平成14年度 第5回浦安市文化財審議会会議要旨
1 開催日時 平成14年11月20日(水) 9:00∼17:00
2 視察場所 横須賀市自然・人文博物館 ヴェルニー記念館
天神島臨海自然教育園
3 出 席 者
(委 員)泉澤委員長,吉野委員,丸山委員,宇田川委員,岩下委員 (事務局)河野館長,井口学芸員(記)
4 内 容
(1)委員長あいさつ
(2)館長あいさつ
(3)報告(協議確認)事項 ①川祭りのお礼について
②旧宇田川家・旧大塚家のトイレについて ③史跡表示板について
(4)県外視察
①横須賀市自然・人文博物館 ②ヴェルニー記念館
③天神島臨海自然教育園
5 会議経過
泉澤委員長,河野館長あいさつ後,館長より報告および協議内容の確認を 行った。
《報告(協議確認)事項》
①川祭りのお礼について
11月10日(日)に開催された川祭りについて,館長より無形文化財 保持の3団体やもやいの会の協力によって,目的を達成することができた 旨を報告した。
②旧宇田川家・旧大塚家のトイレの改修について
館長より,旧宇田川家や旧大塚家の外トイレを従来の和式のものから洋 式のものへ改修する主旨を説明し,委員の意見聴取並びに同意を求めた。
《改修の主旨》
現在元町を散策し,浦安の文化・歴史に親しむという団体が,旧宇田川家 住宅・旧大塚家住宅に多数訪れている。その中で,特に高齢の方から,
1. 和式トイレでは使いづらいので洋式に変えてほしい。
2. 現在は,洋式トイレ使用のために中央公民館まで戻っている人が 多い。
という要望などについて、文化財住宅の二棟を管理委託している施設利 用振興公社より博物館へ報告がなされた。この件について,現状の確認, 公社との協議を行い,泉澤委員長・丸山委員に相談の上,改修する方向で 進める旨を伝えた。(文化財審議会の意見については○ 、事務局の意見に ついては・で示している。)
○ 昔のトイレの形を尊重するような形で作り直した方がよい。 旧宇田川家にふさわしいトイレに改修してほしい。
・昔のトイレの形を尊重するような形で考えていく。
○ 新しいトイレに作りかえることによって,昔のトイレを知らない子ども たちが増えてくる。そうなると,文化の伝承が損なわれる恐れがあるの で,トイレに説明表示板を設置したり,パンフレットを置いたりするこ とができないか,検討した方がよい。
・どのような形のものがよいか検討する。
○ 博物館屋外展示場にある外便所についても表示板もしくはパンフレット を置くことができないか検討した方がよい。
・検討する。
○ 旧宇田川家や旧大塚家のトイレを改修する際には,図面(仕様書)を配 布していただきたい。
・図面(仕様書)を配布する。
③史跡表示板について
現在撤去状態の史跡表示板について,今年度5枚ほど製作する予定を伝 えた。なお,昨年度検証した「浦安小学校跡」と「渡し場跡」については, 了承いただいた原稿が残っているので,製作する業者が決まり次第製作に 移る旨を伝え,了承された。
なお,その他3枚の原稿については後日事務局案を郵送し,確認後返送 いただきたい旨を伝え,了承された。
《県外視察》
①横須賀市自然・人文博物館
横須賀市自然・人文博物館館長 林公義氏のあいさつ後,泉澤委員長よ り視察受け入れのお礼を述べた。その後,当館の総括技幹大塚眞弘氏より, 館の概要(詳細については別添博物館の概要等の資料参照)について,説 明を受け,館内の視察に移った。
(重要文化財収蔵庫)
国指定重要文化財 2,603 点を視察した。この収蔵庫は,毎年11月の1 週目(文化の日前後)に4日ほど一般公開しているのみで,今回は特別に 公開していただいた。
また,これらの資料を保存する苦労話についても話を伺うことができた。
・網や綱に付着したほこりや塩分については,どんなに洗ってもすべて拭 い去ることができない。資料のくん蒸は毎年行い,害虫が発生しないよ うにしている。
・毎年くん蒸しているとはいえ,定期的なチェックは不可欠である。 ・国重要文化財指定前は船や網等の活用も考えたが,指定されたことによ
りその活用が難しい状況になった。
(常設展示)
自然(1階)および人文(2階)の常設展示を視察した。展示の一つと して,民家を館内に移築・展示しているが,各委員より「資料に触れるこ とができる,家にあがることができるという面で浦安の民家の方が親しみ やすい」等の意見がだされた。
また,大塚総括技幹より,展示用解説版(材質:コルトン)は,耐用年 数が約10年で変色し,作りかえているとのことであった。本館も施設だ けではなく,展示物(キャプションも含む)の管理についても真剣に考え ていかなくてはならない時期がくるだろう。
(特別展示「三浦半島の横穴墓」)
浦安市郷土博物館では,あまりなじみのないテーマということもあり, 各委員も興味深く視察した。須恵器のハンズオン展示を行っていたが,「さ わってみましょう」と表示することにより,資料が壊されることがなくな ったという話を大塚総括技幹より伺えたことは,本市にとっても非常に参 考になる話であった。大塚総括技幹の話では,「さわらないでください」と いう表示をしていた方が,資料の破損が多かったそうである。
②ヴェルニー記念館
昼食後、ヴェルニー記念館を視察した。解説は,横須賀市自然・人文博 物館学芸員の菊地勝広氏に行っていただいた。
当館にあるスチームハンマー(慶応元年造)は、日本最古のものである。 実物資料を見学後,実物の1/10模型の実演を行っていただいた。その 後,各委員もスチームハンマー模型の始動を体験した。
また,菊地氏よりスチームハンマーの保存の難しさについても話を伺っ た。ヴェルニー記念館は海沿いにあることから,塩により腐食の影響を受 けやすいことから,本来は資料の保存には適さない。そこで,常時保守点 検を行い,資料を永く後世に残していけるよう心がけているとのことであ った。なお,実物のスチームハンマーの実演も当初は計画していたそうで あるが,スチームハンマーが地面を打つとその振動により,地響きがする ことなどから,実演は断念したそうである。
本市においても焼玉エンジンという遺産があるが,後世に永く残してい くためにも,また永く実演していくためにも,定期的に保守点検をするな どの対応が大事である。
③天神島臨海自然教育園
解説は,横須賀市自然・人文博物館学芸員の大森雄治氏に行っていただ いた。
最初,天神島ビジターセンターを視察し,三浦半島の漁や天神島に生息 する植物や昆虫等に関する展示を見て歩いた。
その後,実際に教育園内(保護海域)を見学した。本市の周辺に三番瀬 があるが,今後の活用や保全に関することについて話を伺うことができた。
・魚等の乱獲を防ぐため,漁業組合員にゼッケンを配り,自然保護区域で 漁業を行う際には着用するようお願いしている。
・潮干狩や自然観察会を行うときにも,自然保護のためのルール(魚は何 匹まで持って帰ってよい,掘り起こした砂は元通りにするようになど) をつくるべきである。子どものうちから教育するのが望ましい。
・観察会(魚、昆虫、植物など)の展示会は,来館者への周知のため毎月 第3日曜日を固定に行っている。
※ 以上で,平成14年度第5回浦安市文化財審議会が終了した。
なお,次回の審議会については,平成15年1月22日(水)に開催する 予定である。