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平成23年度 原子核物理学

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Academic year: 2018

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(1)

原子核の発見

https://sites.google.com/site/genshikakubutsurigaku/

(2)
(3)

原子核が人の大きさ程度だとすると。。。

原子:  山形市 (~20 km) 原子核: バランスボール (1 m)

陽子・中性子: ソフトボール (10 cm)

電子・クォーク: 花粉以下 (< 0.1 mm)

http://www.cpepweb.org/images/chart_details/Structure.jpg

原子・原子核・核子(陽子・中性子)・クォーク

(4)

10 km

ネットでの拾い物(http://blog.img-flow.com/2009/05/26/balanceball/)

(5)

+

原子核の発見

原子の構造(20世紀の初め。今からおよそ100年前。) 負電荷をもつ電子が存在する

全体で中性電荷となるためには、正電荷をもつ粒子が必要

トムソン模型 (1903) 長岡模型(1904) ラザフォード模型(1911)

+ +

- -

- -

- -

- -

- -

- -

1913年 ボーアの原子模型へと発展: 量子力学の誕生

(6)

ラザフォード模型・ラザフォードの実験とは?

実際に実験を行ったのはガイガーとマースデン(1911年)

ラザフォードはその実験結果についてラザフォード原子模型による解釈をこころみた

シンチレータ(蛍光物質)

硫化亜鉛(ZnS)シンチレータ (蛍光塗料の材料)

アイソトープ手帳 10版より

例)硫化亜鉛シンチレータの蛍光

アルファ線 4.784 MeV

アルファ線 5.490 MeV

アルファ線 金箔

コリメーター

シンチレータ

(蛍光物質)

ラジウム

遮蔽板

望遠鏡

(7)

アルファ線の散乱

http://sciwood.com/index.html

「サイエンスの森」より

(8)

霧箱

 飽和蒸気中を放射線が通過する。

 放射線の「電離作用」によって、陽・陰イオンができる。

 出来たイオンが「核」となって霧が発生する。

飛行機雲

(9)

ウィルソン霧箱

1927年

アーサー・コンプトン 光の粒子性を示すコンプトン効果の発見

チャールズ・ウィルソン 蒸気の凝縮により荷電粒子の飛跡を観察できるようにする方法

(霧箱)の研究

もともとは気象現象解明を目指した研究。 「蒸気の凝結」 X線が凝結を促すことを発見。霧箱の発明(1895年)

アルコール等が封入された密閉容器の体積を急に変化させる

→ アルコールの「過飽和状態」をつくる

→ 『過飽和状態』上空の大気と同じような状態

→ なんらかのきっかけで「気体」は「水滴」に凝結する アルファ線、ベーター線等の放射線、それから放射線を利用した 研究に利用された。

(10)

エネルギーの単位(電子ボルト eV)

CERN-LHC 7 TeV 陽子 * 7 TeV 陽子 FNAL-テバトロン 1 TeV 陽子 * 1 TeV 反陽子

DESY-HERA 980 GeV 陽子 * 27.6 GeV (陽)電子

BNL-RHIC 100 GeV 陽子 * 100 GeV 陽子 (250 GeV 陽子) J-PARC 50GeV 陽子

KEK-Belle 8 GeV 電子 * 3.5 GeV 陽電子 Spring-8 8 GeV 電子

東北大学・核理研 1.2 GeV 電子 筑波・タンデム加速器 20MeV 陽子等

アルファ線 数 MeV

ベータ線         < 1MeV

ガンマ線 数十 keV~MeV

TeV (テラeV、テブ)  =1012 eV GeV (ギガeV、ジェブ) =10 eV MeV (メガeV、メブ) =10 eV KeV (キロeV、ケブ) =10 eV 電子

荷電粒子の加速:  基本的には電位差による加速 電子1つを1Vの電位差で加速させる

1電子ボルト (エレクトロンボルト、 electron volt、 eV ) 1 V

1Vの定義

導体の二点間を1クーロンの電荷を運ぶのに1ジュールの仕 が必要となるときの、その二点間の電圧 (V=J/C)

1 eV = 1.6 10-19 J

(11)

International System Unit Prefix

(12)

1918年 マックス・プランク

エネルギー量子の発見による物理学の進展への貢献

レーリー・ジーンズ則 ウィーン則

の両方を満たし、エネルギーの中間値付近での 二つの法則をつなげる事のできる法則を発見

波長が短い領域で、

光はエネルギー  

E = hν

 をもつ粒子 として振る舞う 光のエネルギーは連続的な値を取らない

容器の中で定在波を生じる

つまり、波長は連続的でなく、飛び飛びの値をとる。

→ 光のエネルギーも飛び飛びの値を取る。

光は 「粒子」 として振る舞っているが、 そのエネルギーは 「波」 のように

とびとびの値を取る = 「量子」

光量子仮説

(13)

エネルギーと周波数・波長の関係

E =h  h =6.6×10

−34

Js

c =3.0×10

8

m/s

E = 2  ℏ c

電磁場を考えてみると。。。

ℏ c=197 MeVfm

E ⋅λ≈6×200 MeVfm=GeVfm= MeVpm =keV ⋅ nm = eVμ m

おおざっぱにいって

原子核 ~fm ~ GeV

原子 ~0.1 nm ~ 10 keV

可視光 ~ < μm ~ eV

ℏ=2 h

(14)

Particle Data Group

http://pdg.lbl.gov/

(15)
(16)

アルファ線の散乱

E

, p

E '

, p '

E '

A

, p '

A

エネルギー保存則

運動量保存則

非相対論的運動学

E

= E '

 E '

A

p

= p '

cos E '

A

cos

0 = p '

sin − p '

A

sin

p

2

= 2 m E

http://sciwood.com/kiribako/kiribako5.html

ユークセン石は、ウランやトリウムを含む 黒色結晶状の放射性鉱物である。

(17)

α線の散乱

エネルギー保存則

運動量保存則

非相対論的運動学

E

= E '

 E '

A

p

= p '

cos  p '

A

cos

0 = p '

sin − p '

A

sin

p

2

= 2 m E

p 'A= p ' sin sin

2 mAE 'A=2 mE ' sin

2 sin2 E 'A= E ' m

mA

sin2 sin2 E=E '

1m

mA

sin2 sin2

p2= p '2cos2 p '2Acos22 p ' p 'Acoscos p 'p 'A=2 mE '

sin sin

2 mE=2 m E 'cos22 mE 'sin

2 sin2

cos24 mE 'sin

sin coscos E=E '

cos2sin

2 sin2

cos22 sin

sin cos cos

m

mA=

−sin

2 sin

2 sin2

cos22 sin

sin coscos 

sin2 sin2

(18)

アルファ線の散乱

m

mA=

−sin

2sin

2 sin2

cos22 sin

sin coscos 

sin2 sin2

E

, p

E '

, p '

E '

A

, p '

A

http://sciwood.com/kiribako/kiribako5.html

sin =

cos =

sin =

cos =

m

m A =

(19)

原子核が人の大きさ程度だとすると。。。 原子:  山形市 (~20 km) 原子核: バランスボール (1 m) 陽子・中性子: ソフトボール (10 cm) 電子・クォーク: 花粉以下 (< 0.1 mm)

http://www.cpepweb.org/images/chart_details/Structure.jpg

原子核の大きさ

ラザフォードはガイガーとマースデン の実験結果から、原子核の大きさが 10-14 m 以下である事を示した

散乱断面積

→ 標的の見かけの大きさ 原子 10-10 m

(~ 電子雲) 原子核 10-14 m

原子核との衝突 << 電子との衝突 10-28 m2 << 10-20 m2

(20)

原子核の大きさ

アルファ線

反対方向に散乱される場合

r0 の位置でアルファ線の運動エネルギーとクーロンポテンシャルが釣り合う

r

0

2 e Z e

E ~5 MeV

E = 1

4  

0

2 Z e

2

r

0

=⋅

2 Z ℏ c

r

0

= e

2

4  

0

ℏ c =

1

137

微細構造定数

Z

Au

=79

E

=5 MeV

ℏ c=197 MeV⋅fm

r

0

=

(21)

原子核の大きさ: アルファ線の散乱

電離作用により1つのイオン対を作るのに必要な平均エネルギー  40 eV

→ アルファ線のエネルギー  4 MeV

→ 1つのアルファ線が、霧箱中で作るイオン対

~ 4×10

6

eV / 40 eV = 10

5

→ 1つのアルファ線が電子(=原子)と散乱する回数 10

5

原子に対する原子核の大きさ 10

-4

→ 原子核と散乱する割合 10

-8

1つのアルファ線が霧箱中で、原子核と散乱する回数  10

-3

つまり、1000本程度のアルファ線を霧箱中で観測すれば、

原子核との大角度散乱を観測できる?

ガイガーとマースデンの実験結果

アルファ線8000個中の1個が後方散乱

(22)

自然 単位系 (Natural Unit)

自然単位系:

ℏ=1

c =1

0

=1

真空誘電率光速

プランク定数

eV /c  eV

eV /c

2

 eV

ℏ c 1

運動量 → エネルギー

質量 → エネルギー

E 2 =( p c ) 2 +(m c 2 ) 2 → E 2 = p 2 +m 2

ℏ c=197 GeV⋅fm → 1

c 1

長さ/時間→1 長さ = 時間

エネルギー・長さ→1 長さ = エネルギー-1

「長さ」「時間」 エネルギー

-1

を次元にとる

「運動量」「質量」 エネルギー を次元にとる

ファインマン曰く 

「hbarやcを残しておくのは全く時間の無駄というものだ」 主に素粒子物理学・高エネルギー物理学で使われる単位系

原子核物理の教科書でも時々使われているので注意

(23)

自然 単位系 (Natural Unit)

σ= 8 π

3 (

α ℏ

m

e

c )

2

σ= 8 π α

2

3

1

m

e2

自然単位系

α= 1

137

1

2 ×10

2

m

e

c

2

=0.511 MeV

c =197 MeV⋅fm=1

σ= 8 π

3 (

α ℏ c

m

e

c

2

)

2

数値計算には

具体的な数字が必要 トムソン散乱全断面積:

低エネルギーでの光子と自由な荷電粒子との散乱

簡単に数値計算するための変形 教科書にのっている式

(24)

微細 構造定数 Fine Structure Constant

α= e

2

4 π ε

0 ℏ c

ℏ c=197.3 MeV⋅fm

MeV fm = 10

6

×(1.602×10

−19

J ) × 10

−15

m

MeV ⋅fm =10

6

×(1.602×10

−19

)×10

−15

N ⋅m

2

e

2

4 π ϵ

0

=e

2

μ

0

c

2

4 π

e =1.602×10

−19

C

c =2.998×10

8

m /s

α= (1.602 ×10

−19

)

2

×10

−7

×(2.998×10

8

)

2

197.3 ×10

6

×(1.602×10

−19

)×10

−15

=

1.602 ×10

−10

×(2.998)

2

197.3 ×10

−9

=

1

197.3

2.998

2

×1.602×10

−1

α= 1

197.3 /1.440 =

1

137

=(1.602×10

−19

C )

2

×10

−7

N ⋅(C /s)

−2

×(2.998×10

8

m /s)

2

=(1.602×10

−19

)

2

×10

−7

×(2.998×10

8

)

2

N ⋅m

2

μ

0

=4 π×10

−7

N A

−2

=(1.602×10

−19

C )

2

×10

−7

N ⋅A

−2

×(2.998×10

8

m /s)

2

ϵ

0

=1 /μ

0

c

2

参照

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