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『 Verzeichnis der deutschen Patentklassen Einteilung in Unterklassen und Gruppen(第2版) (ドイツ特許分類一覧 サブクラスとグループへの分類)』

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tokugikon

2016.11.15. no.283

書籍紹介

現行特許分類に受け継がれる ドイツ特許分類の"DNA"

 特許庁に入庁して、最初に特許分類に触れたとき、 膨大な項目を含む国際特許分類 IPC(7 万項目)や

FI(18 万項目)が、一体何処でどのように生まれた のか素朴な疑問を抱いた。この疑問は、課室の書棚 を整理している際に見つけた IPC ハンドブックに よって解消した。どうやら、現行の IPC は、ドイ

ツ特許分類に基づいて作られたらしい1)。その後、

IPC の元になったドイツ特許分類をこの目で見た いと思って過ごしていたが、アマゾンドイツのマー ケットプレイスで出品されていた本書を運良く発見 することができ、早速輸入することにした。価格は 15 ユーロ(約 2000 円)で、輸入代行手数料・送料 含め、5000 円程度で入手することができた。  本書は、1910 年に発行された、当時の帝政ドイ ツの特許庁で作られた特許分類一覧である。1906 年に第 1 版が発行され、4 年後の 1910 年に第 2 版と して本書が発行された。この分類は、The German

Patent Classification(DPK)として、不思議なこ とに、スウェーデン特許登録庁では現在も使用可能 である2)

 本書を読むことで、現行特許分類に脈々と受け継 がれるドイツ特許分類の DNA を垣間見ることが出 来る。

 まず、階層構造は、クラス−サブクラス−グルー プの順に細分化されている。これは、現行のIPCの、 セクション−クラス−サブクラス−グループ−サブ グループの元になっている。ドイツ特許分類には、 89 のクラスがあり、その下に、約 480 のサブクラ スと、最小分類単位として、約 8000 のグループが ある。

 なお、サブクラスを多く含むクラスの上位 3 つは、

“化学製品”、“器械”(計算機など)、“漂白,洗浄,

染色,捺染,壁紙印刷”であり、グループを多く含 むクラスの上位 5 つは、“電気工学”、“鉄道操作”、“器 械”(計算機など)、“農業”、“無軌道車”(自動車など) である。これらは、有機合成化学、アリザリンなど の合成染料、モータや発電機などの電気機器、内燃 機関を搭載した自動車などで輸出を拡大した当時の ドイツの産業構造を反映している。

 また、細かく中身を見ると、例えば、第 51 クラ スの Musikinstrumente(楽器)は、IPC の G10(楽器; 音響)と階層構造が類似しており、第 51 クラスの サブクラスは、G10 のサブクラスに、ほぼ 1 対 1 で

『VerzeichnisderdeutschenPatentklassen

EinteilunginUnterklassenundGruppen

(第2版)

(ドイツ特許分類一覧サブクラスとグループへの分類)

Kaiserliches Patentamt(帝国特許庁) 1910年発行

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対応している。具体的には、51a オルガンとハーモ ニカ(G10B パイプオルガン,リードオルガン又は 類似の送風機構と一体となった楽器)、51b ピアノ (G10C ピアノ,チェンバロ,小型ピアノまたは同 様な弦楽器で 1 つまたはそれ以上の鍵盤のあるも の)、51c オーケストラ楽器(G10D 弦楽器;気鳴楽 器;アコーディオン又はコンセルティーナ;打楽器; 他に分類されない楽器)、51d 機械的音楽プレーヤ (G10F 自動楽器)、51e 音楽教習と補助具(G10G

音楽のための補助具;楽器の支持具;その他の音楽 または楽器用の補助装置または付属品)に対応関係 がある。考えてみると、過去 100 年間で楽器は劇的 な変化をしておらず、ピアノやオーケストラは、現 在も 100 年前と同じように人々の耳を楽しませ、感 動を与えている。

 一方、第42mサブクラスの計算デバイスの中の最 小分類単位である第8グループ電気計算機は、1グルー プで、IPCにおけるサブクラスのG06F 電気的デジ タルデータ処理の全てに対応していると思われるが、 G06F は、現在約 350 の項目を有する大きな分類と なっている。これは、過去 100 年で電子計算技術が 大きく発展したことを示している。また、第21クラ スの電気工学は、IPCではHセクション(電気)に昇 格し、所々類似点はあるものの、第21クラスとHセ クションとは異なる階層構造を有している。

 このように、過去 100 年間で、発展著しい分野(コ ンピュータ、電気)において分類は異なるものの、

伝統的な分野(楽器)においては 100 年前に作られ た分類が、殆どそのままの形で残っていることにな る。そうであれば、我々が眼にしているいくつかの 分類は、100 年後の審査官も日常業務で用いている のであろうか。

 100 年前といえば、世界は、第 1 次世界大戦の最 中である。当時と現在とを比べると、技術や産業、 生活様式や国際情勢に隔世の感がある。当時作ら れたドイツ特許分類の“DNA”を、現在の IPC が、 一部ではあるが、確実に受け継いでいることを考 えるとき、特許審査業務が、深い歴史をもって、現 在まで続いていることの重みが感じられる。普段 の審査では忘れがちであるが、過去 100 年以上、幾 多の先達が、工夫を重ねて生み出した様々な審査ス キームの上に、現在の審査があることに感謝し、今 後の審査を行っていきたい。そして、自分もその審 査スキームの上に、何らの工夫を残して、将来の世 代へ渡すことができれば幸いである。

 本稿のドイツ語和訳は、同期の稲垣彰彦君に確認 していただきました。ここに謝意を表します。

紹介者

調整課 審査システム企画班 審査システム企画第二係長

参照

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