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産業の発達を阻害する可能性のある権利行使への対応策に関する調査研究

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成平0年度 特許庁産業財産権制度問題調査研究報告書

産業の発達を阻害する可能性のある権利行使

への対応策に関する調査研究報告書

成21年3月

財団法人 知的財産研究所

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要 約

Ⅰ. 序

1. 背景

自ら製造販売等の事業をし い い者が、特許権を利用し 、和解金や、ライセンス 料を得るこ を目的 し 特許権を取得し 、特許権の行使をするよう 事例が米国にお い 複数ある され、このよう 者の一部をパテントトロール 呼ぶ論者がいる

が国で 、これに相当するよう 事例につい の裁判例 見られ いものの米国 同 様の事例が が国におい も発生しつつある の懸念が産業界から示され おり、これら に対し 、法律的 検討が求 られた

本調査研究 、 が国におけるいわゆるパテントトロールに対する懸念を基礎 するも のである お、 パテントトロール いう言葉 定義するこ で いが、便宜上、 本報告書で 、 いわゆるパテントトロール いう言葉を用いるこ する

2. 調査研究の目的 内容

本調査研究で 、いわゆるパテントトロールについ 、産業界の主張及び課題提起に基 い 有識者で構成する委員会におい 法的 分析を行う 共に、ガイチライン等の方策 を講ずるべ かの検討を行 た

また、いわゆるパテントトロールについ 検討するた に、 が国の制度 米国の制度 の対比を行 た 更に、アンケート調査結果及びヒアリンエ調査結果に基 、 が国 における認識につい 分析及び考察を行 た

Ⅱ. 米国 が国の制度の比較

が国におい 、いわゆるパテントトロールについ 検討するた に、日米両国におけ る特許制度及び特許侵害訴訟制度等の相違を検討した

1 特許付 段階

米国におい 、特許を認 る基準が日本よりも緩やかである の指摘がある

2 紛争段階

米国における制度運用につい 以下列挙する

① ファーラムショッヌンエにより特許権者に有利 特許侵害訴訟のファーラムを選 択する余地がある

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クレーム解釈におい 、クレームに記載された用語の辞書的又 一般的 意義が重 視されるこ が多い 指摘され いる

特許侵害訴訟等におい 特許の有効性が推定される旨が米国特許法第 平8平 条に規定 され いる もに、その反証の基準も上cleバメ バ点d c為点v至点c至点ブ ev至de点ce上 され いる

先使用権 限定された場合しか存在し い い 陪審審理が存在し いる

懲罰的賠償制度や上e点t至メe-mバメket-vバlue メule上がある 特許侵害訴訟におい もタィスカバリー制度がある

お、平001 年から 平007 年にかけ 、地裁における日本の特許権侵害訴訟における特許 権者の勝訴率 約 平0% たのに対し 、米国の特許権侵害訴訟での特許権者の勝訴率 約 40% 、日本のそれよりも高か た も も、日本における訴訟提起の件数自体が少

いこ から統計的に意味があるかについ 議論がある

Ⅲ. 産業界の懸念 実態調査

1. 日本知的財産協会の考え方

日本知的財産協会で 、日本で 未 いわゆるパテントトロールからの特許権の侵害訴 訟 提起され い いものの、外国の特許権も保有し日本を含 たエローバル ライセン スを要求するケースも増え いるこ 、米国のように特許権の権利行使を目的 し 設立 された特許管理会社が今後増え い も限ら いこ 、すでに日本国内でも上記のよう 特許管理会社が権利行使するケースが発生し いるこ を受け 、いわゆるパテントトロ ール的 権利行使への対策につい 、平007 年度から適正エンファースメントプログェクト を立 上 検討を開始した そのプログェクトの中で、差止 の制限、損害賠償額、侵害 に対する責任の問題、権利消尽、権利濫用の観点から検討した ころ、日本の現行制度に おい 、権利濫用法理の適用によ 、パテントトロール的 権利行使が防 る可能性 がある の結論に達し、パテントトロール的 権利行使の行 態様から、権利濫用法理の 適用可能性がある仮想事例を作成し 本調査研究委員会へ検討対象 し 提供した

2. 日本自動車工業会における認識

日本自動車工業会知的財産委員会で 、開発 生産機能を備え い投資ブンチ等が特 許権を譲り受け、高額 ロイヤリティを搾取する権利行使 、産業の健全 発達を阻害す る かりで く、消費者利益も害する可能性が高く、対応すべ 問題のひ つ した

いわゆるパテントトロール 、知的財産制度 裁判制度及びその運用がその活動を助長

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し易い米国を中心に活動し いる

しかし、米国におい 、米国連邦最高裁判所による eケバ独 判決 の動 もある 日本におい 、権利行使の態様に係わらず、 侵害 認定された場合に 、 差止 が認 られる このた 、 逆リスク”の い権利者が日本特許権に基 く 差止 を 武器に一方的かつ敵対的 権利行使を行う環境 があり、これら権利者が次 る活動を日 本に求 い いう保証 く、自工会作成の仮想事例が現実に発生する可能性がある 考え いる

3. が国の実態調査結果

いわゆるパテントトロールについ の認識 経験等に関する情報を収集するこ を目的 し 、製造業者、TLO及び流通業者の知財担当者にアンケート調査を行 た また、 具体的 情報を得るこ を目的 し 、ヒアリンエ調査を並行し 行 た

1 意識

日本の特許権を利用した の前置 をし 、いわゆるパテントトロール問題につい 意識調査をした ころ、問題意識を有し いる者 多いものの、実際にいわゆるパテン トトロールから権利行使を受けた経験 少 い の結果を得た

2 認識

パテントトロール いうものについ 認識調査で 、多種多様 回答を得た 業種 間での認識の相違も大 い 結局、 パテントトロール いう言葉につい 、定義で

い状況が確認された

3 いわゆるパテントトロールから権利行使を受けた経験につい

アンケート調査で 、日本の特許権を利用したいわゆるパテントトロールの権利行使の 総数 米国の特許権を利用したもの 比較し 少 く、ライセンス契約に至るの 少 い の結果を得た ヒアリンエ調査におい 、日本の特許権を利用したいわゆるパテント トロールの権利行使への対応にリソースの投入を余儀 くされ いる の回答も得た

4 その他の調査結果

法改正の要望及びガイチライン作成の要望につい も調査を行 たが、いずれもその要 望 多く か た

Ⅳ. 特許権の侵害に対する救済及び権利行使の制限

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1. 特許権の侵害に対する救済

1 差止 特許法 100 条

差止請求権 物権的請求権の一種である 解され おり、請求に当たり故意過失等の 主観的要件を必要 し い 特許法 100 条 1項によれ 、現実に特許権侵害が行われ い る場合に加え、予防的差止請求も可能である また、100 条1項に付 し 請求で る破 棄除去の請求 同条 平 項 、最判 成 11 年 7 月 16 日民集 5年 巻 6 号 957 頁で 、それ が差止請求権の実現のた に必要 範囲内におい の 請求で る され いる

2 損害賠償

特許法 過失の推定規定 特許法 10年 条 損害額につい の推定規定 特許法 10平 条 を置くこ により、権利者の立証活動を容易 ものにし いる た し、日本で、知的財 産に関する損害賠償 損失の填補 を目的 するものである いうこ を貫 通すこ に妥当性があるのか うか いう点につい 、損害賠償法体系全体に位置 け けれ

ら いこ であるので、今後も根本的 議論を重 る必要がある

3 過失の推定 特許法 10年 条

推定される過失の具体的内容につい 、一般的に 、①特許権の存在につい 認識 予見し か たこ 、 技術的範囲に属するこ を認識予見し か たこ 、に分ける こ がで る ①の 特許権の存在の認識 につい 、大多数の判決が特許権の調査義 務の存在を認 いる の 技術的範囲の属否 につい 、一般的に高度 注意義務 が課され いる

2. 権利行使の制限

1 権利の内在的 制約につい

ⅰ 権利の行使につい の基本的 考え方

特許権に基 く差止請求権の行使 いうもの 、他人に対し 、何らかの不利益を受忍 するこ を強いるものである そし 、特許権を行使された者 例え そのよう 権利行 使 も より法の認 る ころで い 主張し、あるい 、それが権利濫用を構成する 主張し 防御に努 るこ に ろう も も、ある権利行使が権利濫用にあたる理由 し 権利に内在的制約がある いわれるこ もある以上、権利濫用 の差 、明確に区 分で るもので い

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一見不都合に見える特許権の行使の価値

価値が低い 多くの者が認識し いる財産を安価に取得し、その潜在的 価値を顕在化 さ るこ によ 差分の利益を得る いうの 、あらゆる経済活動の基本であるし、こ のよう 行 を不正義 するこ 、日本の採用する自由主義経済の否定を意味するし、 企業に 自己否定そのものである

権利濫用法理が適用された例 し 有名 いわゆる 奈月温泉事件(大判昭和10年10月5 日民集14巻1965頁)で 、土地を取得した者が行おう したこ 、問題の土地に大 取 引価値があるこ を顕在化したので い 土地を取得した者が引湯管を引い しま た 者に対し 引湯管の撤去等を求 るこ によ プレッシャを加え、潜在的 取引価値

ま たく無関係 高い値段で、周辺の土地を含 買い取ら よう し、所有権に基 く妨害排除請求が、 土地を不相当に巨額 代金で買い取ら る いう要求を行う手段 (レバレッグ) し 用いられたこ が問題 され いる

これに照らす ら 、行使され い い特許権を取得し、これを行使し 、実施料を得 るこ 自体に 、何のおかしさも い しかし がら、当該特許権の潜在的 取引価値

ま たく無関係 利益を ろう する場合、そのよう 権利行使が制約されるこ もあ ろう

私的財産権 、も も 公共の福祉 調和するように法律によ その内容が定 られ るべ ものである(憲法 平9 条 平 項) 特許権 いえ も、私法上の権利の一つに過 い以 上、そのよう 内在的 制約から 免れ得 い 特許権の行使がそもそも許容され得 い

いう場合もある ろうし、権利濫用の法理によ 認 られ いこ もある

2 権利濫用

ⅰ 権利濫用 (知的財産権)

権利濫用 、特許権に明白 無効理由がある場合に、用いられた 一方で、 い おう有 効に権利が存在するがこのよう 事情のも で 権利の行使 認 られ い いうかた

の 権利の濫用 につい 、認 られた事案 ほ ん い

特許権の行使に対する権利濫用を認 るた に考慮すべ 事項

特許権の行使に対し 権利濫用の抗弁を認 るべ であるか 、それ れの事案の事情 によるのであ 、安易に類型化し 論 るこ で い

裁判例で 、権利の行使によ 生 る権利者個人の利益 相手方に及ぼす不利益 を 利益衡量する けで く、権利者個人の利益 公共の利益 の比較衡量をしたうえで、抗 弁を認 いる(板付基地事件最高裁判決、前記大判昭和 1年 年 10月 平6 日大審院民事判例 集 17 巻 平057 頁) また、裁判例 、権利者が権利の潜在的価値を るかに超え 利益を得

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よう する場合、す わ 、権利行使がそもそも権利の持つ価値の実現化 いえ い場合 にも権利濫用の抗弁を認 いる( 奈月温泉事件)

特許権の行使に対し 、権利の内在的制約あるい 権利濫用の抗弁が認 られるか否か

、具体的 事実関係を基に議論し 初 判断し得るものである したが 、本報告 書で仮想事例 し 触れられ いる事情を基に結論を出すこ 不可能である 現実の訴 訟における一連の証拠 同程度の具体性を持 た想定事例によ の これをよく行うこ

がで るであろう

特許権につい 、権利範囲を限定解釈するこ で妥当 結論を導 出すこ が比較的 容易であるから、権利濫用の抗弁を認 けれ 不都合を生 る場面 少 い また、特 許権者による特許権に基 く差止請求が公共の利益 衝突し 、公共の利益から特許権の 行使を制約し けれ ら い場合がある し も、 方の利益の調整方法 し 、裁定 実施(特許法 8年 条)が明文で規定され いる

3 裁定実施権

ⅰ 裁定制度につい

不実施の場合 特許法 8年 条 、利用関係の場合 同 9平 条 、公益上特に必要 場合 同 9年 条 に裁定実施権が設定されるが、いずれの場合も裁定を請求する前に、特許権者等 ライセンス交渉を行うこ が必要であり、ライセンス契約に至ら か た場合にの 裁定 を請求するこ がで る さらに、裁定制度に関する制約 し 、特許法 8年 条等に規定さ れ いる要件を満たさ けれ ら い かりで く、T次同タS 協定や日米包括合意等を遵

するこ が求 られ いる

また、裁定制度 、裁定までの間にその理由が く る 裁定請求 認 られ い 裁 定がされた し も裁定の理由の消滅等によ 裁定が取り消される場合がある 特許法 90 条 1 項、9平 条 7 項、9年 条 年 項

いわゆるパテントトロール問題 の関係

① 裁定請求につい

裁定請求で 相手の特許発明の実施の必要性を述べるこ に るので、侵害被疑者が裁 定請求をした場合に 、侵害行 を認 たかのように理解される虞があり、現在 続中の、 あるい 、提起される可能性のある特許権侵害訴訟に対し 悪影響を えるので いか

の危惧もある 指摘され いる 不実施の場合の裁定

特許発明の実施の促進を図る制度であるから、特許権者が複数の者を相手 し ライセ

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ンス交渉をし いるよう 場合に、そのう の一部の者から裁定の請求が出された し も、他の者に対し 、実施許諾をすれ 、裁定実施権を設定する理由が失われる

利用関係の場合の裁定実施権

日米包括合意により、司法上あるい 行政上、特許権者の行 が反競争的である の認 定を得 けれ ら い

ⅲ ま

前述のように、現行制度上、裁定を受けられる場合 非常に限定され いる さらに、 いわゆるパテントトロールへの対抗策 し 不実施の場合の裁定制度や利用関係の裁定制 度を活用するの 難しい 言わ るを得 い

お、公益のた の裁定請求 9年 条 が認 られるか否かについ 、特許発明の公益 上の必要性の問題であるので、いわゆるパテントトロールの行 であるか否かに関わら い

4 消尽

特許製品の国内消尽につい 、最判 成 9 年 7 月 1 日民集 51 巻 6 号 平平99 頁におい 傍論で説示が され、最判 成 19 年 11 月 8 日民集 61 巻 8 号 平989 頁におい 一般論 し

肯定された

特許権者が既に部品会社からライセンス料を得た上で、完成品の製造業者に対し する 権利行使 、消尽によ 、阻まれるこ に る

5 過失の推定

これまでの裁判例等を鑑 る 、業 し 実施し いる者につい 、過失の推定が覆滅 するこ 極 まれである

次に、上記完成品の製造業者が部品等を製造し いる者 の関係に着眼する 、特許権 侵害の部品を提供し いるこ から、民法上の瑕疵担保責任 民法 570 条 が適用される か否かが問題 る

部品等の製造業者が完成品の製造業者に対し リバースエングニアリンエ禁止の契約を し いた場合に 、完成品の製造業者 部品等の技術内容を把握するこ がで ず、契約 上、特許権 の関係につい の調査もで い この場合、完成品の製造業者を、善意無 過失である する説もある

3. 不適法 権利行使に対する措置

1 いわゆるパテントトロールに対する不当特許侵害訴訟等に係る不法行 による損

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害賠償等請求

いわゆるパテントトロールが、特許侵害訴訟の本訴を提起し、判決を執行し、仮処分命 を申し立 、又 仮処分命 を執行した場合、これらが不法行 に相当すれ 、いわゆ るパテントトロールに対し 損害賠償 民法第 709 条 を請求するこ が考えられる そ し 、以下に述べる不法行 の成否の一般的 判断基準及び知的財産侵害事件に関する裁 判例による同基準の適用につい 、日本の特許制度及び特許侵害訴訟制度並びにその運 用を前提にする限り 、いわゆるパテントトロール の関係をも含 、特に問題 い であろう 考えられる

① 本訴の提起又 仮処分命 の申立 の場合

最判昭和 6年 年 1 月 平6 日 、本訴の提起又 仮処分命 の申立 による不法行 の成立 を否定し いる

判決の執行の場合

最判昭和 44 年 7 月 8 日による 、判決の執行により不法行 の成立が肯定される事例 、 例外的 ものの に るであろう 考えられる

仮処分命 の執行の場合

大判昭和 1年 年 5 月 7 日及び最判昭和 4年 年 1平 月 平4 日によれ 、不法行 の成立が肯定 され いる

2 パテントトロールに対する取引先への不当特許侵害警告に係る営業誹謗による差 止請求及び損害賠償等請求

いわゆるパテントトロールについ 、請求者 の間におい 、不正競争防止法第 平 条 1 項 14 号所定の 競争関係 が認 られ けれ ら い

いわゆるパテントトロールが特許発明を競合メーカーに有償で実施許諾しよう し い るに留まる場合でも、特に取引段階が異 る 競争関係 潜在的 競争関係 等をも肯 認する学説によれ 、いわゆるパテントトロールが少 く も特許発明の有償での実施許 諾を業 する者である以上、特許発明又 競合技術を実施し いるメーカー 、 お 競 争関係 がある され得るので いか 考えられる

お、近時、複数の有力 裁判例におい 、同請求につい 、正当 権利行使 し 違 法性を阻却する余地が肯認され、その要件考慮要素等が判示されるように いる

3 独占禁止法

いわゆるパテントトロールに対し 、独占禁止法に基 い 権利行使が制限されるの

、限定的 行 態様に まる 考えられる

知的財産による権利行使を適用除外 する独占禁止法 平1 条につい 、競争に大 影

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響を える権利行使に 同法が適用される いうのが、現在の一致した解釈である た し、独占禁止法 同法 平 条 4 項が定義する 競争 の場=市場への影響を規制根拠 する 以上、これを立証で けれ いわゆるパテントトロールについ も同法の規制対象

ら い この点、知的財産ガイチラインが典型的に指摘するように、有力 技術を保持 する権利者が差別的に権利行使を行う場合に 、独占禁止法上問題 される可能性が高い しかし、それ以外の場合、特に権利者が等しく権利行使を行 いる 見られる場合に 、 現在の法解釈上、競争への影響の立証につい 困難 問題が残る

Ⅴ. 産業の発達の阻害 に関する経済学の考え方

1. 産業の発達を阻害するよう 特許権の行使 があり得るか

技術開発投資が極 リスクの高いものであるこ 、それにもかかわらず技術革新のた 必要 る投資単位が増加傾向にあるこ 、さらに成果の模 費用が低いこ から、技 術開発促進制度が必要 され、特許制度がその重要 一部である され いる

一方で、特許制度 、独占権であり死重損失がさけられ いものであ 、技術利用を 犠牲にし 、新規技術への投資を確保しよう し いる もし、独占権の行使により権利 者以外の技術利用が阻害されうるこ も 産業の発達を阻害する こ の一部 、 いう 議論がある すれ 、制度の上、想定されたものである いうこ に る

2. 経済学からの検討

特許権 、一つ一つが他 異 る技術内容を持つユニーク 権利であり、また、同 技術を効率的に活用で るか うか 、利用する側の能力 補完的資産 し の人的資産 に依存するこ が多いので、特許権の価値 実施する者が誰かに依存する したが 、 個別の特許権の価値 、主にバイラテラル 交渉によ 決定される

経済学におけるモタルで 、いわゆるパテントトロールが、大企業を狙い、論点を明確 化 ず、また自ら生産研究開発設備を持た いこ につい 、このよう 交渉過程にお ける交渉力を強化するた の行動 し 理解するこ がで る つまり、交渉結果を予測 しがたいものに たり、補完的資産を切り し権利 けを保有したりするこ 、そ れによ 金銭対価が大 く る余地がある場合に最適化行動を いるにす い、 解釈する これらのこ から、交渉過程のメカニゲムの理解が深まれ 、交渉の前提条 件により交渉力が のように影響を受けるか、予測可能性が向上するこ 期待で る

た し、交渉の前提条件が決まれ 直 に価値評価が収束するわけでも いので、裁判 手続におい 差止 を認 るまでにより時間を要するよう 制度改正が仮にあ た場合に 和解に動 やすく るか、 いうよう 仮想的 比較分析を行い、制度改善のた の基 礎資料 し 利用すべ であろう

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. ま

が国で 、いわゆるパテントトロールの問題が顕在化し いる いえ いし、 パテ ントトロール の概念も明確にするこ がで いこ から立法技術上の問題も生 、本 調査研究で 具体的 改正案を提案し いこ した

裁判によ の 判断されるべ 法の解釈に関するガイチラインを行政庁が発表するこ

、予測可能性の面から関係当事者を惑わす可能性もあり、慎重に対処し けれ ら い また、権利濫用の抗弁の成否を判断するた に 、具体的 事実を基に議論し 初 判断し得るものであり、権利濫用の抗弁が認 られる場合を定型化するこ 不可能 であり、ヒアリンエ調査でも、ガイチライン作成を要望する声 ほ ん 得られ か た したが 、いわゆるパテントトロール問題に関するガイチラインを作成するこ 行わ

い の結論に至 た

今後、差止請求権の在り方等につい 議論する場合に 、個人発明家や特許仲介業者の 利益を著しく損 うこ の いよう、条約による制約も考慮にいれつつ、特許制度におけ る発明の保護 活用のバランスを十分に慎重に検討すべ こ に留意すべ である

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近年、パテントトロール 米国を中心に問題 おり、 が国におい も産業界で パテントトロール問題が注目され始 いる 例え 、特許庁のイノベーション 知財政 策に関する研究会でも イノベーションを阻害する要因 の指摘もあるパテントトロール 問題 その考え方 し 、この問題を りあ いる

また、当財団法人知的財産研究所 、昨年度に特許庁からの委 を受け 行 た 日米 韓における特許権の行使に関する諸問題につい の調査研究 の中で、特許権の活用に関 する新た ビグネスモタルについ の調査をしたが、その中に いわゆるパテントトロー ル問題に関する調査も含まれ いた

本年度、当研究所 、ふたたび特許庁より委 を受け 上記パテントトロール問題につ い の調査研究を行うこ た 産業の発達を阻害する可能性のある権利行使への対 応策に関する調査研究 題した本調査研究 、 が国におけるいわゆるパテントトロー ル問題の現状等につい 、法律的 対応を含 昨年度以上に詳細 調査及び研究を行う こ を目指したものであり、本調査研究の成果 し その内容をま たのが本書である

昭和 年4 年に現行の特許法が制定され 以来、50 年の間に特許制度の活用の在り方 大 く変化し いるが、近年で 、上記のいわゆるパテントトロール問題のほかに、特 許の藪の問題等を契機 し 、特許権の行使の在り方を見直すべ である の議論が さ れるように いる 本調査研究が、今後、特許権の行使の在り方等につい の検 討の一助 れ 幸甚である

最後に、本調査研究の遂行にあたり、貴重 意見、 指導及び 協力頂いた委員各位、 オブザーバー各位、アンケート調査及びヒアリンエ調査に 協力頂いた関係各位及び日本 知的財産協会に対し 、この場を借り 深く感謝する次第である

成 平1 年 年 月 財団法人 知的財産研究所

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産業の発達を阻害する可能性のある権利行使 への対応策に関する調査研究 委員会名簿

委員長

相澤 英孝 一橋大学大学院国際企業戦略研究科 教授

委 員

飯田 圭 中村合同特許法律事務所 弁護士弁理士 石川 浩 持田製薬株式会社 知的財産部長 弁理士

上野 剛史 日本アイビーエム株式会社 理事知的財産部長 弁理士 江崎 研司 日本自動車工業会 知的財産企画部会 部会長

トヨタ自動車株式会社知的財産部長

成 平0 年 1平 月 年1 日まで 倉永 宏 日本知的財産協会 適正エンファースメントPJリージー

日本電信電話株式会社 知的財産センタ所長 小島 立 九州大学大学院法学研究院 准教授

小西 恵 三好内外国特許事務所 所長代理 弁理士 滝澤 紗矢子 東 大学大学院 法学研究科 准教授

田中 昌利 長島大野常松法律事務所 弁護士弁理士 田村 光一 日本自動車工業会 知的財産企画部会 部会長

トヨタ自動車株式会社 知的財産部 主査 弁理士

成 平1 年 1 月 1 日から 寺本 振透 東京大学大学院 法学政治学研究科法科大学院 教授 和田 哲夫 学習院大学経済学部経営学科 教授

以上、 十音順

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オブザーバー

嶋野 邦彦 特許庁 総務部 企画調査課 課長

岡 浩 特許庁 総務部 企画調査課 特許戦略企画調整官 油科 壮一 特許庁 総務部 企画調査課 企画班長

石丸 昌 特許庁 総務部 企画調査課 特許戦略企画班長 小林 英司 特許庁 総務部 企画調査課 研究班長

永野 志保 特許庁 総務部 企画調査課 特許戦略企画係長 蛭間 亮 特許庁 総務部 企画調査課 研究係

申 美穂 特許庁 総務部 企画調査課 工業所有権調査員

山本 英一 経済産業省 経済産業政策局 知的財産政策室 課長補佐 東 治企 経済産業省 産業技術環境局 産業技術政策課 課長補佐

望月 孝洋 経済産業省 経済産業政策局 知的財産政策室 不正競争防止専門官 中屋 裕一郎 内 官 知的財産戦略推進事務局 参事官補佐

井戸川 義信 内 官 知的財産戦略推進事務局 主査

菊池 恵子 日本電信電話株式会社 知的財産センタ 権利化担当 深津 拓寛 西村あさひ法律事務所 弁護士

事務局

大森 陽一 財団法人 知的財産研究所 専務理事 川 隆文 財団法人 知的財産研究所 常務理事 桂 正憲 財団法人 知的財産研究所 研究第 部長 岩井 勇行 財団法人 知的財産研究所 統括研究員 中村 幸子 財団法人 知的財産研究所 主任研究員 石原 隆史 財団法人 知的財産研究所 研究員 瓦井 裕子 財団法人 知的財産研究所 研究員 阿部 琢磨 財団法人 知的財産研究所 研究員

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目 次 要 約

に 委 員 会 名 簿

Ⅰ . 序 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 1 1 . 背 景 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 1 2 . い わ ゆ る パ テ ン ト ト ロ ー ル に つ い 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 1 3 . い わ ゆ る パ テ ン ト ト ロ ー ル の 行 産 業 の 発 達 の 関 連 に つ い 平 4 . 調 査 研 究 の 目 的 内 容 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 平 5 . 報 告 書 の 構 成 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 年

Ⅱ . 米 国 が 国 の 制 度 基 盤 の 比 較 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 4 1 . 特 許 侵 害 訴 訟 結 果 の 比 較 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 4 2 . 特 許 制 度 及 び 特 許 侵 害 訴 訟 制 度 の 比 較 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 5

Ⅲ . 産 業 界 の 懸 念 実 態 調 査 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 1 4 1 . 日 本 知 的 財 産 協 会 の 考 え 方 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 1 4 1 背 景 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 1 4 2 課 題 の 提 起 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 1 5 2 . 日 本 自 動 車 工 業 会 に お け る 認 識 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 平 0 1 日 本 自 動 車 工 業 会 に お け る 実 態 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 平 0 2 自 工 会 が 捉 え る 課 題 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 平 1 3 . 実 態 調 査 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 平 5 1 ア ン ケ ー ト 調 査 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 平 5 2 ヒ ア リ ン エ 調 査 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 4 7 3 考 察 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 5 7

Ⅳ . 特 許 権 の 侵 害 に 対 す る 救 済 及 び 権 利 行 使 の 制 限 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 5 9 1 . 特 許 権 の 侵 害 に 対 す る 救 済 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 5 9 1 差 止 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 5 9 2 損 害 賠 償 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 6 0 3 過 失 の 推 定 特 許 法 1 0 年 条 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 6 年 4 特 許 権 侵 害 の 救 済 方 法 に つ い 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 6 4 2 . 権 利 行 使 の 制 限 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 6 7

(17)

1 権 利 の 内 在 的 制 約 に つ い 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 6 7 2 権 利 濫 用 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 7 6 3 裁 定 実 施 権 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 8 1 4 消 尽 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 8 8 5 過 失 の 推 定 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 9 年 3 . 不 適 法 権 利 行 使 に 対 す る 措 置 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 1 0 0

1 被 疑 侵 害 者 に よ る い わ ゆ る パ テ ン ト ト ロ ー ル に 対 す る 自 己 へ の 不 当 特 許 侵 害 訴 訟 に 係 る 不 法 行 に よ る 損 害 賠 償 等 請 求 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 1 0 0 2 競 業 者 に よ る い わ ゆ る パ テ ン ト ト ロ ー ル に 対 す る 取 引 先 へ の 不 当 特 許

侵 害 警 告 に 係 る 営 業 誹 謗 に よ る 差 止 請 求 及 び 損 害 賠 償 等 請 求 貢 1 0 7 3 独 占 禁 止 法 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 1 平 5

Ⅴ . 産 業 の 発 達 の 阻 害 に 関 す る 経 済 学 の 考 え 方 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 1 年 0 1 . そ も そ も 産 業 の 発 達 を 阻 害 す る よ う 特 許 権 の 行 使 が あ り 得 る 、

経 済 学 文 献 か ら 根 拠 け ら れ る か 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 1 年 0 2 . 産 業 発 達 の 阻 害 が 危 惧 さ れ る 事 例 に つ い 、何 ら か の 視 点 や 示 唆 を 経 済

学 か ら 提 供 で る か 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 1 年 平 3 . 経 済 学 の 知 見 の 持 つ 限 界 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 1 年 4

. ま 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 1 年 6 1 . ガ イ チ ラ イ ン 作 成 の 要 否 に つ い 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 1 年 7 2 . 法 改 正 の 是 非 に つ い 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 1 年 8

資 料 編

資 料 Ⅰ 仮 想 事 例

資 料 Ⅰ - 1 仮 想 事 例 日 本 知 的 財 産 協 会 編 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 1 4 5 資 料 Ⅰ - 2 仮 想 事 例 日 本 自 動 車 工 業 会 編 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 1 5 1 資 料 Ⅱ ア ン ケ ー ト 調 査

資 料 Ⅱ - 1 配 布 ア ン ケ ー ト 用 紙 製 造 業 者  T L O 向 け 貢 貢 貢 貢 貢 1 5 7 資 料 Ⅱ - 2 配 布 ア ン ケ ー ト 用 紙 流 通 業 者 向 け 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 1 8 年 資 料 Ⅱ - 3 ア ン ケ ー ト 単 純 集 計 結 果 製 造 業 者  T L O 向 け 貢 平 0 9 資 料 Ⅱ - 4 ア ン ケ ー ト 単 純 集 計 結 果 流 通 業 者 向 け 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 平 6 7 資 料 Ⅱ - 5 ア ン ケ ー ト そ の 他 集 計 結 果 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 貢 平 9 9

(18)

本 報 告 書 、委 員 会 で の 議 論 を 基 に 、各 委 員 、オ ブ ザ ー バ 及 び 事 務 局 が 分 担 執 筆 し た も の で あ る こ の た 、各 報 告 書 の 内 容 、委 員 会 で の 議 論 を 踏 ま え い る が 、 必 ず し も 委 員 全 員 の 統 一 的 見 解 で い

本 報 告 書 の 執 筆 分 担 以 下 の お り で あ る

Ⅰ . 事 務 局 / 相 澤 英 孝 監 修

Ⅱ . 1 . 事 務 局

Ⅱ . 2 . 飯 田 圭

Ⅲ . 1 . 倉 永 宏 、 菊 池 恵 子 共 著

Ⅲ . 2 . 田 村 光 一

Ⅲ . 3 . 事 務 局

Ⅳ . 1 . 小 島 立

Ⅳ . 2 . 1 寺 本 振 透 、 深 津 拓 寛 共 著

Ⅳ . 2 . 2 寺 本 振 透 、 深 津 拓 寛 共 著

Ⅳ . 2 . 3 事 務 局 / 相 澤 英 孝 監 修

Ⅳ . 2 . 4 小 島 立

Ⅳ . 2 . 5 小 島 立

Ⅳ . 3 . 1 飯 田 圭

Ⅳ . 3 . 2 飯 田 圭

Ⅳ . 3 . 3 滝 澤 紗 矢 子

Ⅴ . 和 田 哲 夫

. 事 務 局 / 相 澤 英 孝 監 修

(19)

Ⅰ. 序

1. 背景

自ら製造販売等の事業をし おらず特許権の行使を受ける虞の い企業が、専ら特許 権の譲渡の対価あるい ライセンス料を取得する目的で取得した特許権を行使し、高額の 和解金や、高額のライセンス料を得るよう 事例が米国におい 複数ある され、この ように特許権を利用する者の一部をパテントトロール 呼ぶ論者がいる

1

が国で 、これに相当するよう 事例につ 判断を下した裁判例 見られ いものの、

①様々 権利行使の態様が が国でも発生し いる の産業界からの指摘があり、 米国 同様の事例が が国におい も発生しつつある の懸念が産業界から示され おり、こ れらに対し 、法律的 検討を行い法改正やガイチライン作成の要否につい 検討をする こ が求 られた

2. いわゆるパテントトロールについ

パテントトロール いう言葉を最初に使 たの 、同点tel 社の タeteメ Detk至点 氏 言われ いる 同氏の定義によれ 、 A ミバte点t tメ為ll 至s s為meパ為d独 wh為 tメ至es t為 mバke バ l為t 為フ m為点e独 為フフ バ ミバte点t thバt the独 バメe 点為t ミメバct至c至点ブ バ点d hバve 点為 至点te点t至為点 為フ ミメバct至c至点ブ バ点d 至点 m為st cバses 点eveメ ミメバct至ced. パテントトロール 、発明を実施し おらず、 実施する意思も く、そし 多くの場合、決し 実施するこ の い特許を使 、多額 の利益を得よう する者

4

である

5

しかし がら、この定義も必ずしも支持を集 い るもので く、明確 定義 未 確立され い い

6

が国におい も、 パテントトロール いう言葉 けが独り歩 をし、権利行使を受 けた者が、権利行使をした相手をその権利行使の態様に関わらず、 パテントトロール 呼ぶこ すらある

7

パテントトロール いう言葉の意味する ころ 言葉の使い手に

1

特許庁、 イノベーション研究会報告書 ミ.117、 成 平0 年 8 月、

httミ⑤//www.致ミ為.ブ為.致ミ/cブ至/l至点k.cブ至?uメl=/sh至メ独為u/t為ush至点/ke点k独ukバ至/至点点為vバt至為点_meet至点ブ_me点u.htm

参考: 成 19 年度 特許庁工業所有権制度問題調査報告書 日米韓における特許権の行使に関する諸問題につい 調査研究 特許庁 平008 年

httミ⑤//www.致ミ為.ブ為.致ミ/sh至メ独為u/t為ush至点/ch為usバ/ミdフ/正バ至sバ点ke点/191平点至t至パe至_バll.ミdフ

前掲(1) ミ.117-ミ.1平4

4

大熊靖夫他 米国、日本、台湾、欧州におけるパテントトロール 要約 特技懇 平44 号 91 頁 平007

5

ケメe点dバ Sバ点dパuメブん ト為u mバ独 点為t hバve バ ch為至ce. Tメ為ll至点ブ フ為メ D為llバメsん The 次ec為メdeメ (スul独 年0ん 平001).、 タ.1 httミ⑤//www.ミh為点etel.c為m/ミdフs/LテTメ為lls.ミdフ

6

実際、米国下院司法委員会知財小委員会におい パテントトロール、事実かフィクションか? 題した公聴会が 開催され、パテントトロールの定義等につい 議論されたが、明確 定義を得るに 至ら

httミ⑤//www.致etメ為.ブ為.致ミ/パ至正/w為メld/点_バmeメ至cバ/us/至ミ/点ews/ミdフ/0606平0.ミdフ

7

Ⅲ.3. いわゆるパテントトロールについ の認識 を参照

(20)

よ も異 るた 、 パテントトロール それ以外の者を区別で るよう 一般的かつ 有意 定義をするこ 実質的に不可能である

8

したが 、本報告書における具体的 検討におい 、 パテントトロール いう概 念からの分析で く、 パテントトロール いわれ いる仮想事例につい 検討をする こ する

お、本報告書で 、 パテントトロール 定義で いが、便宜上、 いわゆるパテ ントトロール いう言葉を用いるこ する

3. いわゆるパテントトロールの行 産業の発達 の関連につい

製造販売等の事業をし おらず、そのつもりも く、他人から取得した特許権を行使 し 、高額のライセンス料を得よう するよう 行 、権利行使を受けた者の企業活動 が大 く抑止されるし、特許権者の製造販売等の事業が誘起されるわけで い の指摘 がある このよう 指摘に鑑 、いわゆるパテントトロールによる権利行使が産業の発達 を阻害する可能性がある権利行使である の指摘

9

を受け 調査研究を開始した

しかし、特許権の行使が一部の製品の出荷量を一時的に押し下 た例が仮にあ た し も、それ 、特許権がもたらす技術開発インセンティブ 長期的 効果を含 産業 全体に のよう 影響を えるのか いうこ の予見を えるもので い

10

このこ に鑑 る 、いわゆるパテントトロールの権利行使 それ以外の特許権の行使を、産業の 発達への影響 いう観点から区別するこ 困難である

4. 調査研究の目的 内容

調査研究で 、産業界からいわゆるパテントトロール的 権利行使を含 仮想事例の提 供を受け、有識者で構成する委員会で、法律的 分析及び検討を試 た

また、いわゆるパテントトロールに関する検討の基礎資料作成を目的 し 、現行制度 の整理及び現状把握を行 た 日本の制度におい 、いわゆるパテントトロールが増加し やすく いるのか いうこ につい 、米国の制度 対比しつつ、産業界の指摘を踏 まえた検討を行 た また、現状把握 し 、国内企業及びTLOを対象 し、いわゆる パテントトロールに関する実態 認識につい アンケート調査及びヒアリンエ調査を行 た

8

Ⅲ.3. (バ)いわゆるパテントトロール 何か を参照

9

前掲(平) 174 頁

10

Ⅴ. 産業の発達の阻害 に関する経済学の考え方 に詳細 記載がある

(21)

5. 報告書の構成

第Ⅱ章で 、特許権侵害訴訟に関し 、日本の制度基盤 米国の制度基盤 を比較し いる

第Ⅲ章で 、日本知的財産協会及び日本自動車工業会から仮想事例を用いた課題提起を し いる また、アンケート調査及びヒアリンエ調査の結果を示し いる

第Ⅳ章で 、 1.特許権の侵害に対する救済 し 、特許権者が行使しうる権利行使 につい 整理し、 2.権利行使の制限 及び 3.不適法 権利行使に対する措置 を説 明し、第Ⅲ章で提起された課題に関し 可能 範囲で論及し いる

第Ⅴ章で 、関連する経済学の考え方を説明し いる 第 章 、ま である

(22)

Ⅱ . 米 国 が 国 の 制 度 基 盤 の 比 較

1 . 特 許 権 侵 害 訴 訟 結 果 の 比 較

以 下 に 、日 本 米 国 の 特 許 権 侵 害 訴 訟 事 件 に お け る 特 許 権 者 の 勝 訴 率 を 参 考 情 報 し 提 示 す る

平 0 0 1 年 か ら 平 0 0 7 年 に か け

1

、 米 国 の 特 許 権 侵 害 訴 訟

に お け る 特 許 権 者 の 勝 訴 率 約 4 0 % で あ り

、 日 本 の 特 許 権 侵 害 訴 訟 に お け る 特 許 権 者 の 勝 訴 率 約 平 0 % で あ る

4

こ れ ら の 情 報 、米 国 日 本 の 情 報 収 集 元 が 相 互 に 異 る が 故 に タ ー タ の 収 集 条 件 も 異 る こ

5

、 ま た 、 タ ー タ を 収 集 す る 期 間 に よ 勝 訴 率 の 値 が 変 化 す る こ に 留 意 し た 上 で 、米 国 日 本 の 特 許 権 者 の 勝 訴 率 の 大 小 関 係 を 比 較 す る 情 報 し 扱 う こ が 望 ま し い

お 、平 0 0 1年 か ら 平 0 0 7 年 の 間 の 各 年 の 勝 訴 率 、米 国 の 場 合 、年 5 % か ら 4 6 % ま で の 間 で 変 動 が あ り 、 日 本 の 場 合 、 1 5 % か ら 年 0 % の 間 で 変 動 が あ る

6

4

米国の特許権侵害訴訟判決 (

特許権者の 勝訴率 特許権者の 敗訴率

日本の特許権侵害訴訟判決 (

特許権者の 勝訴率 特許権者の 敗訴率

1

米 国 日 本 の 両 方 の 情 報 が 得 ら れ た 期 間 を 選 択 し た も の で あ る

参 考 資 料 : 竹 中 俊 子 米 国 に お け る 知 的 財 産 訴 訟 の 現 状 展 望 同 . タ . A 点 点 u バ l 次 e ミ 為 メ t 知 財 年 報 平 0 0 8 1 8 1 - 1 9 5 株 式 会 社 商 事 法 務 平 0

タ メ 至 c e テ バ t e メ h 為 u s e 係 為 為 ミ e メ s ん A 係 l 為 s e メ L 為 為 k ⑤ 平 0 0 8 タ バ t e 点 t L 至 t 至 ブ バ t 至 為 点 S t u d 独 ⑤ D バ m バ ブ e s A w バ メ d s ん S u c c e s s 次 バ t e s バ 点 d T 至 m e - T 為 - T メ 至 バ l ん 1 ( 平 0 0 8 )

( h t t ミ ⑤ / / w w w . ミ w c . c 為 m / e x t w e パ / ミ w c ミ u パ l 至 c バ t 至 為 点 s . 点 s フ / d 為 c 至 d / E ケ 係 1 4 4 係 F 6 平 平 0 係 1 E 7 8 5 平 5 7 4 平 4 0 0 5 F 9 A 平 ケ / る フ 至 l e / 平 0 0 8 _ ミ バ t e 点 t _ l 至 t 至 ブ バ t 至 為 点 _ s t u d 独 . ミ d フ )

4

高 倉 成 男 次 同 E T 同 コ ラ ム 平 4 平 イ ノ ベ ー シ ョ ン の 観 点 か ら 最 近 の 特 許 権 侵 害 訴 訟 の 動 向 に つ い 考 え の 表 か ら 算 出 ( h t t ミ ⑤ / / w w w . メ 至 e t 至 . ブ 為 . 致 ミ / 致 ミ / c 為 l u m 点 s / バ 0 1 _ 0 平 4 平 . h t m l

5

日 本 に お け る 訴 訟 提 起 の 件 数 自 体 が 少 い こ 等 か ら 、 こ れ が 統 計 的 に 意 味 が あ る 情 報 で あ る か う か に つ い 疑 問 が あ る 指 摘 す る 見 解 も あ る

6

日 本 に お け る平 0 0 8年 の1年 間 に お け る 特 許 権 侵 害 訴 訟 の 特 許 権 者 勝 訴 率 年 1 不 で あ る 特 許 庁 調 べ

(23)

2 . 特 許 制 度 及 び 特 許 侵 害 訴 訟 制 度 の 比 較

1 に

2 及 び 3 に お い 述 べ る お り 、 特 許 制 度 及 び 特 許 侵 害 訴 訟 制 度 に つ い 、米 国 に お い 、従 前 よ り 、い わ ゆ る パ テ ン ト ト ロ ー ル を 誘 発  助 長 し が で あ た 考 え ら れ る 幾 つ か の 要 因 が 存 在 し い た こ ろ 、近 時 、こ れ ら の 要 因 に つ い 、判 例 に よ り 状 況 が や や 変 わ り つ つ あ る い う 指 摘 が あ る 他 方 、日 本 に お い 、こ れ ら に 対 応 す る 特 許 制 度 及 び 特 許 侵 害 訴 訟 制 度 に つ い 、元 来 、 い わ ゆ る パ テ ン ト ト ロ ー ル を 誘 発助 長 し 難 い 考 え ら れ る 状 況 で あ る し た が

、日 本 に お い い わ ゆ る パ テ ン ト ト ロ ー ル へ の 対 応 策 の 要 否  内 容  緊 急 性 等 を 検 討 す る 際 に 、ま ず 、こ の よ う 日 米 両 国 に お け る 特 許 制 度 及 び 特 許 侵 害 訴 訟 制 度 の 相 違 を 十 分 に 踏 ま え る こ が 必 要 で あ る 考 え ら れ る

7

2 特 許 付 段 階

ⅰ 特 許 主 題 適 格 性 い し 発 明 性

特 許 付 段 階 に つ い 、米 国 に お い い わ ゆ る パ テ ン ト ト ロ ー ル を 誘 発助 長 し が で あ た 考 え ら れ る 幾 つ か の 要 因 を 検 討 す る 、ま ず 、米 国 に お い 、 従 前 よ り 、特 に ソ フ ト ウ ェ ア 関 連 発 明ビ グ ネ ス 方 法 発 明 等 に つ い 特 許 主 題 適 格 性 の 判 断 基 準 が 比 較 的 緩 や か で あ た こ

8

が 挙 ら れ る こ の 点 に つ い 、 近 時 、 同 点 メ e ケ 至 l s k 至 事 件 の 連 邦 巡 回 区 訴 裁 判 所 係 A F 係 判 決

9

に よ り 、 よ り 厳 し い 判 断 基 準 で あ る m バ c h 至 点 e - 為 メ - t メ バ 点 s フ 為 メ m バ t 至 為 点 ” t e s t が 改 採 用 し 直 さ れ お り 、こ の 裁 判 例 に よ れ 少 く も ヌ ュ アビ グ ネ ス 方 法 の 特 許 主 題 適 格 性 否 定 さ れ る こ に る 等 、特 に ソ フ ト ウ ェ ア 関 連 発 明ビ グ ネ ス 方 法 発 明 等 の 特 許 主 題 適 格 性 の 判 断 基 準 、よ り 厳 格 化 さ れ る 傾 向 に あ る 指 摘 さ れ い る 他 方 、日 本 に お い 、特 に ソ フ ト ウ ェ ア 関 連 発 明  ビ グ ネ ス 関 連 発 明 等 の 発 明 性 の 判 断 基 準 、 従 前 よ り 、 例 え 特 許 庁 の 現 在 の 運 用 で 、 ソ フ ト ウ ェ ア に

7

本 報 告 部 分 、 い わ ゆ る パ テ ン ト ト ロ ー ル を 誘 発  助 長 し た 考 え ら れ る か う か い う 観 点 か ら 関 連 す る 日 米 両 国 に お け る 特 許 制 度 及 び 特 許 侵 害 訴 訟 制 度 を 比 較 説 明 し よ う す る も の で あ り 、他 の 観 点 か ら 両 制 度 を 比 較 説 明 す る も の で く 、 両 制 度 全 体 を 比 較 説 明 す る も の で も く 、 ま た 、 両 制 度 の 優 劣 及 び 改 正 の 要 否 自 体 を 主 張 す る も の で も

8

D 至 バ m 為 点 d v . 係 h バ k メ バ パ バ t 独 ん 4 4 7 訴 . S . 年 0 年 ( 1 9 8 0 ) オ D 至 バ m 為 点 d v . D 至 e h メ ん e t . バ l . ん 4 5 0 訴 . S . 1 7 5 ( 1 9 8 1 ) オ S t バ t e S t メ e e t ケ バ 点 k 与 T メ u s t 係 為 . v . S 至 ブ 点 バ t u メ e F 至 点 バ 点 c 至 バ l G メ 為 u ミ ん 同 点 c . ん 1 4 9 F . 年 d 1 年 6 8 ( F e d . 係 至 メ . 1 9 9 8 ) ん c e メ t . d e 点 至 e d ん 5 平 5 訴 . S . 1 0 9 年 ( 1 9 9 9 ) オ A T 与 T 係 為 メ ミ . v . E x c e l 係 為 m m u 点 至 c バ t 至 為 点 s ん 同 点 c . ん 1 7 平 F . 年 d 1 年 5 平 ( F e d . 係 至 メ . 平 0 0 1 ) .

9

同 点 メ e ケ 至 l s k 至 ん _ _ _ _ _ _ _ ( F e d . 係 至 メ . 平 0 0 8 ) .

(24)

よ る 情 報 処 理 が デ ー チ ウ ェ ア 資 源 を 用 い 具 体 的 に 実 現 さ れ い る こ が 要 求 さ れ 、ヌ ュ ア  ビ グ ネ ス 方 法 の 発 明 性 が 否 定 さ れ い る 等 、比 較 的 厳 格 で あ る い え る

自 明 性 い し 進 歩 性

ま た、米 国に おい 、 従前 より 、いわ ゆる t e バ c h ん m 為 t 至 v バ t 至 為 点 為 メ s u ブ ブ e s t 至 為 点 ” t e s t T S M テ ス ト が 硬 直 的 に 適 用 さ れ が で あ た こ 等 に よ り 、発 明 の 自 明 性 の 判 断 基 準 が 比 較 的 緩 や か で あ た こ が 挙 ら れ る こ の 点 に つ い 、 近 時 、 連 邦 最 高 裁 判 決

1 0

に よ り 、 T S M テ ス ト の 硬 直 的 適 用 が 否 定 さ れ お り 、例 え 米 国 特 許 商 標 庁 の 新 審 査 ガ イ チ ラ イ ン に お い 柔 軟 T S M テ ス ト そ の 他 の 論 理 け で よ い も の さ れ る 等 、発 明 の 自 明 性 の 判 断 基 準 、 よ り 厳 格 化 さ れ る 傾 向 に あ る の 指 摘 が あ る

他 方 、日 本 に お い 、発 明 の 進 歩 性 の 判 断 基 準 、従 前 よ り 、例 え 特 許 庁 の 現 行 審 査 基 準 に お い 緩 や か 動 機 け そ の 他 の 論 理 け で 足 り る も の さ れ い る 等 、 そ も そ も 、 比 較 的 厳 格 で あ る い え る さ れ い る

ⅲ 特 許 の 質

さ ら に 、 米 国 に お い 、 従 前 よ り 、 ⅰ に お い 述 べ た よ う に 特 に ソ フ ト ウ ェ ア 関 連 発 明ビ グ ネ ス 方 法 発 明 等 に つ い 特 許 主 題 適 格 性 の 判 断 基 準 が 比 較 的 緩 や か で あ た こ 、 に お い 述 べ た よ う に 発 明 の 自 明 性 の 判 断 基 準 が 比 較 的 緩 や か で あ た こ に 加 え 、特 許 出 願 が 増 加 し た こ 、特 に ソ フ ト ウ ェ ア 関 連 発 明ビ グ ネ ス 方 法 発 明 等 に つ い 先 行 技 術 の 調 査 が 困 難 で あ た こ 等 に よ り 、特 に ソ フ ト ウ ェ ア 関 連 発 明ビ グ ネ ス 方 法 発 明 等 に つ い 特 許 の 審 査 が 緩 か た こ が 一 般 に 指 摘 さ れ い る こ の 点 に つ い も 、近 時 、例 え 、米 国 特 許 商 標 庁 に お い 、特 に ビ グ ネ ス 方 法 発 明 等 に つ い 、特 許 審 査 を 厳 格 化 す る 等 、 実 務 的 対 応 策 が 採 ら れ い る

他 方 、 日 本 に お い 、 米 国 異 り 、 ⅰ に 述 べ た お り 特 に ソ フ ト ウ ェ ア 関 連 発 明  ビ グ ネ ス 関 連 発 明 等 の 発 明 性 の 判 断 基 準 元 来 比 較 的 厳 格 で あ り 、 ま た 、 に 述 べ た お り 発 明 の 進 歩 性 の 判 断 基 準 も 元 来 比 較 的 厳 格 で あ る 反 面 、特 許 出 願 が 増 加 し た こ 、特 に ソ フ ト ウ ェ ア 関 連 発 明  ビ グ ネ ス 方 法 発 明 等 に つ い 先 行 技 術 の 調 査 が 困 難 で あ た こ 等 、米 国 同 様 で あ る よ 、

1 0

ズ S 次 同 点 t ’ l 係 為 . v . T e l e フ l e x ん 同 点 c . ん 1 平 7 S . 係 t . 1 7 平 7 ( 平 0 0 7 ) .

(25)

ま ず 、そ も そ も 、特 に ソ フ ト ウ ェ ア 関 連 発 明  ビ グ ネ ス 関 連 発 明 等 に つ い 、本 当 に 特 許 の 審 査 が 緩 く た か う か を 検 証 す る 必 要 が あ る お 、特 許 の 審 査 の た に 、特 に ソ フ ト ウ ェ ア 関 連 発 明  ビ グ ネ ス 関 連 発 明 等 に つ い 、先 行 技 術 情 報 を 収 載 す る コ ン ヌ ュ ー タ  ソ フ ト ウ ェ ア  タ ー タ  ベ ー ス 係 S D ケ が 構 築 さ れ い る

3 紛 争 段 階

ⅰ 管 轄

次 に 、紛 争 段 階 に つ い 、米 国 に お い い わ ゆ る パ テ ン ト ト ロ ー ル を 誘 発  助 長 し が で あ た 考 え ら れ る 幾 つ か の 要 因 を 検 討 す る 、ま ず 、米 国 に お い

、従 前 よ り 、特 許 権 者 に 有 利 特 許 侵 害 訴 訟 の フ ァ ー ラ ム が 存 在 し お り 、特 許 権 者 特 許 侵 害 訴 訟 に お い こ の よ う フ ァ ー ラ ム を い わ ゆ る フ ァ ー ラ ムシ ョ ッ ヌ ン エ に よ り 多 用 し た こ が 挙 ら れ る

他 方 、日 本 に お い 、従 前 よ り 、特 許 侵 害 訴 訟 の 第 一 審 の 管 轄 、東 京 地 裁 又 大 阪 地 裁 の 専 属 管 轄 さ れ い る

1 1

ま た 、 東 京 地 裁 又 大 阪 地 裁 に 係 属 し た 特 許 侵 害 訴 訟 、東 京 地 裁 又 大 阪 地 裁 の 知 的 財 産 関 係 事 件 の 専 門 部 に お い 審 理 判 断 さ れ お り 、こ の よ う 審 理 判 断 に お い 特 許 権 者 に 格 別 に 有 利 又 不 利 フ ァ ー ラ ム が 存 在 す る 俄 に 認 難 い よ 、そ も そ も 、特 許 権 者 し

も 、特 許 侵 害 訴 訟 に お い 、い わ ゆ る フ ァ ー ラ ム  シ ョ ッ ヌ ン エ を 行 う 余 地 乏 し い

ク レ ー ム 解 釈

次 に 、米 国 に お い 、従 前 よ り 、ク レ ー ム 解 釈 に お い 、ク レ ー ム に 記 載 さ れ た 用 語 の 辞 書 的 又 一 般 的 意 義 が 重 視 さ れ る こ が 多 か た

1 平

も に 、 引 用 例 以 外 の 先 行 技 術 を 参 酌 す る こ に よ り ク レ ー ム に 記 載 さ れ た 用 語 の 意 義 を 限 定 的 に 解 釈 す る こ も 原 則 し 否 定 さ れ い た

1 年

等 、 い わ ゆ る ミ ー ン ゲ  プ ラ ス  フ ゙ ン ク シ ョ ン  ク レ ー ム の 解 釈 の 場 合

1 4

を 除 、 一 般 的 に 、 比 較 的 広 い 解 釈 が 採 ら れ る こ が 多 か た こ が 挙 ら れ る こ の 点 に つ い 、 近 時 、

1 1

民 事 訴 訟 法 第 6 1

1 平

T e x バ s D 至 ブ 至 t バ l S 独 s t e m s ん 同 点 c . v . T l e ブ e 点 至 x ん 同 点 c . ん 年 0 8 F . 年 d 1 1 9 年 ( F e d . 係 至 メ . 平 0 0 平 ) .

1 年

次 h 至 点 e v . 係 バ s 至 為 ん 同 点 c . ん 1 8 年 F . 年 d 1 年 4 平 ( F e d . 係 至 メ . 1 9 9 9 ) .

1 4

米 国 特 許 法 第 1 1 平 6

(26)

係 A F 係 判 決

1 5

に よ り 、ク レ ー ム に 記 載 さ れ た 用 語 の 意 義 を 解 釈 す る 際 に 寧 ろ 明 細 書 に 開 示 さ れ た 技 術 的具 体 的 意 義 を 重 視 す る も の さ れ る 等 、比 較 的 い 解 釈 が 採 ら れ る 可 能 性 が あ る の 指 摘 が あ る

他 方 、 日 本 に お い 、 従 前 よ り 、 ク レ ー ム 解 釈 に お い 、 特 許 法 の 明 文

1 6

上 、ク レ ー ム に 記 載 さ れ た 用 語 の 意 義 を 明 細 書 の 参 酌 に よ り 解 釈 す べ も の さ れ い る こ も ろ ん 、 最 高 裁 判 決

1 7

に よ り 、 引 用 例 そ の 他 の 先 行 技 術 を 参 酌 す る こ に よ り ク レ ー ム に 記 載 さ れ た 用 語 の 意 義 を 限 定 的 に 解 釈 す る こ も 許 容 さ れ い る 等 、 い わ ゆ る 抽 象 的  機 能 的 ク レ ー ム の 解 釈 の 場 合

1 8

も 含 、 一 般 的 に 、 比 較 的 い 解 釈 が 採 ら れ る こ が 多 い い え る

ⅲ 特 許 の 有 効  無 効

ま た 、米 国 に お い 、従 前 よ り 、特 許 の 有 効  無 効 に つ い 、特 許 法 の 明 文

1 9

上 、 特 許 侵 害 訴 訟 等 に お い 特 許 の 有 効 性 が 推 定 さ れ る 旨 が 規 定 さ れ い る も に 、 そ の 反 証 の 基 準 も 上 c l e バ メ バ 点 d c 為 点 v 至 点 c 至 点 ブ e v 至 d e 点 c e 上 し 高 く 設 定 さ れ い た の ら ず 、特 許 の 有 効 性 に 疑 義 が 生 た し も 、ラ イ セ ン シ ー に よ る 特 許 無 効 確 認 訴 訟 、 現 実 の 争 訟 性 を 欠 く も の し 、 許 さ れ い か

平 0

さ ら に 、 米 国 特 許 商 標 庁 に お け る 査 定 系 及 び 当 事 者 系 の 再 審 査 に お い

、 よ り 低 い 上 ミ メ e ミ 為 点 d e メ バ 点 c e 為 フ e v 至 d e 点 c e 上 の 基 準 が 採 用 さ れ い る も の の 、 査 定 系 再 審 査 に 係 る 第 三 者 請 求 人 の 手 続 不 関 、当 事 者 系 の 再 審 査 に 係 る 第 三 者 請 求 人 へ の 禁 反 言 の 適 用審 理 期 間 の 長 さ 等 の 様 々 理 由 に よ り 必 ず し も 活 発 に 利 用 さ れ こ か た ま た 、米 国 特 許 商 標 庁 に お い 、無 効 審 判 制 度 や 異 議 申 立 制 度 等 存 在 し い か た こ れ ら に よ り 、被 疑 侵 害 者 が 特 許 の 無 効 理 由 を 主 張 し 防 御 い し 対 抗 す る こ 相 当 程 度 困 難 で あ た こ の 点 に つ い 、 近 時 、 連 邦 最 高 裁 判 決

平 1

に よ り ラ イ セ ン シ ー に よ る 特 許 無 効 確 認 訴 訟 に つ い 現 実 の 争 訟 性 が 肯 定 さ れ る こ 等 に よ り 、限 定 的 で あ る も の の 、変 化 が 生

い る の 指 摘 が あ る

他 方 、 日 本 に お い 、 従 前 よ り 、 最 高 裁 判 決

平 平

に よ り 、 特 許 侵 害 訴 訟 に お い

、特 許 に 無 効 理 由 が 存 在 す る こ が 明 ら か で あ る 場 合 に 、特 許 権 の 行 使 権

1 5

タ h 至 l l 至 ミ s v . A テ シ 係 為 メ ミ . ん 4 1 5 F . 年 d 1 年 0 年 ( F e d . 係 至 メ . 平 0 0 5 ) .

1 6

特 許 法 第 7 0

1 7

最 判 昭 和 年 7 1 平 7日 民 集 1 6 1 平 平 年 平 1

1 8

知 財 高 判 1 8 9平 8日 最 高 裁 シ タ

1 9

米 国 特 許 法 第 平 8 平

平 0

G e 点 - タ メ 為 パ e 同 点 c . v . V 独 s 至 s ん 同 点 c . ん 年 5 9 F . 年 d 1 年 7 6 ( 平 0 0 4 ) .

平 1

M e d L m m u 点 e ん 同 点 c . v . G e 点 e 点 t e c h ん 同 点 c . ん 1 平 7 S . 係 t . 7 6 4 ( 平 0 0 7 ) .

平 平

最 判 1 平 4 1 1日 民 集 5 4 4 1 年 6 8

参照

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