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Utsunomiya University Repository

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Academic year: 2018

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様式8の1の1 別紙1

論文の内容の要旨

専攻名 システム創成工学専攻 氏名 神谷 和伸

近年、電子部品の多くは軽量小型化し、さらに実装密度も高度化しており、電子部品の接着剤 としてエポキシ樹脂もしくはエポキシ化合物を用いる場合、被着体および周辺部材への熱影響を 減らすため、低温かつ短時間で硬化する低温速硬化技術が求められている。

本論文はエポキシ樹脂もしくはエポキシ化合物を低温速硬化することができる潜在性低温硬化 剤の調製を目的として、高活性なアルミニウム錯体-シラノール系複合触媒のうち、アルミニウ ム錯体をマイクロカプセル化により潜在化する研究成果についてまとめたものである。

本論文は以下の6章で構成されている。

第1章は本論文における緒論であり、本研究の背景、目的および本論文の構成について記述し た。

第2章ではアルミニウム錯体のマイクロカプセル化法としてイソシアネート化合物による界面 重合法を検討した。調製したカプセル内部はマルチコア型の多孔質構造を示し、アルミニウム錯 体 は カ プ セ ル 内 に 散 在 し て い る こ と を 走 査 型 電 子 顕 微 鏡 - エ ネ ル ギ ー 分 散 型 X 線 分 析 装 置 (SEM-EDS)によるAl マッピングにより確認するとともに、低温硬化に有効なイソシアネート 化合物の組成およびアルミニウム錯体配合量を明らかにした。また、イソシアネート化合物と共 にラジカル重合性モノマーを用いて調製した複合重合壁を有するカプセルは、硬化温度をより低 温化できることを確認した。さらに、エポキシ樹脂と共にオキセタン化合物を用いることは、低 温速硬化型の接着剤を調製する上で非常に有効であることを確認した。また、カプセル調製時に、 アルミニウム錯体とシラノール化合物を配合することで両者をカプセル化することにも成功した。 これによりエポキシ樹脂が存在するカプセル外部にシラノール化合物を配合することなく、カプ セル型触媒単独でのエポキシ樹脂の硬化を可能とした。

第3章では調製したカプセルが多孔質であることを応用し、高活性なアルミニウム錯体を極性 溶媒のカプセル内浸透現象を応用してカプセル内に高充填化する方法について検討した。液体ク ロマトグラフィー/質量分析による分析の結果、調製したカプセル型触媒内のアルミニウム錯体 は乳化および重合時に用いる水と反応することで初期構造を保持していないことを確認した。こ のカプセルを、極性溶媒を用いて調製した高活性アルミニウム錯体溶液中で熱撹拌処理し、カプ セル内部に高活性なアルミニウム錯体を浸透および高充填化することに成功した。また、高活性 アルミニウム錯体が充填されたことでエポキシ樹脂を低温速硬化することに成功し、ビスフェノ ールA型エポキシ樹脂硬化時の示差走査熱量分析における発熱ピーク温度は約100 ˚Cを示した。 さらに、低温速硬化性であるにもかかわらず、カプセル化によりエポキシ樹脂中でのシェルフラ イフ(保存可能時間)特性に優れていることを確認した。

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方法について検討した。調製したカプセル型触媒はグリシジルエーテル構造を持つ末端エポキシ 樹脂中では優れたシェルフライフ特性を示したが、脂環式構造を持つ内部エポキシ化合物中では 急激な粘度増加を示した。これに対して、X線光電子分光法によりカプセル表面の分析を行った 結果、アルミニウム錯体由来のAl2pピークが確認された。このカプセル表面のアルミニウム錯体 の活性を下げる方法として、アルキルアルコキシシランを用いたカプセルの表面処理を考案し、 脂環式エポキシ化合物中で優れたシェルフライフ特性を得ることに成功した。活性低下のメカニ ズムは、電子供与性のアルキル基を持つシラン化合物がカプセル表面のアルミニウム錯体と結合 することで、シラノール化合物との反応で生成する活性種(ブレンステッド酸)の酸性度が低下 するためであると考察した。また、エポキシ基を有するアルコキシシランを用いることでカプセ ル表面にエポキシ重合被膜を形成して高潜在化する処理についても検討した。この処理を行った カプセル型触媒は脂環式エポキシ化合物中で非常に優れたシェルフライフ特性を示した。高活性 アルミニウム錯体の浸透処理により調製した低温活性型の触媒を処理した場合、室温48 h保管後 の増粘率は初期比 2%未満であることを確認した。脂環式エポキシ化合物はカチオン重合性に優 れるエポキシ化合物であるため、開発した触媒を応用することで潜在性低温速硬化型接着剤の調 製に成功した。

第5章では開発したカプセル化技術の応用としてイミダゾール化合物のカプセル化について検 討した。イミダゾール化合物はイソシアネート化合物と反応するため、予め界面重合で多孔質樹 脂粒子を調製しておき、多孔質樹脂粒子内へ極性溶媒と共に浸透させる方法を用いることでカプ セル化に成功した。本処理により、種々の活性材料を熱応答性のポリウレア-ウレタン樹脂でカ プセル化することが可能となった。

参照

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