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議事要旨 お問い合わせ Contact 若手アカデミー委員会 Young Academy of Japan

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科学技術政策担当大臣等政務三役と

総合科学技術・イノベーション会議有識者議員との会合議事概要

○ 日 時 平成26年8月7日(木)10:00~11:02 ○ 場 所 中央合同庁舎8号館 8階特別中会議室

○ 出席者 山本大臣、原山議員、久間議員、大西議員、内山田議員、中西議員、 橋本議員、平野議員

倉持統括官、中西審議官、森本審議官、山岸審議官

○議事概要

議題1 研究不正に係る有識者ヒアリング

○原山議員 先週に引 き 続きまして、 本日は2 名 の外部の有識 者に来て い ただいてヒア リングを させ ていただきます。

本日の予 定は、大 学 サイドから見 た研究不 正 についてと、 それから 研 究者サイドと いうこと で、

学術会議の 若手アカ デミ ーの代表でい らっしゃ い ます駒井先生 から、研 究 者として、ま た若手の視 点も入れた形でもってお話しいただきたいと思います。

〈奈良先端科学技術大学院大学バイオサイエンス研究科駒井章治准教授から説明〉

○山本大臣 短い時間 で 色々と問題点 があった と 思いますが、 1つは、 私 が科学技術担 当大臣と して

最も関心を 持ってい るの は、研究不正 というの は どこでも起き ると思っ て います。日本 は恐らく諸 外国に比べ て少ない と勝 手に信じてい るのです が 、起こった時 にどうす る か。その研究 不正に対す る対処が未 来の、例 えば 、駒井先生の ような次 世 代の人たちの 活動にど う 影響を与える のか。研究 不正にどう 対処する かが 、将来の研究 環境とか 、 所謂次代を担 っていく 人 たちの活動に どう影響を 与えるのか というと ころ が常に私の視 点なので 、 まずその観点 から1つ お 聞きしたいの は、早稲田 の博士論文の問題。実はこの前のヒアリングでも少しお聞きしたのですが、ぜひ伺いたい。 結局、論 文そのも の に不正があっ ても学位 は 取り消さない という、 早 稲田の有識者 の委員会 の意

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ニア工科大 学)を訪 問し て、私が得た 雰囲気だ と 、やはりここ をきちん と やらないと、 例えば研究 論文そのも のは何か 不正 があった、捏 造があっ た みたいな結論 を出した に も関わらず、 学位は取り 消 さ な い と い う よ う な 、 説 明 が 分 か り に く い ま ま で あ る と 、 カ ル テ ッ ク ( カ リ フ ォ ル ニ ア 工 科 大 学)は早稲 田のPh .D を採らないだ ろうとい う 雰囲気です。 早稲田は い い大学である ことも間違 いないし、 すばらし い研 究者も生まれ ているし 、 それにも関わ らず、こ の 扱いを間違え ると、早稲 田だけじゃ なくて、 もし かすると日本 の大学、 P h.D全体に 影響を与 え るのではない かと思うの ですが、ま ずそれを どう 思っているか というこ と が1点。これ は研究不 正 に対する取り 組みという ことで、私は大きな問題だと思っています。

それから もう一つ 、 なかなか聞き にくいの で すが、笹井副 センター 長 がああいう形 で亡くな られ

た。科学技 術大臣と して 神戸のセンタ ーを視察 し た際も案内し てくださ い ました。とて も情熱のあ る方で、こ れはもう 日本 にとっても大 きな損失 だ と思っていま す。世界 的 な研究者であ り、非常に 衝撃を受け たのです が、 私は、あのよ うな世界 的 研究者を追い 込んでし ま った構図みた いなものは 何なのかと いうのは きち んと確かめな いといけ な いと。こうい うことが 二 度と起きない ためにも、 STAP細 胞の件に つい て言うと、論 文も含め て 、まだ論文の どこが本 当 に正しくてど こが正しく ないかという 検証は終 わ っていない訳 で、ここ は きちんと検証 しなけれ ば いけないと思 っていま す。 これも研究 不正をめ ぐる 大きな問題な んですけ れ ども、その点 について 、 駒井先生のよ うな若手研 究者は率直にどう思っているのかということをぜひお聞きできればと思います。

○駒井准教授 まず早 稲 田の問題です が、やは り 色々なところ でお話を 伺 っていますと 、対応は よく

なかったの ではない かな とよくお聞き します。 と いうのは、日 本全体の P h.Dの質の 悪さみたい なことに汎 化するこ とが 懸念される訳 ですけれ ど も、恐らくそ れが一つ 一 番大きなこと だと思いま す。

どうする べきかに つ いては、早稲 田等々私 立 の大学に関し ましては 、 やはりマスエ デュケー ショ

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める必要があるのではないかと思います。

もう一つ はSTA P 細胞の検証に 関してで す が、若手のみ ならず、 色 々な先生方に お話を聞 く機

会がありま すが、よ く聞 くのは、もう 要らない の ではないかと 聞きます 。 私自身の考え は、検証実 験というの は、自然 に淘 汰されると思 っていま し て、ある、な しに関わ ら ず、もしかし たらあるの かもしれな いですし 、多 くの人はない と思って い るかもしれま せんが、 あ る、なしとい うのは科学 の歴史が判 断するん です ね。なので、 時間は多 少 かかると思い ますが、 も ちろん今の説 明責任とい うのはあると 思うので 急 いでやる必要 があるの か もしれません が、私自 身 は、時間がと いいます か、 科学の発展 そのもの が解 決するのでは ないかな と 思いますので 、特にこ こ で検証のため だけに研究 費等々を使うべきではないと思います。

○山本大臣 私が聞い た のは、検証実 験じゃな く て、今言った 、例えば 論 文も含めた検 証は特に もう

余り必要な いのでは ない かとおっしゃ られたの で すが、全体、 つまり、 こ の一連の事件 、この一連 の問題があ って、そ れを どのように対 応しても ら うと、その後 次に出て く る人たちに禍 根を残さな いのか、ど うやれば 、後 進の方々がや りやすい 状 況になるのか というこ と なので、検証 実験そのも のというよ りも、検 証と いうか全体、 今言った 、 例えば論文の ことが一 つ の例だと思う のですが、 やはり依然 として、 何が 事実で何が事 実じゃな か ったのかとい うのが結 局 分からないで すよね。だ から、そう いうとこ ろも きっちりと調 査をして 、 例えば論文の 中身につ い ても事実と事 実ではなか ったことを はっきり させ ておいた方が 、例えば 不 正防止の対策 からいっ て もいいと若手 研究者の立 場から思うかどうかという話で、検証実験そのものについて聞いた訳ではないのです。

○駒井准教授 若手の 観 点なのかどう かは分か り ませんが、つ い先日、 若 手の研究者を 集めて不 正に

関してのシ ンポジウ ムを 開かせていた だいたの で すが、多くの 場合、罰 則 はやはり余り よくないの ではないか なという こと で、よりポジ ティブな 方 向に、転んで もただで は 起きないほう がいいので はないかと いう意見 が多 かったので、 余り若手 が 今回の事件で すごくネ ガ ティブな影響 を受けたと いう印象はな くて、む し ろ、今回よく なかった か ら、これをば ねにとい う 印象が非常に ありまし て、 ですので、せ っかくそ れ ぞれの若手の メンバー が そういう内的 なモチベ ー ションを持っ ているの で、 それをプロモ ートでき る ような何がし かのこと が できたらいい なとは思 い ますが、そう いう意味 で、 今回のこと に関して は、 ここまで来て しまって い ますので明ら かにして い く必要がある のかもしれ ませんが、 今後、だ から どういうふう に展開し て いくかという ことに関 し ては、モチベ ーションを うまく引き出せるような展開というのを望むのが意見と思います。

○原山議員 今の若手 を 集めてシンポ ジウムを す ること自体が すごく有 意 義なことだと 思います し、

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向性を出すということも有意義だと思います。

それから 、ポジテ ィ ブな方向って 非常に重 要 でして、先ほ ど一番最 初 におっしゃっ たモチベ ーシ

ョン、何の ために研 究し ているという のがない と 、職業として やってい る だけじゃない 訳なので、 その辺を見 るのが重 要か なと思うのと 、それか ら 、先ほどおっ しゃった 検 証の話ですけ れども、全 体の検証で すね。機 関の 検証もありま すし、個 人 レベルで我々 がやるこ と もあるのです が、もう一 つは考えな くてはな らな いのは、研究 者の立場 か らすると、何 か1つ起 こ った時に、直 接自分が関 与していな くても、 その 近くにいる人 、あるい は その下にいる 人、また は 連携している 相手にイン パクトが来 る訳です 。そ れをいかに切 り離すか 。 そういうこと を考える と 、やはりお互 いに一緒に きっちりと やりまし ょう という流れを つくらな い と、いつまで たっても こ の問題を引き ずってしま うと言うことでしょうか。

○駒井准教授 そうい う こともありま してネッ ト ワークという のは非常 に 大事で、ネッ トワーク とい

うかコミュ ニティー とい いますか、横 、縦、そ れ から国内外、 異分野を 問 わず色々なネ ットワーク をつくって 、色々な こと に関して話が できる透 明 性の高い環境 というの を つくっていく 必要がある のかなと思います。

○橋本議員 駒井さん 、 これは何を聞 かれてい る かというと、 サイエン ス コミュニティ ーが、そ れ以

外のところ から今非 常に 疑われかけて いて、そ れ に対して若手 としてど う 思いますかと 、そういう 質問です。 その危機 感を どれぐらい共 有してい ま すかというこ とを大臣 は 聞かれて、私 たちもすご く思ってい ます。私 もた またまこうい うポジシ ョ ンにいるから 、その辺 の ことがすごく 分かるので すが、今の そういう 社会 からサイエン スコミュ ニ ティーがどう 思われか け ているかとい うことに対 する危機感 の共有が 不十 分じゃないか なという 気 がしています 。それは 若 手としてどう 見ています かと、こういう御質問ではないかと思うのですが。

○駒井准教授 若手ど う こうではない と思って い ますし、もち ろんシニ ア の先生方も非 常に重く 受け

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○内山田議員 研究と い っても、例え ば哲学の よ うなものだと 、個人が ど のように考え 方をまと めた

かというこ とで一つ の論 理をつくる訳 ですから 、 これはいいと か悪いと か 言えるもので はないよう な気もしま すが、少 なく とも科学研究 となると 、 非常に最先端 な分野で は 、自分は新し い発見をし たと思った が、そう では なかったとい うことは 、 それが故意か どうかは 別 として、あり 得ると思い ます。

ただ、そ の時に、 科 学において大 事なこと は 、ほかの人が 再現でき る かどうかとい うことで はな

いでしょう か。だか ら、 再現できない というこ と が分かった時 には、こ う いうことがあ るのではな いかと思っ たが違っ てい たとか、ある いは特殊 解 を一般解のよ うに扱っ て しまったとか 、そのよう に判断され る事にな ると 思います。そ の結果と し ては、その研 究者は研 究 者としての素 養をある意 味疑われる というこ とで すね。これは やはりど こ かで自分が発 表したも の については責 任をとる事 だと思います。

だから、 そういう メ カニズムがあ ればいい の ではないかと 思います 。 もう一つは、 今回も少 し話

題になりま したが、 研究 論文に色々な 方が共著 と して名前を書 かれてい ま すが、あれは 一体何を意 味しているの だろうか と いうのが我々 民間人に は 理解できない のです。 例 えば企業が発 表する時 に、 当然担当し た人の名 前だ けではなく、 関係者や 上 司が名前を書 くことは あ りますが、そ の名前を書 くというこ とは、あ る意 味一緒に責任 をとると い う意思表明で す。です か ら、上司であ れば部下の 論文を自分 で精査し て、 自分も間違っ ていない と 思った上で自 分の名前 を 使う訳なんで すが、所謂 学術研究の 世界であ そこ に名前が書い てあると い うことは一体 何を意味 し ているのかな というのが 少し分からなくて、これが今回、問題を何か混乱させているのではないかなと思いました。 ○駒井准教授 私が答 え ることかどう か少し分 か らないですが 、もちろ ん 責任をとると いう意思 表示

の一つだと 思ってお りま すが、残念な がら現代 の 経済社会で研 究を進め て いく上で評価 の一つにな っているこ とは間違 いな くて、論文一 つが研究 費 でありポジシ ョンの足 が かりになると いうことは 事実になっ ていると 思い ます。ですの で、名前 が 載ることで、 自分の社 会 的な評価とい いますか、 学術界から の評価と いう のが一つ一つ 上がって い くという基準 の一つに 今 なっていると 思いますの で、どれだ けコント リビ ュートしたか に関わら ず 、載せたいな と思うこ と はあるんでは ないかなと 思います。 だから、 それ は最近色々な 論文とか を 投稿する時に 、どこに ど のようにコン トリビュー トしたかと いうこと を明 示しないとい けなくな っ てきておりま すので、 そ れに関しては 徐々に改善 してきているのではないかなと思いますが。

○橋本議員 私の感覚 で 答えさせてい ただきま す と、内山田議 員の聞か れ たことに対し ては学術 界に

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構あります が、特に 今回 の場合はそれ が明確に 出 ているように 思います 。 ここは責任を 持つけれど も、こちら 側は分か らな い。それは平 野先生の 方 がより詳しい と思いま す が、私たちの 分野ですと 比較的その ようなこ とは なくて、全体 に対して 責 任を持つので すが、分 野 によってはそ のようにブ ロックで作 らないと いけ ない場合があ るので、 今 回、そこの部 分が結構 混 乱しているか なと感じて います。

とは言っ ても、出 し たものに対し て全部に 責 任を持つのは 当然です 。 自分はここし かやって いな

いから、こ っちに対 して は責任を持ち ませんな ん ていうことは 、我々の 世 界だって当然 そんなこと はなく同じです。

○原山議員 ジャーナ ル のほうでもそ れに対す る 対応策という のは少し ず つ打っていて 、明確に 役割

分担を書く とか、そ うい う条件づけと いうもの を 書いています が、それ に サインして実 質やってい ないというギャップがあることは確かです。

それから もう一つ 、 今、役割分担 でエキス パ ーティーズが 違うから 全 体が見えない というこ とが

多々出てき ている。 それ に対してどう するかと い うと、やはり 名前を連 ね るからには、 その全体を 見られる人 に誰かに 代わ りとして見て もらうと い う手もあるの ではない か という議論も あります。 ですので、 その辺は まだ 今後どうなる かという 、 やはり問題意 識という の は皆さん持っ ているし、 そのクリア な解はあ りま せんが、少し ずつそれ に 向かった解を 見つけつ つ あるというの が状況かと 思います。

○山本大臣 先ほど橋 本 先生がおっし ゃったよ う に、研究不正 に対する 対 応によって、 まさにサ イエ

ンスコミュ ニティー の信 頼性が疑われ てしまう と いうこと。疑 われてい る とは、そこま では思って いないし、 日本の科 学技 術は最先端だ と信じて い ますし、事実 そうだと 思 いますが、や はり対応を 間違えると そのよう な状 況になってい ってしま う のではないか と、それ を 一番懸念して います。早 稲田の例は 、別に早 稲田 が悪いとか言 うつもり じ ゃなくて、こ れは一つ の 例だと思って いますが、 対応一つ間 違えると 科学 技術コミュニ ティー全 体 の信頼性が下 がる、日 本 の大学のブラ ンドが下が る。

だから、 要は、私 は 科学者ではな く、Ph . Dも持ってい ないので 、 Ph.Dを、 私はすご く尊

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と感じています。

この問題 も色々な こ とがあって、 なかなか 、 多分また難し い要素も 色 々出てきてい るかもし れな

いですが、 世の中の 注目 をこれだけ集 めて、世 界 にも発信され ているこ と については、 やはりある 程度、もち ろん科学 技術 とか研究とか の特性か ら 曖昧なところ もあるの か もしれないが 、私はある 程度白黒つ けていか ない と、この問題 がすごく 曖 昧なままで終 わってし ま うと、また同 じようなこ とがあった 時に、例 えば 次から出てく る研究者 の 人たちがマイ ナスを被 る のではないか 。これは松 本先生に後でお聞きしようと思っていたのですが、その辺りを伺いたかったのです。

駒井先生 は、今日 は 随分遠慮され ていらっ し ゃいますが、 若手研究 者 として、今、 既存のサ イエ

ンスの人た ちは何を やっ ているのか、 今の先生 た ちは何をやっ ているの か と、これから どんどん活 躍されてい く立場と して 、何をぼけた ことを言 っ ているのか、 みたいな こ とがあればぜ ひお聞きし たいなと思 って聞い たの で、やはり私 は政治家 だ から少し感覚 が違うの か もしれません が、曖昧に ならざるを 得ない部 分が あったとして も、やは り 白黒つけてい くところ が ないと、日本 全体のブラ ンドに大きな影響を与えるんじゃないかということをカリフォルニア工科大学で感じました。 ○駒井准教授 ここで 1 つ言わせてい ただきた い のは、我々が 色々話を 聞 く中で、やは り本気で 教育

的なメンタ ーシップ に取 り組む姿勢と いうのを 、 次にどういう 人材を輩 出 するかという 方向に力を 入れていた だきたい とい うところだと 思ってい ま して、もちろ ん今回の 処 分云々に関し ても大事だ と思います が、その 辺に 関しては我々 に分から な いところでは あります の で、色々なこ とがあると 思いますの で、そこ は少 し分からない のですが 、 今後、やはり 人材の質 と いうのが問わ れると思い ますので、 このよう に改 革したからこ こは大事 で すということ を本気で 示 せるような対 策を示し、 本気で取り組むことが恐らく将来的には大事ではないかなと私は考えております。

〈東京大学 松本洋一郎理事・副学長(研究推進・研究倫理担当)から説明〉

○大西議員 何か問題 が あった時に学 内で調査 委 員会を設置し て調査を さ れると思いま すが、そ の調

査をやって も、非常 に調 査に時間がか かるとか 、 先ほど大臣の ご指摘に な った白黒がつ きにくい。 捜査権とい うのはな いの で調査ですか ら、そこ は 、ただ大きな 事案ほど 社 会が注目して 加熱すると いうことが 起こるの で、 その時に調査 をする上 で の工夫が何か 考えられ な いかというこ とがお尋ね したいことです。

理研の事 例では、 私 は、理研は6 つあった 問 題のうち2つ について は 黒だというふ うにして いる

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査するとい うことに なる と思いますが 、いずれ に しても、それ は科学的 実 験とは切り離 してやると 我々の質問 に対して 解答 したので、そ の再現性 が あるかどうか というこ と とは別に、論 文自体の構 成、不正を めぐって 、2 つは黒で、そ れ以外に 黒 があるかどう かという こ とについて調 査するとい うことだと思います。

だから、 そうやっ て 理研は白黒つ けたので す が、一方で、 場合によ っ てはそれは法 廷に持ち 込ま

れるとも言 われてい るの で、また別な 展開にな る 可能性もある と思いま す が、一般には なかなか調 査結果が出 ない事例 のほ うが多いと理 解してい る ので、東京大 学でそこ の 点、どのよう なお考えを 持っておられるか、お聞きしたいと思います。

○松本理事・ 副学長 東 大も随分時間 がかかっ て おりまして、 色々なと こ ろからそのよ うな問題 のご 指摘を受けているところでございます。

今までた くさんの 調 査をしてきて 、その結 果 がアーカイブ されてい る という状況で はなくて 、あ

る意味手探 りでやっ てい るというとこ ろがござ い ます。去年ぐ らいでし た でしょうか、 文部科学省 に呼ばれて ヒアリン グを 受けた時に私 が申し上 げ たのは、例え ば今まで の 研究不正の内 容と調査の 結果、調査 のやり方 とい うようなもの が全てア ー カイブされて いて、デ ー タベースにな っていると すると、調 査が迅速 に進 むのではない かという 事 です。科学研 究のやり 方 は習ってきて いる訳です し、それに 則ってや って いる訳ですか ら、研究 を 進める上でも 、そうし た アーカイブが 役立つので はないかと思います。

例えばア メリカに O RIという組 織がござ い ますが、それ は、彼ら が 今までたくさ んの研究 不正

を抱えてきて 、それを ど う処理してき たかとい う ことでああい う組織が で きた訳でござ いますの で、 そういった ことが東 京大 学だけではな くて一般 的 にアーカイブ されてい れ ば、それを参 考に調査し ていくことも 可能にな る のではないか 。そうい っ たことによっ てさらに 調 査期間を短縮 できると か、 合理的な調 査ができ るの ではないかと 今考えて い るところでし て、東京 大 学としては、 今までやっ た調査を できる だけ公開 して、次 の調査─余 り そういう ことが ないよう に願うば かりで すが、そ ういったところで使えるようなシステムを作ろうとしております。

○平野議員 今お話が あ りましたよう に、予防 の 観点から、研 究倫理に 関 する教育は非 常に重要 だと

思いますし 、どの組 織で も実施しなけ ればなら な いことだと思 います。 一 方で、研究不 正が起こっ てしまった 際の対応 とし て、どうやっ て調査を 実 施するかとい う点に関 し て、公的な第 三機関のよ うなもので 研究不正 に関 する調査を実 施するこ と としてはどう かという 意 見も出ていま すが、それ についてのお考えをお聞かせください。

○松本理事・ 副学長 ケ ース・バイ・ ケースだ と 思っています 。第三者 機 関というか、 一番その 分野

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─あえて誤解 を招か な いように 言いた いと思い ますが、 そのコ ミュニテ ィーが、 やはり 学会とい うコミュニ ティーが 、や はりそれに対 してそれ な りの意見をき ちんと発 信 していただく ということ が重要ではないかと思っている訳です。

例えば、 これは少 し 自分の分野に 引き込ん で 申し上げます と、機械 装 置の事故があ った時に 、機

械学会とし てはすぐ 調査 委員会をつく って、そ れ に対してコメ ントを出 し ておりますが 、そういっ た研究不正 だと思わ れる ところがあれ ば、その 学 会の中で徹底 的にその 論 文なり言われ ていること に対して批 判的なデ ィス カッションが なされる と いうことが学 問の健全 性 を保っていく ということ だと思いま す。不幸 にし て何か組織、 機関が対 応 しないといけ ないとい う ことになれば 、今のとこ ろのつくり は、その 部局 がまず予備調 査をやる と いう構造にな っていま す 。それに対し てやってい るというこ とですが 、第 三者機関とい う意味で 言 えば必要な分 野という か 、ケース・バ イ・ケース でそういうことも必要だということはあると思います。実際に動いてもおります。

○平野議員 私も、第 三 者機関とかそ ういった 調 査機関を設置 すること が 本当にいいか どうか分 から

ないのです が、ただ 、こ の問題を考え る際に、 科 学における純 粋な真実 性 の話と意図的 な捏造をは じめとする 研究不正 の話 、この2つの ことを決 し て混同しては いけない と 考えています 。先ほど駒 井先生がお っしゃっ たよ うに、ある事 象が科学 的 に純粋に真実 か否かと い うことは、結 局は科学の 歴史により 決められ る、 証明されるも のです。 こ れは、これま での科学 の 歴史において もずっとそ うで、最初 言ったこ とが すぐには認め られず、50年後にようや く「あれ は やはり正しか った」とな

ったことも あるし、 逆の こともある訳 で、結局 、 真実か否かと いうこと は 、科学コミュ ニティーに おいて色々 な人が色 々な 検証をしたり する中で 決 まっていくも のなので 、 そのことにつ いて余り社 会がどうこ う言うべ きで はないと考え ています 。 一方で、後者 の意図的 な 捏造をはじめ とする研究 不正に該当 するか否 かと いう問題につ いては、 調 査を実施する ことが重 要 で、しなけれ ばならない と思います。

例えばS TAP細 胞 の話を例に採 ると、S T AP細胞があ ったとか な かったとかい うことに つい

ては、科学 の歴史に よっ て必ず証明さ れるはず な ので、問題は そこでは な く、この一連 の経緯の中 で意図的な捏 造をはじ め とする研究不 正があっ た かどうか。こ れは別に 科 学の問題では ないので す。 だから、こ れは研究 者や 研究コミュニ ティーの 問 題でもないし 、一般的 な 問題として処 理できる問 題であるた め、そう いう 意味で第三者 機関が調 査 を実施した方 がいいの で はないかとも 考えられる のですが、その点先生はどうお考えになりますか。

○松本理事・ 副学長 お っしゃるとお りだと思 い ます。科学的 な真実か ど うかというこ とは、長 い歴

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ということを一つ申し上げました。

それ から、外 形的に ─外形的にと いう言 い 方はよく ないかも しれま せん。そ れが捏造 である の

か、改ざん であるの かと いうことは第 三者機関 で もできるかも しれない 。 だから、そう いったこと はかえって 同僚じゃ ない 方がやった方 がいいと い うことはある だろうと 思 います。そこ はかなり切 り分けて、 どこを調 査す るのかという ミッショ ン をちゃんと理 解してい な いと、混同し て変な調査 がずっと続いてしまうということになりかねないということは思います。

確かに今 、色々な と ころで言われ ている、 例 えば写真に不 適切な画 像 処理が施され ていたの では

ないかとか いうこと は、 それは第三者 で十分や れ るということ は思いま す し、どのよう に研究が進 められてい て、その 中で 不正を喚起し たのかと い うことも丁寧 にヒアリ ン グをすれば出 てくるだろ うと思います。それはかえって第三者機関がやったほうが確実な答えが出るように思います。 ○平野議員 やはりそ う いう研究不正 があった か どうかといっ た客観的 な ことをきっち り調べる べき

であって、 科学的に それ が真実である かどうか と いうことは、 やはり内 容 によって、そ れぞれすぐ に わ か る こ と も あ れ ば 、 1 年 後 に わ か る こ と も あ る 、 さ ら に は 、10年 後 、 あ る い は100年 後 に わか

ることさえ ある訳で す。 だから、その 点はもう や はり研究者コ ミュニテ ィ ーの中で自然 淘汰される 問題であっ て、そこ と研 究不正の問題 を混同す る ことはよくな いと思い ま す。一番重要 なのは、捏 造とか改ざ んとか、 所謂 研究者の研究 とは関係 な い次元での意 図的な不 正 行為、それを きっちり調 べることだと思います。

○山本大臣 色々お聞 き したいことが あったん で すけれども、 今、平野 先 生が再現実験 のお話を され たので、先生は色々な調査に関わっておられるので、お伺いしたい。

大西会長 が、理研 は 一応白黒つけ たとおっ し ゃった訳です よね。あ の 論文について は不正が あっ

た 、 6 つ の う ち の 2 つ は 不 正 だ と 。 他 方 、 今 の 再 現 実 験 、 実 証 実 験 が 必 要 か ど う か と い う の は 、 色々ここで立 証実験が 必 要かどうかと いうのは 、 ここで議論が 分かれて い るところだと 思います が、 小保方さん ご自身が この 再現実験の中 に入って い る訳です。こ れは、私 は 政治家として は理解でき るところで 、これは 理研 の判断もあっ たし、色 々 な判断があっ て、多分 科 学技術の世論 とか国民の 理解とかと ともに進 んで いかなければ いけない し 、特に理研の 場合には 、 法案が出れば 私が担当す るはずだっ たのです が、 特定国立研究 開発法人 の 候補としては 総合科学 技 術会議で正式 決定して、 この理研を 産総研と とも に入れるかど うかとい う ことを判断し なければ い けないので、 色々なこと を考えてこうしたんだと思います。

ただ、先 ほど先生 が おっしゃった ように、 例 えば先生の分 野でも、 何 かあれば、そ の分野の 学会

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に関わってこ られた先 生 の経験からい って、こ う いうパターン 、こうい う 形で、ある意 味で言う と、 大西会長が おっしゃ った 言葉を借りれ ば白黒が つ いたとすれば 、世の中 は 理屈だけで決 まるものじ ゃないので 、色々な 理由 で入っておら れるかも し れませんが、 これは調 査 のやり方とし ては先生は そのように御覧になっていますか。

○松本理事・ 副学長 客 観的に白黒を つけるの は なかなか難し いと思い ま すが、論文を 書いた本 人、

実験をやっ た本人は そこ に十分確証を 持って書 い ているとすれ ば、やは り 再現性をチェ ックすると いうのはオ ーサーと して 当然の責務だ と思いま す ので、そこは やってい た だく必要が全 くないとい うことはな いのでは ない かなという気 はします 。 それはやって も悪くは な いと思います し、それが 真実かどう かという のは むしろ長い歴 史の中で 決 まってくると いうこと で 、私が言いた いのは、論 文を書くと いうこと の責 任のあり方で す。その 重 さは、書いた 本人がど こ までも担保し ていかない といけないという意味で、再現実験はそういう意味で意味があると思います。

確かに周 りから言 わ れて、こんな ものはな い よというので 切り捨て る ことも可能だ とは思い ます

けれども、 やはりオ ーサ ーとして責任 をとると い う意味で再現 させると い うのはあって もいいのか なという気がします。

それから 、外形的 に 明らかに捏造 があった と かという問題 は、それ は もう結果が出 ている訳 です から、そういう意味では論文としての体をなしていないことは確かでございます。

○原山議員 これで本 日 のヒアリング を終了さ せ ていただきま す。お二 方 、どうもあり がとうご ざい ました。

参照

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