企業倒産調査年報
(平成21年度倒産)
平 成 2 2 年 8 月
企 業 倒 産 調 査 年 報 財団法人 企 業 共 済 協 会
21 年度倒産︶ ︵平成
白紙
は じ め に
21 年度の国内経済は、一時、ICU(集中治療室)に運び込まれたほどの症状が、よう
やく自宅療養に移され、緩やかな快方に向かうという状況でした。症状に応じた経済・金
融政策が効を奏しました。企業倒産を例にとれば、21 年度後半から緩やかな減少傾向をた
どり、結局、発生件数は前年度に比べ 7.1%減の 1 万 5,298 件、負債額は同 49.1%減の 7
兆 1,401 億円の規模にまで縮小しました。しかし、中小・零細企業にとって、国内外とも
にいぜん多くのリスク要因を抱えた事業環境に変わりはなく、決して先行きの楽観は許さ
れません。
企業の事業環境をマクロの視点でみますと、近年、ますます加速するIT化とグローバ
ル化の流れ、少子高齢化と人口減少、経済成長と財政規律の両立、などへの対応が喫緊の
課題といえます。グローバル化の進展では、例えば一地域の金融市場の信用収縮が全世界
の企業や個人に、たちどころに波及するようになりました。平成 20 年の金融危機を機に、
いま世界では金融規制の強化も進んでいます。
貿易構造も大きく変わってきました。これまで世界市場をけん引してきた日・米・欧な
ど先進国の経済力はやや後退、代わって中国・インドなど新興国パワーの台頭が目立ちま
す。GDP(国民総生産)ベースで世界経済のシェアをみますと、すでに先進国と新興国
の落差は大幅に縮小、その勢力図は大きく塗り変わってきました。新興国の「人口と市場」
のスケールメリットは、発展・成長の伸びしろの大きさを物語っています。中小・零細企
業といえども国内事情だけに目を奪われていては、取り残されてしまう時代になりました。
国内では、長引くデフレ状況からの脱却をはじめ、雇用の創出、経済成長と財政再建の
両立をどう図るか、など多くの政策課題を抱えています。輸出依存の産業構造を、どう内
需振興へ切り替えていくかも中長期的な課題です。いずれも、企業経営に直結する問題で
す。成長といっても、富を生む主体は、あくまで企業です。その日本経済を根源から支え
ているのが中小・零細企業です。
こうした中で、中小・零細企業に対する官民の支援が、さまざまな形で示されています。
例えば、中小企業再生支援協議会や再生ファンドがあります。中小企業再生ファンドは、
平成 22 年 6 月現在で 22 件、ファンド総額は 744 億 7,700 万円に達しています。企業の立
場からは、こうした支援を上手く活用すると同時に、自律的な経営改善の努力も怠れませ
ん。いずれにしても、企業に求められるのは変化への対応力です。
この年報は、当協会が発行している「企業倒産月報」の蓄積データを整理したものです。
特色は、民間調査機関では扱っていない負債額「1 千万円未満」の倒産についても、調査
対象に取り上げている点にあります。企業倒産に対するリスク管理の面で、大変示唆に富
む内容と自負しております。中小企業支援に携わる方々に、ご活用いただければ幸いです。
最後に年報の原稿執筆、内容検討にあたってご尽力、ご指導いただいた検討委員会委員
の方々、企業倒産の数値データおよび事例などをご提供いただいた株式会社東京商工リサ
ーチ、図表中に引用させていただいた資料作成者の方々に、厚くお礼申し上げます。
平成 22 年 8 月
財団法人企業共済協会
理事長 笠原 啓二
調 査 の 概 略
1.調 査 方 法
(1)負債総額 1 千万円未満の企業倒産については、(株)東京商工リサーチに調査を委託し、
情報の提供を受けている。
(2)負債総額 1 千万円以上の企業倒産については、(株)東京商工リサーチが調査した資料の
提供を受けている。
なお、(1)、(2)のいずれの場合も原則として、調査員による訪問面接調査を行っ
ている。
2.調 査 対 象 地 域
(1)負債額 1 千万円未満の企業倒産については、平成 13 年 3 月までは、全国主要都市 213 市及
び東京特別区 (昭和 56 年 3 月までは 110 市及び東京特別区) を調査対象地域としている。
平成 13 年 4 月以降は、全国を調査対象地域としている。
(2)負債額 1 千万円以上の企業倒産については、全国を調査対象地域としている。
3.集 計 期 間
本調査の年次集計期間は当該年度の4月1日を始期とし、翌年3月31日を終期としている。
4.用 語 の 定 義
本調査における用語の定義は次のとおりである。
倒 産 : 銀行取引停止処分並びに破産、再生手続、更生手続開始、特別清算手続の申し
立て及びこれらによらない内整理等により事実上倒産した場合をいう。ただ
し、平成18年度までは旧商法による整理開始も含まれる。
なお、 平成 12 年 4 月から民事再生法が施行されたことにともない資料編の表 11-1、 11-2、
表 20-1、表 20-2、表 21 の倒産形態の表記を「和議開始」から「再生手続」に変更した。た
だし、平成 11 年度までの倒産件数は「和議開始」の件数である。
5.業 種 分 類
「日本標準産業分類」を基準としている。なお、平成 20 年 12 月期の倒産より平成 19 年
11 月・第 12 回改訂(平成 20 年 4 月適用)を基準とした。
6.倒産原因の定義
企業倒産の原因は厳密にいえば、下記項目間相互に関連性を有するものであるが、統計上
は、最もウエートの大きい原因によるものとして区分する。
主 原 因 細 別 摘 要
イ 事業上の失敗
経験不足、経営未熟、経営策の不手際、必要書類、伝票
帳簿等の不備、事業計画または資金計画の粗雑、もしく
は無計画、事業概況の把握不十分等経営首脳陣の放漫に
起因するもの。
ロ 事業外の失敗
投機思惑の失敗、企業間のあるいは役員間の内紛、労使
間の紛争による蹉跌、経営者の経営意欲喪失などに起因
するもの。
1.放 漫 経 営
ハ 融手操作
自己の資金繰り困難からあるいは融資枠引締から、さら
に取引先などから要請により融手操作を行い破綻を招
来した場合。
主 原 因 細 別 摘 要
イ 運転資金の欠乏 設立、創業当初より自己資本過少、手張り過ぎによる運
転資金の欠乏など資本構成不安定などに起因するもの。
2.過 少 資 本
ロ 金利負担の増加
高利依存、債務過多から金利負担の増加を招き現状の売
上、収益からこれを吸収できず、また拡販による経費高
に起因したもの。
3.他社倒産の余波 不 良 債 権 発 生 取引先、傍系会社、関係先の倒産、内整理などの連鎖反
応により経営困難に起因するもの。
4.既往のシワ寄せ 赤 字 累 積
長期に亘る業績不振によるジリ貧経営、旧債返済の重
圧、販売地盤未確立による経営困難など過去の業績不
振、失敗のシワ寄せ、経営方策の失敗に起因するもの。
5.そ の 他 偶 発 的 原 因 代表者死亡、水害、火災、震災、交通事故、詐欺、盗難、
使い込みなど予期しない偶発的問題から起因したもの。
6.信 用 性 低 下 金融機関・取引先
の 打 切 り な ど
取引金融機関の融資引締、拒絶、または取引停止などを
直接原因とするもの。取引先の警戒視による取引不円滑
に原因して、またダンピングあるいは違背行為による対
外信用を著しく失墜したことに起因するもの。
7.販 売 不 振
市況悪化による売行不振、業界不況によるジリ貧、季節
的影響による売行減少、市況低迷による利幅低下、採算
割れ、輸出不振、受注減少、その他商い高減少に起因す
るもの。
同業乱立に伴い業者間の過度の競争から出血受注、サー
ビス過剰による採算割れとなることに起因するもの。
技術革新、生活様式、嗜好の変化等需要動向、消費動向
の変化に対応し得ないことに起因するもの。円高、円安
など為替相場によるもの。
大資本の進出、直売、デパート、スーパー・マーケット
の進出から被害を受けたことに起因するもの。
8.売掛金等回収難 決 済 条 件 の 悪 化
売掛金回収遅延、長期化、こげつき債権発生による不良
債権の累積、その他受取債権の回収困難、決済条件の悪
化に起因するもの。
9.在庫状況悪化
在庫商品の値下り、契約キャンセル、製品不評等による
返品増加。売行不振に伴う在庫増大、新品種取扱いの失
敗、その他在庫状態悪化に起因するもの。
10.設備投資過大
社屋、工場、機械設備等の新増改設による資金固定化、
支店開設、車輛購入等による運転資金枯渇、その他無計
画な設備過大投資に起因するもの。
7.年 報 作 成 体 制
本年報の原案については、下記の学識経験者等からなる検討会により内容の検討を行っ
た。
[検討会委員(順不同、敬称略)]
千葉商科大学商経学部
大学院商学研究科委員長 博士(経営学) 太 田 三 郎
(座長・序章執筆)
株式会社 東京商工リサーチ
情報本部 副本部長 友 田 信 男
三井住友銀行 企業調査部 副部長 花 田 信 彦
日本政策金融公庫 総合研究所
中小企業研究第 1 グループ グループリーダー 芳 野 昌 利
財団法人 商工総合研究所 調査研究室長 赤 松 健 治 (主筆)
目 次
序章 中小企業の経営再建・活性化への処方箋 ···1
第 1 章 平成 21 年度の経済・金融動向 ···4
1.経済の動向 ...4
(1) 回復に向かう世界経済 ··· 4
(2) わが国経済も徐々に持ち直しへ ··· 4
2.金融の動向 ...6
(1) 金融緩和を維持 ··· 6
(2) 厳しい資金繰り続く ··· 8
3.中小企業の動向 ...8
(1) 企業収益は回復へ ··· 8
(2) 改善遅れる財務内容 ··· 9
(3) 多様化が進まない調達構造 ··· 11
第 1 章 まとめ ...11
第 2 章 平成 21 年度の企業倒産動向 ···12
1.概況 ...12
(1) 倒産件数、減少に転じる ··· 12
(2) 半減した負債額 ··· 12
2.企業倒産件数の動向 ...14
(1) 業種別 ··· 14
(2) 原因別 ··· 15
(3) 地域別 ··· 16
(4) 営業年数別 ··· 17
(5) 資本金規模別 ··· 18
(6) 従業員規模別 ··· 19
(7) 形態別 ··· 20
3.中小企業倒産防止共済貸付の動向 ...21
第 2 章 まとめ ...21
第 3 章 平成 21 年度の企業倒産の特徴 ···22
1.業種・地域・規模別の動向 ...22
(1) 「建設業」、「卸売業」が減少、「製造業」は明暗 ··· 22
(2) 「中部」、「近畿」以外は減少へ ··· 23
(3) 中小・零細企業で増加 ··· 23
2.「清算型」7 割超える...25
3.中小企業の再生支援、金融支援の多様化進む ...26
(1) 着実に進展する再生支援 ··· 26
(2) 中小企業等金融円滑化法の施行 ··· 27
(3) M&Aは破綻関連が増加 ··· 28
第 3 章 まとめ ...28
第 4 章 倒産事例 ···29
···29
(1) (株)日本航空 22 年 1 月
負債総額 6715 億円(東京都品川区) ··· 29
(2) (株)ロプロ(旧・ (株)日栄) 21 年 11 月
負債総額 2500 億円(大阪府大阪市) ··· 30
(3) (株)ジョイントコーポレーション 21 年 5 月
負債総額 1476 億円(東京都目黒区) ··· 30
(4) (株)中央コーポレーション 21 年 4 月
負債総額 340 億円(愛知県名古屋市) ··· 31
···31
(1) (株)穴吹工務店 21 年 11 月
負債総額 1388 億円 (香川県高松市) ··· 31
(2) (株)ライフコート 21 年 12 月
負債総額 230 億円 (東京都千代田区) ··· 32
(3)栗本建設工業(株) 21 年 6 月
負債総額 146 億円(大阪府大阪市) ··· 32
(4) (株)セントラルホームズ 21 年 6 月
負債総額 130 億円(愛知県名古屋市) ··· 33
(5) (株)治山社 21 年 11 月
負債総額 69 億円(石川県金沢市) ··· 33
···34
(1) (株)カナサシ重工 21 年 4 月
負債総額 218 億円(静岡県静岡市) ··· 34
(2)アシストテクノロジーズジャパン(株) 21 年 4 月
負債総額 186 億円(東京都港区) ··· 34
(3) (株)ミカド 21 年 12 月
負債総額 176 億円(大阪府大阪市) ··· 35
(4) (株)泉精器製作所 21 年 8 月
負債総額 161 億円(長野県松本市) ··· 35
···36
(1)U.F.O.(株) 22 年 3 月
負債総額 368 億円(大阪府大阪市) ··· 36
(2)GFS(株) 22 年 3 月
負債総額 159 億円(大阪府大阪市) ··· 37
(3) (株)ナルミ 21 年 5 月
負債総額 80 億円(北海道爾志郡) ··· 37
(4) (株)エイペックス 22 年 3 月
負債総額 74 億円 (東京都府中市) ··· 37
···38
(1) (株)キンカ堂 22 年 2 月
負債総額 45 億円 (東京都豊島区) ··· 38
(2) (株)レクリス 21 年 6 月
負債総額 43 億円 (福岡県福岡市) ··· 39
(3) (株)武相販売 21 年 12 月
負債総額 42 億円 (神奈川県厚木市) ··· 39
(4)マル平ストア(株) 21 年 7 月
負債総額 36 億円 (茨城県神栖市) ··· 40
···40
(1)小木津産業(株) 21 年 4 月
負債総額 238 億円 (茨城県日立市) ··· 40
(2)白沢高原開発(株) 21 年 9 月
負債総額 234 億円 (東京都渋谷区) ··· 40
(3)弘済事業(株) 21 年 7 月
負債総額 225 億円 (東京都千代田区) ··· 41
(4)朝日リゾート開発(株) 22 年 1 月
負債総額 187 億円 (大阪府大阪市) ··· 41
···42
(1) (有)折口総研 21 年 9 月
負債総額 302 億円 (東京都大田区) ··· 42
(2)コイトエンタープライズ(株) 22 年 3 月
負債総額 146 億円 (東京都港区) ··· 42
(3) (株)ロビンス 21 年 6 月
負債総額 132 億円 (鹿児島県鹿児島市) ··· 43
(4)アイ・シー・カード(株) 22 年 3 月
負債総額 31 億円 (宮崎県宮崎市) ··· 43
···44
(1) (株)SKSシステム 22 年 1 月
負債総額 83 億円 (大阪府大阪市) ··· 44
(2) (株)東京シテイークラブ 22 年 1 月
負債総額 36 億円 (東京都港区) ··· 44
(3) (株)アプレシオ 21 年 6 月
負債総額 22 億円 (東京都港区) ··· 45
(4) (株)普門塾 21 年 4 月
負債総額 13 億円 (北海道札幌市) ··· 45
···46
(1) (株)中沢ヴィレッジ 21 年 4 月
負債総額 168 億円 (群馬県吾妻郡) ··· 46
(2)京品実業(株) 21 年 10 月
負債総額 70 億円 (東京都港区) ··· 46
(3) (株)かずさアカデミアパーク 22 年 1 月
負債総額 57 億円 (千葉県木更津市) ··· 47
(4)広島エアポートビレッジ開発(株) 21 年 9 月
負債総額 52 億円 (広島県三原市) ··· 48
···48
(1) (株)ゼンテック・テクノロジー・ジャパン 21 年 10 月
負債金額 101 億円 (東京都千代田区) ··· 48
(2)春日電機(株) 21 年 6 月
負債総額 20 億円(東京都三鷹市) ··· 49
(3)美少年酒造(株) 21 年 4 月
負債総額 19 億円 (熊本県下益城郡) ··· 49
···50
(1) (株)讃岐造船鉄工所 21 年 7 月
負債総額 94 億円 (香川県山豊郡) ··· 50
(2)HK管理(株) (旧・原田建設工業(株) ) 21 年 6 月
負債総額 48 億円 (北海道札幌市) ··· 51
(3)第一水産(株) 21 年 10 月
負債総額 7 億 8900 万円 (福井県福井市) ··· 51
(4) (株)広木造園土木 21 年 9 月
負債総額 1 億 4000 万円 (北海道札幌市) ··· 52
···52
(1) (株)海浜ホテル金波荘 21 年 12 月
負債総額 40 億円 (石川県七尾市) ··· 52
(2)信田罐詰(株) 21 年 8 月
負債総額 37 億円 (千葉県銚子市) ··· 53
(3) (株)関工務店 21 年 9 月
負債総額 12 億円(神奈川県横浜市) ··· 53
···54
(1) (株)アイゼックス・アルファ 21 年 8 月
負債総額 10 億円 (東京都渋谷区) ··· 54
(2) (有)ハロースタッフ 21 年 9 月
負債総額 1 億円 (埼玉県春日部市) ··· 54
···55
(1)ゴマブックス(株) 21 年 9 月
負債総額 38 億円 (東京都港区) ··· 55
(2) (株)雄鶏社 21 年 4 月
負債総額 12 億円 (東京都新宿区) ··· 55
(3)一橋出版(株) 21 年 5 月
負債総額 11 億円 (東京都杉並区) ··· 56
···56
(1) (株)研精舎 21 年 5 月
負債総額 185 億円 (東京都大田区) ··· 56
(2) (株)ダン科学 21 年 4 月
負債総額 50 億円 (東京都八王子市) ··· 57
(3) (株)テクノス 21 年 7 月
負債総額 21 億円 (大阪府枚方市) ··· 57
資料編 ···59
白紙
- 1 -
序章 中小企業の経営再建・活性化への処方箋
平成 21 年度の企業倒産件数は 1 万 5,298 件(前年度比 7.1%減) 、負債総額が 7 兆 1,401 億円
(前年度比 49.1%減)となり、前年度を大きく下回った。これは、リーマン・ショックを契機
に、世界各国の金融・財政政策が奏功した結果といえる。但し、わが国を例にとると、企業倒産
件数や負債総額は減少したものの、依然として「不況型倒産」の割合は増加し、平成 21 年度は
過去最高の 80%を超えた。しかも倒産件数全体は減少しているが、小規模企業の倒産件数の割
合は増加している。
現在のデフレ不況は、大企業よりもむしろ中小企業に大きなダメージを与え、とりわけ小規模
企業の経営を悪化させている。不況のしわ寄せは、小規模企業に集中しているといえる。
そこで、序章では、平成 21 年度における国内外の経済環境及びわが国中小企業の動向を観察
するとともに、企業倒産の動向や特徴を分析し、最後に中小企業、特に小規模企業が「不況型倒
産」を回避するための処方箋を探ってみたい。
平成 21 年度の国内外における経済およびわが国中小企業の動向は、この調査年報や中小企業
白書(平成 22 年版全体概要)の分析によると、以下の 8 点に要約できる。
1. 世界経済は、平成 20 年 9 月のリーマン・ショック後に急速に悪化したが、各国が行った
金融・財政政策の効果もあって、アジアを中心に穏やかな回復傾向を示している。但し、
平成 21 年末頃からのドバイ政府系企業の債務繰り延べやギリシアの財政危機などから世
界経済への影響が懸念される。
2. 中国を始めとしたアジアや米国を中心に景気回復の動きが広がり始めた。
3. 実質GDP成長率は、平成 21 年 4-6 月期で+1.7%、7-9 月期で+0.1%、10-12 月期
で+1.1%、1-3 月期で+1.2%と、わが国経済は輸出を中心に着実に持ち直してきた。
4. 輸出額は、アジア向けを中心に緩やかに増加している。
5. 中小企業の業況は、総じて持ち直しの傾向にある。 しかし、業種や規模に格差がみられる。
6. 中小企業の収益(経常利益)は改善がみられる。
7. 中小企業の資金繰りは、金融緩和基調にあるが厳しい状況にある。
8. 中小企業の借入依存度は高く、財務構造の改善は遅れている。
このような経済環境の中で、前述の通り 21 年度の企業倒産件数は、1 万 5,298 件であり、20
年度の 1 万 6,475 件に比べて大幅に減少した。負債総額は大型倒産が少なかったこともあり、7
兆 1,401 億円で、前年度の 14 兆 208 億円に比べ半減した。加えて、21 年度の上場企業倒産件数
は 7 件、負債総額が 1 兆 1,235 億円で、20 年度の戦後最高を記録した上場企業倒産件数 45 件、
負債総額 2 兆 3,528 億円に比べ急減し、上場企業の倒産は鎮静化した。
平成 21 年度のわが国企業倒産の動向は、次の 7 つに要約できる。
1. 企業倒産件数が大きく減少した。
これは、わが国政府の景気対策、例えば「緊急保証制度」 (22 年 2 月からは名称変更し「景
気対応緊急保証制度」 ) 、日本政策金融公庫の「セーフティネット貸付制度」 、中小企業等
金融円滑化法の施行等が奏功し、倒産件数増加に一定の歯止めをかけた結果といえる。
2. 倒産件数の減少に伴い、負債総額も急減した。
21 年度は大型倒産が急減したこともあり、前年度 14 兆円の約 2 分の 1 に減少した。
3. 上場企業倒産件数は 7 件であった。
20 年度が戦後最多の 45 件と比べ、21 年度はその 6 分の 1 以下となった。
4. 業種別では、 「飲食業」と「サービス業」を除き、すべての業種で企業倒産件数は減少し
た。但し、 「飲食業」の倒産件数は 3 年連続、 「サービス業」は 5 年連続の増加であった。
この実態から、景気による業種間格差の拡大がうかがえる。
5. 21 年度は「販売不振」が微増したが、その他の倒産原因は大幅な減少となった。但し、 「販
売不振」 、 「既往のしわ寄せ」 (赤字累積など) 、 「売掛金回収難」という原因で倒産する、
いわゆる「不況型倒産」の割合は 80%を超え、過去最高の割合となった。
6. 資本金規模別企業倒産件数は、 「個人企業」及び「1 千万円未満企業」など、小規模企業
の倒産件数が増加した。
7. 従業員規模別企業倒産件数は、 「4 人以下」 、 「9 人以下」 、 「29 人以下」 、 「不明」という小
規模企業の倒産件数が増加した。
以上、平成 21 年度における企業倒産の動向をみてきたが、その特徴的な問題点は次の 2 点で
ある。
1. 「不況型倒産」の割合が過去最大の 80%超であったこと。
2. 倒産件数は減少しているが、資本金規模別及び従業員規模別ともに「小規模企業の倒産」
が増大したこと。
不況型倒産の増大と小規模企業の倒産件数割合が増加したことは、平成 21 年度の特徴的な倒
産パターンといえる。不況型倒産原因のうち「既往のしわ寄せ」と「売掛金回収難」による倒産
件数が減少し、 「販売不振」による倒産件数だけが微増ではあるが増加した。これは、 「販売不振」
が小規模企業を直撃し、 「不況型倒産」に追い込んだ結果と判断できる。
この「不況型倒産」にあえぐ小規模企業を再建し、活性化する手立てはあるのか。中小企業
の経営再建・活性化に関する実態調査や事例研究をもとに、再建・活性化のためのV字型回復策
を探ってみた。
財団法人 企業共済協会は、 『経営再建・事業活性化マニュアル』 (平成 17 年)を作成した。こ
れは経営再建・事業活性化のためのマニュアル書で、調査対象となった541 社の中小企業は卸売
業、製造業、建設業、小売・飲食業、サービス業、運輸・通信業の 6 業種に属し、経営危機に直
面したが、見事に再建・活性化を果たした企業群である。再建・活性化を果たした中小企業は、
様々なリスク要因にどう対応したのか。 成功した実施策の要点をアットランダムにまとめてみた。
1. 「販売費・一般管理費」の削減、 「従業員の整理や再配置」を実行し、経営のスリム化を
- 3 -
図った。
2. 製品、サービスの品質・機能を高めて、競争力の強化を図った。
3. 全社のコストダウンを推進し、 「価格競争力」を高めた。
4. 不採算部門を整理・縮小した。
5. 「有望な市場への集中」 、 「他社との資本提携や技術提携」 、さらには「若手の登用」に努
めた。
6. 信用・市場等の情報を管理し、経営体制の革新を図った。
7. 公的融資・助成制度を活用した。
この実態調査と類似した成功事例集が、経営支援実務専門誌の『ターンアラウンド・マネジャ
ー』 (銀行研修社,平成 22 年 8 月号)の総特集、 「中小・零細企業の経営改善」 (戦略事例集)で
取り上げられている。 この事例の中で、 中小企業診断士の筆者等は、 活性化には 「高付加価値化」 、
「コスト削減」 、 「経営体制の整備」 (情報、経営計画、人材育成、コミュニケーションのシステ
ム化) 「顧客ニーズへの適応」 、 「営業戦略の導入」が有効であることを証明し、業種別に具体的
成功事例をあげている。
この実態調査と成功事例集から、業績回復策の共通項は、①「コストの徹底削減」 、②「製品・
サービスの高付加価値化」 、③「情報管理の整備」である。さらに実態調査からは「政府等の支
援制度の積極的活用」も成功要因であった。経営再建・活性化は、中小企業みずからの「企業努
力」と「政府等の支援体制」を徹底活用するという両面から図ることが重要となる。
中小企業、特に小規模企業の経営再建・活性化には、デフレ不況を克服する「突破力」がなけ
ればならない。 「突破力」の原動力は、製商品・サービスの付加価値を高めること、コスト削減
に努めること、情報、経営計画、人材育成など、経営体制を整備することが成功要因になる。ま
た官・民を含めた再生支援協議会等の支援体制を徹底的に活用する術を身につけることも必要だ。
うわべだけの経営改善では、長期的な不況を乗り越えることはできない。経営者の不況脱出の
決め手は、ポジティブで柔軟な経営思考と強い経営意欲・創意工夫にある。長引く不況はリスク
であるが、チャンスでもある。経営者としての真の実力が試される時代に突入したといえる。
第1章 平成21年度の経済・金融動向
1.経済の動向
(1) 回復に向かう世界経済
平成 21 年度の世界経済は、リーマン・ショック後に講じられた各国の積極的な金融・
財政政策が奏功し、一方では新興国経済の成長に牽引される形で徐々に持ち直しに向か
った。新興国では、中国が政府の積極的な景気刺激策の効果により、21 年度上期から内
需を中心に成長率を高め、その他の新興国でも持ち直しに転じた(図表 1)。また、欧
米諸国の景気も下期には下げ止まった。ただ年末頃から、ドバイ政府系企業の債務繰り
延べ問題の表面化、EUにおけるギリシャの財政危機などから国際金融市場が再び不安
定な動きを示し、世界経済への悪影響が懸念される状況となっている。
(2) わが国経済も徐々に持ち直しへ
こうしたなか、わが国経済も政府の景気対策やアジア向けを中心とする輸出の増加な
どから 21 年度前半には下げ止まり、後半にかけて持ち直した(図表 1、2)。20 年度下
期に急激に落ち込んだ生産活動は、在庫調整の進展や輸出の増加に伴い回復に向かい、
企業の設備過剰感は徐々に縮小した。このため上期まで減少を続けた設備投資は、企業
収益の改善もあって下期には増加に転じた(図表 3)。また個人消費は、雇用・所得環
境はなお厳しい状況であったが、乗用車のエコカー減税・補助金や家電のエコポイント
などの政策効果により、堅調な推移となった。
(図表 1)日本、米国、中国の実質経済成長率の推移
-10 -5 0 5 10 15
平元 3 5 7 9 11 13 15 17 19 21 21
/1-3 21 /7-9
22 /1-3
日本 米国 中国
(前年度(同期)比:%)
(年度、四半期)
(資料)内閣府「国民経済計算」ほか
(注)米国・中国は暦年
(図表 2)地域別の輸出の推移
-60
-40
-20
0
20
40
60
平元 3 5 7 9 11 13 15 17 19 21 21
/1-3
21
/7-9
22
/1-3
輸出合計 北米向け 中国向け
(前年度(同期)比:%)
(年度、 四半期)
(資料)財務省「貿易統計」
(図表 3)わが国の経済成長率とその寄与度 (前年度(前期)比:%)
平成 21 年度
平成
18 年度
平成
19 年度
平成
20 年度 4 ~ 6 7 ~ 9 10~12 1 ~ 3
名 目 国 内 総 生 産 1.5 0.9 -4.2 -3.7 0.2 -0.3 0.3 1.2
実 質 国 内 総 生 産 2.3 1.8 -3.7 -2.0 1.7 0.1 1.1 1.2
民 間 需 要 1.7 0.5 -2.3 -3.0 -0.5 -0.2 0.3 0.5
最 終 消 費 支 出 0.8 0.8 -1.0 0.4 0.6 0.4 0.4 0.3
住 宅 投 資 0.0 -0.5 -0.1 -0.6 -0.3 -0.2 -0.1 0.0
設 備 投 資 0.7 0.2 -1.0 -2.3 -0.5 -0.3 0.2 0.1
在 庫 品 増 加 0.2 0.0 -0.1 -0.5 -0.2 -0.1 -0.2 0.1
公 的 需 要 -0.2 0.0 -0.3 0.7 0.3 0.0 0.1 0.1
最 終 消 費 支 出 0.2 0.3 0.0 0.3 0.0 0.0 0.1 0.1
固 定 資 本 形 成 -0.4 -0.3 -0.3 0.4 0.3 0.0 -0.0 -0.0
財貨・サービスの純輸出 0.8 1.2 -1.2 0.4 1.8 0.3 0.7 0.7
財貨・サービスの輸出 1.2 1.5 -1.8 -1.5 1.3 1.2 0.9 0.9
実 質国内総 生産の 寄与度
財貨・サービスの輸入 -0.4 -0.3 0.7 1.9 0.5 -0.8 -0.2 -0.3
(資料)内閣府「国民経済計算」、「四半期別GDP速報」
(注)各項目の寄与度の合計は、四捨五入の関係で必ずしも実質総生産と一致しない
こうした状況から 21 年度の実質GDPは 4 四半期連続して前期比プラスとなった(図
表 3)。内閣府では、平成 21 年 3 月を戦後第 14 循環の景気の谷と暫定的に設定し、景気
後退局面は 17 か月で終了した。なお、年度対比では、20 年度上期の水準が高かったこ
ともあり、21 年度▲2.0%と 2 年度連続してマイナス成長となった。物価は、景気の悪
化とともに下落に転じ、再びデフレに陥った。
2.金融の動向
(1) 金融緩和を維持
平成 21 年春以降、世界的な金融システム不安が後退し国際金融市場が安定に向かっ
たことから、各国が金融危機に際して導入した各種措置は順次完了となった。ただ欧米
では、失業率の高止まりなど景気回復が遅れ気味であったことから、政策金利は低水準
に維持された。一方、新興国では景気回復につれて金融引き締めに転換する動きもみら
れるようになった。わが国においても金融危機時の措置は順次完了となったが、一方で
12 月に日銀が新たな資金供給策を導入するなど金融緩和の強化が図られ、金利は低水準
で推移した(図表 4) 。
(図表 4)日米政策金利の推移
(資料)日本銀行「短期市場金利」ほか
(注 1)日本のコール金利は無担・翌日物の平均(昭和 60 年度以前は有担物)。米国のFF(フ
ェデラルファンド)金利は月末値の平均(平成 7 年度以前は公定歩合)
(注 2)マーシャルのk=通貨供給量(M2)÷名目総需要(名目GDP+名目輸入等)。わが
国では上昇トレンドがあるため、傾向線との乖離幅で金融の繁閑を判断する
0
2
4
6
8
10
12
14
昭56 58 60 62 平元 3 5 7 9 11 13 15 17 19 21
0.7
0.9
1.1
1.3
1.5
コール金利(左目盛) FF金利(左目盛)
マーシャルのk(右目盛)
(年度)
(%)
kの傾向線
(図表 5)企業の資金繰り判断と金融機関の貸出態度判断の推移
▲ 40
▲ 20
0
20
40
60
昭60 62 平元 3 5 7 9 11 13 15 17 19 21
貸出態度(中小企業) 貸出態度(大企業)
資金繰り(中小企業) 資金繰り(大企業)
(年度末)
(%ポイント)
(資料)日本銀行「企業短期経済観測調査」
(注)資金繰り判断は「楽である」-「苦しい」、貸出態度判断は「緩い」-「厳しい」の企業
割合
(図表 6)不良債権残高と同処分の推移(全国銀行)
0
10
20
30
40
50
平5 7 9 11 13 15 17 19 21
0
5
10
15
不良債権残高(左目盛) 不良債権処分損(右目盛)
(年度)
(兆円) (兆円)
(資料)金融庁
(注)不良債権は銀行法に基づくリスク管理債権。全国銀行は都銀、旧長信銀、信託、地域銀
行(地銀、第二地銀)の合計
(2) 厳しい資金繰り続く
金融緩和が維持され景気が回復に向かう中で、中小企業の資金繰りは徐々に改善した
ものの、平成 21 年度末時点でも依然として「苦しい」と判断する企業の割合が「楽で
ある」企業を上回っており、厳しい状況が続いている(図表 5)。また、金融機関の貸出
態度も同様に、20 年度よりは改善しつつあるが、引き続き「厳しい」とする企業の割合
が「緩い」企業を上回っている。
なお、金融機関の貸出態度に影響を与える不良債権残高をみると、平成 21 年度は約
11.4 兆円で、19 年度を底にやや増加してきたものの微増にとどまっている(図表 6)。
3.中小企業の動向
(1) 企業収益は回復へ
中小企業の収益をみると、売上高は 2 年連続して減少したが、売上高変動費率が前年
度比 0.2%改善したため、平成 21 年度の経常利益は 20 年度の大幅減から一転して 3.3%
の増加となった(図表 7)。一方、売上高固定費率は同 0.1%の悪化にとどまり、同経常
利益率は 2.2%と若干ながら改善した(図表 8)。
一方、大企業は売上高の減少幅が 20 年度より拡大した。このため、経常利益は中小
企業と同様、変動費率の改善によりプラスに転じたものの、1.5%増と小幅にとどまっ
た。
(図表 7)企業の売上高と経常利益の推移
▲ 20
▲ 15
▲ 10
▲ 5
0
5
10
15
20
昭56 58 60 62 平元 3 5 7 9 11 13 15 17 19 21
▲ 50
▲ 40
▲ 30
▲ 20
▲ 10
0
10
20
30
40
50
中小企業売上高(左目盛) 大企業売上高(左目盛)
中小企業経常利益(右目盛) 大企業経常利益(右目盛)
(年度)
(前年度比
:%)
(前年度比
:%)
(資料)財務省「法人企業統計調査」
(注)四半期別調査による。企業は金融・保険業を除く資本金 1 千万円以上の営利法人で、中
小企業は 1 億円未満、大企業は 1 億円以上
(図表 8)売上高経費率と同経常利益率の推移
0
5
10
15
20
25
昭56 58 60 62 平元 3 5 7 9 11 13 15 17 19 21
75
80
85
90
中小企業経常利益率(左目盛) 大企業経常利益率(左目盛)
中小企業固定費率(左目盛) 大企業固定費率(左目盛)
中小企業変動費率(右目盛) 大企業変動費率(右目盛)
(年度)
(%) (%)
(資料)財務省「法人企業統計調査」
(注)四半期別調査による。企業は金融・保険業を除く資本金 1 千万円以上の営利法人で、中
小企業は 1 億円未満、大企業は 1 億円以上
(図表 9)総資産経常利益率と損益分岐点売上高比率の推移
0
1
2
3
4
5
6
昭56 58 60 62 平元 3 5 7 9 11 13 15 17 19 21
70
75
80
85
90
95
中 小企 業総 資産 経常 利益 率(左 目盛 ) 大 企業 総資 産経常 利益 率( 左目 盛)
中 小企 業損 益分 岐点 (右 目盛) 大 企業 損益 分岐点 (右 目盛 )
(年度)
(%) (%)
(資料)財務省「法人企業統計調査」
(注 1)四半期別調査による。企業は金融・保険業を除く資本金 1 千万円以上の営利法人で、
中小企業は 1 億円未満、大企業は 1 億円以上
(注 2)総資産(資本)経常利益率=経常利益÷総資産。損益分岐点売上高比率=(固定費÷
(1-変動費率))÷売上高、固定費=人件費+減価償却費+支払利息等-受取利息等
(2) 改善遅れる財務内容
また、保有資産に対するリターンを表わす総資産経常利益率をみると、中小企業は平
成 21 年度、ほぼ前年度並みの 2.3%となった(図表 9)。前年度まで 3 年連続して上昇
(悪化)していた損益分岐点売上高比率は 21 年度 90.0%と低下に転じたが、まだ平成
13 年度のIT不況時の水準にある。一方、大企業においても、総資産経常利益率は前年
度比ほぼ横ばい、損益分岐点はやや低下と、中小企業と同様の動きとなった。両経営指
標とも依然として中小企業より高い水準にあるものの、企業規模間の格差はやや縮小し
ている。
こうした大企業との格差縮小について、労働生産性の推移をみてみると、悪化傾向を
辿っていた中小企業が平成 21 年度には悪化がとまったのに対し、大企業は平成 20 年度
に急激に悪化した後、21 年度も連続して悪化している(図表 10)。このため、中小企業
と大企業との労働生産性格差は縮小した。また、業種別にみると、回復傾向にあった製
造業が 20 年度以降悪化に転じたのに対し、非製造業は改善しつつある。ただ、労働生
産性の水準をみると、中小企業の 4.9 百万円に対し大企業は 9.9 百万円と、依然として
倍以上の差がある。
(図表 10)労働生産性の推移
3
4
5
6
7
8
9
昭56 58 60 62 平元 3 5 7 9 11 13 15 17 19 21
7
8
9
10
11
12
13
中小企業(左目盛) 中小製造業(左目盛)
中小非製造業(左目盛) 大企業(右目盛)
(百万円) (百万円)
(年度)
(資料)財務省「法人企業統計調査」
(注 1)四半期別調査による。企業は金融・保険業を除く資本金 1 千万円以上の営利法人で、
中小企業は 1 億円未満、大企業は 1 億円以上
(注 2)労働生産性=付加価値額÷人員数。付加価値額=売上高-原材料費など他企業から購
入した価値=固定費+経常利益
(3) 多様化が進まない調達構造
最後に、中小企業の資金調達構造の推移をみると、平成 21 年度、借入金の比率はや
や低下したが 4 割を超える水準にある(図表 11) 。また、自己資本の比率が上昇し 19 年
度の水準に戻ったが大企業とは大きな差があり、社債も依然として 1%程度の低水準に
とどまっている。
一方、大企業をみると、平成 20 年度に上昇した借入金の比率は、21 年度には再び低
下に向かった。また自己資本の比率は 4 割台に達し、社債も中小企業より高く 6%程度
で推移している。
このように、中小企業の資金調達の多様化は大企業に比べて大きく遅れており、また
借入依存体質もなかなか改善が進まないなど、資金調達構造上、課題は多い。
(図表 11)企業の資金調達構造の推移
1.中小企業 2.大企業
43 49 52 53 49 41 40 39 43 41
0 0
0 0 0
1 1 1 1 1
29 24 20 17 15
14 15 14 11 13 14 12 14 16
16
17 16 18 20 16 13 15 13 14 19
27 28 29 25 29
0%
20%
40%
60%
80%
100%
55 60 2 7 12 17 18 19 20 21
借入金 社債
支手・買掛 引当金等
資本
(年度末)
40 39 36 34
29 24 23 22 25 24
4 6 8
8 7
6 5 6 6 6
23 19 17 15
15 14 15 15 11 11 18 16 17 18
20 20 20 22 20 18 16 20 23 25
30 36 37 36 38 40
0%
20%
40%
60%
80%
100%
55 60 2 7 12 17 18 19 20 21
借入金 社債
支手・買 掛 引当金 等
資本
(年度末)
(資料)財務省「法人企業統計調査」
(注)四半期別調査による。企業は金融・保険業を除く資本金 1 千万円以上の営利法人で、中
小企業は 1 億円未満、大企業は 1 億円以上
第 1 章 まとめ
(1) 平成 21 年度のわが国経済は、世界経済が新興国に牽引されて回復する
中、年度上期に下げ止り、下期にかけて持ち直した。
(2) 金融も緩和基調が維持されたが、中小企業の資金繰りはやや改善傾向が
みられるものの、引き続き厳しい。
(3) このようななかで、中小企業の財務動向は、企業収益の悪化には歯止め
がかかったが、損益分岐点は前回IT不況時の水準に高止まっており、
借入依存度も依然高いなど、財務内容の改善が進んでいない。
第2章 平成21年度の企業倒産動向
1.概況
(1) 倒産件数、減少に転じる
最近の企業倒産件数の推移をみると、平成 18 年度に増加に転じた後、平成 19 年 11
月に景気後退局面入りするなかで増勢を強め、平成 20 年度には 6 年ぶりに 1.6 万件を
超えた(図表 12)。しかし、平成 21 年度には、政府の景気対策や金融支援策などを背景
に、15,298 件、前年度比▲7.1%と減少に転じた。
(2) 半減した負債額
また、負債額は、平成 19 年度に増加に転じ、平成 20 年度には 9 月のリーマン・ショ
ックを契機に大型倒産が相次いだことから前年度比倍増した(図表 13) 。しかし平成 21
年度は、倒産件数が減少したことや、その中でも大型倒産が少なかったため倒産 1 件当
り負債額が 4.7 億円と前年度の 8.5 億円から縮小したこともあり、7 兆 1,401 億円、前
年度比▲49.1%とほぼ半減した。
なお、上場企業の倒産は、平成 20 年度に戦後最悪(件数 45 件、負債額 2.4 兆円)を
記録したが、平成 21 年度は倒産件数 7 件、負債額 1 兆 1,235 億円となった。件数では
前年度比 8 割減、負債額では半減であったが 2 年連続で 1 兆円を上回った(図表 14)。
(図表 12)企業倒産件数の推移
0
5
10
15
20
25
30
昭56 58 60 62 平元 3 5 7 9 11 13 15 17 19 21
(年度)
(千件)
(資料)財団法人企業共済協会「企業倒産調査年報」
(図表 13)負債額の推移
0
10
20
30
昭56 58 60 62 平元 3 5 7 9 11 13 15 17 19 21
0
10
20
30
40
50
負債額(左目盛) 上場企業倒産件数(右目盛)
(年度)
(兆円) (件)
(資料)財団法人企業共済協会「企業倒産調査年報」
(注)大型倒産は、平成 12 年度の大手生保 3 社(負債額 8.4 兆円)、㈱そごうグループ(同
2.9 兆円)、平成 20 年度のリーマン・ブラザーズ証券㈱(負債額 3.4 兆円)など
(図表 14)上場企業の倒産 (億円)
年 月 社 名 所在地 業 種 負 債 額 倒 産 形 態 市 場 区 分
21.4 ㈱中央コーポレーション 愛知県 不 動 産 開 発 、 賃
貸、繊維事業ほか
340 民 事 再 生 東証・名証 2
21.4 ㈱ライフステージ 大阪府 不動産業 114 民 事 再 生 ヘ ラ ク レ ス
21.5 ㈱ジョイント・コーポレーション 東京都 不動産分譲、流動
化事業
1,476 会 社 更 生 東 証 1
21.6 ㈱アプレシオ 東京都 イ ン タ ー ネ ッ ト
複合カフェ経営
22 民 事 再 生 セントレック
ス
21.9 シルバーオックス㈱ 大阪府 各種肌着卸 67 破 産 東証・大証 1
21.11 ㈱ロプロ 大阪府 貸金業 2,500 会 社 更 生 東証・大証 1
22.1 ㈱日本航空 東京都 持株会社 6,716 会 社 更 生 東証・大証・
名証1
合 計 7 件 1 兆 1,235 億円
(資料)東京商工リサーチ「2009 年度(平成 21 年度)全国企業倒産動向」
(注 1)平成 20 年度は 45 件、2 兆 3,528 億円
(注 2)市場区分の数字の 1 は 1 部市場、2 は 2 部市場
2.企業倒産件数の動向
(1) 業種別
平成 21 年度の企業倒産件数を業種別にみると、「飲食業」、 「サービス業」以外のすべ
ての業種で減少に転じた。「建設業」、 「卸売業」が前年度比二桁減となったほか、「製造
業」 、 「小売業」も減少した(図表 15、16)。一方、 「飲食業」は 3 年連続、 「サービス業」
は 5 年連続の増加となった。なお寄与度をみると、 「建設業」 、「卸売業」の寄与が高か
った。
(図表 15)業種別企業倒産件数の推移
0
5
10
15
20
5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21
その他
サービス業
飲食業
小売業
卸売業
製造業
建設業
(年度)
(千件)
(資料)財団法人企業共済協会「企業倒産調査年報」
(図表 16)業種別企業倒産件数の前年度比増減率と寄与度 (%)
合 計
建 設 業 製 造 業 卸 売 業 小 売 業 飲 食 業 サービス業 そ の 他
1 9 年 度 7.7 6.1
(1.8)
10.5
(1.5)
9.2
(1.3)
1.6
(0.2)
5.6
(0.3)
10.1
(1.6)
12.8
(1.0)
2 0 年 度 12.0 10.2
(2.9)
19.4
(2.9)
10.0
(1.5)
1.3
(0.2)
8.9
(0.4)
12.7
(2.0)
25.2
(2.2)
2 1 年 度 ▲7.1 ▲12.9
(▲3.6)
▲6.1
(▲1.0)
▲14.4
(▲2.1)
▲9.9
(▲1.1)
13.4
(0.6)
9.4
(1.5)
▲15.7
(▲1.5)
(注 1)( )内は寄与度((当該項目の当年度件数-同前年度件数)÷前年度合計件数)×100、な お四捨五入の関係で寄与度は必ずしも合計とは一致しない。以下同じ
(2) 原因別
原因別にみると、平成 21 年度は「販売不振」が微増となったが、それ以外すべての
原因では二桁の大幅な減少となった(図表 17、18)。一方、 「販売不振」の増加により不
況型倒産の割合(「販売不振」 「既往のシワ寄せ」「売掛金回収難」の合計)は上昇し、
80.7%と過去最高となった(図表 19)。
(図表 17)原因別企業倒産件数の推移
0
5
10
15
20
5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21
その他 過少資本 他社倒産余波 放漫経営 売掛金回収難 既往のシワ寄せ 販売不振
(年度)
(千件)
(図表 18)原因別企業倒産件数の前年度比増減と寄与度 (%)
合 計
販 売
不 振
既 往 の
シワ寄せ
売 掛 金
回 収 難
放 漫
経 営
他 社 倒
産 余 波
過 少
資 本 その他
1 9 年 度 7.7 8.7
(5.6)
4.5
(0.5)
▲4.2
(▲0.0)
▲1.4
(▲0.1)
8.3
(0.6)
11.1
(0.7)
17.2
(0.5)
2 0 年 度 12.0 13.8
(8.9)
1.8
(0.2)
▲23.9
(▲0.2)
▲3.0
(▲0.2)
23.7
(1.7)
25.2
(1.6)
▲0.9
(▲0.0)
2 1 年 度 ▲7.1 1.2
(0.8)
▲18.5
(▲1.8)
▲48.8
(▲0.3)
▲25.8
(▲1.5)
▲22.5
(▲1.8)
▲26.7
(▲1.9)
▲22.8
(▲0.6)
(図表 19)不況型倒産割合の推移 (%)
年 度 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21
不況型倒産
割 合 62.0 65.6 67.9 70.1 72.0 74.6 76.9 76.8 76.2 76.3 76.5 76.2 80.7
(3) 地域別
地域別(経済産業局ベース)にみると、 [中部]、「近畿」以外の地域ではすべてが減
少に転じた(図表 20、21)。特に、「北海道」が 3 割減となったほか、 「東北」 、「中国」 、
「四国」、 「九州」も二桁減となった。寄与度をみると、 「九州」、 「北海道」、 「東北」の
ほか、構成比が 4 割弱と高い「関東」も寄与度が大きかった。
(図表 20)地域別企業倒産件数の推移
0
5
10
15
20
5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21
九 州 四 国 中 国 近 畿 中 部 関 東 東 北 北 海道
(年度)
(千件 )
(注)地域は経済産業局ベース、九州は沖縄を含む
(図表 21)地域別企業倒産件数の前年度比増減と寄与度 (%)
合 計
北 海 道 東 北 関 東 中 部 近 畿 中 国 四 国 九 州
19 年 度 7.7 10.6
(0.4)
1.7
(0.1)
9.7
(3.6)
8.3
(0.7)
6.5
(1.8)
▲4.3
(▲0.2)
5.0
(0.1)
12.4
(1.1)
20 年 度 12.0 21.8
(0.9)
10.4
(0.6)
17.2
(6.5)
12.8
(1.1)
3.5
(1.0)
24.4
(1.0)
16.2
(0.4)
5.3
(0.5)
21 年 度 ▲7.1 ▲30.9
(▲1.4)
▲22.8
(▲1.3)
▲3.3
(▲1.3)
2.7
(0.2)
0.6
(0.1)
▲15.2
(▲0.7)
▲18.7
(▲0.5)
▲26.2
(▲2.3)
(4) 営業年数別
営業年数別にみると、 「6 年未満」 、 「不明」以外は前年度より減少した(図表 22、23)。
中でも「30 年以上」 、 「2 年未満」の減少幅が大きかった。寄与度では、 「30 年以上」、 「20
年未満」、「30 年未満」など、比較的営業年数の長い企業の寄与度が高かった。
(図表 22)営業年数別企業倒産件数の推移
0
5
10
15
20
5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21
不 明
30年以 上
30年未 満
20年未 満
10年未 満
6年 未満
2年 未満
(年度) (千件)
(図表 23)営業年数別企業倒産件数の前年度比増減と寄与度 (%)
合 計
2 年未満 6 年未満 10 年未満 20 年未満 30 年未満 30 年以上 不 明
1 9 年 度 7.7 26.2
(0.3)
18.8
(1.3)
10.6
(1.0)
2.8
(0.7)
9.0
(1.7)
8.5
(2.3)
4.3
(0.5)
2 0 年 度 12.0 6.5
(0.1)
24.5
(1.8)
17.5
(1.6)
7.8
(2.0)
11.0
(2.0)
19.0
(5.1)
▲6.3
(▲0.7)
2 1 年 度 ▲7.1 ▲16.5
(▲0.2)
8.5
(0.7)
▲7.6
(▲0.7)
▲12.0
(▲3.0)
▲6.7
(▲1.2)
▲16.2
(▲4.6)
21.9
(1.9)
(5) 資本金規模別
資本金規模別では、減少傾向にあった「個人」が一転して増加したほか、 「1 千万円未
満」も 4 年連続の増加となったが、その他の層ではすべて減少に転じた(図表 24、25)。
また、資本金規模が大きくなるほど減少幅が大きく、規模が小さい企業が増加したこと
と比べ対照的な動きとなった。寄与度では、構成比の高い「5 千万円未満」の影響が大
きかった。
(図表 24)資本金規模別企業倒産件数の推移
0
5
10
15
20
5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21
10億円以上 10億円未満 5億円未満 1億円未満 5千万円未満 1千万円未満 個人
(年度)
(千件)
(図表 25)資本金規模別企業倒産件数の前年度比増減と寄与度 (%)
合 計
個 人 1 千 万
円 未 満
5 千 万
円 未 満
1 億 円
未 満
5 億 円
未 満
10 億円
未 満
10 億円
以 上
1 9 年 度 7.7 ▲3.6
(▲0.6)
10.0
(3.3)
8.6
(3.9)
27.1
(0.9)
15.5
(0.2)
20.0
(0.0)
20.0
(0.0)
2 0 年 度 12.0 ▲2.5
(▲0.4)
8.7
(2.9)
16.1
(7.3)
25.8
(1.0)
44.2
(0.7)
105.6
(0.1)
200.0
(0.3)
2 1 年 度 ▲7.1 16.3
(2.2)
0.5
(0.2)
▲15.6
(▲7.4)
▲25.8
(▲1.2)
▲27.0
(▲0.5)
▲67.6
(▲0.2)
▲59.7
(▲0.3)
(6) 従業員規模別
従業員規模別にみると、 「不明」以外のすべての層で減少し、また規模が大きい層ほ
ど減少幅が大きかった(図表 26、27)。一方寄与度では、構成比の高い「4 人以下」や
「9 人以下」 、「29 人以下」の比較的小規模の企業の寄与度が大きかった。
(図表 26)従業員規模別企業倒産件数の推移
0
5
10
15
20
5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21
不 明 300人 以上 299人 以下 99人以下 29人以下 9人以 下 4人以 下
(年度)
(千件)
(注)「不明」の多くは事業規模が小さく、調査時点で従業員数の把握ができない企業倒産である
(図表 27)従業員規模別企業倒産件数の前年度比増減と寄与度 (%)
合 計
4 人以下 9 人以下 29 人以下 99 人以下 299 人以下 300 人以上 不 明
19 年 度 7.7 0.7
(0.4)
4.1
(0.7)
12.6
(1.9)
33.3
(1.3)
▲11.1
(▲0.1)
60.0
(0.0)
33.6
(3.4)
20 年 度 12.0 ▲3.9
(▲1.9)
10.3
(1.8)
23.1
(3.6)
18.8
(0.9)
85.4
(0.6)
181.3
(0.2)
53.5
(6.8)
21 年 度 ▲7.1 ▲9.1
(▲3.8)
▲14.9
(▲2.6)
▲20.9
(▲3.6)
▲21.3
(▲1.1)
▲57.3
(▲0.6)
▲62.2
(▲0.2)
27.0
(4.7)
(7) 形態別
最後に、形態別にみると、「破産」が 5 年連続して増加し、「特別清算」も 2 年連続微
増となったが、それ以外の形態ではすべて二桁の大幅な減少となった(図表 28、29)。
特に前年度急増した「会社更生法」は 6 割減となり、また「銀行取引停止」も 3 割近く
減少した。寄与度では、「銀行取引停止」が際立って大きく、 「破産」は対照的に増加の
寄与が大きかった。
(図表 28)形態別企業倒産件数の推移
0
5
10
15
20
5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21
その他 商法整理 民事再生法 会社更生法 特別清算 破産
銀行取引停止
(年度)
(千件)
(注 1)民事再生法の平成 11 年度以前は和議(平成 12 年度は和議 2 件を含む)
(注 2)商法整理は平成 18 年 5 月新会社法施行時に廃止
(注 3)「その他」は内整理等
(図表 29)形態別企業倒産件数の前年度比増減とその寄与度 (%)
合 計
銀 行 取 引
停 止 破 産 特別清算 会社更生法 民事再生法 そ の 他
19 年度 7.7 ▲2.1
(▲0.8)
13.9
(7.7)
▲1.4
(▲0.0)
33.3
(0.0)
11.9
(0.5)
15.9
(0.4)
20 年度 12.0 0.1
(0.0)
16.5
(9.6)
1.8
(0.0)
537.5
(0.3)
44.2
(1.8)
8.4
(0.2)
21 年度 ▲7.1 ▲28.0
(▲8.2)
4.5
(2.7)
0.9
(0.0)
▲60.8
(▲0.2)
▲18.6
(▲1.0)
▲22.8
(▲0.6)
3.中小企業倒産防止共済貸付の動向
中小企業倒産防止共済貸付の件数・金額の推移をみると、ほぼ企業倒産件数・負債額
の増減に連動している(図表 30)。
このようななかで、平成 20 年度は、景気悪化による倒産の増加を背景に件数で前年
度の 1.5 倍、金額では 1.6 倍に急増したが、平成 21 年度は企業倒産が件数・負債額と
も減少に転じるなかで、共済貸付も減少した。平成 21 年度の貸付件数は 4,116 件、前
年度比▲23.7%、金額は 342 億円、同▲29.8%となった。
(図表 30)中小企業倒産防止共済貸付件数と同金額の推移
0
5
10
15
20
25
30
昭56 58 60 62 平元 3 5 7 9 11 13 15 17 19 21
0
5
10
15
20
25
30
企業倒産件数(左目盛) 共済貸付件数(左目盛)
負債金額(右目盛) 共済貸付金額(右目盛)
(年度)
(千件) (兆円、百億円)