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平成 21 年度の企業倒産の特徴

ドキュメント内 2010年8月(2009年度倒産)企業倒産調査年報 (ページ 34-40)

1.業種・地域・規模別の動向

(1) 「建設業」 、 「卸売業」が減少、 「製造業」は明暗

今年度の企業倒産をみると、前年度から一転して多くの業種で減少したが、そのうち

「建設業」は前年度比二桁減となり、寄与度も高かった(図表 15、31) 。

「建設業」を詳しくみると、 「土木工事」 、 「建設工事」、 「設備工事」が減少している。

これは、公共工 事前倒し発注など政府の景気対策の効 果によるところが大きいとみられ る(図表 3、32)。これに対し「製造業」では明暗が分かれ、機 械関連では前年度に 続い て倒産が増加した一方、 繊維、出版印刷などでは減少に転じた。機械関連の増加はリー マン・ショック後の世界同時 不況下、輸出が急減した 余波が年度前半まで影響 したため とみられる。一方、「卸売業」では、「 建設材 料家具 建具」以外の業 種は概ね減少した。

(図表 31)前年度比減少した業種の前年度比伸び率の寄与度 1.建設業

建設業合計

土 木 工 事 建 築 工 事 職 別 工 事 設 備 工 事

19 年度 1.8 0.5 0.9 0.3 0.1

20 年度 2.9 1.2 1.0 1.0 ▲0.3

21 年度 ▲3.6 ▲3.0 ▲1.1 0.6 ▲0.2 2.製造業

製造業合計

食 料 品 繊 維 出版印刷 金 属製品 汎 用機 械 電気 機 械 そ の 他 19 年度 1.5 0.2 0.4 ▲0.4 0.1 0.5 0.1 0.5 20 年度 2.9 0.2 0.0 0.3 0.3 0.5 0.4 1.3 21 年度 ▲1.0 ▲0.2 ▲0.4 ▲0.4 0.5 0.6 0.2 ▲0.9 3.卸売業

卸売業合計

繊 維 衣 服身 の 廻 り 品

飲 料 食 料 品

医 薬 化 学 品

機 械器 具 建 設材 料 家具 建 具

そ の 他 19 年度 1.3 0.0 0.2 0.4 0.3 0.4 0.0 0.1 20 年度 1.5 ▲0.1 0.1 0.2 ▲0.2 0.3 1.0 0.1 21 年度 ▲2.1 0.0 ▲0.3 ▲0.6 ▲0.3 ▲0.2 0.6 ▲1.2

(注)業種は平成 20 年 12 月集計分から日本標準分類(第 12回改定)に準じている。なお、製 造業の旧中分類「一般機械」は新中分類「汎用機 械」に改めた。建設業の職別工事は大 工、左官、建具、塗装など

(図表 32)建築着工床面積の推移

-30.0 -20.0 -10.0 0.0 10.0 20.0

平5 7 9 11 13 15 17 19 21

建築着工床面積 うち民間 うち公共

(年度)

(前年度比:%)

(資料)国土交通省「建築着工統計調査報告」

(2) 「中部」 、 「近畿」以外は減少へ

地域別には、8 地域のうち「中部」 、「近畿」以外の 6 地域はいずれも減少に転じた。

中でも「北海道」は 3 割を超える減少(図表 21)となった。増加した2 地域の業種別の 寄与度をみると、「中部」では「製造」、「近畿」では「 サービス業」の増加の影響が大 きかった(図表 33)。一方、減少した地域をみると、 「北海道」 、「東北」 、「九州・沖縄」

では大半の業種が軒並み減少に寄与した。構成比の高い「関東」では寄与度が小さくな ったが、これは「飲食業」、 「サービス」の 増加と、それ以外の業種の減少が相互に影響 を相殺してしまったためである。

なお、 「建設」は「関東」以外の全地域で減少し、「卸売 」も全地域で減少となってい る。

(3) 中小・零細企業で増加

規模別には、資本金規模別で見ると、 「個人」 、 「1 千万円未満」の規模の小さい企業が

増加し、これより規模が大きい層では減少に転じており、また、前年度に大型倒産が急

増した反動もあるが、規模が大きくなるほど減少幅が拡大する傾向にあるなど、大企業

と中小・零細企業との間で逆の動きがみられる。

(図表 33)地域別の前年度比伸び率の業種別寄与度 (%)

北海道合計

建 設 業 製 造 業 卸 売 業 小 売 業 飲 食 業 サービス 業 そ の 他

19 年度 0.4 0.4 0.2 0.0 ▲0.1 0.0 0.0 ▲0.1

20 年度 0.9 0.3 0.2 0.1 0.1 0.0 0.1 0.3

21 年度 ▲1.4 ▲0.6 ▲0.2 ▲0.2 ▲0.2 0.0 ▲0.1 ▲0.2 東北合計

建 設 業 製 造 業 卸 売 業 小 売 業 飲 食 業 サービス 業 そ の 他

19 年度 0.1 0.1 ▲0.1 0.1 0.1 ▲0.1 0.0 0.1

20 年度 0.6 0.1 0.2 0.0 0.2 0.0 ▲0.1 0.1

21 年度 ▲1.3 ▲0.5 ▲0.1 ▲0.1 ▲0.2 0.0 0.0 ▲0.3 関東合計

建 設 業 製 造 業 卸 売 業 小 売 業 飲 食 業 サービス 業 そ の 他

19 年度 3.6 0.2 0.6 0.7 0.1 0.1 1.4 0.6

20 年度 6.5 0.7 1.5 0.9 0.4 0.3 1.5 1.1

21 年度 ▲1.3 0.2 ▲0.4 ▲0.9 ▲0.4 0.3 0.6 ▲0.7 中部合計

建 設 業 製 造 業 卸 売 業 小 売 業 飲 食 業 サービス 業 そ の 他

19 年度 0.7 ▲0.1 0.2 0.0 0.3 0.2 ▲0.1 0.1

20 年度 1.1 0.6 0.1 0.1 ▲0.2 0.1 0.3 0.0

21 年度 0.2 ▲0.1 0.3 ▲0.2 0.0 ▲0.1 0.1 0.2 近畿合計

建 設 業 製 造 業 卸 売 業 小 売 業 飲 食 業 サービス 業 そ の 他

19 年度 1.8 0.8 0.4 0.2 0.1 0.0 ▲0.0 0.3

20 年度 1.0 0.2 0.4 0.0 ▲0.2 0.1 0.1 0.3

21 年度 0.1 ▲0.5 ▲0.1 ▲0.1 0.0 0.1 0.9 ▲0.2 中国合計

建 設 業 製 造 業 卸 売 業 小 売 業 飲 食 業 サービス 業 そ の 他 19 年度 ▲0.2 0.0 ▲0.1 0.0 ▲0.2 ▲0.0 ▲0.0 0.1

20 年度 1.0 0.5 0.3 0.2 0.0 0.0 0.1 0.0

21 年度 ▲0.7 ▲0.6 ▲0.2 ▲0.2 ▲0.1 0.2 0.1 0.1 四国合計

建 設 業 製 造 業 卸 売 業 小 売 業 飲 食 業 サービス 業 そ の 他 19 年度 0.1 0.1 0.1 0.1 ▲0.1 0.0 ▲0.0 ▲0.1

20 年度 0.4 0.2 0.0 0.1 0.0 0.0 0.0 0.0

21 年度 ▲0.5 ▲0.4 0.0 ▲0.1 0.0 0.0 0.1 ▲0.1 九州・沖縄合計

建 設 業 製 造 業 卸 売 業 小 売 業 飲 食 業 サービス 業 そ の 他

19 年度 1.1 0.2 0.3 0.2 0.0 0.1 0.3 0.1

20 年度 0.5 0.3 0.2 ▲0.1 0.0 0.0 0.0 0.2

21 年度 ▲2.3 ▲1.1 ▲0.3 ▲0.2 ▲0.3 0.1 ▲0.2 ▲0.3

(注)合計は、四捨五入の関係で必ずしも内訳と一致しない

2.「清算型」7 割超える

平成 21 年度は、前年度急増した上場企業などの「会社更生法」、 「民事再生法」が落 ち着いた動きとなり、 「再建型」の 割合は低下した。しかし、 「破産」が引続き増加し全 体の 7 割弱を占める一方、比率が低下傾向に あった「銀行取引停止」が平成 21 年度に はさらに低下したた め、「清算型 」の割合は 7 割超に高まり、この結果法的手続きの割 合は 75.3%と全 体の 3/4 を占めるに 至った(図表 34、35)。

(図表 34)法的手続きによる倒産件数割合の推移

0%

20%

40%

60%

80%

100%

5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21

その他 商法整理 民事再生法 会社更生法 特別清算 破産

銀行取引停止

(年度)

(構成比:%)

(注 1)民事再生法の平成 11 年度以前は和議(平成 12 年度は和議2 件を含む)

(注 2)商法整理は平成 18年5月新会社法施行時に廃止

(注3)「その他」は内整理等

(図表 35)法的手続きによる倒産件数割合の推移 (構成比:%)

年 度 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 合 計 16.5 16.0 22.0 28.9 35.6 42.5 46.6 58.3 61.7 64.8 68.4 75.3

再 建 型 1.8 1.3 4.0 5.1 4.7 5.4 4.1 4.4 3.9 4.1 5.5 4.7 民 事 再 生 法 1.5 1.0 3.9 4.7 4.6 5.0 4.0 4.3 5.2 4.0 5.2 4.5 会 社 更 生 法 0.3 0.2 0.1 0.3 0.1 0.4 0.1 0.1 0.3 0.1 0.3 0.1

( 商法 整 理 ) 0.1 0.1 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 - - -清 算 型 14.7 14.7 18.0 23.8 30.9 37.1 42.5 53.9 57.8 60.7 62.9 70.7 破 産 14.0 13.3 16.8 22.8 29.4 35.6 40.7 51.1 55.3 58.4 60.8 68.4 特 別 清 算 0.7 1.4 1.2 1.0 1.5 1.5 1.9 2.8 2.5 2.3 2.1 2.3

(注 1)民事再生法の平成 11 年度以前は和議(平成 12 年度は和議2 件を含む)

(注 2)商法整理は平成 18年 5月新会社法施行時に廃止

(注3)「その他」は内整理等

(注4)四捨五入の関係で、合計と内訳は必ずしも一致しない。

3.中小企業の再生支援、金融支援の多様化進む (1) 着実に進展する再生支援

わが国では中小企業の再生支援 が着実に進展してきているが、その背景には民事再生 法等、再生に向けた倒産法制が整備されてきたことに加え、再生促進のための様々な措 置が講じられてきたことが挙げられる。

現在の具体的な施策としては、中小企業再生支援協議会と中小企業再生ファンドが あ る。また、事業再生ADR(裁判外紛争解決手続)や企業 再生支援機構など企業再生の ための選択肢 は多様化してきている。

まず、中小企業再生支援協議会は、平成 15 年 2 月以降、 各都道府県に設立された後、

平成 19 年 6 月 、中小企業基盤整備機構に中小企業再生支援全国本部が設置され、 各協 議会の活動支援等の機能強化が図られた。平成 21 年度の実績をみると、窓口相談件数 が 2,873 社、再生計画策定支援完了先数が 476 社 、雇用確保数が 30,783 人となってい る(図表 36)。ちなみに、再生計画策定支援 完了先の累計は 2,581 社で、窓口相談企業 数の 12.8%が再生計画を完了した。この結 果、約 16 万人を超える雇用が確保され、地 域の中小企業の再生支援策は着実な成果を挙げてきている。なお、21 年度は、相談件数 が前年度比 9%減少した一方で、再生計画を完了した企業がとった 手法の中でリスケジ ュール(債務繰延べ)が

急増し 423 社となった。

これは、金融庁の金融検 査マニュアル改定(平成 20 年 11 月)と中小企業 等 金 融 円 滑 化 法 の 施 行

(後述)により、企業が 直接、金融機関にリスケ

ジュール等の依頼を行いやすくなったという背景があるとされている。

次に、平成 15 年 4 月の産業 活力再生特別措置法の改正により、中小企業基盤整備機 構による中小企業再生ファンドへの出資 が可能となった。経済産業省と中小企業基盤整 備機構は、中小企業 再生支援協議会の再生計画策定支援を受けた企業を中心に、全国各 地の中小企業再生ファンドに 出資し、積極的に支援している。

これまでの実績をみると、都道府県では平成 16 年 1 月の大分県のファンドが 第 1 号 で、その後全国的に広まり、多くのファンドが投資事業有限責任組合方式で組成されて きている (図表 37) 。平成 22 年 6 月 1 日までに組成された中小企業再生ファンドの数は、

全国の中小企業を対象とするファンドも含めて 22 件、フ ァンド総額は 744.77 億円とな った。

(図表 36)中小企業再生支援協議会の実績(平成 22 年 3 月末)

累 計

うち 21 年度増加 窓 口 相 談 企 業 数 20,211 2,873 再生計画策定支援完了先数 2,581 476 雇 用 確 保 数 162,872 30,783

(資料)中小企業庁「中小企業再生支援協議会の活動状況について」

(図表 37)地域中小企業再生ファンドの組成状況

(平成 22 年 6 月 1 日現在:単位億円)

組成 年 月日 地 域 フ ァ ン ド 名 総 額 (15 年度2 件 ) 大分企業支援ファンド投資事業有限責任組合 他 90.0 (16 年度5 件 ) 茨城いきいき投資事業有限責任組合 他 136.2 (17 年度4 件 ) えひめ中小企業再生ファンド投資事業有限責任組合 他 110.0 (18 年度2 件 ) おおさか中小企業 再生ファ ンド投 資事業有 限責任組合 他 85.0 (19 年度2 件 ) 北海道 中小企業 チ ャ レンジ フ ァ ンド 投 資 事業 有 限責任組 合 他 25.32 (20 年度0 件 )

1 H 2 1 . 7 . 3 0 静岡県 静岡中小企業支援 3 号投資事業有限責任組合 40.0 2 H 2 1 . 8 . 1 0 九 州 九州中小企業支援ファンド投資事業有限責任組合 30.2 3 H 2 2 . 5 . 2 4 福島県 うつくしま未来ファンド投資事業有限責任組合 30.0 4 H 2 2 . 5 . 3 1 石川県 いしかわ中小企業再生ファンド投資事業有限責任組合 50.0

(全国を対象とするファンド)

1 H 1 5 . 1 0 . 2 2 JAIC-事業再生 1 号投資事業有限責任組合 20.0 2 H 2 1 . 4 . 3 0 JAIC-事業再生 2 号投資事業有限責任組合 24.0 3 H 2 2 . 6 . 1 ルネッサンスファイブ投資事業有限責任組合 104.05

合 計 22 件 744.77

最後に、地域経済を 支えるさま ざまな企業の事業再生・ 活性化のための支援組織とし て企業再生支援 機構が設立され、平成 21 年 10 月に業務を開始した。 現在までに セノー、

日本航空等への 支援が決定したほか、機構内に中小企業再生支援センターを設置し全国 各地で再生支援 フォーラムを開催するなど、事業再生に係る取 組みを進めている。な お、

事業再生ADRは、民事再生法などの 法的手続きによらずに、中立的な専門家 が仲介し て事業再生を図る仕組みであるが、事業再生実務家協会が国の 認証および認定 (第 1 号)

を受けて 21 年 3 月に業務を開始した。

(2) 中小企業等金融円滑化法の施行

平成 21 年 12 月、中小企業等金融円 滑化法が施行された。この法律は、中小企業向け

融資や個人向け住宅ローンについて借り手からの返済猶予の申し出があった場 合に、金

融機関ができるだけ 返済条件を見直すよう努力する 義務を課したもので、新規 借入では

なく既往の借入 を対象とした金融支援策である。金融 庁によると、平成 22 年 3 月末ま

でに全国の金融機関に対し 48 万 1,367 件(12 兆 9,882 億円)の申し込みがあり、うち

36 万 8,074 件(10 兆 2,286 億円)が実行された。なお、平成 23 年 3 月までの時限措置

となっている。

ドキュメント内 2010年8月(2009年度倒産)企業倒産調査年報 (ページ 34-40)

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