21
第 3 章
財市場:投資
3.1 投資とは ?
消費(Consumption): 現在のための支出
投資(Investment): 将来のための支出(工場などの資本を作る → 将来の利潤に貢献)
3.2 総需要 (GDP 、国民所得 ) の中の投資
GDP (Y) =消費(C) +投資(I) +政府支出(G) +純輸出(NX)
総需要(GDP)の約20%を占める: 比率は低いが、増減が激しく景気を左右する
-30.0 -20.0 -10.0 0.0 10.0 20.0 30.0
1981 1986 1991 1996 2001 2006 投資 GDP
3.3 投資による 2 つの効果:投資の二重性
現在: 需要創出(工場などの資本を作るために鉄などを買う)
将来: 総生産能力創出(出来上がった資本を利用して将来より多くを生産できる)
投資の二重性: 投資はその現在の総需要への影響と、将来の総供給への影響を考える必要がある
•大学のマクロ経済学:総需要の分析が中心。投資も総需要への影響を中心に考える
明海大学マクロ経済学:影山純二(学生用)
3.4 投資の決定
例題: 以下のようにA∼Eの5つの投資プロジェクトがある。それぞれ100万円の費用を必要とし、その予想される収益を限界効 率(1単位追加的に投資することによる収益)に従って並べると表の通りである。社長としてどのプロジェクトを行うべきか?
プロジェクト A B C D E リターン 20% 10% 5% 2% -2%
3.4.1 利子率との関係
ヒント: 金融機関にお金を預けたら?、借りたら? 利子率が7%のとき:
利子率が3%のとき: 結果:
3.4.2 将来の景気との関係
将来の景気(売上げ)が良くなると予想されると?: プロジェクトのリターンが一律5%アップ 利子率が7%のとき:
利子率が3%のとき: 結果1:
結果2:
3.5 課題
(A4、上部に課題番号、学籍番号と氏名、計算過程も記入、読みにくい場合は減点) 1. 投資の2つの効果を述べよ。2. 投資と利子率の関係をグラフに書け。
3. 投資が利子率に対してより弾力的(投資が利子率の変化に対してより大きく反応する)になったとする。この時、投資と利子 率のグラフはどうななるか。グラフを書きつつ説明せよ。
22