流通業の二酸化炭素削減
松藤 司
対象学年●小学 4 年以上 2 時間 年度版2012
テキスト
013 流通業
ごあいさつ
最新環境教育(二酸化炭素(CO2)等)授業用テキストシリーズは、2005 年に発刊されるやいなや全 国に広がりました。津々浦々の教室で、テキストに基づく授業がなされ、たくさんのドラマが生まれま した。子どもたちの感想は、「おどろき」に満ちたものでした。「日本の技術がこんなにすごかったこと をはじめて知った」「日本人であることを誇りに思った」「たくさんの技術者の努力がすごいと思った」…。
日本の子どもたちは、日本の技術者の二酸化炭素削減への努力を知ることにより、日本人であるこ とを誇りに思ったのです。このような授業は、これまであまりありませんでした。
テキストシリーズを作って7年が経ちました。その間も、日本の技術は進歩しています。地球温暖 化対策など環境をめぐる国際情勢も大きく動いています。
日本企業は、すでに省エネルギー技術の開発で実績をあげ、世界で最高水準のエネルギー効率を達 成しており、我が国の二酸化炭素排出量はアメリカや中国に比べて相当に低いレベルにあります。
オリンピック競技に例えたら、日本は 100 mを 10 秒フラットで走っているのに、アメリカ、中国は、 100 mを 10 数秒で走っている、20 秒で走っている状態と言えます。
京都議定書は、こうした世界各国の違いを考慮に入れず、削減目標を設定しました。日本は、100 m 10 秒フラットをさらに縮めて9秒4にしなければならないというように、非常に厳しい条件となり ました。
こうした厳しい条件の中で、日本企業は、さらに効率を改善して二酸化炭素の排出を抑制する努力 をしてきました。
環境問題という地球全体に関わるテーマについて、その途中過程を「授業化」し、多くの子どもたち に正しく伝えるのは、教師の大切な役目だと思います。TOSS の各教科の専門家が全国から集まり、日 本を代表する多くの企業の専門家や研究者と連携をとりテキストを作成しました。
今回の改訂においても、多くの方の協力をいただきました。
今後も全国各地で授業がなされ、「日本の努力」「日本の前進」「これからの課題」について、子どもた ちが理解してくれたらと思います。
最新環境教育研究会代表 TOSS 代表 向山洋一
最新環境教育(二酸化炭素(CO
2)等)授業テキスト指導案
(P.6)
3.流通業で出る二酸化炭素を減らすには
(1)環境にやさしい商品を売る
指示5 流通業がどのようにして二酸化炭素を減らす努力をしているのか、見ていきましょう。 指示6 (1)をみんなで読みなさい。((1)環境にやさしい商品を売る
〈問題4〉
下のマークとその名前を線で結びましょう。
指示7 ヒントを読んで考えよう。相談してもいいよ。 指示8 答え合わせをしましょう。
[2 時間目]
(P.7)
(2)商品を運ぶときに出る二酸化炭素を減らす
〈問題5〉
自動車で荷物を運ぶトラックなどが、荷物の積みおろしをするとき、エンジンを切ることを何といいま すか。□に書きましょう。
指示9 説明を読んでみましょう。
(P.8)
(3)二酸化炭素を出さない販売方法
〈問題6〉
食品スーパーなどでは、なるべく二酸化炭素を出さないよう、いろいろ努力しています。下の写真の
①〜②は、その例です。それぞれどのような効果があるのか、考えて□に書きましょう。
指示 10 下の説明を読んでみましょう。
(P.9)
(4)資源をたいせつにする
〈問題7〉
食品スーパーなどで、右のようなカードが置かれているところがあります。このカードは、どのよう なときに使いますか。考えて□に書きましょう。
指示 11 説明を読んで□に書きなさい。
(P.10 〜 11)
指示 12 小売店の絵を見てわかったこと、気がついたこと、思ったことを発表してみましょう。 授業の感想を書く。
指示 13 最後のページに学習した感想を書いてごらんなさい。
[1 時間目]
(P.2) 1.流通とは タイトルを読む。
〈問題1〉
下のうすい文字をなぞりましょう。
指示1 なぞってからもう一度読んでみましょう。
(P.3)
2.商品の流れと二酸化炭素の発生
〈問題 2〉
生産者から消費者までの商品の流れはおおよそ以下のとおりです。
二酸化炭素は、その流れのどこで発生するでしょう。ここだと思うところをチェック( )して みましょう。
発問 1 小売業にはどんなものがありますか。(P.3 に書いてあることを発表させる)
商品の流れを解説する。図を見て簡単に説明する。 指示 2 「卸売業とは」のところを全員で読みなさい。 指示 3 みんなで問題2を読みなさい。
指示 4 二酸化炭素が発生するところに赤で をつけてごらん。(ヒントを参考にしてテキストに書く) 発表する。
(P.4)
答えあわせをする。
まとめを教師が読んであげる。
(P.5)
グラフの基本的なことを聞く。 発問 2 タイトルは何ですか。 発問 3 出典は何ですか。 発問 4 横軸は何ですか。 発問 5 縦軸は何ですか。
2/授業テキスト指導案 授業テキスト指導案/ 3
1. 対象学年: 小学 4 年生以上(2時間)
(注意)この授業は、二酸化炭素(CO2)は地球温暖化に大きな影響を与えていることを学習した後で行う。 したがって、前時までにテキスト基礎編「地球温暖化と二酸化炭素」をやっておくこと。
主な発問・指示
電気の使用量は減って増えて、また減っている。二酸化炭素を出す量は、だんだん増えているが、最近 少し下がってまた少し増えている。
〈問題 3〉
小売店では、お店の照明や冷暖ぼう、肉や魚を冷やすための冷とう・冷蔵ケースなどで電気を使う ので、二酸化炭素が出ます。下のグラフは、おもに総合スーパーや食品スーパーで使われる電気の 量と出る二酸化炭素の量を示しています。どのように変化していますか。□に書きましょう。
4/授業テキスト指導案
【発展学習】
近くのスーパーやコンビニに行って、学習したことを確かめてみましょう。
もしインタビューできるのなら、お店の人にお話をうかがいましょう。
事前に電話などでインタビューしていいかどうか確認することが大事です。