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15- I- 0065 201 6 年 2 月 1 日
株式会社日本格付研究所(J C R)は、以下のとおり信用格付の結果を公表します。
イ
ン
ド
ネ
シ
ア
共和国
(証券コード:−)【据置】
外貨建長期発行体格付 BBB−
格付の見通し 安定的
自国通貨建長期発行体格付 BBB
格付の見通し 安定的
債券格付 BBB−
■ 格付事由
(1) 格付は、消費主導の底堅い経済成長、抑制された財政赤字幅と公的債務水準、比較的健全な銀行のバラン スシート、対外ショックへの一定の耐性などを評価している。他方、格付は、依然として高い一次産品輸 出への依存と一次産品価格の低迷、規模が大きくボラタイルな民間資本流入、成長の妨げになりうる不十 分なインフラや経済に比較して規模が小さい金融システムなどに制約されている。インドネシア経済は、 一次産品価格の下落や中国経済の成長鈍化、米国の金利引上げ前後の市場センティメントの揺れなど、対 外経済環境の悪化に晒されており、15 年は経済成長が 5%以下に鈍化し、為替レートが減価するなど、一 定のストレスがかかっている。これに対して、政府は財政・金融政策や累次の「景気浮揚策」を策定する など、迅速に対応している。足元、外貨準備は減少しているものの、依然 1, 000 億ドルを超える水準にあ り、為替レートの減価や経済成長の鈍化にもかかわらず銀行部門の健全性は総じて保たれている。これら を踏まえて、格付を据置き、見通しを安定的とした。J C R は、インフラ整備の加速、投資環境の改善、行 政手続きの簡素化・迅速化、租税措置による企業投資拡大など、これまでに打ち出された各種のイニシア チブを政府が実施してゆくことが、マーケットにおける信認の維持及び中長期的な経済成長の確保のため に重要であるとみており、今後の展開を注視していく。
(2) インドネシアは、14 年現在、名目 GDP8, 683 億ドル、一人当たりGDP は3, 630 ドルで、人口 2. 5 億人超 (世界 4 位)を擁する島嶼国国家である。パーム油や石油・石炭・天然ガスなどの天然資源への依存度が 高く、14 年時点で、GDP の 14%を農林漁業が、11%を鉱業が占めており、輸出の 6 割が一次産品である。 比較的高い人口増加率(04−14 年平均 1. 4%)を背景に内需主導型の経済成長を実現しており、10−12 年は継続して 6%以上の成長率を記録した。13 年以降、対外経済環境の悪化などを背景に企業投資や住宅 建設が低迷、15年に入って四半期前年同期比の実質GDP成長率が 3 四半期連続で4. 7%を記録、経済の 減速が強く意識された。政府は 15 年 8 月の 6 閣僚交代以降、経済政策重視のスタンスを強め、15 年 9 月 から 16 年1 月までに9 次にわたる「景気浮揚策」を発表し、積極的に構造改革を推進している。これに は、①規制緩和を実現するための各種行政許認可手続きの簡素化・迅速化②企業投資を促進するための各 種減税措置③国民の購買力を維持するための政策(非課税対象の調整、エネルギー価格の引き下げ)④輸 出産業・中小企業に対する金融支援の拡充、などの構造改革措置が含まれている。これらの措置によりビ ジネスの障壁となっている規制を撤廃し投資を促進することは、長期的に経済成長を実現するために重要 な施策であると J CR は考える。
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維持している。中央銀行は、14 年末に、民間企業の外貨建対外借入に関し、ヘッジや流動性の比率に関 する規制を新たに導入し、企業部門の為替相場の変動に対する耐性を高める政策を実施している。インド ネシアの経済・金融面での安定性をさらに高めるには、柔軟な為替制度を通じてボラタイルな資本流入の 影響を吸収することが必要である。そのためには、為替レートの変動に対する企業部門の耐性をさらに強 化することが不可欠であり、J C R はこの進展を注視してゆく。
(4) 財政政策面では、14 年 10 月に発足したジョコ・ウィドド政権は、15 年 1 月に長年の懸案であった燃料補 助金制度の改革を実現。これに加え、原油価格が低下し当初の予算前提 105 ドル/ バレルが実態にそぐわ なくなったことなどを踏まえて、15年 2月に原油価格の前提を 55ドル/ バレルに引き下げる予算補正を 実施した。補正予算では、燃料補助金改革で生じた余裕の一部を活用してインフラ整備のための公共事業 を拡大しつつ、財政赤字を当初予算の GDP比 2. 15%から 1.9%に縮小させる内容となっていた。16 年 1 月に政府は、15 年の中央政府財政赤字は対 GDP 比で 2.56%となり予算目標を超過したと発表した。一次 産品価格の低迷および景気減速に伴い歳入が予算の目標に届かなかったことが、財政赤字拡大の主因とみ られる。15 年末の公的債務残高も GDP 比で 27%と報道されており、依然として抑制された水準にある。 16 年の予算は 50 ドル/ バレルの原油価格を前提として、GDP 比 2. 2%の中央財政赤字を想定しているが、 一次産品価格の回復には時間を要すると考えられ、市場での信認を維持するためには、必要に応じて歳出 を抑制し財政規律を維持してゆくことが必要とみられる。
(5) 国際収支面では、中国経済の減速や一次産品価格の下落に伴い輸出数量の減少と輸出価格の下落が生じて いる。13 年以前は中国による石炭の輸入が急速に増え、価格面でも上昇していたため金額が増加し、輸 出に占める一次産品の比率は上昇傾向にあった。14 年以降、石炭価格の下落と中国の輸入の減少により 一次産品の輸出金額は減少している。輸出金額の 4 割を占める工業製品については、ルピア安の進行にも かかわらず大きくは増加していない。投資の低迷を背景に輸入は減少しており、この結果、経常収支の赤 字は 14 年の GDP 比 3. 1%から 15 年は縮小したとみられる。外国直接投資は流入が続いているが、経常収 支赤字の規模には届かない水準であり、米国の金利引き上げ決定で新興市場国向けの資金が高いボラティ リティを示す中で、インドネシアも証券投資の流入動向に影響を受けやすい状況が続いている。14 年初 頭以降、ルピアの為替レートには継続的な減価圧力がかかっており、外貨準備は 15 年中は減少傾向にあ った。外貨準備の水準は 15 年 12 月末現在 1, 059 億ドル、公的対外債務および企業の対外債務の水準は抑 制されており、依然としてバッファーは大きい。15 年 9 月には中央銀行が「為替レート安定化策」を発 表し、外貨流動性の管理強化や先物為替市場への介入を実施して、為替レートの安定化を図るスタンスを 明らかにしている。他方、中央銀行は 16年 1月に政策金利を25bp 引き下げて 7. 25%とし、景気を下支 えするスタンスを明らかにした。金融政策の運営にはマクロ経済・金融面の安定性の維持と景気の下支え をにらんで適切なバランスを保つことが求められている。J C Rは、今後の資本移動や為替レートの動向な らびに当局の政策運営について、注視してゆく。
(担当)増田 篤・仲川 聡
■ 格付対象
発行体:インドネシア共和国 (R epublic of Indonesia) 【据置】
対象 格付 見通し
外貨建長期発行体格付 BBB- 安定的 自国通貨建長期発行体格付 BBB 安定的
対象 発行額 発行日 償還期日 利率 格付
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格付提供方針に基づくその他開示事項
1. 信用格付を付与した年月日:2016 年 1 月 27 日
2. 信用格付の付与について代表して責任を有する者:藤本 幸一
主任格付アナリスト:増田 篤
3. 評価の前提・等級基準:
評価の前提および等級基準は、J C R のホームページ(http:/ / www. jcr. co. jp)の「格付方針等」に「信用格付の種類
と記号の定義」(2014 年 1 月 6 日)として掲載している。
4. 信用格付の付与にかかる方法の概要:
本 件 信 用 格 付の 付 与 にか か る方 法 の 概 要 は、 J C R の ホ ー ムペ ー ジ ( http:/ / www. jcr. co. jp) の 「 格 付 方針 等 」 に 、
「ソブリン・準ソブリンの信用格付方法」(2014 年 11 月 7 日)として掲載している。
5. 格付関係者:
(発行体・債務者等) インドネシア共和国 (Republic of Indonesia)
6. 本件信用格付の前提・意義・限界:
本件信用格付は、格付対象となる債務について約定通り履行される確実性の程度を等級をもって示すものである。
本件信用格付は、債務履行の確実性の程度に関しての J C R の現時点での総合的な意見の表明であり、当該確実性
の程度を完全に表示しているものではない。また、本件信用格付は、デフォルト率や損失の程度を予想するもので
はない。本件信用格付の評価の対象には、価格変動リスクや市場流動性リスクなど、債務履行の確実性の程度以外
の事項は含まれない。
本件信用格付は、格付対象の発行体の業績、規制などを含む業界環境などの変化に伴い見直され、変動する。ま
た、本件信用格付の付与にあたり利用した情報は、J C R が格付対象の発行体および正確で信頼すべき情報源から入
手したものであるが、当該情報には、人為的、機械的またはその他の理由により誤りが存在する可能性がある。
7. 本件信用格付に利用した主要な情報の概要および提供者:
・ 格付関係者が提供した経済・財政運営方針などに関する資料および説明
・ 経済・財政動向などに関し中立的な機関が公表した統計
8. 利用した主要な情報の品質を確保するために講じられた措置の概要:
J C R は、信用格付の審査の基礎をなす情報の品質確保についての方針を定めている。本件信用格付においては、
発行体または中立的な機関による対外公表、または担当格付アナリストによる検証など、当該方針が求める要件を
満たした情報を、審査の基礎をなす情報として利用した。
9. 非依頼格付について:
本件長期発行体に関する信用格付は格付関係者からの依頼に基づかない信用格付である。国に対する信用格付で
ある場合を除き、依頼に基づく格付と区別するため格付記号の後に「p」を表示している。格付関係者からは、信用評
価に重要な影響を及ぼす非公表情報を入手している。
10.J C R に対して直近 1 年以内に講じられた監督上の措置:なし
■留意事項
本文書に記載された情報は、J C Rが、発行体および正確で信頼すべき情報源から入手したものです。ただし、当該情報には、人為的、機械的、また
はその他の事由による誤りが存在する可能性があります。したがって、J C Rは、明示的であると黙示的であるとを問わず、当該情報の正確性、結果、
的確性、適時性、完全性、市場性、特定の目的への適合性について、一切表明保証するものではなく、また、J C Rは、当該情報の誤り、遺漏、また
は当該情報を使用した結果について、一切責任を負いません。J C R は、いかなる状況においても、当該情報のあらゆる使用から生じうる、機会損失、
金銭的損失を含むあらゆる種類の、特別損害、間接損害、付随的損害、派生的損害について、契約責任、不法行為責任、無過失責任その他責任原因
のいかんを問わず、また、当該損害が予見可能であると予見不可能であるとを問わず、一切責任を負いません。また、J C Rの格付は意見の表明であ
って、事実の表明ではなく、信用リスクの判断や個別の債券、コマーシャルペーパー等の購入、売却、保有の意思決定に関して何らの推奨をするも
のでもありません。J C Rの格付は、情報の変更、情報の不足その他の事由により変更、中断、または撤回されることがあります。格付は原則として
発行体より手数料をいただいて行っております。J C Rの格付データを含め、本文書に係る一切の権利は、J C Rが保有しています。J C Rの格付データ
を含め、本文書の一部または全部を問わず、J C R に無断で複製、翻案、改変等をすることは禁じられています。
■NR S R O 登録状況
J C R は、米国証券取引委員会の定める NRSRO(Nationally Recognized Statistical Rating O rganization)の 5 つの信用格付クラスのうち、以下の 4 クラ
スに登録しています。(1)金融機関、ブローカー・ディーラー、(2)保険会社、(3)一般事業法人、(4)政府・地方自治体。米国証券取引委員会規則
17g-7(a)項に基づく開示の対象となる場合、当該開示はJ C Rのホームページの“ Rating Information” (http: / / www. jcr. co. jp/ english/ top_cont/ rat_info01. php) に掲載されるニュースリリースに添付しています。
■ 本件に関するお問い合わせ先