入門物理学 B 2017/10/12
入門物理学 B
第 4 回 (10/12) 光の散乱・波
・光の屈折 (レンズ)
・光の分散
・光の散乱
・波とは (波の用語、波の基本式、横波と縦波)
法政大学 市ヶ谷リベラルアーツセンター兼任講師 福川 賢治
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2017/10/12 入門物理学 B
凸レンズによる実像 (屈折式望遠鏡の原理)
E
焦点F1 焦点距離 f
焦点F2 G
焦点距離 f C
D
Hi Si
So A
B Ho O
倒立実像
① レンズの軸に平行な光は焦点 F1を通る
② レンズの焦点F2を通った光は、軸に平行に進む
③ 光軸を通る光はそのまま直進
※ レンズを薄いとした時は、 レンズは円盤とみなして、 中心で一回だけ屈折すると 近似して良い。
像の位置と倍率
△ ABF2 と △ GOF2 は相似なので、Hi/Ho = f/So (像の倍率)
△ CDF1 と △ EOF1 は相似なので、Hi/Ho = Si/f
従って、f/So = Si/f なので、So Si=f2
※ この式で、BO = a = So+f, OD = b = Si+f として変形すると、 レンズの公式 1/a + 1/b = 1/f が導ける。
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凸レンズによる虚像 (虫めがねの原理)
焦点F1 焦点距離 f
焦点距離 f
焦点F2
So E
G H
i
C
D
Si
Ho
物体を焦点距離よりも近くに置くと、 物体 AB が拡大されて
正立虚像 CD ができる
人間の目が疲れることなしに見る
ことのできる距離を明視距離 とよぶ。 (個人にもよるが、25 ̶ 30 cm 位) 明視距離 を d とすると、大体
Si = d+f なので、 (※)の関係式を用い
Hi/HO= (d+f)/f=d/f+1
従って、焦点距離が小さい方が 倍率が高い。
像の位置と倍率
△ ABF1 と △ EOF1 は相似
Hi/Ho = f/So
△ CDF2 と △ GOF2 は相似
Hi/Ho = Si/f …(※)
従って、f/So=Si/f なので、SoSi=f2
A B O
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F2 A
B
Ho
F1
So
D C
Hi
Si
G O f
E f
凹レンズでは
2つの焦点が果たす役割が凸レンズの場合の逆になる 凹レンズでは元の物体より小さな正立虚像ができる。 像の位置と倍率
△ ABF2 と △ GOF2 は相似なので、Hi/Ho = f/So
△ CDF1 と △ EOF1 は相似なので、Hi/Ho = Si/f
従って、f/So = Si/f なので、So Si=f2
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凹レンズによる虚像
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対物レンズ(凸レンズ) 接眼レンズ (凸レンズ)
ケプラー式望遠鏡
構造は顕微鏡と同じ (対物レンズによる実像を接眼レンズの焦点のすぐ内側に作る) 対物レンズの口径距離が大きく(光を集める)、焦点距離が長い (実像を大きくする)
Johannes Kepler (1571 - 1630)
天体物理学の先駆者
画像は Wikipedia より
筒の長さは大体
(対物レンズの焦点距離)
+(接眼レンズの焦点距離)で決まる
大型化すると対物レンズでの透過率が落ちる
➡小型望遠鏡でよく使われる
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ガリレオ式望遠鏡
対物レンズ(凸レンズ) 接眼レンズ(凹レンズ)
長所 倒立ではなく、正立の像が得られる。
短所 倍率を高くしようとすると、視野が狭くなってしまう。 (歴史) 1608年10月ハンス・リッペルスハイが望遠鏡を発明 翌年ガリレオが、原理を考え望遠鏡を自作
→ 木星の衛星、月のクレーターや太陽の黒点、天の川などを観測 (望遠鏡での世界初の天体観測)
Galileo Galilei (1564-1642)
画像は Wikipediaより引用
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レンズの応用
1. カメラ
カメラは凸レンズで光を集める。 また、凸レンズを前後に動かすこと によってピントを合わせる。
2. 人間の眼
眼に入ってくる光は、
① まず角膜表面で屈折し (屈折力の 2/3 程度)、
② 水晶体の厚さを調節し、
網膜に像が結ばれる。(屈折力の 1/3 程度) 近視の人は水晶体による屈折作用が強すぎ、 遠視の人は屈折作用が弱すぎる。
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画像は Wikipedia より引用
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プリズムなどに光を通して屈折させると、光は広がりを見せることが分かる 色によって曲がり具合 (= 屈折率) が違う
光の分散
アイザック・ニュートン
画像はともに Wikipedia より
虹の色の順番に並ぶが、このように並べたものを光のスペクトルと呼ぶ 光がスペクトルに分かれる現象は分散と呼ばれる。
クラウンガラスの屈折率 (数字は PSSC 物理より引用)
色 紫 青 緑 黄 橙 赤
屈折率 1.532 1.528 1.519 1.517 1.514 1.513
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光の分散 (続き)
左のスリット x で絞った光はほぼ同じ色になっているので、 右のプリズム F を通しても光が広がらない。
ニュートンの二重スリット実験 (ニュートンの主著「光学」より)
画像は Wikimedia Commons より https://commons.wikipedia.org/wiki/
File:NewtonDualPrismExperiment.jpg?uselang=ja
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光の分散の応用例(1) 虹
主虹 (下) と副虹 (上) では色の並びが逆。画像は Wikimedia commons 「虹 (英語版)」より、
Photo by Lauri Kosonen, (22 Aug 2007), CC-BY-SA 3.0 赤 42 度 (上側) 紫 40 度 (下側)
赤 50 度 (下側) 紫 54 度 (上側)
主虹
副虹
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光の分散の応用例(2) 色収差
実際の光線の経路は、理想的に書いてきた光線の経路とは少し異なり、 その結果像にぼやけ、歪み、色づき等が生じる(収差)。
様々な収差があるが、ここでは色収差を紹介する。
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色収差 … 光の色により屈折率が異なる (分散) ため、紫色の光は赤色の光よりも近くで焦点 を結ぶ (左図上)。
大型望遠鏡では、レンズを用いる屈折式望遠鏡 でなく鏡を用いて光を集める反射型望遠鏡を 用いる理由となっている。
色消し …
屈折率と分散が異なるレンズの組を使って 色収差の影響を少なくする (左図下)
画像はWikipedia 「色収差」から引用
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光の散乱 (1)
(問) 宇宙の写真を見ると太陽があるのに真っ暗なのはなぜ?
(実験) 石鹸水と普通の水にレーザーを当ててみる
レーザー光は果たして見えるか? (チンダル現象)
注意: レーザー光は ① 直接見ない、② 人に当てない
ようにしましょう !!
(エネルギー出力が高いので失明の恐れがある)
(答) 太陽の光を反射する物体がほとんど無いため
(光はまっすぐ通過し、私たちの目には入らない)
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石鹸水中で光が見えるのは石鹸分子が集まってできる
コロイド粒子が光を四方八方に拡散するためである (光の散乱) 木漏れ日や雲の間から射す「光の筋」も、
小さなチリや水滴による光の散乱の例
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光の散乱 (2) レイリー散乱
なぜ昼の空は青く、夕焼けは赤いのか?
実は光は非常に細かい波であり、
赤い方が青い光よりも波長が長い(後述)ので、
粒子の間をすり抜けやすい (= 散乱が起こりにくい)
昼 昼: 太陽光が大気圏を通る距離が短く、
赤い光は散乱せずに地上に到達し、 見えない
夜:太陽光が大気圏を通る距離が長く、 青い光は散乱を繰り返し、
光が弱くなり見えなくなる
夕方
大気
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