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東京の空のいま・むかし

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Academic year: 2022

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(1)

1

東京都 環境局 環境改善部 化学物質対策課

東京の空のいま・むかし

~なぜ VOC 対策が必要なのか~

夏季VOC対策セミナー H30.7.27

(2)

内容

1 東京の空のいま・むかし

2 なぜVOC対策が必要なのか

3 VOC対策の取組と関連情報

(3)

むかしの東京の空①

3 昭和30年代 場所不明

林立しているのは、工場の煙突です。このように、

当時は一般の住宅と工場が軒を接していました。

黒い煙が街を覆い、空はどんより曇り、遠くはか すんで見通しがききません。一番手前に物干台 が写っていますが、洗濯物を干しても煤(すす)で 汚れてしまうほどでした。

写真集 記録「東京の公害」

http://www.kankyo.metro.tokyo.jp/data/photo/scenery/index.html

昭和46(1971)年

「東京の公害」写真コンクール作品

凧揚げをして遊ぶ子供たちの向こうに、煙を吐 き続ける煙突が見えています。当時、公害は ごく身近なものだったのです。

(4)

昭和30年代 渋谷駅西口

首都整備局都市公害部が行ったばい煙防止移動相談展示会の様子。都では、昭和30(1955)年に、

主としてビル暖房による煙害を防止するため、全国に先がけて『ばい煙防止条例』を制定しました。し かし、条例は、昭和37(1962)年における国の『ばい煙規制法』制定の先導的役割を果たしましたが、

下の写真のように、煙の濃さを見た目で制限するもので、定量的な基準による排出規制を行うまで には至っていませんでした。その後、『ばい煙防止条例』、『工場公害防止条例』、『騒音防止条例』の 3条例が統合され、昭和45(1970)年、都の環境関連条例の中で最大の規模と実効性をもつ『東京都 公害防止条例』が制定されました。

むかしの東京の空②

写真集 記録「東京の公害」 4

(5)

むかしの東京の空③

5 昭和45(1970)年 大田区六郷多摩川河川敷

この写真は、多摩川河川敷の駐車場に車を誘導 し、公害局の職員が排ガス測定器の吸入管を差 し込み、排ガスの調査をしているところです。

公害局は、首都整備局の公害防止部署が、昭和 45(1970)年10月26日に独立して発足しました。

昭和40(1965)年 世田谷区大原交差点

交差点を通過する車両に、腕章を付けた都の 職員が一酸化炭素濃度の値を示しています。

まずはデータを採り、現状を知ってもらうことが 大切なのです。

写真集 記録「東京の公害」

http://www.kankyo.metro.tokyo.jp/data/photo/scenery/index.html

(6)

むかしの東京の空④

6 昭和46(1971)年頃 荒川区田端新町(明治通り)

公害局が発足したのが昭和45(1970)年。その頃行われた「公害防止月間」キャンペーン用の垂 れ幕を写したものです。『排出ガス減少装置をつけよう。』と書かれていますが、当時の排ガス対 策の主要なターゲットは一酸化炭素(CO)や炭化水素(HC)で、これらの排出を大幅に減少させ る白金などの酸化触媒が排出ガス減少装置として使われていました。その後、昭和48(1973)年 には、『東京都公害防止条例』で自動車排出ガス減少装置の取り付けが義務づけられました。

写真集 記録「東京の公害」

(7)

7

1970 年代 現在

東京の空のいまむかし

大気環境は確実に改善されてきている。が、・・・

(8)

0%

20%

40%

60%

80%

100%

1988 1991 1994 1997 2000 2003 2006 2009 2012 2015

二酸化硫黄 SO

二酸化窒素 NO

浮遊粒子状物質 SPM

光化学オキシダント Ox

微小粒子状物質 PM2.5

年 度 8

3局/45局 2局/16局

20局/31局

3局/46局 40局/47局

46局/47局

大気環境基準達成率

(9)

内容

1 東京の空のいまむかし

2 なぜVOC対策が必要なのか 3 VOC対策の取組と関連情報

9

(10)

微小粒子状物質( PM2.5 )とは、大気中に浮遊している粒子状物質のうち、粒径 2.5μm (マイクロメートル、 1μm は 1mm の千分の 1 )以下の粒子のことです。

PM2.5 は、非常に小さいために呼吸器系の奥深くまで入りやすいことなどから、

人の健康に影響を及ぼすことが懸念されています。

微小粒子状物質とは?

東京都環境局ホームページより引用

(11)

光化学オキシダントとは?

11

光 化 学

ス モ ッ グ 発 生 時 通

常 時

都庁舎からの眺望

《健康影響》

・目や喉への刺激

・呼吸が苦しい

・めまい、頭痛

《農作物・植物被害》

・葉の変色

・収量の減少

11

光化学オキシダント

・・・オゾン( O 3 )を主成分とする有害物質

(12)

光化学スモッグによる健康被害

昭和49(1974)年夏 大田区または世田谷区あたり

昭和45(1970)年7月、校庭で運動中の高校生が、目がチカチカする、喉が痛い、胸が 苦しいという症状を訴え、治療をうけるという事件が発生しました。全国最初の光化学ス モッグによる被害です。その後、子供たちを中心に、被害は各地に広がりました。上の写 真は、七夕の短冊でしょうか。「こうかがくすもっぐをなくしてほしい」など、子供たちの切 実な想いが伝わってきます。下の写真には、症状が重く、酸素吸入をうける子供が写っ ています。写真が撮影された頃、光化学スモッグは、子供たちの健康に、重大な影響を 与えていました。

なお、光化学スモッグ警報は昭和51年以降1日も発令されていません。

写真集記録「東京の公害」

http://www.kankyo.metro.tokyo.jp/data/photo/scenery/index.html

(13)

13

段階 発令の基準 措置

緊急時協力工場・事業場 一般 学校情報 オキシダント濃度0.10ppm以上

で継続するとき

・屋外になるべく出ない

• 屋外運動は差し控える

• 被害にあったときは 保健所に届け出る 予報 高濃度汚染が予想されるとき 燃料使用量の削減要請

注意報 オキシダント濃度0.12ppm以上 で継続するとき

通常の燃料使用量より20%程度 削減勧告

警報 オキシダント濃度0.24ppm以上 で継続するとき

通常の燃料使用量より40%程度 削減勧告

重大緊急報 オキシダント濃度0.40ppm以上 で継続するとき

通常の燃料使用量より40%以上 削減命令

光化学スモッグ注意報の発令基準等

【発令基準等】

【発令地域区分】

(都内8地域)

【連絡方法】

(14)

0 100 200 300 400 500

0 5 10 15 20 25

2000 2005 2010 2015

被 害 届 出数

( 人) 注

意 報発 令 日数

( 日

光化学スモッグ注意報発令日数等

棒グラフ :[左目盛]

折れ線グラフ:[右目盛]

(15)

オキシダント(Ox)

PM2.5

揮発性有 機化合物

(VOC)

窒素酸化物 硫黄酸化物

二次粒子 二次有機粒子

人為起源 紫外線

太陽

火山・黄砂・植物等 自然起源

一次粒子 一次粒子

SPM

二次粒子

15

PM 2.5 ・光化学オキシダントとVOC

(16)

16

• 揮発性有機化合物

Volatile Organic Compounds の略

• 工業用途の主なもので約200種類

VOCとは?

★物を溶かす力 (樹脂、油汚れなど)

★乾きやすさ (様々な沸点の成分を配合して調整が可能)

★入手しやすさ (価格、供給が安定)

用途 VOCの例

塗装 トルエン/キシレン/エチルベンゼン 印刷 イソプロピルアルコール

金属洗浄 ジクロロメタン/トリクロロエチレン

ドライクリーニング ミネラルスピリット(ターペン)/テトラクロロエチレン マニキュア除光液 アセトン

(17)

17

都内のVOC排出量推計

蒸発系固定発生源 燃焼系固定発生源 移動発生源

一般家庭・ オフィス 塗装(工場内)

塗装(工場外)

印刷 給油等 クリーニング 金属表面処理 接着剤(工場内)

接着剤(工場外)

その他 ボイラー等 自動車 建設機械 航空機・船舶 民生部門

家庭用塗料・接着剤

2010年度 69.7千 t/年

塗装 21%

金属表面処理 1%

その他 1%

(工場内塗装 8%)

(工場外塗装 13%)

印刷 15%

給油等 14%

クリーニング 6%

一般家庭・オフィス 16%

ボイラー等4%

自動車 15%

建設機械 1%

航空機・船舶 2%

接着剤 5%

蒸発系 固定発生源

63%

燃焼系 固定発生源

4%

移動発生源 17%

(5年ごとに推計 移動発生源・民生部門を含む)

(18)

東京都が掲げる政策目標 (大気環境)

目標

 2024年度までに、PM

2.5

の環境基準達成率を100%に向上

 2020年度までに、光化学スモッグ注意報の発令日数をゼロ

 2030年度までに、全ての測定局における

光化学オキシダント濃度を0.07ppm以下とする。

(年間4番目に高い日最高8時間値の3年平均)

あるべき姿

世界の大都市で最も水準の高い良好な大気環境が 実現されている。

・PM

2.5

や光化学オキシダントの濃度が十分に低減され、

快適な大気環境が実現されている。

東京都環境基本計画2016

(19)

内容

1 東京の空のいまむかし

2 なぜ VOC 対策が必要なのか 3 VOC 対策の取組と関連情報

19

(20)

Ⅰ 法・条例による規制等 大気汚染防止法

東京都環境確保条例

揮発性有機化合物の排出濃度規制 事業者による自主的取組

排出防止設備の設置義務

化学物質適正管理制度(都版PRTR)

東京都におけるVOC対策の体系

(21)

21

Ⅱ 自主的取組の推進

東京都におけるVOC対策の体系

自主的取組への技術支援

低VOC製品の普及・啓発

①VOC対策ガイド〔工場内編〕の作成

②VOC対策アドバイザーの派遣

③セミナーによるVOC排出抑制策の普及

①VOC対策ガイド〔建築・土木工事編〕の作成

②グリーン購入の推進

③セミナー・リーフレット等による普及・啓発

(22)

①VOC対策ガイド〔工場内編〕

●工場内塗装、印刷、金属等脱脂洗浄 クリーニングの4分野を対象とした 対策技術の解説書

●中小事業者が導入しやすい抑制策を 中心に、工程改善、原材料転換、

処理装置の導入に分けて解説

●概ねのVOC削減効果やコスト等を 提示

自主的取組への技術支援①

(23)

ドライクリーニング

処理理装装置置のの導導入4--2

回収収機能付付きき乾乾燥燥機機へへのの転転換

VOC削減効果 80%程度

イニシャルコスト 200~300 万円

ランニングコスト

(運転費)

変わらない

ランニングコスト

(資材購入費削減効果)

クリーニング液の購入費 90%程度削減

作業環境改善効果 効果低い

新たに必要なスペース 1~10m

ポイント!

被洗物の乾燥の際に揮発するクリーニング液を回収し、VOCの排出を抑制し ます。

解説

クリーニング液の回収機能のない乾燥機の場合、被洗物から揮発したクリーニン グ液は屋外に排気されます。既存の乾燥機に回収装置を追加するか、回収機能 付き乾燥機に転換することによって、VOCの排出量を抑制することができます。

また、大気に放出していたクリーニング液を回収・再利用するので、クリーニング 液の使用量削減になり、その分、コスト削減にもなります。

<回収機能付き乾燥機の説明>

①熱風によって、被乾燥物から溶剤(クリーニング液)を揮 発させる。

②溶剤ガスをクーラーで冷却・液化させる。

③液化物を、水分離機で溶剤と水に分離する(溶剤は回 収される)。

④回収した溶剤は、クリーニング液として再利用する。

メリット

クリーニング液の使用量削減になり、その分、コスト削減にもなります。1日のワッ シャー数にもよりますが、1年程度で回収機能付き乾燥機の購入費用を回収するこ とができます。

クリーニング液が年間約14,400L回収されることで、クリーニング液の購入費用 が年間約277.4万円削減され、リース代を含めても年間でトータルコストが約213.6 万円削減される試算結果が報告されています。

<算出条件>

負荷量22kg、1日16ワッシャー、25日/月稼働、溶剤180円/L、電気代11.8円/kwh(使 用料のみ)、蒸気代5円/kg、リース代5年(利率0.02)

(出典:メーカー資料)

留意事項

・引火爆発事故の原因となる乾燥中に発生する静電気は、洗浄溶剤に洗剤を規 定量投入することで防止できます。洗剤の濃度は0.5%以上に管理しましょう。

・特殊な洗剤(シンナー、アルコールなど引火点の低い溶剤の入ったもの)の使用 は避けましょう。

低←1 2 3 4 5→高

低←1 2 3 4 5→高

低←1 2 3→高

小←1 2 3→大 低←1 2 3→高 低←1 2 3→高

• 「ランニングコスト」を「運 転費」と「資材購入費削 減効果」に分け掲載

• 「作業環境改善効果」を

追加

23

排出実態の把握

VOC対策のキーワード

作業環境の改善 コストの削減

①VOC対策ガイド〔工場内編〕

工場における自主的取組への技術支援

(24)

24

自主的取組への技術支援②

②VOC対策アドバイザー

• 都に登録された民間専門家が要望のあった事業所等を直接訪問 → 事業所の状況に応じたVOC排出抑制をアドバイス

→ 排出抑制に関する講習を実施

(25)

25

③VOC対策セミナー

• VOC対策の意義

• VOC排出抑制技術

• 事業者及び業界団 体の取組事例

• 対策によるメリット 主な内容

自主的取組への技術支援③

※ 網羅的セミナーの他、分野別のセミナーも実施

(26)

グリーン購入とは

①購入の必要性を十分に考慮し

②品質や価格だけでなく環境のことを考え

③環境負荷ができるだけ小さい製品やサービスを

④環境負荷の低減に努める事業者から優先して購入する こと

消費者 事業者

企業努力の評価⇒グリーン購入

環境配慮型製品・サービス等の 開発・供給

環境にやさしい

ライフスタイル グリーン 環境経営

市場 企業

家庭 行政

(27)

グリーン購入(例:東京都の場合)

27

東京都グリーン購入ガイド

環境配慮仕様の内容として、以下を定めている。

【水準1】現時点で必ず考慮すべき事項 【水準2】現時点で必須条件ではないが、

配慮することが望ましい事項

掲載ページ

⇒http://www.kankyo.metro.tokyo.jp/policy_others/tokyo_green/tokyo_green.html

東京都グリーン購入推進方針

物品等を調達する際の目安

(28)

【水準1】(必ず 考慮 すべき事項)

(印刷インキ類)1.オフセット印刷である場合には、次の基準を満たすこと。

ア . ①のインキを使用する。ただし①によれない場合は②のインキを使用すること。

① ノンVOCインキ(石油系溶剤を使用しないインキ)

又はリサイクル対応型 UV インキ

② 植物由来の油を含有したインキであって、かつ、芳香族成分が1%未満の 溶剤のみを用いるインキ

イ . インキの化学安全性が確認されていること。

ウ . ①のインキを使用した場合は、印刷物の裏表紙等に「石油系溶剤を含まない インキを使用しています。」と表示するか、マークを表示すること。

東京都グリーン購入ガイド (印刷物部分の抜粋)

【水準2】(配慮することが望ましい事項)

③湿し水からのVOC発生を抑制していること。

④洗浄剤からのVOC発生を抑制していること。

⑨(一社)日本印刷産業連合会によるグリーンプリンティング認定制度による認定

を受けた工場で印刷されるものであること。

(29)

29

GP認定制度

(30)

0 2 4 6

4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月

光 化 学 ス モ ッ グ 注 意 報 発 令 数 ( 日

光化学スモッグ注意報発令日数(月別)

(31)

夏季のVOC排出削減

31

(32)

夏季のVOC対策

(33)

33

夏季VOC対策の広域展開 (9都県市)

(34)

34

都環境局が発信している関連情報

東京都光化学スモッグ情報

web

ページ

(35)

都環境局が発信している関連情報

◎大気汚染地図情報 (都 HP にリンクがあります)

2013.7.9 PM4:00 Ox 濃度分布

(注意報発令中)

2013.7.9.AM6:00 Ox 濃度分布

1時間ごとの光化学オキシダント、 NOx 、 SOx 等の濃度分布

大気汚染地図情報

web

ページ 35

http://www.taiki.kankyo.metro.tokyo.jp/cgi-bin/bunpu1/p101.cgi

(36)

36

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36

光化学スモッグ注意報等が発令された際に

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参照

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