大 阪 府
産 開 研 資 料 № 1 1 9
平 成 2 2 年 3 月
関 西 企 業 の 事 業 活 動 基 盤 に 関 す る 調 査 研 究
－ 関 西 中 堅 企 業 の 事 業 展 開 と 地 域 戦 略 －
大 阪 府 立 産 業 開 発 研 究 所
ま え が き
グ ロ ー バ ル 化 が 進 展 す る 中 で 関 西 経 済 を 活 性 化 し て い く に は 、 競 争 力 と 成 長 力 を も つ 企 業 群 が 関 西 に 多 数 存 在 す る こ と が 不 可 欠 で す が 、 そ こ で は 特 に 、 関 西 に 本 社 を 置 い て 自 ら の 経 営 戦 略 を 立 案 ・ 遂 行 す る 関 西 企 業 の 果 た す 役 割 が 非 常 に 大 き い と 考 え ら れ ま す 。
そ こ で 、 こ う し た 関 西 企 業 を 対 象 に 、 企 業 が 事 業 活 動 を 行 っ て い く 上 で 不 可 欠 な 取 引 活 動 、 事 業 所 配 置 、 人 材 確 保 と い っ た 事 業 活 動 基 盤 に 関 す る 調 査 研 究 を 行 い ま し た 。
具 体 的 に は 、 関 西 の 各 府 県 の 産 業 構 造 の 特 徴 に つ い て 分 析 を 行 う と と も に 、 関 西 企 業 の 仕 入 や 外 注 、 販 売 な ど の 取 引 構 造 、 本 社 と 支 社 と の 地 域 的 分 布 、 人 材 の 確 保 ・ 配 置 な ど の 企 業 の 活 動 基 盤 の 面 か ら み た 大 阪 や 関 西 、 及 び 首 都 圏 を は じ め と す る 関 西 圏 外 の 地 域 と の 関 係 性 、 事 業 展 開 を 行 う 中 で 感 じ る 関 西 の も つ ポ テ ン シ ャ ル の 魅 力 度 、 今 後 の 地 域 戦 略 な ど に つ い て 調 査 し ま し た 。
関 西 で 府 県 の 枠 を 超 え た 広 域 連 携 の 議 論 が 活 発 化 す る 中 で 、 各 府 県 の 特 徴 を 生 か し た 関 西 経 済 の 活 性 化 に つ い て の 方 策 検 討 は 、今 後 非 常 に 重 要 な 課 題 の 一 つ と な る と 思 わ れ ま す 。 本 調 査 が こ う し た 関 西 経 済 活 性 化 に 向 け た 方 策 検 討 の 一 助 と な れ ば 幸 い で す 。
本 調 査 は 、当 研 究 所 主 任 研 究 員 須 永 努 、同 主 任 研 究 員 山 本 敏 也 、同 研 究 員 小 川 亮 が 担 当 し ま し た 。 本 報 告 書 の 執 筆 分 担 は 次 の と お り で す 。
須 永 努 第 １ 章 、 第 ４ 章
山 本 敏 也 第 ３ 章
小 川 亮 第 ２ 章
調 査 の 実 施 に 当 た り ま し て は 、 ご 多 忙 な 中 に も 関 わ り ま せ ず 、 格 別 の ご 協 力 を い た だ き ま し た 皆 様 に 対 し 、 厚 く 御 礼 を 申 し 上 げ ま す 。
平 成 2 2年 ３ 月
大 阪 府 立 産 業 開 発 研 究 所 所 長 新 庄 浩 二
目 次
要 約 ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･･ ･･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･･ ･ ･ ･ １
第 １ 章 調 査 の ね ら い ･ ･ ･ ･ ･ ･･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･･ ･･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･･ ･ ･ ･ ５
第 ２ 章 統 計 デ ー タ か ら み た 関 西 府 県 の 産 業 構 造 ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･･ ･ ･ ･ ７ 第 １ 節 産 業 集 積 の 状 況 ･ ･･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･･ ･･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･･ ･ ･ ･ ７ １ 全 体 の 概 要 ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･･ ･･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･･ ･ ･ ･ ７ ２ 製 造 業 ･･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･･ ･･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･･ ･ ･ ･ １ １ ３ 卸 売 業 ･･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･･ ･･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･･ ･ ･ ･ １ ８ 第 ２ 節 府 県 間 経 済 関 係 の 状 況 ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･･ ･･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･･ ･ ･ ･ ２ ２ １ 本 社 ・ 支 社 の 配 置 関 係 ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･･ ･･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･･ ･ ･ ･ ２ ２ ２ 地 域 間 取 引 構 造 ･ ･ ･ ･･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･･ ･･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･･ ･ ･ ･ ３ １
第 ３ 章 関 西 企 業 の 事 業 活 動 基 盤 ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･･ ･･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･･ ･ ･ ･ ３ ４ 第 １ 節 ア ン ケ ー ト 調 査 概 要 と 回 答 企 業 の 属 性 ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･･ ･ ･ ･ ３ ４ １ ア ン ケ ー ト 調 査 の 概 要 ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･･ ･･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･･ ･ ･ ･ ３ ４ ２ 回 答 企 業 の 概 要 ･ ･ ･ ･･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･･ ･･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･･ ･ ･ ･ ３ ４ 第 ２ 節 事 業 所 配 置 と 設 備 投 資 ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･･ ･･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･･ ･ ･ ･ ３ ９ １ 事 業 所 及 び 役 員 の 配 置 ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･･ ･･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･･ ･ ･ ･ ３ ９ ２ 設 備 投 資 動 向 ･ ･ ･ ･ ･ ･･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･･ ･･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･･ ･ ･ ･ ４ １ 第 ３ 節 受 注 ・ 販 売 取 引 ･ ･･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･･ ･･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･･ ･ ･ ･ ４ ５ １ 最 近 １ 年 間 の 受 注 ・ 販 売 額 の 地 域 分 布 ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･･ ･ ･ ･ ４ ５ ２ 受 注 ・ 卸 売 額 割 合 の 拡 大 ・ 縮 小 地 域 ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･･ ･ ･ ･ ４ ９ 第 ４ 節 仕 入 取 引 ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･･ ･･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･･ ･ ･ ･ ５ ３ １ 仕 入 額 の 地 域 別 割 合 ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･･ ･･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･･ ･ ･ ･ ５ ３ ２ 仕 入 額 割 合 の 拡 大 ・ 縮 小 地 域 ･ ･ ･ ･･ ･･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･･ ･ ･ ･ ５ ６ 第 ５ 節 外 注 取 引 ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･･ ･･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･･ ･ ･ ･ ６ ０ １ 外 注 取 引 と 内 製 化 ･ ･･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･･ ･･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･･ ･ ･ ･ ６ ０ ２ 外 注 先 の 地 域 ･ ･ ･ ･ ･ ･･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･･ ･･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･･ ･ ･ ･ ６ ３ 第 ６ 節 人 材 の 確 保 ･ ･ ･ ･ ･ ･･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･･ ･･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･･ ･ ･ ･ ６ ６ １ 従 業 者 数 の 増 減 状 況 ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･･ ･･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･･ ･ ･ ･ ６ ６ ２ 従 業 者 数 の 勤 務 地 域 別 割 合 ･ ･ ･ ･ ･ ･･ ･･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･･ ･ ･ ･ ６ ７ ３ 従 業 者 数 割 合 の 拡 大 ・ 縮 小 地 域 ･ ･･ ･･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･･ ･ ･ ･ ７ ０ ４ 関 西 圏 に お け る 人 材 確 保 の 状 況 ･ ･･ ･･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･･ ･ ･ ･ ７ ３ ５ 今 後 の 人 材 確 保 の 課 題 ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･･ ･･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･･ ･ ･ ･ ７ ７
第 ７ 節 関 西 で の 事 業 活 動 と 今 後 の 展 開 ･ ･･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･･ ･ ･ ･ ７ ９ １ 事 業 展 開 を す る 中 で 感 じ る 関 西 圏 の 魅 力 ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･･ ･ ･ ･ ７ ９ ２ 事 業 用 地 の 取 得 ･ ･ ･ ･･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･･ ･･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･･ ･ ･ ･ ８ ２ ３ 関 西 圏 に お け る 今 後 の 事 業 展 開 ･ ･･ ･･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･･ ･ ･ ･ ８ ４
第 ４ 章 関 西 企 業 、大 阪 企 業 の 地 域 展 開 と 今 後 の 関 西 経 済 活 性 化 に 向 け て ･ ･･ ･ ･ ･ ･ ８ ６ 第 １ 節 関 西 産 業 及 び 関 西 企 業 の 事 業 活 動 基 盤 に お け る 特 徴 的 ポ イ ン ト ･ ･･ ･ ･ ･ ８ ６ １ 関 西 経 済 を 構 成 す る 各 府 県 の 経 済 ･ ･･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･･ ･ ･ ･ ８ ６ ２ 関 西 企 業 の 事 業 活 動 の 地 域 的 展 開 の 状 況 ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･･ ･ ･ ･ ８ ６ ３ 人 材 配 置 ・ 確 保 面 の 状 況 ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･･ ･･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･･ ･ ･ ･ ８ ８ ４ 関 西 の 魅 力 と 注 目 分 野 ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･･ ･･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･･ ･ ･ ･ ８ ９ 第 ２ 節 関 西 に お け る 大 阪 経 済 と 大 阪 企 業 の 事 業 活 動 の 特 徴 的 ポ イ ン ト ･ ･･ ･ ･ ･ ９ ０ １ 関 西 に お け る 大 阪 府 の 経 済 的 プ レ ゼ ン ス ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･･ ･ ･ ･ ９ ０ ２ 他 府 県 企 業 の 大 阪 府 内 事 業 所 と の 取 引 関 係 ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･･ ･ ･ ･ ９ ０ ３ 大 阪 府 内 に 勤 務 す る 他 府 県 企 業 の 従 業 者 ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･･ ･ ･ ･ ９ ０ ４ 他 府 県 企 業 と 比 較 し た 大 阪 企 業 の 特 徴 ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･･ ･ ･ ･ ９ ０ 第 ３ 節 関 西 企 業 の 事 業 展 開 と 関 西 経 済 の 活 性 化 に 向 け て ･ ･ ･･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･･ ･ ･ ･ ９ １
資 料 編 （ ア ン ケ ー ト 調 査 票 【 製 造 業 用 】【 卸 売 業 用 】、 同 集 計 結 果 表 ） ･ ･ ･ ･ ･ ･ ･･ ･ ･ ･ ･ ９ ５
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要 約
関 西 経 済 に お け る 大 阪 府 の 存 在 は 大 き い が 、関 西 各 府 県 も 特 徴 あ る 産 業 構 造 を も っ て い る
・ 関 西 に お け る 大 阪 府 の プ レ ゼ ン ス は 大 き く 、 関 西 の 製 造 業 事 業 所 数 の 約 半 分 、 従 業 者 数 の ４ 割 強 、 製 造 品 出 荷 額 等 の 約 ３ 分 の １ 、 卸 売 業 事 業 所 数 の ６ 割 弱 、 従 業 者 数 の ６ 割 台 半 ば 、 年 間 商 品 販 売 額 の ８ 割 弱 を 占 め て い る 。
・ 製 造 品 出 荷 額 等 か ら み た 製 造 業 の 特 徴 と し て 、 大 阪 府 と 和 歌 山 県 は 「 基 礎 素 材 型 」、 兵 庫 県 と 奈 良 県 は 「 加 工 組 立 型 」、 京 都 府 は 「 生 活 関 連 ・ そ の 他 型 」、 滋 賀 県 は 「 加 工 組 立 型 」 と 一 部 の ｢基 礎 素 材 型 ｣の 特 化 度 が 高 い 。 年 間 商 品 販 売 額 か ら み た 卸 売 業 の 特 徴 と し て 、大 阪 府 と 京 都 府 は ｢ 繊 維 品 ｣ 、兵 庫 県 は ｢ 衣 服・身 の 回 り 品 ｣ 、滋 賀 県 は「 建 築 材 料 」、 奈 良 県 と 和 歌 山 県 は 「 家 具 ・ 建 具 ・ じ ゅ う 器 等 」 の 特 化 度 が 高 い 。
・ 本 社 ・ 支 社 関 係 で み る と 、 製 造 業 で は 、 関 西 企 業 （ 関 西 ２ 府 ４ 県 に 本 社 を 置 く 企 業 ） は 近 隣 府 県 に 支 社 を 重 点 配 置 し て お り 、 ま た 、 関 西 圏 内 の 支 社 の 本 社 所 在 地 と し て は 、 大 阪 府 が あ る 一 定 の プ レ ゼ ン ス を も つ 。 卸 売 業 で は 、 大 阪 府 に 本 社 を 置 く 企 業 （ 以 下 、 大 阪 企 業 ） は 、 大 阪 府 や 東 京 都 、 福 岡 県 な ど の 大 規 模 市 場 を 重 視 し な が ら 全 国 的 に 支 社 を 配 置 し て い る が 、 大 阪 府 以 外 の 関 西 の 府 県 に 本 社 を 置 く 企 業 の 支 社 配 置 は 、 大 阪 企 業 と 比 べ る と 本 社 所 在 府 県 内 が 中 心 で あ る 。
・ 大 阪 府 か ら 他 府 県 へ の 原 材 料 、 部 材 や サ ー ビ ス の 移 出 が 相 対 的 に 大 き く 、 関 西 府 県 間 で の 補 完 的 な 取 引 関 係 が 存 在 す る こ と が 推 察 で き る 。
関 西 中 堅 企 業 の 多 く は 、 取 引 活 動 基 盤 を 関 西 に 置 い て い る
・ 販 売 先 が 本 社 所 在 府 県 内 の み と い う 企 業 は 少 な い が 、 自 社 の 年 間 販 売 額 に 占 め る 関 西 圏 の シ ェ ア が 半 分 を 超 え る 企 業 の 割 合 は ６ 割 弱 に の ぼ る 。
・ 仕 入 先 が 本 社 所 在 府 県 内 の み と い う 企 業 は 、 大 阪 府 の 製 造 業 を 除 い て 少 な く 、 自 社 の 年 間 仕 入 額 に 占 め る 関 西 圏 の シ ェ ア が 半 分 を 超 え る 企 業 の 割 合 が 、 製 造 業 で 約 ８ 割 、 卸 売 業 で 約 ６ 割 に の ぼ る 。
・製 造 業 の 約 ８ 割 、 卸 売 業 の 約 ４ 割 が 外 注 取 引 を 行 っ て お り 、 主 に 外 注 を 行 っ て い る 地
域 は 大 阪 府 を は じ め 関 西 の 府 県 が ほ と ん ど 。 本 社 や 工 場 と の 近 接 性 、 短 納 期 対 応 、 品 質 の 良 さ な ど を 理 由 に 、 こ う し た 関 西 圏 の 外 注 先 は 、 関 西 中 堅 企 業 の 事 業 活 動 に と っ て 、 欠 く こ と の で き な い 存 在 と な っ て い る 。
・ 関 西 の 景 況 の 影 響 が 自 社 業 績 に 及 ぶ と い う 企 業 が 多 い が 、 こ の 背 景 に は 、 こ の よ う な 関 西 圏 内 で の 取 引 関 係 の 強 さ が あ る も の と 思 わ れ る 。
関 西 中 堅 企 業 の 首 都 圏 と の 経 済 関 係 は 強 ま り つ つ あ る
・ ア ン ケ ー ト 調 査 に よ れ ば 、 製 造 業 の ３ 割 強 、 卸 売 業 の 半 数 弱 の 企 業 が 首 都 圏 に 事 業 所 を 有 し て い る 。 ま た 、 製 造 業 の １ 割 強 、 卸 売 業 の ２ 割 強 の 企 業 が 首 都 圏 に 常 勤 役 員 を 常 駐 さ せ て い る 。
・ こ う し た 中 で ６ 割 強 の 企 業 は 首 都 圏 の 事 業 所 へ の 販 売 を 行 っ て お り 、 首 都 圏 へ の 販 売 シ ェ ア が 自 社 の 年 間 販 売 額 の 半 分 以 上 と い う 企 業 は 約 １ 割 で あ る 。 最 近 販 売 シ ェ ア が 最
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も 拡 大 し た 地 域 と し て 「 首 都 圏 」 を あ げ る 企 業 が 、 製 造 業 で 約 ３ 割 、 卸 売 業 で ４ 割 弱 に の ぼ る 。 こ の よ う に 関 西 圏 外 で は 首 都 圏 の 事 業 所 が 重 要 な 販 売 取 引 先 と な っ て き て い る こ と が う か が え る 。
・ 仕 入 で は 、 大 阪 の 卸 売 業 は 他 府 県 の 卸 売 業 に 比 べ て 、 首 都 圏 の 事 業 所 か ら 仕 入 を 行 っ て い る 企 業 が 多 く 、 そ の 仕 入 割 合 も 高 い 。
・ 首 都 圏 勤 務 者 が い る 企 業 は 、 製 造 業 で ３ 割 強 、 卸 売 業 で ５ 割 弱 あ り 、 首 都 圏 に 人 員 を 配 し て い る 企 業 は 多 い 。自 社 従 業 者 全 体 に 占 め る 首 都 圏 勤 務 者 の 割 合 が 2 5 ％ を 超 え る 企 業 は 製 造 業 で 約 ４ ％ 、 卸 売 業 で １ 割 台 半 ば で あ る が 、 ｢ 首 都 圏 ｣ 勤 務 者 の 割 合 が 高 ま っ て い る 企 業 も 多 い 。
今 後 の 関 西 で の 事 業 展 開 は 、 充 実 ・ 強 化 よ り 現 状 維 持 の 企 業 が 多 い が 、 人 材 確 保 面 に 課 題
・ 最 近 ５ 年 間 の 設 備 投 資 の 多 く は 関 西 で 行 わ れ て お り 、 関 西 へ の 投 資 割 合 を 高 め た 企 業 も 少 な く な い 。
・ 今 後 の 関 西 で の 事 業 展 開 に つ い て 、 現 状 維 持 の 方 向 と す る 企 業 の 方 が 、 充 実 ・ 強 化 の 方 向 と す る 企 業 よ り 多 い が 、 縮 小 ･ 撤 退 の 意 向 を も つ 企 業 は わ ず か で あ る 。
・こ う し た 中 で 、自 社 の 従 業 者 の 半 分 以 上 が 関 西 圏 内 勤 務 と い う 企 業 は 製 造 業 で ９ 割 弱 、 卸 売 業 で ８ 割 台 半 ば に の ぼ る が 、 ほ と ん ど の 企 業 が 、 関 西 圏 内 で 、 自 社 に 必 要 な 人 材 確 保 が 「 十 分 で き て い る 」 も し く は 「 ほ ぼ で き て い る 」 と 回 答 し て い る 。 正 社 員 採 用 者 に 占 め る 関 西 在 住 者 （ 関 西 の 学 校 へ の 通 学 者 を 含 む ） の 割 合 も 高 い 。 し か し 、 今 後 の 事 業 展 開 に お い て 、 製 造 業 で は 研 究 開 発 及 び 販 売 分 野 、 卸 売 業 で は 販 売 ・ 営 業 分 野 で の 人 材 不 足 が 予 想 さ れ て い る 。
・ ま た 、 今 後 の 事 業 展 開 に お い て 必 要 で は あ る が 、 獲 得 し に く い 人 材 と し て 、 製 造 業 で は「 設 計・開 発 技 術 者 」「 生 産 管 理 技 術 者 」、卸 売 業 で は「 営 業・販 売 担 当 者 」「 商 品 企 画 ・ 開 発 担 当 者 」 が あ げ ら れ て い る 。
関 西 に は 、 企 業 が 事 業 展 開 を 行 う 上 で 、 他 地 域 に は な い 優 位 性 や 魅 力 が 存 在 す る
・自 社 が 人 材 育 成 を 行 う 上 で 、関 西 が 他 地 域 よ り 優 位 で あ る と 感 じ る 点 と し て 、「 交 通 が 便 利 で 通 勤 圏 が 広 い 」「 大 学 ・ 大 学 院 の 数 が 多 い 」 を あ げ る 企 業 が 多 い 。
・ 事 業 展 開 を す る 中 で 感 じ る 関 西 の 魅 力 と し て 、 ｢ 従 業 員 の 通 勤 ・ 居 住 の し や す さ ｣ 「 物 流 拠 点 機 能 の 高 さ 」「 同 業 者 ・ 関 連 業 者 の 集 積 の 厚 さ 」 ｢ 欲 し い 人 材 の 確 保 の し や す さ ｣ を あ げ る 企 業 が 多 い 。
・ 関 西 で の 今 後 の 事 業 展 開 に 当 た っ て 、 製 造 業 の ４ 分 の ３ 、 卸 売 業 の ３ 分 の ２ の 企 業 は
｢ 環 境 ・ 新 エ ネ ル ギ ー 関 連 ｣ な ど 、 注 目 し て い る 分 野 が あ る 。
・ 事 業 用 地 を 今 後 ５ 年 以 内 に 取 得 す る 予 定 の 企 業 は 、 １ 割 弱 あ る が 、 関 西 圏 外 へ の 移 転
（ 進 出 ） を 考 え て い る 企 業 は 少 な い 。 関 西 に 優 れ た 外 注 先 が あ る こ と が 、 関 西 立 地 の メ リ ッ ト と す る 製 造 業 の 企 業 も あ る 。
関 西 経 済 活 性 化 の た め に は 、 関 西 の も つ ポ テ ン シ ャ ル の 一 層 の 活 用 が 必 要 で あ る
・研 究 開 発 活 動 が 重 要 と な る 中 で 、製 造 業 に お い て 人 材 の 確 保・育 成 を 行 う 上 で 関 西 圏 が 他 地 域 よ り 優 位 な 点 と し て 、「 先 端 技 術 に 関 す る 技 術 者 を 確 保 し や す い 」｢ 試 験 研 究 機 関 な
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ど と 連 携 し や す い ｣と 感 じ て い る 企 業 は 多 く な い 。 ま た 、 事 業 展 開 を す る 中 で 感 じ る 関 西 の 魅 力 と し て 、「 産 学 連 携 に 意 欲 的 な 大 学 の 多 さ 」「 次 世 代 産 業 の 集 積 の 進 行 」「 ア ジ ア と の 経 済 的 な つ な が り の 強 さ 」を あ げ る 企 業 も 多 く な い な ど 、関 西 の ポ テ ン シ ャ ル が 十 分 活 か さ れ て い な い 面 が あ る 。
・ 関 西 圏 内 で は 大 阪 の 産 業 規 模 の 大 き さ が 目 立 つ が 、 他 の 府 県 も そ れ ぞ れ 強 み や 特 徴 を 有 し て お り 、そ れ ら が 集 約 さ れ た 形 で 関 西 の ポ テ ン シ ャ ル を 的 確 に 把 握 し 、そ れ ら を 積 極 的 、 効 果 的 に 活 用 し て い く こ と が 重 要 で あ る 。
・ 本 調 査 研 究 か ら 明 ら か と な っ た 関 西 企 業 の 事 業 活 動 基 盤 に お け る 特 性 、 課 題 な ど を 踏 ま え る と 、 関 西 地 域 の 活 性 化 の た め に は 、 以 下 の 諸 項 目 が 重 要 な ポ イ ン ト と な る と 考 え ら れ る 。
■ 関 西 の 産 業 集 積 機 能 の 維 持 ・ 強 化
首 都 圏 と の 経 済 関 係 は 徐 々 に 強 ま っ て は い る が 、 仕 入 、 外 注 を 行 う 地 域 と し て の 関 西 の 重 要 性 は 低 下 し て い な い 。 関 西 企 業 の 仕 入 額 に 占 め る 、 大 阪 を 中 心 と す る 関 西 圏 内 の シ ェ ア は 大 き い 。 品 質 の 良 い ・ 安 定 し た も の づ く り を 可 能 に す る う え で 、 産 業 集 積 の 果 た す 役 割 は 大 き く 、 こ う し た 集 積 は 、 他 地 域 の 企 業 と の 競 争 を 勝 ち 抜 く 関 西 企 業 の 競 争 力 の 源 泉 と な っ て い る 。 産 業 集 積 は 関 西 圏 の 強 み で あ り 、 集 積 機 能 を 今 後 も 維 持 ･ 強 化 し て い く こ と が 重 要 で あ る 。
■ 関 西 各 府 県 の 産 業 構 造 の 特 性 を 生 か し た 関 西 圏 内 「 産 産 連 携 」 の 一 層 の 強 化
関 西 の 集 積 機 能 の 高 さ は 、 特 徴 あ る 産 業 構 造 を も つ 関 西 各 府 県 間 を ま た ぐ こ と に よ っ て さ ら に 一 層 強 化 さ れ る こ と か ら 、 産 産 連 携 の 地 域 的 範 囲 を 広 げ る な ど し て 、 関 西 各 府 県 の 特 色 を 生 か し 合 っ た 商 品 開 発 な ど を 一 層 推 進 し て い く こ と が 重 要 で あ る 。
■ 産 業 界 と 大 学 や 試 験 研 究 機 関 と の 連 携 に よ る 研 究 開 発 機 能 の 一 層 の 強 化
関 西 の ポ テ ン シ ャ ル と も 言 う べ き 大 学 や 研 究 機 関 な ど の 知 的 資 源 が 関 西 企 業 に よ っ て ま だ 十 分 活 用 さ れ て い な い と 思 わ れ る 。 上 記 の 産 産 連 携 に 、 大 学 や 試 験 研 究 機 関 が 加 わ る こ と に よ り 、 企 業 、 技 術 、 人 材 の 集 積 を よ り ダ イ ナ ミ ッ ク に 活 用 し 、 地 域 と し て の 研 究 開 発 機 能 を よ り 一 層 高 め て い く こ と が 重 要 で あ る 。
■ 次 世 代 産 業 に つ い て の Ｐ Ｒ の 強 化
地 域 の 競 争 力 を 将 来 に わ た っ て 確 保 し て い く に は 、 次 世 代 産 業 の 振 興 は 欠 か せ な い 。
「 次 世 代 産 業 の 集 積 の 進 行 」を 関 西 の 魅 力 と し て 感 じ て い る 企 業 は 少 な い も の の 、環 境・ 新 エ ネ ル ギ ー 関 連 分 野 な ど 次 世 代 産 業 は 関 西 に 着 実 に 根 を 下 ろ そ う と し て い る 。
次 世 代 産 業 に 注 目 す る 企 業 の 関 心 を 惹 く こ と が 、 新 規 事 業 の 開 拓 を 目 指 す 企 業 の 参 入 を 増 や し 、 産 業 の す そ 野 を さ ら に 広 げ る こ と に つ な が る こ と か ら 、 関 西 の 次 世 代 産 業 に つ い て の Ｐ Ｒ を 強 化 し て い く こ と が 重 要 で あ る 。
■ 関 西 で の 人 材 供 給 、 育 成 能 力 の 維 持 ・ 強 化
関 西 企 業 は 、 自 社 に 必 要 な 人 材 を 関 西 で ほ と ん ど 確 保 で き て い る と し て お り 、 ま た 関
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西 か ら の 確 保 率 が 低 下 し た 企 業 は 少 な い 。 地 域 と し て 、 企 業 の 採 用 基 準 を ク リ ア で き る 人 材 を 供 給 し て い く こ と が 地 元 の 雇 用 吸 収 ・ 拡 大 に と っ て 重 要 で あ る 。
製 造 業 、 卸 売 業 と も 、「 欲 し い 人 材 の 確 保 の し や す さ 」 を 関 西 圏 の 魅 力 と し て あ げ る 企 業 が 多 く 、 関 西 の 人 材 供 給 機 能 へ の 一 般 的 評 価 は 高 い 。 今 後 必 要 と さ れ る 研 究 開 発 要 員 な ど 、 よ り 高 度 な 技 術 ・ 知 識 を も つ 人 材 の 供 給 を 育 成 面 も 含 め て 行 い う る 体 制 を 構 築 し 、 企 業 に と っ て 必 要 な 人 材 の 供 給 ・ 育 成 地 と し て 、 人 材 供 給 ・ 育 成 能 力 の 維 持 、 強 化 を 図 っ て い く こ と が 重 要 で あ る 。
■ 物 流 拠 点 機 能 の 一 層 の 強 化
「 物 流 拠 点 機 能 の 高 さ 」 を 関 西 の 魅 力 と し て あ げ る 企 業 が 多 い 。 物 流 拠 点 機 能 に お け る 関 西 の 比 較 優 位 性 を 維 持 す る た め に も 、 今 後 も 渋 滞 の 緩 和 ・ 解 消 な ど 、 円 滑 な 物 流 を 可 能 に す る イ ン フ ラ 整 備 を 進 め て い く こ と が 重 要 で あ る 。
■ 交 通 ア ク セ ス の 利 便 性 の 一 層 の 向 上
「 従 業 員 の 通 勤 ・ 居 住 の し や す さ 」 や 「 交 通 が 便 利 で 通 勤 圏 が 広 い 」 こ と は 、 関 西 の 魅 力 と し て 企 業 の 評 価 は 高 い 。 交 通 の 便 の 良 さ は 、 通 勤 圏 を 広 げ る だ け で は な く 、 出 張 の 際 に 短 時 間 で 広 い 地 域 間 を 移 動 で き る な ど 、 円 滑 な 事 業 活 動 を 支 え る 重 要 な ポ イ ン ト で あ る 。 今 後 と も 、 こ う し た 交 通 ア ク セ ス を 維 持 ・ 改 善 し て い く こ と が 重 要 で あ る 。
■ 産 業 用 地 を 取 得 し や す い 環 境 づ く り
「 土 地 ・ 建 物 の 購 入 ・ 賃 借 費 用 の 安 さ 」 は 、 関 西 圏 の 魅 力 と し て は あ ま り 感 じ ら れ て い な い よ う で あ る 。 し か し 、 今 後 ５ 年 以 内 に 大 阪 府 内 や 兵 庫 県 の 大 阪 湾 岸 沿 い な ど 関 西 圏 内 に 事 業 用 地 を 取 得 し よ う と し て い る 企 業 や 、 事 業 用 地 取 得 の 意 向 「 な し 」 と 断 定 し て い な い 企 業 が あ り 、 こ の よ う な 企 業 が 産 業 用 地 の 取 得 を し や す い 環 境 づ く り を 行 っ て い く こ と が 重 要 で あ る 。
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第 １ 章 調 査 の ね ら い
東 京 一 極 集 中 が 強 ま る 中 で 、 首 都 圏 市 場 の 拡 大 と 関 西 市 場 の 相 対 的 な 地 位 低 下 が 指 摘 さ れ て い る 。し か し 、関 西 企 業〔 関 西 ２ 府 ４ 県（ 滋 賀 県 、京 都 府 、大 阪 府 、兵 庫 県 、奈 良 県 、 和 歌 山 県 ）に 本 社 を 置 く 企 業 〕と て 手 を こ ま ね い て い る わ け で は な く 、事 業 活 動 を 展 開 し 、 国 内 外 の 同 業 者 と 競 争 し 、 自 社 の 存 続 ・ 発 展 を 図 っ て い る 。
近 年 、 広 域 行 政 組 織 「 関 西 広 域 連 合 」 （ 仮 称 ） 設 立 に 向 け た 動 き な ど も み ら れ 、 今 後 関 西 の 各 府 県 が 連 携 し た 産 業 振 興 な ど に つ い て 議 論 さ れ る 機 会 も 増 え て く る も の と 思 わ れ る 。
関 西 経 済 活 性 化 の た め に は 、 何 よ り 、 競 争 力 と 成 長 力 の あ る 企 業 が 地 域 内 で 増 加 し て い く こ と が 必 要 で あ る が 、 関 西 に 本 社 を 置 き 、 親 企 業 を も た な い 企 業 は 、 関 西 に お い て 自 社 の 方 針 や 戦 略 な ど 経 営 上 の 意 思 決 定 を 行 い 、 事 業 を 展 開 す る プ レ ー ヤ ー で あ る 。 経 済 の グ ロ ー バ ル 化 が 進 む 中 で 、 こ の よ う な 関 西 企 業 は 自 社 の 事 業 活 動 に お い て 、 関 西 内 外 の 地 域 と の 関 係 性 を ど の よ う に も ち 、 ま た 変 化 さ せ て き て い る の で あ ろ う か 。
そ こ で 今 回 、 企 業 が 事 業 活 動 を 行 っ て い く 上 で 不 可 欠 な 取 引 活 動 、 事 業 所 配 置 、 人 材 確 保 と い っ た 事 業 活 動 基 盤 領 域 に つ い て 、 関 西 企 業 を 対 象 に 調 査 研 究 を 行 っ た 。
企 業 が 存 続 し て い く に は 、 商 取 引 活 動 を 通 じ た 収 益 性 確 保 が 何 よ り 不 可 欠 で あ る 。 そ の た め 企 業 は 、 原 材 料 や 部 品 ・ 商 品 な ど を 品 質 、 コ ス ト 、 納 期 な ど の 面 で 自 社 に と っ て で き る だ け 良 い 条 件 で 仕 入 れ 、 （ 必 要 な 場 合 ） で き る だ け 良 い 条 件 で 外 注 先 に 発 注 し 、 で き る だ け 良 い 条 件 で 顧 客 に 販 売 す る 。 こ う し た こ と か ら 、 関 西 企 業 も 最 も 良 い 条 件 で 取 引 で き る 仕 入 先 や 外 注 先 、 顧 客 の い る 地 域 と の 取 引 を 継 続 、 拡 大 し て い る と 思 わ れ る 。
ま た 、 企 業 は 、 事 業 活 動 を よ り 効 率 的 ・ 効 果 的 に 行 っ て い く た め に 、 本 社 と は 異 な る 場 所 に 、 支 社 、 支 店 、 営 業 所 、 工 場 、 倉 庫 な ど の 事 業 所 を 設 け る ケ ー ス も 少 な く な い 。 企 業 は こ の よ う な 事 業 所 を 、 自 社 に と っ て で き る だ け 良 い 立 地 条 件 の 場 所 に 置 き 、 必 要 な 人 員 数 を 配 置 す る と 考 え ら れ る 。
さ ら に 、 事 業 活 動 を 行 っ て い く に は 人 材 が 重 要 で あ り 、 よ り 確 保 し や す い 地 域 で 確 保 す る と 考 え ら れ る 。
本 調 査 研 究 の 目 的 は 、 こ う し た 活 動 領 域 に つ い て の 関 西 企 業 の 関 西 内 外 の 地 域 と の 関 わ り の 状 況 、 関 西 の 地 域 的 ポ テ ン シ ャ ル に つ い て 自 ら の 事 業 展 開 の 中 で 感 じ る 魅 力 の 程 度 、 今 後 の 地 域 戦 略 な ど に つ い て 調 査 す る こ と に よ り 、 関 西 経 済 ・ 産 業 ・ 企 業 活 動 の 問 題 点 と 今 後 の 課 題 を 明 ら か に し 、 関 西 経 済 の 活 性 化 の 方 策 を 検 討 、 考 察 す る こ と に あ る 。
こ の た め 、 ま ず 、 関 西 圏 各 府 県 の 産 業 集 積 の 特 徴 、 府 県 内 に 立 地 す る 「 本 所 ・ 本 社 ・ 本 店 」 （ 以 下 、 本 社 ） の 「 支 所 ・ 支 社 ・ 支 店 」 （ 以 下 、 支 社 ） 所 在 地 分 布 及 び 支 社 の 本 社 所 在 地 分 布 、 地 域 間 取 引 構 造 に つ い て 既 存 統 計 デ ー タ を 基 に 分 析 し た 後 、 取 引 活 動 、 人 材 確 保 に 係 る 問 題 、 今 後 の 地 域 戦 略 な ど に つ い て ア ン ケ ー ト 調 査 結 果 か ら 、 企 業 ヒ ア リ ン グ 調 査 結 果 も 踏 ま え つ つ 、 分 析 し た 。
ア ン ケ ー ト 調 査 に お い て は 、 対 象 業 種 を 、 地 域 経 済 の 成 長 を 左 右 す る 輸 移 出 を 担 う 産 業 と し て 重 要 な 製 造 業 と 卸 売 業 と し 、 他 府 県 と の 取 引 や 人 員 配 置 が 小 規 模 企 業 よ り 広 範 に 行 わ れ て い る と 思 わ れ る 中 堅 規 模 で 、 自 ら 意 思 決 定 を 行 い う る 、 親 会 社 を も た な い 企 業 を 対 象 と し た 。
な お 、 本 調 査 に お い て 取 引 関 係 を 把 握 す る 際 に は 、 商 流 を 基 準 と し 、 相 手 先 の 事 業 所 所
６
在 地 に つ い て 回 答 を 求 め た 。 し た が っ て 、 中 国 製 原 材 料 を 使 用 す る メ ー カ ー で あ っ て も 、 例 え ば 貿 易 商 社 の 大 阪 府 の 事 業 所 か ら そ の 原 材 料 を 購 入 し て い る 場 合 は 、 大 阪 府 か ら の 仕 入 と し て い る こ と に 留 意 さ れ た い 。
ま た 、 本 報 告 書 に お い て は 、 大 阪 府 に 本 社 を 置 く 企 業 を 大 阪 企 業 、 大 阪 府 以 外 の 関 西 府 県 に 本 社 を 置 く 企 業 を 他 府 県 企 業 と 表 記 し て い る 。
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第 ２ 章 統 計 デ ー タ か ら み た 関 西 府 県 の 産 業 構 造
本 章 で は 、 ま ず 第 １ 節 に お い て 関 西 各 府 県 の 産 業 集 積 の 基 礎 的 特 徴 を 統 計 デ ー タ で 確 認 す る 。 そ れ を 踏 ま え 、 第 ２ 節 で は 、 関 西 各 府 県 間 お よ び 関 西 内 外 の 経 済 的 つ な が り の 特 徴 を 把 握 す る た め に 、本 社 ・ 支 社 の 配 置 関 係（「 事 業 所 ・ 企 業 統 計 調 査 」（ 総 務 省 ））や 地 域 間 の 経 済 取 引 構 造 （「 大 阪 府 地 域 間 産 業 連 関 表 」（ 大 阪 府 統 計 課 ）） を み て い く 。
第 １ 節 産 業 集 積 の 状 況
本 節 で は 、 関 西 各 府 県 の 産 業 集 積 の 基 礎 的 特 徴 を 、 事 業 所 数 、 従 業 者 数 、 県 内 生 産 額 、 製 造 品 出 荷 額 等 、 卸 売 業 年 間 商 品 販 売 額 の デ ー タ で 確 認 す る 。 ま ず 、 １ で 全 体 の 概 要 を 述 べ 、 ２ で 製 造 業 を 産 業 中 分 類 の 業 種 レ ベ ル で み て い き 、 ３ で は 卸 売 業 の 特 徴 を 産 業 小 分 類 の 業 種 レ ベ ル で み て い く 。
１ 全 体 の 概 要
（ １ ） 事 業 所 数 （「 事 業 所 ・ 企 業 統 計 調 査 」）
「 事 業 所 ・ 企 業 統 計 調 査 」（ 総 務 省 ） か ら わ か る 関 西 各 府 県 に 所 在 す る 事 業 所 数 の 特 徴 に つ い て 述 べ る 。 図 ２ － １ － １ は 、 関 西 各 府 県 の （ 公 務 を 除 く ） 全 業 種 の 事 業 所 数 に つ い て の 対 関 西 比 と そ の 推 移 を 示 し て い る 。 大 阪 府 、 兵 庫 県 、 京 都 府 の ３ 府 県 の 事 業 所 数 （ 公 務 を 除 く 全 業 種 、 平 成 1 8 年 ） が 関 西 ２ 府 ４ 県 の な か で 8 3 . 0 ％ を 占 め 、 関 西 の 事 業 所 が 主 に 京 阪 神 に 集 中 し て い る こ と が わ か る 。特 に 大 阪 府 は 同 4 4 . 7 ％ で あ り 、関 西 の 事 業 所 の 半 分 弱 が 大 阪 府 に 所 在 し て い る 。続 い て 兵 庫 県 が 同 2 4 . 9 ％ で 関 西 全 体 の 約 ４ 分 の １ 、京 都 府 が 同 1 3 . 4 ％ で 関 西 全 体 の 約 ８ 分 の １ と い う 分 布 状 況 で あ る 。
同 図 お よ び 表 ２ － １ － １ に お い て 平 成 ８ 年 か ら 平 成 1 8 年 に か け て の 事 業 所 数 と そ の 推 移 を み る と 、 大 阪 府 お よ び 京 都 府 で は 事 業 所 数 お よ び そ の 対 関 西 比 が と も に 逓 減 し て い る こ と が わ か る 。 他 方 、 滋 賀 県 、 兵 庫 県 、 奈 良 県 、 和 歌 山 県 で は 事 業 所 数 自 体 は 減 少 す る も の の 、 対 関 西 比 は 上 昇 傾 向 に あ る こ と が わ か る 。
図 ２ － １ － １ 関 西 ２ 府 ４ 県 の 事 業 所 数 の 対 関 西 比 （ 全 業 種 （ 公 務 除 く ））
5.6
4. 8
5.5 5. 9
13.5
46. 1
23.9
5. 0 5. 6 6. 0
5.3 5. 7
13.7
47.1
23.3
13.4
44.7
24.9
0.0 5.0 10.0 15.0 20.0 25.0 30.0 35.0 40.0 45.0 50.0
滋賀県 京都府 大阪府 兵庫県 奈良県 和歌山県
対 関 西 ２ 府 ４ 県 比
（
％
）
平成８年 平成１３年 平成１ ８年
出 所 ：「 事 業 所 ・ 企 業 統 計 調 査 」（ 平 成 ８ 、 1 3 、 1 8年 ） を も と に 筆 者 作 成 。
８
表 ２ － １ － １ 関 西 ２ 府 ４ 県 の 事 業 所 数 と 全 国 比 お よ び 関 西 比 （ 全 業 種 （ 公 務 除 く ）） 事業
所数
関西比
（％）
全国比
（％）
事業 所数
関西比
（％）
全国比
（％）
事業 所数
関西比
（％）
全国比
（％）
滋賀県 63,359 5.6 0.9 61,352 5.9 1.0 57,657 6.0 1.0
京都府 154,897 13.7 2.3 141,417 13.5 2.2 127,973 13.4 2.2
大阪府 532,447 47.1 8.0 482,830 46.1 7.7 427,086 44.7 7.3
兵庫県 263,400 23.3 3.9 250,683 23.9 4.0 237,517 24.9 4.0
奈良県 54,238 4.8 0.8 52,554 5.0 0.8 50,143 5.3 0.9
和歌山県 62,600 5.5 0.9 58,373 5.6 0.9 54,156 5.7 0.9
関西2府4県 1,130,941 100.0 17.0 1,047,209 100.0 16.6 954,532 100.0 16.3
全国 6,671,446 - 100.0 6,304,431 - 100.0 5,869,339 - 100.0
平成１３年 平成１８年
平成８年
出 所 ：「 事 業 所 ・ 企 業 統 計 調 査 」（ 平 成 ８ 、 1 3 、 1 8年 ） を も と に 筆 者 作 成 。
（ ２ ） 従 業 者 数 （「 事 業 所 ・ 企 業 統 計 調 査 」）
次 に 「 事 業 所 ・ 企 業 統 計 調 査 」（ 総 務 省 ） よ り 、 関 西 各 府 県 に 存 在 す る 従 業 者 数 の 特 徴 に つ い て 述 べ る 。 図 ２ － １ － ２ は 、 関 西 各 府 県 の （ 公 務 を 除 く ） 全 業 種 の 従 業 者 数 に つ い て の 対 関 西 比 と そ の 推 移 を 示 し て い る 。 大 阪 府 、 兵 庫 県 、 京 都 府 の ３ 府 県 の 従 業 者 数 （ 公 務 を 除 く 全 業 種 、 平 成 1 8 年 ） は 関 西 ２ 府 ４ 県 の な か で 8 4 . 4 ％ を 占 め 、 従 業 者 数 で も 京 阪 神 集 中 が う か が え る 。そ の な か で も 大 阪 府 は 同 4 7 . 7 ％ 、続 い て 兵 庫 県 が 同 2 4 . 3％ 、京 都 府 が 同 1 2 . 4 ％ と な り 、 事 業 所 数 の 分 布 状 況 と 類 似 し て い る 。
同 図 お よ び 表 ２ － １ － ２ か ら 、 平 成 ８ 年 か ら 平 成 1 8 年 に か け て の 従 業 者 数 お よ び そ の 対 関 西 比 の 推 移 を み る と 、 大 阪 府 で は 従 業 者 数 お よ び そ の 対 関 西 比 が と も に 逓 減 し て い る こ と が わ か る 。 他 方 、 大 阪 府 以 外 の 府 県 で は 従 業 者 数 自 体 が 横 ば い 又 は 減 少 す る も の の 、 対 関 西 比 は 上 昇 ま た は 横 ば い で あ る こ と が わ か る 。
図 ２ － １ － ２ 関 西 ２ 府 ４ 県 の 従 業 者 数 の 対 関 西 比 （ 全 業 種 （ 公 務 除 く ））
5.7
4. 4 4.2
6. 2
12.2
49. 0
23.7
4. 7 4. 3 6. 5
4.9
4. 2 12.0
50.0
23.7
12.4
47.7
24.3
0.0 10.0 20.0 30.0 40.0 50.0 60.0
滋賀県 京都府 大阪府 兵庫県 奈良県 和歌山県
対 関 西 ２ 府 ４ 県 比
（
％
）
平成８年 平成１３年 平成１ ８年
出 所 ：「 事 業 所 ・ 企 業 統 計 調 査 」（ 平 成 ８ 、 1 3 、 1 8年 ） を も と に 筆 者 作 成 。
９
表 ２ － １ － ２ 関 西 ２ 府 ４ 県 の 従 業 者 数 と 全 国 比 お よ び 関 西 比 （ 全 業 種 （ 公 務 除 く ）） 従業者数
（千人）
関西比
（％）
全国比
（％）
従業者数
（千人）
関西比
（％）
全国比
（％）
従業者数
（千人）
関西比
（％）
全国比
（％）
滋賀県 589 5.7 1.0 592 6.2 1.0 590 6.5 1.0
京都府 1,232 12.0 2.0 1,162 12.2 2.0 1,130 12.4 2.0
大阪府 5,127 50.0 8.4 4,683 49.0 8.0 4,353 47.7 7.7
兵庫県 2,426 23.7 4.0 2,265 23.7 3.9 2,221 24.3 3.9
奈良県 454 4.4 0.7 452 4.7 0.8 449 4.9 0.8
和歌山県 432 4.2 0.7 406 4.3 0.7 383 4.2 0.7
関西2府4県 10,260 100.0 16.8 9,561 100.0 16.4 9,125 100.0 16.1
全国 60,931 - 100.0 58,281 - 100.0 56,782 - 100.0 平成１８年 平成１３年
平成８年
出 所 ：「 事 業 所 ・ 企 業 統 計 調 査 」（ 平 成 ８ 、 1 3 、 1 8年 ） を も と に 筆 者 作 成 。
（ ３ ） 県 内 総 生 産 額 （「 県 民 経 済 計 算 年 報 」）
最 後 に 「 県 民 経 済 計 算 年 報 」（ 内 閣 府 ） の 県 内 総 生 産 額 よ り 、 関 西 各 府 県 の 産 業 が 生 み 出 す 付 加 価 値 額 の 特 徴 に つ い て 述 べ る 。 図 ２ － １ － ３ は 、 関 西 各 府 県 の 県 内 総 生 産 額 の 対 関 西 比 と そ の 推 移 を 示 し て い る 。 大 阪 府 、 兵 庫 県 、 京 都 府 の ３ 府 県 の 県 内 総 生 産 額 （ 平 成 1 8年 ）は 関 西 ２ 府 ４ 県 の な か で 8 3 . 5 ％ を 占 め て お り 、関 西 で 生 み 出 さ れ る 付 加 価 値 額 も 京 阪 神 に 集 中 し て い る こ と が わ か る 。特 に 大 阪 府 は 同4 6 . 7 ％ で あ り 関 西 で ５ 割 弱 の シ ェ ア を 誇 り 、続 い て 兵 庫 県 が 同 2 4 . 3 ％ 、京 都 府 が 同 1 2. 5 ％ と な り 、事 業 所 数 お よ び 従 業 者 数 の 分 布 状 況 と 類 似 し て い る 。
図 ２ － １ － ３ 関 西 ２ 府 ４ 県 の 県 内 総 生 産 額 の 対 関 西 比
11.9
4. 2 6.7
4.1 4.6
11.5
47.9
25.3
7.2
4. 8 24.0
47.9
7.8
4.0 4.6
12.5
46.7
24.3
0.0 10.0 20.0 30.0 40.0 50.0 60.0
滋賀県 京都府 大阪府 兵庫県 奈良県 和歌山県
対 関 西 ２ 府 ４ 県 比
（
％
）
平成８年度 平成１３年度 平成１ ８年度
（ 注 ） 県 内 総 生 産 額 は 実 質 ： 連 鎖 方 式 （ 平 成 1 2暦 年 連 鎖 価 格 ） を 採 用 し た 。 出 所 ：「 平 成1 8年 度 県 民 経 済 計 算 年 報 」 を も と に 筆 者 作 成 。
図 ２ － １ － ４ は 、 関 西 各 府 県 の 産 業 別 県 内 総 生 産 額 の 構 成 比 を 示 し て い る 。 大 阪 府 は 第 ３ 次 産 業 の 総 生 産 額 の 府 内 シ ェ ア が 7 8 . 8 ％ で あ り 、他 府 県 に 比 べ 相 対 的 に 高 い 。他 方 、奈 良 県 、 京 都 府 、 兵 庫 県 、 和 歌 山 県 は 第 ２ 次 産 業 が ３ 割 前 後 、 第 ３ 次 産 業 が ６ 割 後 半 か ら ７ 割 強 の シ ェ ア を も つ 。 滋 賀 県 は 第 ２ 次 産 業 と 第 ３ 次 産 業 が と も に お よ そ ５ 割 の シ ェ ア を も つ 。 ま た 、 和 歌 山 県 は 第 １ 次 産 業 の シ ェ ア が 2 .7 ％ と 他 府 県 に 比 べ て 高 い こ と も わ か る 。
１０
図 ２ － １ － ４ 産 業 別 県 内 総 生 産 額 構 成 比 （ 平 成 1 8年 度 ）
49.8 32.1 21.1
31.7 27.4
30.9 27.7
49.6 67.4 78.8
67.8 71.7
66.4 71.2
0.6 0.5 0.1 0.5 0.9 2.7 1.1
0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%
滋賀県 京都府 大阪府 兵庫県 奈良県 和歌山県 全県計
第１次産業
第２次産業
第３次産業
（ 注 ） 県 内 総 生 産 額 は 実 質 ： 連 鎖 方 式 （ 平 成 1 2暦 年 連 鎖 価 格 ） を 採 用 し た 。 出 所 ：「 平 成1 8年 度 県 民 経 済 計 算 年 報 」 を も と に 筆 者 作 成 。
図 ２ － １ － ５ 関 西 ２ 府 ４ 県 の 産 業 別 県 内 総 生 産 額 の 関 西 比 （ 平 成 1 8年 度 ）
鉱業
11.6
64.1
5.1 1.4 6.8
11.1 0 .0
10 .0 20 .0 30 .0 40 .0 50 .0 60 .0 70 .0
滋賀県 京都府 大阪府 兵庫県 奈良県 和歌山県
農林水産業 ％
11 .9
28 .8
14 .2 9.0
1 0.0 26 .0
0 .0 5 .0 10 .0 15 .0 20 .0 25 .0 30 .0
滋賀県 京都府 大阪府 兵庫県 奈良県 和歌山県
％ 製造業
14.6
27.9
4.4 4.5 33.6
14.9
0 .0 10 .0 20 .0 30 .0 40 .0
滋賀県 京都府 大阪府 兵庫県 奈良県 和歌山県
％
建設業
8 .7
25 .2 12.2
4 4.2
5.4 4.2 0 .0
10 .0 20 .0 30 .0 40 .0 50 .0
滋賀県 京都府 大阪府 兵庫県 奈良県 和歌山県
％ 電気・ ガス ・水道業
5.3
2 8.9 13 .3
42 .2
4.8 5.5 0 .0
10 .0 20 .0 30 .0 40 .0 50 .0
滋賀県 京都府 大阪府 兵庫県 奈良県 和歌山県
％ 卸売・ 小売業
2 .8
19.2 2.7 2.2 6 3.2
9.9 0 .0
10 .0 20 .0 30 .0 40 .0 50 .0 60 .0 70 .0
滋賀県 京都府 大阪府 兵庫県 奈良県 和歌山県
％
金融・保険業
4.6
21 .9 11 .7
52 .1
5.2 4.5 0 .0
10 .0 20 .0 30 .0 40 .0 50 .0 60 .0
滋賀県 京都府 大阪府 兵庫県 奈良県 和歌山県
％ 不動産業
7 .2
2 5.0
3 .3 5.5 4 5.6
13 .4 0. 0
10. 0 20. 0 30. 0 40. 0 50. 0
滋賀県 京都府 大阪府 兵庫県 奈良県 和歌山県
％ 運輸・通信業
5.7
2 4.8 1 0.3
51 .0
4.5 3.7 0.0
1 0.0 2 0.0 3 0.0 4 0.0 5 0.0 6 0.0
滋賀県 京都府 大阪府 兵庫県 奈良県 和歌山県
％
サービス業
5.2
22 .0 4.3 3.6 54.0
1 0.9 0 .0
10 .0 20 .0 30 .0 40 .0 50 .0 60 .0
滋賀県 京都府 大阪府 兵庫県 奈良県 和歌山県
％
（ 注 ） 県 内 総 生 産 額 は 実 質 ： 連 鎖 方 式 （ 平 成 1 2暦 年 連 鎖 価 格 ） を 採 用 し た 。 出 所 ：「 平 成1 8年 度 県 民 経 済 計 算 年 報 」 を も と に 筆 者 作 成 。
図 ２ － １ － ５ は 、 関 西 ２ 府 ４ 県 に お け る 産 業 別 県 内 総 生 産 額 の 対 関 西 比 を 示 し て い る 。 こ の 図 か ら 、 農 林 水 産 業 で 兵 庫 県 が 2 8 . 8 ％ 、 和 歌 山 県 が 2 6 . 0 ％ 、 鉱 業 で 兵 庫 県 が 6 4 . 1 ％ で 関 西 シ ェ ア の ト ッ プ に な る が 、 そ の ほ か の 産 業 に お い て は 大 阪 府 、 兵 庫 県 、 京 都 府 の 順
１１
で 占 め ら れ て い る こ と が わ か る 。 た だ し 、 製 造 業 に つ い て は 、 第 ４ 位 の 滋 賀 県 が 第 ３ 位 の 京 都 府 と 僅 差 の 状 況 に あ る 。
図 ２ － １ － ６ は 、 関 西 ２ 府 ４ 県 の 産 業 別 県 内 総 生 産 額 の 特 化 係 数 を 示 し て い る 。 特 化 係 数 と は 、 あ る 産 業 に お い て 、 県 内 総 生 産 額 の 全 国 計 の 構 成 比 に 対 す る 、 各 府 県 の 当 該 産 業 の 県 内 総 生 産 額 の 構 成 比 の 比 率 の こ と で あ り 、 こ の 数 値 が １ を 超 え る と 、 当 該 産 業 の 構 成 比 が そ の 府 県 に お い て 相 対 的 に 高 く 、 特 化 し て い る こ と を 示 す 。 大 阪 府 は 図 ２ － １ － ５ で み た よ う に 、 一 部 を 除 い た 各 産 業 に お い て 関 西 シ ェ ア が ト ッ プ で あ る が 、 そ の な か で も 卸 売・小 売 業 [ 1 . 5 ] な ど の 第 ３ 次 産 業 に 特 化 し て い る こ と が わ か る 。他 の 府 県 で は 、兵 庫 県 は 鉱 業 [ 1 . 5 ] や 製 造 業 [ 1 . 2 ] な ど 、 京 都 府 は 製 造 業 [ 1 . 3 ] な ど 、 滋 賀 県 は 製 造 業 [ 2 .0 ] 、 奈 良 県 は 不 動 産 業 [ 1 . 3 ] な ど 、和 歌 山 県 は 農 林 水 産 業 [ 2. 5 ] 、電 気・ガ ス・水 道 業 [1 . 3 ] 、製 造 業 [ 1 . 2 ] な ど に お い て 特 化 係 数 が １ を 超 え て い る （ [ ]内 の 数 値 は 特 化 係 数 。）。
図 ２ － １ － ６ 関 西 ２ 府 ４ 県 の 産 業 別 県 内 総 生 産 額 の 特 化 係 数 （ 平 成 1 8年 度 ）
滋賀県
2.0
0.9
0.6 0 .4
0 .5 1.0 0.7
0.6
0 .6 0.8
0 1 2 農 林水産業
鉱 業
製造業
建設業
電 気・ガス・水道 業
卸 売・小 売業 金 融・保険業
不動 産業 運輸・通信 業
サービス業
京都府
0.5 0 .4
0 .9
0 .8
1 .1
0.9
0.9
1.0 0 .8 1.3 0
1 2 農林水 産業
鉱業
製 造業
建 設業
電気・ガス ・水 道業
卸売・小売 業 金融 ・保 険業
不 動産業 運 輸・通信業
サービス 業
大阪府
0 .7
0.8
0 .8 1.5
1.0 1.0 1.1
1 .1
0 .1
0.1
0 1 2 農 林水産 業
鉱 業
製造 業
建設 業
電 気・ガス・水道 業
卸売・小 売業 金融・保険業
不動 産業 運輸・通信業
サービス業
兵庫県
1 .5 0 .4
0.9
1.0
1 .1
0 .8
0 .9
1.1 0.9 1.2 0
1 2 農林 水産業
鉱業
製造業
建設業
電気 ・ガス・水道業
卸 売・小売 業 金 融・保 険業
不動産 業 運輸・通信業
サ ービス業
奈良県
1.1
1.0
1 .0 0.7
1.1 1.3 1.0
0 .9
0.8 0.2
0 1 2 農林水 産業
鉱業
製 造業
建 設業
電気・ガス・水道業
卸売・小売 業 金 融・保 険業
不動産 業 運輸・通信業
サ ービス業
和歌山県
0.7 0 .9
1 .0
0.9
1.1
0 .6
1 .3 0 .9 1.2 0
1 2 農 林水産業
鉱業
製造業
建設業
電気・ガス・水道業
卸 売・小 売業 金融・保険業
不動 産業 運輸 ・通信 業
サービス業 2.5
（ 注 ） 県 内 総 生 産 額 は 実 質 ： 連 鎖 方 式 （ 平 成1 2暦 年 連 鎖 価 格 ） を 採 用 し た 。 出 所 ：「 平 成1 8年 度 県 民 経 済 計 算 年 報 」 を も と に 筆 者 作 成 。
２ 製 造 業
（ １ ） 事 業 所 数 （「 事 業 所 ・ 企 業 統 計 調 査 」）
「 事 業 所 ・ 企 業 統 計 調 査 」（ 総 務 省 ） か ら わ か る 関 西 各 府 県 に 所 在 す る 製 造 業 の 事 業 所 数 の 特 徴 に つ い て 述 べ る 。 図 ２ － １ － ７ は 、 関 西 各 府 県 の 製 造 業 の 事 業 所 数 に つ い て の 対 関 西 比 と そ の 推 移 を 示 し て い る 。 こ れ を み る と 、 大 阪 府 、 兵 庫 県 、 京 都 府 の ３ 府 県 の 事 業 所 数 （ 製 造 業 、 平 成 1 8 年 ） は 、 対 関 西 比 で 8 5. 0 ％ を 占 め る こ と が わ か る 。 そ の な か で も 大 阪 府 は 同 4 9 . 6 ％ に な り 、 続 い て 兵 庫 県 が 同 19 . 5 ％ 、 京 都 府 が 同 1 5 . 9 ％ に な る 。
次 に 、 同 図 お よ び 表 ２ － １ － ３ か ら 平 成 ８ 年 か ら 平 成 1 8 年 に か け て の 事 業 所 数 お よ び そ の 対 関 西 比 の 推 移 を み る と 、 大 阪 府 お よ び 京 都 府 で は 事 業 所 数 お よ び そ の 対 関 西 比 が と
１２
も に 減 少 し て い る こ と が わ か る 。 他 方 、 滋 賀 県 、 兵 庫 県 、 奈 良 県 、 和 歌 山 県 で は 事 業 所 数 自 体 は 減 少 す る も 、 対 関 西 比 は 上 昇 ま た は 横 ば い 傾 向 に あ る こ と が わ か る 。
図 ２ － １ － ７ 関 西 ２ 府 ４ 県 の 事 業 所 数 の 対 関 西 比 （ 製 造 業 ）
5.1 4. 9
4.1 5. 3
15.9
50. 6
18.9
5. 2
4. 0
5. 6 5.3
4. 1 16.9
50.5
18.4 15.9
49.6
19.5
0.0 10.0 20.0 30.0 40.0 50.0 60.0
滋賀県 京都府 大阪府 兵庫県 奈良県 和歌山県
対 関 西 ２ 府 ４ 県 比
（
％
）
平成８年 平成１３年 平成１ ８年
出 所 ：「 事 業 所 ・ 企 業 統 計 調 査 」（ 平 成 ８ 、 1 3 、 1 8年 ） を も と に 筆 者 作 成 。
表 ２ － １ － ３ 関 西 ２ 府 ４ 県 の 事 業 所 数 と 全 国 比 お よ び 関 西 比 （ 製 造 業 ） 事業
所数
関西比
（％）
全国比
（％）
事業 所数
関西比
（％）
全国比
（％）
事業 所数
関西比
（％）
全国比
（％）
滋賀県 8,299 5.1 1.1 7,091 5.3 1.1 6,151 5.6 1.1
京都府 27,230 16.9 3.5 21,118 15.9 3.2 17,295 15.9 3.2
大阪府 81,359 50.5 10.5 67,100 50.6 10.3 54,103 49.6 9.9
兵庫県 29,721 18.4 3.9 25,107 18.9 3.9 21,271 19.5 3.9
奈良県 7,961 4.9 1.0 6,862 5.2 1.1 5,742 5.3 1.0
和歌山県 6,602 4.1 0.9 5,297 4.0 0.8 4,489 4.1 0.8
関西2府4県 161,172 100.0 20.9 132,575 100.0 20.4 109,051 100.0 19.9
全国 771,906 - 100.0 651,111 - 100.0 548,442 - 100.0
平成１３年 平成１８年
平成８年
出 所 ：「 事 業 所 ・ 企 業 統 計 調 査 」（ 平 成 ８ 、 1 3 、 1 8年 ） を も と に 筆 者 作 成 。
（ ２ ） 従 業 者 数 （「 事 業 所 ・ 企 業 統 計 調 査 」）
「 事 業 所 ・ 企 業 統 計 調 査 」（ 総 務 省 ） か ら 関 西 各 府 県 に 所 在 す る 製 造 業 の 従 業 者 数 の 特 徴 に つ い て 述 べ る 。 図 ２ － １ － ８ は 、 関 西 各 府 県 の 製 造 業 の 従 業 者 数 に つ い て の 対 関 西 比 と そ の 推 移 を 示 し て い る 。大 阪 府 ・ 兵 庫 県 ・ 京 都 府 の ３ 府 県 の 従 業 者 数 （ 製 造 業 、 平 成 1 8 年 ）は 、対 関 西 比 で 8 1 . 7 ％ を 占 め て い る こ と が わ か る 。そ の な か で も 大 阪 府 は 同 4 3 . 9 ％ と ４ 割 強 を 占 め 、 続 い て 兵 庫 県 が 同 2 5 . 5 ％ 、 京 都 府 が 同 1 2 . 3 ％ に な る 。
同 図 お よ び 表 ２ － １ － ４ か ら 、 平 成 ８ 年 か ら 平 成 1 8 年 に か け て の 推 移 を み る と 、 大 阪 府 で は 従 業 者 数 お よ び そ の 対 関 西 比 が と も に 逓 減 し て い る こ と が わ か る 。 他 方 、 そ の 他 の 府 県 で は 従 業 者 数 自 体 が 減 少 す る も 、 対 関 西 比 は 上 昇 ま た は 横 ば い で あ る 。
