計量経済学II ハンドアウト 8 – 不均一分散 1/ 2
8 不均一分散
A. 古典的仮定において、誤差項の分散は次のようなもの
1. 誤差項の分散は観測点を問わず (1) (Var(ϵi) = σ2) B. 古典的仮定が満たされなければ次のような (2) という
1. 誤差項の分散は未知でかつ観測点で (3) する(Var(ϵi) = σi2) 2. あまり目立たないが、真の分散が σ2ではなく、 (4) になっている
8.1 何が問題なのか
A. 最小二乗推定量を得るのに利用しないので、 (5) に問題ない B. よほど特殊な状況でない限り、 (6) にも問題ない
C. 推定値の分散が広がるので、 (7) がなくなる(⇔ よりよい推定量)
Var( ˆβ) =
N
∑
i=1
σi2(xi− ¯x)2 { N
∑
i=1
(xi− ¯x)2
}2 (8.1)
D. 推定された誤差項の分散σˆ2が母数σi2と異なる E. 次のように分散に関する諸統計量に影響を与える
1. 推定量の分散を用いる (8) で悪影響を及ぼす
2. ソフトウェア等は (9) が前提ゆえ、分散の推定値が歪んでいる
8.2 どのように検出したらいいのか
A. 一番簡単な方法は説明変数と誤差項の値を軸とするデータを (10) にする B. この判断は「目の子」で、正しくは (11) で不均一分散を検出する C. 「 (12) 」という帰無仮説で、棄却できるかどうかを見る
H0 : δ1∗ = δ2∗ = · · · = δk∗ = 0
H1 : H0ではない
Ver. 1.3 Masumi Kawade, 2009
計量経済学II ハンドアウト 8 – 不均一分散 2/ 2 D. 各観測地点の誤差項の分散の推定量を得るため、最小二乗残差を求める
yi = ˆα+ ˆβ1x1,i+ ˆβ2x2,i· · · + ˆβKxK,i+ ˆϵi (8.2) E. 残差の二乗ˆϵ2i を、主に (13) やそれを加工(たとえば、√xn,i)
した分散に影響を与える可能性のある変数で回帰
ˆϵ2i = ˆδ0+ ˆδ1z1,i+ ˆδ2z2,i· · · + ˆδkzk,i+ ˆui (8.3) F. (8.3) 式の回帰係数のいずれかが有意で 0 ではないなら、分散には何かの傾向
がある(不均一分散がある) と考えられるので、 (14) を利用する G. (8.3) 式の決定係数 R2を標本数(N ) でかけた N R2が、(8.3) 式の定数項以外
の説明変数数k を自由度の χ
2
分布(χ
2(k)) に従うという容易な検定法がある H. ブルーシュ=ペーガンの (15) とよぶ
8.3 どのように対処したらよいか
A. 観測点の真の分散がもし (16) なら誤差項を補正して最小二乗推定する
∑ 1 σ2iϵ
2 i =
∑ 1
σ2i(yi− ( ˆαwls+ ˆβwls,1x1,i+ ˆβwls,2x2,i· · · + ˆβwls,KxK,i))
2
(8.4) 1. 既知の真の分散で割った説明変数の回帰分析を行うのに等しい1
yi
σi = ˆαwls 1
σi + ˆβwls,1 x1,i
σi + ˆβwls,2 x2,i
σi · · · + ˆβwls,K xK,i
σi + ϵwls,i
σi (8.5)
= ˆαwlsx′0,i+ ˆβwls,1x′1,i+ ˆβwls,2x′2,i· · · + ˆβwls,Kx′K,i+ ϵ′wls,i (8.6)
2. (17) がなくなっていることに注意
B. (8.3) 式の分散の推定値 (理論値)ˆˆϵiを先のσiの代わりに代入して使う
ˆˆϵ2i = ˆδ0+ ˆδ1z1,i+ ˆδ2z2,i· · · + ˆδkzk,i (8.7)
1. (18) (Weighted Least Squares: WLS) とよび効率的
1実際のパソコン上の操作はこちらが容易。
Ver. 1.3 Masumi Kawade, 2009