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……… 第46回関東理科教育研究発表会
1 はじめに
現行の学習指導要領および今後の学習指導要領改訂で今まで以上に生徒の能動的な学習が求められてい る。そのような中で、生徒の物理に対する興味・関心を高めることは能動的な学習において必要不可欠であ る。また、教科書の実験を読むだけでなく、実際に現物を見る、さらには実際に自分の手で触り、測定する などの活動は生徒の物理的視野を広げるために重要であると考えている。しかし、現実には教科書が終わら ない、必要数の装置が学校にない、準備の時間がないなど多くの課題があるのも現状である。また、私自身、 物理基礎分野では記録タイマーによる加速度の測定から始まり多くの生徒実験を行っているが、物理の分野 になると生徒実験の種類は限られている。そのため、簡単かつ短時間に行える物理分野の実験を授業に取り 入れていきたいと考えた。今回の製作等において科学部の生徒にも協力してもらい実験器具の開発を試みて みた。
2 実験装置
(1)最も簡易な回転台
電動ではなく最も安価で簡易な回転台は100円ショップで販売さ れている「回転テーブル」(図1)であろう。物体を乗せ回転運動 させる分には十分である。台の上に加速度センサーを置き回転さ せることで円運動における加速度を示すことが出来る。
今回、実験の幅を広げるために、電動回転台の製作を試みた。 市販されている電動の回転台は高価であるため、安価かつ誰にで も制作できる簡易な電動回転台を目指した。以下、材料と製作手順、 実験例である。
≪材料≫(今回は、ミニ四駆と可変抵抗器以外は100円ショップでそろえた。) ・ミニ四駆(800円~ 1000円)
・カラーボード2枚(ポリスチレン) ・可変抵抗器(5KΩB 秋月電子で40円)
・モーター(100円ショップで売られている電車のおもちゃから取り出した)
≪手順≫
① カラーボードを切り、直径28㎝の円板を2枚作る。軸の部分はミニ四駆のホイールの大きさに合わ せてそれぞれ切り抜いておく。2枚を両面テープ等で接着させる。(図2)
② ミニ四駆を組み立て、余分な部分を切り落としておく。モーター部分は導線で可変抵抗に接続させ る。(図3)
③ 最後に円板の中心の穴に、ゴム付きタイヤを差し込めば完成である。モーター部分は力学スタンド で固定しておく。(図4)
生徒の興味関心を高める実験器具の開発
栃木県立大田原高等学校
加藤 信行
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千葉大会
図2 図3 図4
≪生徒実験例≫(簡易回転台を用いた実験あれこれ)
・回転台上の硬貨:硬貨が滑り出す瞬間の角速度と半径の関係を定量的に求める。 ・回転する容器内の水面の形の観察
・軽い球と重い球の円運動
(2)実験室をピンホールカメラに
この実験は知り合いの先生から聞き、NHKで放送されている「大科学実験」を参考にした。準備す るものは暗幕とガムテープ、そして黒い紙だけである。実験室内の窓の一か所だけを穴の開いた黒い紙 で被い、それ以外は暗幕やガムテープで完全に被い、完全暗室をつくる。(この作業が一番大変であった。) 穴の開いた紙を貼った窓と対照的な壁に外の風景が映る。穴の大きさによって像の明暗等が変化するた め何枚か用意しておくと面白い。
3 成果と課題
授業において、生徒4人一組の班に回転台を1台ずつ配布し、1時間を使って、2(1)≪生徒実験≫の 内容を実験した。特に、「回転台上の硬貨」の実験では、角速度をどのように求めればよいか、硬貨と台と の静止摩擦係数はどのように求めるかなどを生徒自身に考えさせて実験を行った。それぞれスマートフォン のスローモーション撮影機能などを利用し周期から角速度を算出するなど生徒自身の工夫も見られた。また、 生徒自身で回転面を安定させるために実験台を改良するなど活発な活動も見られたことから生徒の興味・関 心につながったと考えられる。
しかし、課題としてはやはり回転台の軸の不安定性の問題がある。安価かつ簡易な台を製作するために安 定性は妥協してきたが、乗せる物体の重量を重くしたり、より精密な定量実験を行ったりするにはさらに改 善が必要である。
4 おわりに
実際に、生徒自身に使わせて実験等を行うことは生徒の興味・関心につながることが改めて実感できた。 さらに、シンプルな自作の実験器具だからこそ生徒は、実験器具の仕組みや実験器具の課題など副次的な部 分などにも興味を示し、能動的に考えて実験を行っていた。まだまだ、不十分な部分が多々あるが今後も生 徒の興味・関心を最大限に高め物理的視野を広げていける実験器具の開発や授業展開を目指していきたい。
5 参考文献
・「実験で楽しむ物理①ひとりでに回る生卵」 Robert Ehrlich著(丸善株式会社) ・NHK「大科学実験」穴を通るキリン