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経済変動論 Kizuku Takao ch6 latterhalf

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Academic year: 2018

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(1)

第 6 章 ( 後半 )

高尾 築

青森公立大学 経営経済学部

講師

2017/07/06

(2)

. . . . . .

0. アウトライン

第 6 章 閉鎖経済での長期の経済分析 (教科書 pp.130-152) (前半)

1. マクロ経済モデル

2. 財・資金市場の均衡と実質 GDP の決定 3. 政府の経済活動とマクロ経済

4. 比較静学 (後半)

5. 貨幣市場の均衡: 物価水準の決定 6. 長期の均衡

2 / 17

(3)

5. 貨幣市場の均衡 : 物価水準の決定

これまでは, 実質 GDP や実質利子率など, 実質変数の決定に ついて説明してきたが, 以降は名目変数の決定に必要な物価水 準の決定について考察.

物価水準 {P1,P2}は, 貨幣市場の均衡条件より決定

(4)

. . . . . .

.貨幣保有動機 .

.

... .

.

.

貨幣の特徴: 流動性(いつでも好きな時に財と交換できる性 質) の高さ

貨幣需要は, 貨幣保有することによってもたらされる 流動性の便益

流動性の費用 (債券などに投資していれば得られたはずの収益

機会費用)

の大小によって決定. .(実質) 貨幣需要関数 .

.

... .

.

.

L(Y , i)

(1) 財・サービスの取引量 (実質 GDP, Y ) の増加 (減少)

⇒貨幣需要の増加 (減少)

(2) 名目利子率 (i) の上昇 (下落) ⇒ 貨幣需要の減少 (増加)

4 / 17

(5)

第 1 期の貨幣市場の均衡条件: M1

P1 = L(Y1

,i) (6.17)

M1: 1期の名目貨幣供給量 P1: 1期の物価水準

L(Y1,i): 1期の実質貨幣需要量

(6)

. . . . . .

フィッシャー方程式

i = E (π) + r (4.14)

E (π): 期待インフレ率

i: 名目利子率, r: 実質利子率

本章の分析において,不確実性は存在しないことを仮定してい るので,家計の予想するインフレ率は現実のインフレ率と一致 する. したがって, (4.14)式は以下のように書き換えられる:

i = π + r (6.18)

6章前半の議論より,実質利子率rは資金市場の均衡条件よ り既に決定されていることに注意. 以降では, r = rとする.

6 / 17

(7)

第 2 期の貨幣市場の均衡条件 M2

P2 = L(Y

2(r)) (6.19)

L(Y2(r)): 2期の実質貨幣需要量

実質利子率は資金市場の均衡条件より決定済みであるので, 2期のGDP Y2(r)も決定済みである. また, 3期目は存在しな いので,貨幣保有に関して名目利子率は考慮されない. した がって,上記のように第2期の貨幣市場の均衡条件が成立する. ゆえに, 第 2 期の均衡物価水準は以下のように与えられる:

P2 =

M2

L(Y2(r)) (6.20)

(8)

. . . . . .

(6.17)式は以下のように書き換えられる: M1

P1 = L(Y

1,r+ π) (6.21) 1期の均衡GDPも財市場,資金市場の均衡条件より既に決 定されている. したがって, (6.21)式より,残っている(まだ解 けていない)内生変数は P1およびπであることがわかる. インフレ率 (π):

P2

P1

= 1 + π (6.22) (6.22)式を (6.21) 式に代入:

M1

P1 = L(Y

1,r+ π) M1

P2

(1 + π)= L(Y1,r+ π) (6.23) (6.23)式より,均衡インフレ率πが決定される. そして,

(6.22)式からP1が決定される. 8 / 17

(9)

(6.23)式の左辺: 第 1 期の実質貨幣供給量を表す πと第1期の実質貨幣供給量の関係について,

縦軸をインフレ率(π), 横軸を実質貨幣量でグラフをとると, 右上がりの線で表される.

(6.23)式の右辺: 第 1 期の実質貨幣需要量を表す πと第1期の実質貨幣需要量の関係について,

縦軸をインフレ率(π), 横軸を実質貨幣量でグラフをとると, 右下がりの線で表される.

(10)

. . . . . .

貨幣市場の均衡

10 / 17

(11)

第 1 期の名目貨幣供給量の増加 .

.

... .

.

.

M1 ⇒ M1

(6.23)式の左辺が, 任意の π について上昇

したがって, 図 6.8 が示すように, 右上がりの線が右シフト 結果的に, 均衡インフレ率は低下 (π ⇒ π∗′),

第 1 期の均衡物価水準は上昇 .第 2 期の名目貨幣供給量の増加 .

. .

M2 ⇒ M2

(6.20)式より, 第 2 期の名目貨幣供給量の増加は第 2 期の均衡 物価水準 P2を上昇させる (P2 ⇒ P2)

(6.23)式の左辺が, 任意の π について低下

したがって, 図 6.8 が示すように, 右上がりの線が左シフト 結果的に, 均衡インフレ率は上昇 (π ⇒ π∗′′)

(12)

. . . . . .

貨幣市場の均衡 (第 1 期の名目貨幣供給量の増加)

12 / 17

(13)

貨幣市場の均衡 (第 2 期の名目貨幣供給量の増加)

(14)

. . . . . .

マクロ経済の長期均衡の構造

14 / 17

(15)

6.2 6 章における重要な含意

.

... .

.

.

(1) マクロ経済の長期均衡において, 貨幣は物価水準のみに影 響を与え, 実質変数に影響しない. (貨幣の中立性, 古典派の二 分法)

(2) マクロ経済の長期均衡は完全競争市場均衡なのでパレート 効率的である.

(16)

. . . . . .

(2)について補足: 第 6 章の分析では,

(2章の分析を踏まえて),家計は利子率を所与として自らの 効用を最大化するように消費計画を決定することを想定 (3章の分析を踏まえて),企業は利子率を所与として企業価 値を最大化するように設備投資を決定することを想定

つまり,家計も企業も利子率を所与として,プライス・テー カー(価格受容者)として行動

資金市場だけでなく財市場の均衡を考慮

不確実性や,情報に関するいかなる不完全性も存在しないので, 家計や企業は政府の行動や経済の構造を正確に理解している

したがって,6章におけるマクロ経済モデル(一般均衡モ デル)は完全競争市場均衡を分析していたことになる.

16 / 17

(17)

(2)について補足つづき:

すなわち,ミクロ経済学で学習した厚生経済学の第1基本的定 理が成立するため,均衡で決定される資源配分はパレート効率 的であるといえる.

パレート効率的: 誰かの効用を下げることなく,他の誰かの効 用を上げることができないような状態であることを意味. したがって,パレート効率的な資源配分が実現しているので, 政府の経済政策による介入は必要性が無いことになる...

しかし,経済政策が不要であると結論づけるのは現実的でな . 教科書の6章以降の章では,これまでの前提条件を修正し, より複雑な分析を行っている. 6章の最大の目的は,マクロ 経済分析のベンチマークとして,一般均衡モデルの概念を理解 することである.

参照

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