたことに伴い設けられたものである。

地方分権一括法による地自法改正は、地方分権推進法に基づい て設置された地方分権推進委員会の報告、勧告を尊重して制定さ れたものであるが、その基本的な考え方は、国と地方公共団体の 関係を上下・主従ではなく対等・協力の関係とし、両者の調整は 最終的には司法的判断によるというものである。

b 平成8年3月29日中間報告

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よるべきとされていた。

c 平成9年10月9日付第4次勧告

また、平成9年10月9日付第4次勧告においては、国と地方 公共団体との間の係争処理の仕組について、「機関委任事務制度 を廃止し、国と地方公共団体の新しい関係を構築することに伴い、 対等・協力を基本とする国と地方公共団体との間で万が一係争が 生じた場合には、国が優越的な立場に立つことを前提とした方法 によりその解決を図るのではなく、国と地方公共団体の新しい関 係 に ふ さ わ し い 仕 組 み に よ っ て 係 争 を 処 理 す る こ と が 必 要 と な る。この仕組みは、地方公共団体に対する国の関与の適正の確保 を手続面から担保するものであると同時に、地方公共団体が処理 する事務の執行段階における国・地方公共団体間の権限配分を確 定するという意義をも有するものであるから、対等・協力の関係 にある国と地方の間に立ち、公平・中立にその任務を果たす審判 者 と し て の 第 三 者 機 関 が 組 み 込 ま れ て い る も の で あ る こ と が 必 要である。そして、この第三者機関は、審判者である以上、国と 地方公共団体の双方から信頼される、権威のある存在でなければ ならない。さらに、行政内部でどうしても係争の解決が図られな いときは、法律上の争いについて最終的な判定を下すことを任と し て い る 司 法 機 関 の 判 断 を 仰 ぐ 道 が 用 意 さ れ て い る こ と も 必 要 である。」とされていた。この報告、勧告を最大限に尊重して、 地 方 分 権 一 括 法 に よ る 地 自 法 の 改 正 が な さ れ 、 地 自 法 第 1 1 章 ( 国 と 普 通 地 方 公 共 団 体 と の 関 係 に つ い て は 地 自 法 第 2 4 5 条 ないし第252条)の規定が設けられてものである。

d 小括

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する審査請求等を認めることは、国と地方公共団体を対等・協力 関 係 と す る 平 成 1 1 年 の 地 自 法 改 正 の 理 念 に 適 合 し な い こ と に なる。実際、地自法255条の2については、「地方自治の本旨 の観点から見直されるべき制度である」(塩野宏「行政法Ⅲ(第 4版)」246頁)との疑問が示されている。

それにもかかわらず、法定受託事務について審査請求等をする ことができるとしたのは、私人の権利利益の保護を重視したため で あ る ( 佐 藤 文 敏 「 地 方 分 権 一 括 法 の 成 立 と 地 方 自 治 法 の 改 正 (三)」自治研究 76.2.98)。

法 定 受 託 事 務 に つ い て 審 査 請 求 等 を 認 め る こ と に は 厳 し い 批 判があり、「加害者は、国家・公共団体なのであるから、被害者 た る 私 人 の 簡 易 迅 速 な 救 済 手 続 を 設 け て お く 必 要 性 」 ( 塩 野 宏 「行政法Ⅱ(第5版補訂版)」9頁)が高いという点でかろうじ て制度の合理性が認められていることよりすれば、地自法第 255

条の 2 に基づく審査請求等について、「固有の資格」に基づかな いとして国に適格が認められるのは、行政作用によって個別の権 利 利 益 を 侵 害 さ れ て 簡 易 迅 速 な 救 済 の 必 要 性 の 高 い 純 然 た る 私 人 と ま っ た く 同 様 に 評 価 さ れ る 場 合 に 厳 格 に 限 定 さ れ な け れ ば ならないものと言うべきである。

(ウ) 国の審査請求等には客観性・公正性が認められないこと

判断の客観性や公正性という点からも、国の審査請求等の適格を 認めることには重大な問題がある。

すなわち、国の審査請求等の適格を認めるということは、国とい う同一の行政主体が、審査請求等をしてこれに対する判断をするこ とになる。

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団体の行った処分について、その地方公共団体による処分の当否を 国が判断するならば、国の行政目的実現のために結論ありきの偏頗 な判断がなされるおそれがある。

したがって、国の機関がその行為によって実現しようとした目的 を実質的に踏まえて、私人の個別的な権利義務と同質と言えるか否 かが厳密に検討されてなければならないものと言うべきである。 (エ) 地自法第11章の諸制度による解決が可能なこと

国は本来審査請求等の適格を有しないとしても、国の不服申立の 手段を奪うことになるものではない。

すなわち、平成11年の地自法改正は、「対等・協力を基本とす る国と地方公共団体との間で万が一係争が生じた場合には、国が優 越 的 な 立 場 に 立 つ こ と を 前 提 と し た 方 法 に よ り そ の 解 決 を 図 る の ではなく、国と地方公共団体の新しい関係にふさわしい仕組みによ って係争を処理することが必要」との認識に基づいてなされたもの である。

国と地方公共団体との関係については、地自法第245条ないし 第 2 5 2 条 の 規 定 に よ っ て 調 整 を 行 う こ と を 予 定 し て い る も の で あり、国が地方公共団体の処分に不服がある場合には、これらの規 定による解決が可能である*1。

(オ) 小括

以上のとおり、行政不服審査は、行政作用により個別の権利利益 の侵害を受けた私人を簡易迅速に救済するための制度である以上、

*1 武田真一郎「承認取消と今後の展望(中)」沖縄タイムス平成27年9

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本来国に審査請求等の適格を認めることはできないものであって、 国 が 個 別 の 権 利 利 益 の 侵 害 を 受 け た 私 人 と ま っ た く 同 じ 立 場 に あ る場合(「固有の資格」に基づかない場合)にのみ、例外的に審査 請求等の適格が認められるにすぎないものである。

この判断は、審査請求者・執行停止申立人たる国が、当該行為に よって実現しようとした目的を実質的に踏まえて、厳格になされる べきものである。

そして、次項において述べるとおり、本件埋立承認申請が「固有 の資格」に基づくことは明らかである。

ウ 「普天間飛行場代替施設建設事業に係る公有水面埋立」は「固有 の資格」に基づくものであること

(ア) 公有水面埋立承認出願は国のみがなし得ること

a 平 成 2 7 年 3 月 2 3 日 付 け で 沖 縄 県 知 事 が 沖 縄 防 衛 局 長 に した岩礁破砕等の許可に関する指示に対して、平成27年3月2 4 日 付 け で 沖 縄 防 衛 局 長 が 農 林 水 産 大 臣 に 提 出 し た 執 行 停 止 申 立 書 の 「 2 沖 縄 防 衛 局 は 執 行 停 止 を 申 立 て る 資 格 を 有 す る こ と」において、沖縄防衛局長は、(沖縄県漁業調整規則)「39 条第1項は、国の機関や地方公共団体若しくはその機関であると 一 般 私 人 で あ る と を 問 わ ず 岩 礁 破 砕 等 を し よ う と す る 者 に 対 し て一様に適用される規定であり、岩礁破砕等の許可を沖縄県知事 から得るに当たり、当局は、特権的立場あるいは優越的地位に基 づ き そ の 固 有 の 資 格 に お い て 処 分 の 名 あ て 人 と な る わ け で は な く、一般私人と同様の立場に立って処分の名あて人となったもの である」と主張していた。

すなわち、沖縄県漁業調整規則第39条第1項が、国と私人を

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分けて規定してないことを奇貨として、私人と同様の立場と強弁 していたものであった。

そして、審査庁農林水産大臣は、「審査請求人の申立人の適格 についてみても、沖縄県漁業調整規則第39条は、岩礁破砕等を 行うに当たって必要な沖縄県知事の許可について、国が事業者で ある場合を特に除外していない。そうすると、国が事業者である 場合も沖縄県知事の許可が必要であることは、私人が事業者の場 合と変わりはないというべきであるから、国にも申立人の適格が 認められると解するのが相当である」として、実態を考慮するこ となく、条文上、私人と国が区別されているか否かのみを判断基 準として、国の申立人としての適格を認めた。

同執行停止決定が、基地建設の目的という実質についてなんら の判断をしなかったことは不当であるが、この点はさておき、同 執行停止決定を前提としても、法律の規定において私人と国が区 別されている場合には、国が「固有の資格」に基づくことは当然 である。

b 公有水面埋立法は、国と私人は明確に区別して規定しており、 私人が事業者である場合と国が事業者である場合を区別して、別 の条文で規定しているものである。

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為サムトスルトキハ当該官庁都道府県知事ノ承認ヲ受クヘシ」) ものである。

公有水面埋立法は、私人が事業主体となる場合には埋立の免許 申請という制度を設け、他方、国が埋立の事業主体となる場合に は埋立の承認申請という別個の制度を設けているものであり、私 人は、埋立の承認申請を行うことはできない。すなわち、埋立承 認申請者の地位に私人が立つことはできず、国のみが埋立承認申 請をなし得るものであるから、「固有の資格」に基づくことは明 らかである。

もっとも、「許可」と「承認」は、いずれも埋立権を設定する ものであり、許可・承認の効力がその後消滅したときは、特定の 公有水面を埋め立てて土地を造成し、埋立地の所有権を取得する 権利を喪失することになり、既に行われた埋立ては法的根拠を失 って違法となり、その結果、原状回復義務を負うものと解すべき (広島高等裁判所平成25年11月13日判決参照)という点に おいては、両者には共通している部分もある(かりに、この点が 否定されるならば、その一点のみをとっても、国は私人とは異質 な特権的立場に立つことになり、「固有の資格」に基づいている こととなる。したがって、この点について明示的判断をすること なく、執行停止決定をすることは許容されえない。)。

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となる場合は、同法42条2項で「埋立ニ関スル工事竣功シタル トキハ当該官庁直ニ都道府県知事ニ之ヲ通知スヘシ」として、国 の竣工認可手続は免除されている。また、私人が事業主体となる 場合は、同法13条で「埋立ノ免許ヲ受ケタル者ハ埋立ニ関スル 工 事 ノ 著 手 及 工 事 ノ 竣 功 ヲ 都 道 府 県 知 事 ノ 指 定 ス ル 期 間 内 ニ 為 スヘシ」と定めているが、この規定は国が事業主体となる場合に は準用されていない。そのほか、免許料の徴収にかかる規定や罰 則の規定も国が事業主体となる場合には準用されていないなど、 公有水面埋立法において、私人が事業主体となる場合と国が事業 主体となる場合とで異なる扱いをし、国については一般私人が立 ちえないような立場を定めているのであるから、申立人(審査請 求者)が「固有の資格」に基づいて、公有水面埋立「承認」申請 を行ったものであることは明らかである。

(イ) 実質的に考察しても「固有の資格」に基づくことは明らかである こと

a 本 件 埋 立は 条 約 に 基 づ く 義 務履 行 の た め に 行 う もの で あ る こ と

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も寄与することが可能となる。」としている。

すなわち、本件埋立は、日本国とアメリカ合衆国との間の相互 協 力 及 び 安 全 保 障 条 約 第 6 条 に 基 づ く 施 設 及 び 区 域 並 び に 日 本 国における合衆国軍隊の地位に関する協定(以下、「日米地位協 定」という。)の第2条の「施設及び区域」の提供義務の履行の ためになされるものである。

防衛局は、外交・防衛にかかる条約上の義務の履行という目的 をもって、公有水面埋立法上の埋立承認手続を経て、一連の基地 建設のための事業を遂行しようとしているものであり、これは一 般私人が立ちえない、まさに国家としての立場においてなされる 一連の行為にほかならない。

また、埋立必要理由に示された利益は、外交・防衛上の一般的 公益そのものであって、行政不服審査制度によって実現される私 人の個別的権利利益ではない。

以上のとおり、「普天間飛行場代替施設建設事業に係る公有水 面埋立」は、条約の履行のための一連の事業の一環としてなされ るものであり、また、埋立てによる利益は外交・防衛上の一般公 益 で あ っ て 行 政 不 服 審 査 制 度 が 救 済 の 対 象 と す る 私 人 の 個 別 的 な権利利益でないことより、「固有の資格」(一般私人が立ちえ ないような立場にある状態)においてなされていることは明らか である。

b 現政権の立場(平成22年5月28日閣議決定)

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いうまでもなく、沖縄防衛局は防衛大臣の指揮命令に服し、防 衛大臣及び国土交通大臣はともに内閣の構成員である。そして、 内閣は、総理大臣をその「首長」として組織され、総理大臣が任 免権を有する各国務大臣はその統括化に形成される行政組織を、 「主任の国務大臣」として分担管理し(内閣府設置法第6条)、 かつ、内閣は「閣議にかけて決定した方針に基づいて」一体的に 行動する(内閣法第6条)。つまり、国家行政組織の中にあって、 防 衛 大 臣 と 国 土 交 通 大 臣 は と も に 内 閣 の 構 成 員 と し て の 一 体 性 を有し、閣議決定に基づく方向性を同じくしている。

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議委員会の共同発表を発出した。」と決定され、現政権はこれを 承継している。

地自法第255条の2が規定する、裁定的関与が、「地方自治 の観点から根本的に見直されるべきである」という痛烈な指摘が ありながらも、なお、かろうじて存在できる根拠があるとすれば、 それは、私人の権利救済の必要性のみならず、公正・中立な判断 が な さ れ る こ と を 行 政 不 服 審 査 制 度 の 当 然 の 前 提 と し て い る も のと解される。平成26年6月13日に公布(施行は公布後2年 以内であり、現時点では施行されていない。)された行審法の改 正法の第1条1項の目的規定には、「簡易迅速かつ公正な手続」 と明記され、手続の公正性が前提であることが明らかにされてい るが、これは創設的な規定ではなく、公正な手続という当然の事 理を、その重要性に鑑み、目的として明記したものと解される。

しかし、辺野古移設を「唯一の解決策」として一体的方針を共 有している内閣の内部において、「一般私人たる沖縄防衛局」と 「公正・中立な審査庁たる国土交通大臣」と位置付けて、その判 断の中立性・公正性を保つことは余りにも無理がある。その意味 で、判断権者の公正・中立という基本的な前提が欠落しているの であり、「自作自演」、「出来レース」、「プレイヤー兼ジャッ ジ」といった批判を免れ得ない。

加えて、沖縄防衛局は、本件承認取消にまつわる紛争について は、所管の大臣である国土交通大臣に勧告あるいは是正の指示等、 所 管 の 大 臣 の 有 す る 権 限 を 発 動 す る よ う 求 め る こ と で 足 り る こ とは明らかであって、沖縄防衛局に、私人と同様の意味における 権利救済の必要性は全くない。

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局の権利保護の必要性という観点、判断権者の中立性・公正性の いずれも欠いており、裁定的関与制度を運用するにあたって必須 の要件のいずれも欠如しているのであるから、到底、国に請求適 格は認められないのである。

c 日米合同委員会合意・閣議決定・防衛大臣告示は私人がなしえ ないこと

日米両政府は平成26年6月20日の日米合同委員会で、米軍 普天間飛行場移設先となる名護市辺野古沖で、普天間飛行場の代 替 施 設 の 工 事 完 了 の 日 ま で 常 時 立 ち 入 り 禁 止 と な る 臨 時 制 限 区 域を設定するとともに、日米地位協定に基づき代替施設建設のた め日本政府が同区域を共同使用すること(FAC6009 キャンプ・ シ ュ ワ ブ の 水 域 の 使 用 条 件 の 変 更 及 び 一 部 水 域 の 共 同 使 用 に つ いて)、普天間飛行場代替施設建設事業の実施に伴い、キャンプ ・ シ ュ ワ ブ 内 の 作 業 ヤ ー ド を 整 備 す る た め に 必 要 な 工 事 の 実 施

(FAC6009 キャンプ・シュワブの施設の整備に係る事業の実施

について)を合意した。

そして、同年7月1日の閣議において、「『日米地位協定』第 2条に基づく,米軍使用施設・区域の共同使用等について,御決 定をお願いします。今回の案件は,沖縄防衛局が普天間飛行場代 替施設建設のため,キャンプ・シャワブの一部水域を共同使用す るもの」(加藤内閣官房副長官)と説明し、「『日本国とアメリ カ 合 衆 国 と の 間 の 相 互 協 力 及 び 安 全 保 障 条 約 第 六 条 に 基 づ く 地 位に関する協定』第2条に基づく施設及び区域の共同使用,使用 条件変更及び追加提供について」を閣議決定し、同月2日に防衛 大臣が告示(防衛省告示第123号)した。

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設定を日米合同委員会において日米両国間で合意をし、この日米 合意に基づいて閣議決定し、防衛省告示をしているものであり、 これは、まさに私人は絶対に行うことのできない埋立事業である ことを示しているものにほかならない。

d 執行停止申立書・審査請求書における申立人(審査請求者)の 主張

執行停止申立書・審査請求書において、申立人(審査請求者) 沖縄防衛局長は、埋立ての必要性及び公共性として、「本件埋立 てにより、普天間飛行場周辺に居住する住民等の生命、身体及び 財 産 に 対 す る 具 体 的 な 危 険 性 等 を 除 去 す る と い う 利 益 が 大 き い ことや、同飛行場の辺野古への移設という日米間の合意を実現す ることにより、日米間の信頼関係はもとより、日米同盟を堅持す ることになり、外交・国防上の利益が非常に大きいことや、さら に、宜野湾市による効率的なまちづくりの進展及び多大な経済的 効果の創出という利益が得られることから、本件埋立ての必要性 及び公共性は高い」(執行停止申立書7頁、審査請求書7頁)と 主張している。

ここで主張されているのは、まさに一般公益そのものであり、 行 政 不 服 審 査 制 度 の 保 護 の 対 象 で あ る 私 人 の 個 別 的 な 権 利 利 益 とはまったく異質なものであり、行政不服審査制度の対象となる ものではない。

本件埋立承認出願は、行政が「固有の資格」に基づいて行った ものであることは、執行停止申立書・審査請求書における主張か らも明らかである。

エ 小括

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済を目的とするものであり、国は私人と同一の立場に立つ場合(「固 有の資格」に基づかない場合)でなければ、審査請求等の適格を有し ないものである。

しかるに、公有水面埋立法は、私人が事業主体となる「免許」と国 が事業主体となる「承認」を明確に区別して規律しているのであるか ら、私人が「承認」申請をすることは不可能であり、本件公有水面埋 立承認出願が「固有の資格」に基づくことは客観的・形式的にも明ら かである。

また、実質的に検討しても、本件埋立承認出願は、外交・防衛上と いう一般公益のため、条約上の義務の履行のための一連の手続として なされたものであり、その目的は閣議決定をされているものである。 また、本件埋立など基地建設事業を実施するために日米合同委員会合 意、閣議決定、防衛大臣告示によって臨時制限区域の設定がなされて い る が こ れ は 一 般 私 人 は 行 う こ と が で き ず 国 の み が な し う る も の で あり、沖縄防衛局による本件埋立承認出願が「固有の資格」に基づく ことはあまりにも明らかというべきである。

よって、審査請求人・執行停止申立人たる沖縄防衛局には審査請求 等の適格は認められず、本件審査請求等は不適法である。

3 不適法な本件審査請求等と本訴請求との関係

⑴ 執行停止決定を得るための不当な本件審査請求等の利用

ア 冒頭に述べたとおり、本訴請求と本件審査請求等・本件執行停止 決定とは、その効力を喪失させようとする対象となる行政処分、そ の理由、その主体がまったく同一である。従って、本訴請求と本件 審査請求等のいずれか一方のみが認容されれば、他の手続は不要と なる関係にある。

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た場合に、考えられる手段を複数選択し、それらを併行して進行さ せること自体には何ら問題はない。よって、一方の手続が不適法と されてもそのことによって直ちに他方の手続の適法性に影響が生じ るものでないとはいえよう。

ウ ところが、本件における本訴請求と本件審査請求等・本件執行停 止決定との間には、前者には本件承認取消処分に対する執行停止を 求める手続は存せず、後者にはその手続が存する。そして、後者の 手続(本件審査請求等・本件執行停止決定)は、事業者たる沖縄防 衛局を審査請求人とし、審査庁を国土交通大臣として、第三者たる 司法や地自法上の国地方係争処理委員会等の関与、審査を経ること なく、国の機関内のみで自己完結的に執行停止決定や終局処分たる 裁決をなしうる。まさにここに両手続の併存的な選択をしたことの 重大な問題が存するのである。

エ すなわち、原告が適法な本来執るべき本訴請求のみの手続をなし たとすれば、仮に原告が勝訴したとしても第一審判決が言い渡され るまでの間は本件承認取消処分の効力を否定することができず、本 件埋立事業の工事をその間中断しなければならない。他方で、本件 執行停止決定は、第三者の関与を経ることなく国の機関内部で自由 にその時期を見計らってなすことが可能であるから、国はまず、こ れを目的として本件審査請求等をなし本件執行停止決定に至ったと いえる。

(25)

25

建設事業は、当初合意時の平成8年12月から19年経過しても実 現しておらず、現在進められている本件埋立事業とそれに続く飛行 場建設事業も計画どおりに進んだとしても数年単位の期間を要する ものであり、また原告は訴状132頁でも指摘している「集中協議」 として自ら約1か月にわたり自主的に工事を中断することもできた ことに照らしても、本件訴訟が係属している期間中にも工事をぜひ とも続行しなければならない緊急性は存しないことはいうまでもな い。したがって、原告がそれにもかかわらず不適法な本件執行停止 決定に至ったのは、被告や沖縄県民に対して、工事続行の政治的姿 勢を強力に示す政治的動機に基づくものでしかないと推認できる。) 原告によれば、本件審査請求等を受け、本件承認取消処分に「法 令の規定に違反する」として取り消すべきだとの判断に至り、本件 訴訟に至る代執行手続に着手したとする。しかしながら、そうであ れば、本件審査請求等を所管する立場にも立っており裁決権者であ る国土交通大臣自身が、裁決をなして本件承認取消処分を取り消す という帰結になるはずである。にもかかわらず原告が裁決をなさず に本件訴訟を提起したのは、本件審査請求等が適法であるとしてそ の判断を維持することが困難と判断せざるをえなかったというほか ない。そして、仮に原告が本件訴訟で勝訴判決を得たとすれば、そ の段階ではすでに本件審査請求等は不要な屋上屋を架す手続となっ てしまうことから、その時点で審査請求人たる沖縄防衛局は審査請 求を取り下げればすむこととなる。

(26)

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ものである。もちろん沖縄防衛局が本件審査請求等を後日取り下げ た場合には、本件執行停止決定に基づく本件埋立工事の続行そのも のを争いうる手段は失われることになる。

本件訴訟は、このとおり、一定の法的効果を得るための併存する 手続にとどまるというものではなく、国という立場を利用して自己 完結的に利用しうる違法な法的手続を、本件訴訟でなしている代執 行手続には存しない執行停止の代用手段として用いたものというこ とができ、本件審査請求等及びこれに基づく本件執行停止決定と密 接な牽連関係が存するといわねばならない。

⑵ 合理的説明のない原告の見解

これに対して、この両手続の取捨選択について原告はどのように説 明してきたであろうか。

ア まず、原告が被告に対して平成27年10月28日になした本訴 訟の前提要件となる地自法第245条の8第1項に基づく「公有水 面埋立法に基づく埋立承認の取消処分の取消しについて(勧告)」 (国水政第48号)においては、「貴職が行った取消処分について、 法その他の法令には他の機関がこれを取り消す規定はな」い、との み述べ、本件審査請求等及び本件執行停止決定がなされていること には全く言及していない。

(27)

27

なければその解決を図ることが困難として、勧告を行っていること になります。何ゆえに、このような矛盾した判断がなされているの か、分かりやすいご説明をいただきたい。」(質問5)と質したの に対し、国土交通省水管理・国土保全局長名での同月12日付「公 開質問状について(回答)」においては、両手続を併用しているこ との取捨選択や優先関係について、「制度の趣旨・目的を異にする 法律に基づきそれぞれ対応を行った結果であり」としか説明してい ない。

ウ 他方、国土交通大臣は、代執行手続開始を内閣で確認した平成2 7年10月27日の閣議後の会見にて、両手続の関係について記者 から受けた質問に対し、次のとおり回答した。

(問)普天間基地の問題についてお伺いします。

今回、執行停止の手続きをとられたわけですけども、あえて執 行停止の手続きをとられるのであれば、工事再開できるわけです けど、あえて代執行の手続きを行った理由について教えてくださ い。

(答)先ほど申し上げましたとおり、10月14日に沖縄防衛局長 からなされた、審査請求と執行停止の申立てに対し、これまで審 査庁として法令の規定に基づき審査をし、本日、普天間飛行場が 抱える危険性の継続などの重大な損害を避けるため、緊急の必要 があると認め、執行停止の決定をしたところです。

国土交通省としては、この審査請求の審査の過程で、今回の翁長 知事による取消処分は、公有水面埋立法に照らし、違法であると 判断するに至りました。

(28)

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ると判断したものです。

一方、本日開催された閣議におきまして、翁長知事による違法な 承認取消処分が著しく公益を害することが確認されるとともに、 その法令違反の是正を図るため、国土交通大臣において、代執行 等の手続きに着手することが政府の一致した方針として、口頭了 解されています。

このため、公有水面埋立法を所管する国土交通大臣といたしまし て、翁長知事が行った取消処分について、その法令違反の是正を 図るべく地方自治法に基づく代執行等の手続きに着手したもので ございます。

(問)行政不服審査法の審査の中で、違反だと判断したのであれば、 その法律に基づいて、その審査結果を出せばいいのではと思いま すが。

(答)審査請求の採決を行うべきかという御質問でしょうか。今、申 し上げたとおり、本日の閣議で国土交通大臣として代執行の手続 きに着手するということが、政府の一致した方針として口頭了解 されたわけでございます。

したがって、公有水面埋立法を所管する国土交通大臣としては、 まずは、代執行の手続きを優先して行うということにいたしたい と考えております。

エ 以上にみたとおり、両者が同一の法的効果をもたらす手続であり、 国土交通大臣が本件審査請求等が適法であり、本件承認取消処分に 瑕疵があるというのであれば、当該手続を先行させればすむだけに もかかわらず、原告は、両手続を併行して開始したことについては 何ら合理的説明をなしていない。

(29)

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に よ っ て 両 手 続 を 段 階 的 に 併 用 す る 手 段 を 選 択 し た と い う ほ か な い。

4 訴権の濫用となること

⑴ 原告は訴状において、本件承認処分が授益的処分であり、その取 消は制限されると縷々述べている。そこでのキーワードは、「行政 処分の安定性・信頼性の確保という基本理念」である。その価値判 断の根拠として、マイヤー教授の言葉を引いて「行政行為は権限あ る行政庁が公益のため自ら適法なものと確認して行う国家権力の発 動であるから、裁判所の判決と同様それ自体権威を有し、適法性が 推定されるべきである」という(訴状 33 頁)。このような権威、 信頼は、行政が公益目的のために法治主義に基づき適法な行為をな すであろうという期待に基づくものであろう。そうであれば、その 言 葉 は 原 告 自 身 が ま ず 最 初 に 受 け 止 め な け れ ば な ら な い は ず で あ る。

本件執行停止決定は、明らかに国の固有の資格に基づき、国にし か主張しえない外交・防衛上の公益を根拠になされた違法なもので あるが、それをなした動機は、本件工事を停止せずに続行する手段 は審査請求手続に付随する執行停止手続しか存しないことにあり、 その上でなおかつ裁判所に代執行手続を申し立てたのは、自ら裁決 する違法を糊塗するために裁判所を利用しようとしたものといわれ ても仕方がないといわなければならない。

(30)

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本件執行停止決定を容認したまま裁判所が代執行を命ずる判決をな した場合、沖縄防衛局には裁決を求める必要は失われ、当然これを 取り下げることになるであろう。そうなったときには、国が行った 違法な本件執行停止決定による本件工事の強行という違法状態は何 ら法的に是正される機会を失うどころか、裁判所の命令がそのよう な結果を作出するのに結果的に加功したことになり、司法に対する 国民の信頼も損なわれることになってしまう。

民事訴訟においては、民事訴訟制度の趣旨・目的に照らして著し く相当性を欠く場合には訴権の濫用として訴えが却下される場合が ありうると同様に、国と地方自治体の間における代執行訴訟制度に おいても、その制度趣旨・目的に照らして著しく相当性を欠く訴え は訴権の濫用として却下されるべきは当然である。国と地方自治体 の間において、それぞれの行政庁が公益を目的とした行政行為をな す場合に紛争が発生したときの究極的な解決手段として法の支配に 基づき適正な行政の執行を確保することがめざされているのが代執 行訴訟制度である。そうであれば、原告たる国が違法な代用手段を 前置してなした行為を是正させ、法の支配を回復するには、訴権の 濫用との判断をなすべきである。

本訴は、かかる点から、代執行手続の申立権を濫用したものとし て違法というべきであり、代執行手続の各要件を充足しているかど うかの審査以前に却下されるべきである。

⑵ 裁判所が法の支配を貫くことこそ職責であり、公益にかなうこと ア 原告は、136頁にも及ぶ長大な訴状を作成し、本件承認取消

(31)

31

い。しかし、本件審査請求等及び本件執行停止決定がなかったか のように、あるいは本件訴訟とは全く無関係のものであるかのよ うに扱うことは、上述のとおり相当ではない。

裁判所が、上記の本件審査請求等及び本件執行停止決定が本訴 における手続と別個の手続であるから取り上げるに足りない、と する姿勢をとることは許されない。法の支配を実現することこそ 裁判所の本来の職責だからである。

イ 本件訴訟を却下することの公益上の不利益は存しないこと これに対し、裁判所が本件の訴えを却下したとしても、沖縄県 民の理解なくして辺野古への新基地建設は遂行し得ない、という だけにとどまる。そのことは、平成8年12月に県内移設条件付 での普天間飛行場返還合意がなされた時以降19年間にわたって これが実現しなかった状況に新たな変更が生じない、というだけ である。従って、裁判所が却下の判決をなしたとしても、新たに 公益上の不利益が生じたり、拡大したりというものでもない。国 たる原告には、本訴の認容判決を得なくても、この問題について 政治的に解決を図る責務が存するのである。

また、原告は、裁判所からかかる判決を受けたとしても、自ら 法を濫用したことに基づく結果であるからこれを受忍すべきは当 然であり、かかる結論を避けようとするのであれば直ちに自ら本 件執行停止決定を取り消せばすむことであり、原告に不相応な不 利益を与えるものではない。

裁判所はためらうことなく本訴を却下すべきである。

第3 「はじめに」ついて

(32)

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ということがある。)が公有水面埋立の承認(以下「本件埋立承認」 という。)をした事実、本訴訟の被告である翁長雄志沖縄県知事(以 下「現知事」ということがある。)が平成27年10月13日に本件 埋立承認の取消し(以下「本件埋立承認取消」という。)をした事実 は認め、その余は争う。

争う理由は、本答弁書の該当箇所及び別途提出する準備書面におい て述べる。

第4 請求の原因に対する認否 1 「1 事案の概要」について

⑴ ⑴ないし⑶は概ね認める。なお、本件埋立承認取消の理由は、訴 状別紙「取消処分の理由」のとおりである。

⑵ ⑷は争う。

2 「2 本件承認処分に至る事実経過」について

⑴「普天間飛行場及びキャンプ・シュワブの概要」について

「イ キャンプ・シュワブの概要」中「沖縄県名護市辺野古に 所在し」部分は、名護市辺野古のみに所在するとの趣旨であれば 否認し、その余は概ね認める。

⑵「本件埋立事業の概要」について

ア 「本件埋立事業による本件代替施設等の目的」について 普天間飛行場周辺の市街地化が進んだことのみを理由として

航空機騒音等の問題が顕在化しているとの主張であれば争う。 その余は概ね認めるが、海上に設置する部分をできる限り少

(33)

33

⑶ 「 辺 野 古 沿 岸 域 に 本 件 代 替 施 設 の 設 置 を 決 め た 経 緯 等 」 に つ い て

ア 第1段落について

普天間飛行場周辺の市街地化が進んだことのみを理由として航 空機騒音や航空機事故の危険性などの問題が顕在化しているとの 主張であれば争う。

イ 第2段落について

(ア)アついて 認める。 (イ)イについて

概ね認めるが、当時の稲嶺知事は、移設候補地の選定にあたって 「軍民共用空港とすること」、「米軍による施設の使用については 15年の期限を設けること」等の実現に関し具体的な方策が講じら れるよう求めている。また、岸本市長の受入表明は、前提条件が確 実に実施されるための明確で具体的な方策が明らかにされなければ 移設容認を撤回する旨が同時に示されたものであり、このような経 緯を踏まえて閣議決定された「普天間飛行場の移設に係る政府方針」 は、その後平成18年5月30日に沖縄県、名護市及び関係地方公 共団体との協議が十分になされないまま廃止されている。

(ウ)ウについて

概ね認めるが、平成14年7月29日には基本計画のほか、「代 替施設の使用協定に係る基本合意書」が締結されているが、「工事 着手までに代替施設の使用に係る措置の内容を明確に」するという 合意内容は履行されていない。

(34)

34 (オ)オについて

争う。列挙されたことのみを合意したものではない。

(カ)カについて 認める。

(キ)キについて

「在沖米軍再編に係る基本確認書」が額賀防衛長官と稲嶺沖縄県 知事との間で締結された事実は認めるが、「在日米軍の兵力構成見 直し等に関する政府の取組について」(閣議決定)が、県との協議 を十分経てなされたとの主張であれば否認する。

(ク)クないしコについて 認める。

⑷「普天間飛行場返還後の跡地利用計画の策定状況等」について 認める。

⑸「本件承認処分の経緯」について 認める。

3 「3 本件取消処分は、取消権を行使できる場合に当たらないこと」 について

⑴ ⑴について

原告は、第4段落以降において、行政処分の「公定力」、取消訴訟 の「排他的管轄」「不可争力」、行政事件訴訟法における「事情判決 」の制度(同法31条1項)、「執行不停止の原則」(同法25条1項) 、無効に関する判例法理を取り上げ、行政処分の特質と効力について 縷々述べる。

(35)

35

かる主張は、「本件処分は、取消権を行使できる場合には当たらない こと」との主張との関係での位置付けが不明である。

⑵ ⑵について

「授益的処分については、それが侵害処分になることから、処分に 法律上の瑕疵があるからといって直ちに取消すことが許されないこと はもちろん、当該処分を取消すことの公益上の必要が、その取消しに よって受ける関係者の不利益を受忍させなければならないほど重大な 場合や関係者の信頼を覆してもやむを得ない場合でなければならない 場合」にのみその取消しが許されることになるとの原告主張について 、処分の相手方が国の機関である場合にも妥当するとの主張であるな らば争う。

原告は、学説を引用し、職権取消しについて制限のあることを主張 するが、いずれも、処分の相手方が、「国民」「人民」であることを 前提とした説明であり、処分の相手方が国の機関である本件には妥当 しない。

なお、職権取消しが許されるのが、「極めて例外的に、より高いハ ードルを超えた場合」のみである旨の抽象的な基準は、原告独自の解 釈によるものにすぎない。

⑶ 認否の対象となるものではないが、公定力、取消訴訟の排他的管轄 の趣旨については、国(原告)の特異な解釈が示されているものであ ることを指摘しておく。

⑷ ⑷について 争う。

(36)

36

ない。原告は、「最高裁昭和43年判決の法理の本件へのあてはめ」と するが、上記理由により、同判決における規範を本件にあてはめ検討 を行うこと自体失当である。また、最高裁昭和43年判決は、職権に よる取消しを認めた事案である。

別途提出する準備書面においてさらに詳述する。

4 「4⑴ 法4条1項1号に適合するとの判断が適法であること」に ついて

⑴ 国(原告)の主張は、本訴訟における審理の対象を取り違えたも のである。

「被告のした本件承認処分が違法の瑕疵を帯びるのは、被告に 認められた裁量権の範囲を超え、又はその濫用があった場合に限ら れる。そして、このような行政庁の広範な裁量に委ねられている判 断の適否を裁判所が審査するに当たっては、当該判断が裁量権の行 使としてなされたことを前提として、その基礎とされた重要な事実 に誤認があること等により、重要な事実の基礎を欠くことになる場 合、又は、事業に対する評価が明らかに合理性を欠くこと、判断の 過程において考慮すべき事情を考慮しないこと等によりその内容が 社会通念に照らし著しく妥当性を欠いていると認められる場合に限 り、裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用したものとして違法とな るものと解するのが相当である(最高裁平成18年11月2日第一 小法廷判決・民集60巻9号3249ページ参照)。」とし、裁判 所が行政庁の判断を尊重すべきことを主張する。

(37)

37

本件は、埋立承認という行政行為が審理の対象となっているもの ではない。現沖縄県知事が行った、埋立承認取消という行政行為が 対象である。

裁判所が行政庁の要件裁量を尊重すべき対象は、現沖縄県知事に よる本件埋立承認取消である。

すなわち、審理の対象は、現沖縄県知事の判断について、「被告 のした本件埋立承認取消が違法の瑕疵を帯びるのは、被告に認めら れた裁量権の範囲を超え、又はその濫用があった場合に限られる。 そして、このような行政庁の広範な裁量に委ねられている判断の適 否を裁判所が審査するに当たっては、当該判断が裁量権の行使とし てなされたことを前提として、その基礎とされた重要な事実に誤認 があること等により、重要な事実の基礎を欠くことになる場合、又 は、事業に対する評価が明らかに合理性を欠くこと、判断の過程に おいて考慮すべき事情を考慮しないこと等によりその内容が社会通 念に照らし著しく妥当性を欠いていると認められる場合」に該当す るか否かである。

本訴訟における審理の対象については、別途準備書面を提出して 詳述する。

⑵ 「第1号要件に適合するとの判断に裁量権の逸脱・濫用がないこ と」、「被告の本件取消処分の理由に対する反論」は争う。

現沖縄県知事による本件埋立承認取消について、裁量の逸脱・濫 用がないことについては、別途準備書面を提出して詳述する。 5 「4⑵ 法4条1項2号に適合するとの判断が適法であること」に

ついて(82頁以下)

(38)

38

原告が環境影響評価手続として行ったとする手続の経過が所論の とおりである限りにおいて、認める。

⑵ 「イ「其ノ埋立ガ環境保全及災害防止二付十分配慮セラレタルモ ノナルコト」の意義」について

第1段落は認める。

第2段落のうち、「公有水面埋立実務ハンドブック」(甲B第8号 証)の記載、本件事業が環境影響評価法にいう第一種事業に該当す ること、公有水面埋立法(以下「公水法」という。)第33条4項 、3項の規定、2号要件の適合性審査には承認権者における裁量が 認められること、2号要件の審査には専門的技術的知見を踏まえた 判断が必要となることについては認め、その余は否認ないし争う。 ⑶ 「ウ 2号要件に適合するとの判断に裁量の逸脱・濫用がないこ

と」について

第1段落のうち、福岡高裁那覇支部平成21年10月15日判決 及び東京高裁平成24年10月26日判決の判示の限りで認める。 第2段落は否認ないし争う。

第3段落は認める。

第4段落は否認ないし争う。

⑷ 「エ 被告の指摘に対する個別の反論」について ア 「 (ア) 辺野古周辺の生態系について」」

(ア) 「a 環境保全施策との整合性について」 第1段落は認める。

第2段落は否認ないし争う。

第3段落は、当該事実経過が存するという限りで概ね認める。 第4段落は否認ないし争う。

(39)

39

第1段落は認める。

第2段落は否認ないし争う。

(ウ) 「c 事業者の生態系等の評価の問題点について」 a「(a) 定量的評価をしていないことについて」

第1段落は認める。

第2段落及び第3段落は認める。 第4段落は否認する。

第5段落は認める。

第6段落及び第7段落は否認ないし争う。

b「(b) 生態系と生態系のつながりについての評価について」 第1段落は認める。

第2段落ないし第4段落は否認ないし争う。 c「(c) 対象区域の表現等の問題点について」 第1段落は認める。

第2段落は否認ないし争う。

d「(d)多様な生物相への影響の予測について」 第1段落は認める。

第2段落ないし第4段落は否認ないし争う。 イ 「(イ) ウミガメ類について」

(ア) 「a キャンプ・シュワブ沿岸の産卵場所の評価について」 第1段落は認める

第2段落は否認ないし争う。

(イ) 「b ウミガメの産卵場所の創出について」 第1段落は認める。

第2段落は否認ないし争う。

(40)

40

第1段落は認める。

第2段落ないし第4段落は否認ないし争う。 ウ 「(ウ) サンゴ類について」

(ア) 「a 辺野古地域のサンゴ礁の価値の判断について」 第1段落は認める。

第2段落は否認ないし争う。

(イ) 「b サンゴの移植について」 a 「(a) サンゴ移植技術について」 第1段落は認める。

第2段落は否認ないし争う。 b 「(b) 移植先案について」 第1段落は認める。

第2段落は否認ないし争う。

c 「(c) 移植の事後調査期間について」 第1段落は認める。

第2段落及び第3段落は否認ないし争う。

(ウ) 「c 水象の変化によるサンゴ類への影響について」 第1段落は認める。

第2段落は否認ないし争う。 エ 「(エ) 海藻草類について」

(ア) 「a 消失する海草藻場について」 a 「(a) 予測評価について」

第1段落は認める。

第2段落ないし第5段落は否認ないし争う。

(41)

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第1段落は認める。

第2段落及び第3段落は否認ないし争う。

(イ) 「b 海草藻場の消失に対する代償措置について」 第1段落は認める。

第2段落は否認ないし争う。

(ウ) 「c 地形変化による周辺海域の海草藻場への影響について」 第1段落は認める。

第2段落は否認ないし争う。

(エ) 「d 工事による影響について」 第1段落は認める。

第2段落ないし第6段落は否認ないし争う。 オ 「(オ) ジュゴンについて」

(ア) 「a 工事(埋立土砂の調達・運搬のための航行)による影響に ついて」

第1段落は認める。

第2段落ないし第4段落は否認ないし争う。

(イ) 「b 施設の存在による影響について」 a 「(a)について」

第1段落は認める。

第2段落ないし第6段落は否認ないし争う。 b 「(b)について」

第1段落は認める。

第2段落及び第3段落は否認ないし争う。 c 「c 施設の供用による影響について」 第1段落は認める。

(42)

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カ 「(カ)埋立土砂による外来種の侵入について」(120頁以下)

(ア) 第1段落について 認める。

(イ) 第2段落について

公有水面埋立実務便覧257頁の記載は認めるがその余は否認ない し争う。理由は第2準備書面で具体的に記載する。

(ウ) 第3段落について

原告の環境保全措置の内容については認めるが、実施可能な範囲で 具体的な環境保全措置を講じている旨の主張は争う。

キ 「(キ)航空機騒音・低周波音について」(121 頁以下)

(ア) 「a 使用を予定する航空機の種類の記載について」 a 第1段落について

認める。

b 第2段落について

オスプレイは着陸時を除いて飛行全般に渡り CH-46 より騒音レ ベルが低いとの主張は否認する。原告の指摘はA音圧特性重みづけ

(㏈(A))の場合における特定の飛行モードに関するものに過ぎない。 また、航空機の種類の記載が任意との主張は否認する。原告自らが、 環境影響評価法の対象事業である埋立事業と、沖縄県環境影響評価 条例の対象事業である飛行場事業に係る手続きを併せて行うとし、 方法書段階から、埋立事業と飛行場事業の事業内容を併せて記載し てきたものであり、両手続きは一体である。にもかかわらず今更に なって、これを否定することは背理である。

その余は概ね認めるが、MV-22 オスプレイ換装の公表が平成 23

(43)

43

c 第3段落について

第1文は認め、その余は否認ないし不知。原告が平成 23年6月 よりも早い段階から配備されることを分かっていたことは明らかで あり、米軍との調整の上で必要なデータを取得することが出来なか ったとは到底受け入れ難く、当然評価の対象と出来なかったとの主 張もあり得ない。

d 第4段落について 争う。

(イ) 「b 米軍による航空機運用への規制措置について」 a 第1段落について

認める。

b 第2段落について

第1文は事実としては認めるが、現実に安全性が確保されるとの趣 旨であれば否認する。理由は第2準備書面で具体的に記載する。 第2文は否認する。理由は第2準備書面で具体的に記載する。

第3文は形の上で必要な協議を実施するとされていることは認める が、実施可能な範囲で具体的な環境保全措置を講じている旨の主張は 争う。

(ウ) 「c 飛行経路の予測について」 a 「(a)飛行経路について」

(a) 第1段落について 認める。

(b) 第2段落について

(44)

44

争う。

第2文について、事実は認めるが航空機が米軍の設定する飛行経路 を飛行する可能性が高いとの主張は争う。原告の主張は普天間の現状 を踏まえない不当な主張である。

第3文について、平成 18年5月の安全保障協議委員会においてV 字型案が合意された事実は認めるが、その余は否認する。理由は第2 準備書面で具体的に記載する。

第4文は否認。理由は第2準備書面で具体的に記載する。

第5文について、コースのばらつきを取り入れた計算が行われてい ることは認めるが、国の実施可能な範囲で十分に合理的な予測となっ ているとの主張は争う。

b 「(b)場周経路の設定について」

(a) 第1段落について 認める。

(b) 第2段落について

第1文ないし第3文については既に認否した。

第4文は否認する。ここで言う想定外とは漫然と米軍の飛行経路を前 提とするのではなく、普天間飛行場の現状や辺野古新基地の状況を踏ま えた現実性ある予測・評価を行うべきという趣旨であり,考え得るあら ゆる飛行経路を想定することを求めているのではない。

c 「(c)施設間移動について」

(a) 第1段落について 認める。

(b) 第2段落について 第1文は認める

(45)

45 (エ) 「d 運用回数の予測について」 a 第1段落について

認める。

b 第2段落について

第1文の事実は認めるが、飛行回数を振り分ける必要がないとの主 張は争う。

第2文について騒音発生回数が平成8年度のものを採用しているこ とは認めるが、その余は否認ないし争う。準備書面2のとおり、沖縄 県は普天間飛行場の現状や辺野古新基地の状況を踏まえた現実性ある 予測・評価を行うべきという趣旨であり,考え得るあらゆる飛行経路 を想定することを求めているのではない。

c 第3段落について

第1文について平成8年に騒音防止協定が締結された事実は認める が、米軍が騒音の影響を軽減するよう最大限努力しているとの主張は 争う。

第2文は争う。

(オ)「e オスプレイの基礎データについて」 a 第1段落について

認める。

b 第2段落について

環境保全図書にグラフが記載されていることは認めるが,その余 は否認ないし争う。理由は第2準備書面で具体的に記載する。 (カ) 「f 騒音影響の評価基準について」

a 第1段落について 認める。

(46)

46

第1文は認める。

第2文のうち沖縄県環境影響評価技術指針の記載は認めるが、環境 影響評価技術指針に鑑みて WECPNL 単体での評価を行ったことが妥 当であるとの主張は争う。理由は第2準備書面で具体的に記載する。 c 第3段落について

争う。

d 第4段落について

LAmaxの定義については認めるが、その余は争う。理由は第2準 備書面で具体的に記載する。

(キ) 「g 低周波音の影響評価の問題について」 a 第1段落について

認める。

b 第2段落について

第1文及び第2文は否認ないし争う。準備書面2のとおり、閾値 として物的影響については環境省の手引書を使用しながら、心理的・ 生理的影響については環境省の手引書を使用せず、かつ、その閾値は 感度の悪い人を基準とした環境省の手引書よりも 10㏈以上も緩い数 値であり、恣意的に基準を使い分けたものである。なお、環境基準は 制定されていないが、既に普天間爆音訴訟において低周波音が人体に 悪影響を与えることは裁判上も認められており、国の規制の遅れを言 い訳にすることは出来ないことは明らかであり本件環境保全図書に おいては環境省の手引書を評価基準とすべきである。

第3文及び第4文は、国が独自の閾値を設定したものではないとの 主張は争い、その余は不知。

(47)

47 (ク) 「h まとめ」について 争う。

⑸ 「オ 小括」について(訴状130 頁) 争う。

6 「⑶ その余の要件該当性の判断にも不合理な点はないこと」につい て(訴状 130 頁以下)

争う。

7 「⑷ 結論」について(訴状 131 頁) 争う。

8 「5 代執行訴訟の要件」について(訴状 131 頁以下)

⑴ 「⑴ 地方自治法 245 条の8第1項の是正の勧告」について ア 「ア 都道府県知事の法定受託事務の管理若しくは執行が法令の

規定に違反すること」について (ア) 第1段落について

認める。

(イ) 第2段落について

否認する。理由は各準備書面における該当箇所のとおりである。 イ 「イ 地方自治法 245 条の8第1項から8項までに規定する措置

以外の方法によってその是正を図ることが困難であること」につい て

(ア) 第1段落について

認める。法定受託事務として知事に託された以上これを他の機 関が取消す権限を持たないことは当然である。

(イ) 第2段落について

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