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ウェルプレートと塩橋を用いた並列の電気分解 研究発表一覧 第46回関東理科教育研究発表会千葉大会

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Academic year: 2018

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……… 第46回関東理科教育研究発表会

1 はじめに

 本実験は陽極と陰極での変化の観察と半反応式の理解を容易にできるように工夫し,一つのウェルプレー トで生徒がさまざまな電解質の電気分解をできるようにしたものである。通常,電気分解は一つの電解槽に 陽極と陰極を入れて行われる。この場合,電極付近で変化した電解液が混ざるため,各電極付近での反応を 観察しにくい。そこで,曲がるストローを用いて簡易に塩橋を製作し,これを用いてウェルプレートで電気 分解を行う。電極は2㎜の金属線をU字に曲げたものを用いる。この方法では電極をU字にしているので, 電解槽を並列にして同時に電解液の異なる電気分解を行うことができる。このため,電解液と電極による生 成物の違いを効率的に観察できる。また,陽極と陰極で電解槽を分けているため,電解液の再利用や廃液の 処理もしやすい。

2 実 験

  並列の電気分解(硫酸銅(Ⅱ)水溶液と硫酸ナトリウム水溶液)  2. 1 事前準備(教師が行う)

  2. 1. 1 塩橋の製作

  準備:直径6㎜のストロー(蛇腹の部分が長いもの良い),純水50gに塩化カリウム10gを溶かした塩 化カリウム水溶液,寒天,ビーカー,駒込ピペット

   ストローをU字に曲げ,熱湯に5秒ほど入れて柔らかくし,熱湯から取出し,水で冷やしてU字に固 定する。固定した後,ウェルプレートに合わせて切断する。用意した塩化カリウム水溶液60gを加熱し ながら,約2gの寒天を少量ずつ加えて溶かす。寒天を溶かした塩化カリウム水溶液を駒込ピペットで 切断したストローの中に入れ,常温で固まるのを待つ。製作した塩橋を保存するときは同じ濃度の塩化 カリウム水溶液に入れる。

  2. 1. 2 U字型電極の製作と電源の作成

  ① U字型電極の作成準備:直径2㎜のステンレス線

    直径2㎜のものを80㎜に切断し,中央からU字に曲げる。曲げた金属線にビニールテープなどを用 いて陽極と陰極を区別できるようにすると良い(写真1)。

  ② 3V電源の製作の準備:スナップ端子付き電池ボックス(単三×2本),バッテリースナップ,    みの虫クリップ(小)の赤と黒

    バッテリースナップにみの虫クリップをハンダ付する(写真2)。これを電池ボックスと接続し電 源として用いる。みの虫クリップ付きリード線でも同様に実験を行えるが,このような電源コードを 製作すると準備と片付けが容易になり,生徒の接続のミスを減らすことができる。

   ※みの虫クリップの正極と負極,ステンレス電極の正極と負極をショートさせないように注意する。

       写真1 曲げたストローと塩橋とステンレス電極         写真 2  電源      

ウェルプレートと塩橋を用いた並列の電気分解

千葉県立流山南高等学校 

賀澤 勝利

 

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千葉大会

 2. 2 準備

 器具:12 穴(3×4)ウェルプレートまたは白い製氷皿,塩橋,電極1組,3 V 電源(1.5Vを2個),駒 込ピペット ※製氷皿を用いるときは,塩橋や電極の大きさは使用する製氷皿に合わせる。

 試薬:1 mol/L 硫酸ナトリウム水溶液,1 mol/L 硫酸銅(Ⅱ)水溶液, BTB溶液

 ※試薬は使用量が少ないので, 乳幼児投薬ビン(容量30mL)や点眼ビン(容量10 ~ 20mL)に入れると便 利である。

 2. 3 操作

 ① ウェルプレートのA 1 ,B 1 に1mol/L硫酸銅(Ⅱ)水溶液を3mL 入れる。また,A 2 ,B 2 には1mol/L硫酸ナトリウムを3mL入れ, BTB溶液を加えて,緑色にする。

 ② A1とB1,A2とB2をそれぞれ塩橋でつなぐ,U字のステンレス線 でA1とA2,B1とB2をまたぐように挿し込む。

 ③ 電池ボックスと接続したみの虫クリップで両側のステンレス線の上端 をはさみ,電気分解を始める(写真3)。両極での変化を観察する。3 分 後に, みの虫クリップを外し,電気分解を終了する。         

3 解 説

 3. 1 実験の電気分解について

 ① 硫酸銅(Ⅱ)水溶液の電気分解の陽極・陰極の反応

 ② 硫酸ナトリウム水溶液の電気分解の陽極・陰極の反応

   この並列の電気分解では陽極と陰極で起こる反応を同時に確認できるので,各電極での反応を比較し やすい。また,気体の発生量から還元のされやすさを見ることができる。

 3. 2 電極,電源,廃液について

 (電極)U 字型電極は細い棒の電極よりも動きにくいので,通常の電気分解でも使いやすい。また,銅線 を電極として用いると,電極の溶解する電気分解ができる。

 (電源)この電源を用いると高価な電源装置がなくても、簡単に電気分解の実験ができる。本実験ではス テンレス電極の溶解が起こりにくいように,単三電池2本を用いた3Vで行った。3Vより高い電圧で 電気分解する場合は電極が溶けない炭素棒の電極などを用いる必要がある。また3V以上の電圧にする ときは単三電池が4本入るスナップ端子付き電池ボックスや9Vの006 P型の積層乾電池を使うと良い。  (廃液)実験終了後,ウェルプレートから電解液を取り出すときスポイトを用いると,陽極と陰極の液を別々

に,回収できるので電解液の再利用や廃液処理が容易になる。

4 おわりに

 本実験のようにウェルプレートを利用することにより,電気分解をマイクロスケールの実験にすることが できる。このようにすると教師は使用する試薬の量の節約,実験の準備や後片付けを容易にすることができ る。また,生徒は自分で考えて様々な電極と電解液の組み合わせの実験を行うことができる。このことによ り,生徒は実験の結果からどのような反応が起こるかを考えることができ,並列で電気分解を行うことによっ て反応の起こりやすさについても考えることができる。

陰極 Cu2+ + 2e-  Cu  (確認)ステンレス線に銅が析出

陽極 2H2O → O2+ 4H+ + 4 e- (確認)気体の発生

陰極 2H2O + 2e-  H2 + 2OH- (確認)気体の発生と溶液が緑色から青色に変化

陽極 2H2O → O2+ 4H+ + 4 e- (確認)気体の発生と溶液が緑色から黄色に変化

写真 3 並列の電気分解の結果

参照

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