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帝国書院 | 高校の先生のページ 高等学校 現代社会へのとびら

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(1)

  はじめに

 2014年に増田寛也氏を座長とする日本創成会議 は,日本の将来像について世間に大きなインパク トを与える発表を行った。この報告書(以下,増 田レポートと称す)によると,地域人口の指標な どから予測すると,近い将来には日本の過半数と なる896の地方自治体では消滅の可能性が高いと する地方消滅の未来像を提示した。

 増田レポートは,地方の人口減少について過去 に報告があった同種のレポートと比較して圧倒的 な影響力があった。これはその将来像を「地方消 滅」とインパクトの強いネーミングで紹介したこ とによって,多くの人々に危機感をもたせた。す なわち,現状の延長線上で考えられる「人口減少」 より劇的な消滅という表現を使うことで,人々に この問題は待ったなしだと訴えることに成功した。  地方消滅が取りあげられると同時に東京一極集 中にも目が向けられるようになった。この東京大 都市圏への過度な集中は1980年代後半から何度も 取りあげられているが,増田レポートの発表後は, 東京大都市圏は地方の若者人口を呼び寄せながら も,出生率が低く人口再生産率が著しく低い,人 口の再生産をはばむブラックホール的存在として 語られるようになった。つまり,地方消滅と東京 一極集中はセットで考える社会現象だと設定され

たのである。

 その後,地方消滅の議論から,日本の地方の将 来像をつくりあげる活動として「地方創生」とい う言葉が広く用いられるようになった。これはそ れぞれの地域が地域の独自性を生かして地域の魅 力を発信していくという,地域の活性化への取り 組みとして注目を集めている。

 以上が近年の日本の地域像に関する議論の大き な流れとなるが,引き続いて本稿では,このこと に関係する基礎データを読み解き,日本社会が直 面する問題について理解を深めていく。

  国勢調査からみる日本の人口

 日本の国勢調査は1920年に始まるが,この調査 にもとづく総人口の変化を記録したものが図1で ある。これを見ると今までの日本は第二次世界大 戦の影響を受けた1940年代に一時的な人口減少を 記録しているが,一貫して人口増加を記録してい たことがわかる。戦後のみに注目すると,日本は 今まで急激な人口増加の局面にいたことがわかる。 1945年の日本の総人口は約7200万人を数えるにす ぎなかったが,2010年には約1億2806万の人口を 記録するという40%以上の人口増加をわずか65年 で経験したのである。しかし,現在は人口減少の 局面を迎えている。最新の2015年の国勢調査では,

戦時を除いて初めて人口減少を記 録したことが報じられた。  年齢別の人口構成がどのように 変化してきたのかについても着目 してみよう。年少人口(0 〜 14歳), 生産年齢人口(15 〜 64歳),高齢 者人口(65歳以上)の構成比の変 化をみると,日本の人口構成の変 化 が 理 解 し や す い。 す な わ ち, 1950年の人口構成でみると,生産 年齢人口の割合は59.7%であり,

現代日本の地方消滅と地方創生にまつわる背景について

慶應義塾大学教授 長田 進

デ ー タ で

み る

現 代 社 会

65歳以上人口

15~64歳人口

0~14歳人口

実績値推計値値 1945年

戦争による 減少

1967年 初めて 1億人台へ

2008年 人口のピーク

2048年 1億人を 下まわる 2010年 1億2806万人 高齢化率23.0%

2060年 高齢化率 39.9% 万人

14,000 12,000

10,000 8,000

6,000 4,000

2,000 0

1920 40 60 80 2000 10 20 40 60年

図1 日本の人口変化と年代別人口の割合の変化

(2)

この値は,2010年では63.8%と微増したにすぎな い。しかしながら,高齢者人口と年少人口の割合 は大きく変化している。年少人口は同じ期間に 35.4%から13.2%へとその値を大きく減少させた。 その一方で,高齢者人口の割合は,4.9%から23.0 %へと大きく上昇した。

  人口動態統計からみる日本

 人口動態統計は人口変化の自然要因,すなわち 出生率と死亡率についての関係を知るために重要 である。

 図2は日本の出生数と合計特殊出生率の変化を 示したものである。この図は二つの側面から考え る必要がある。まず,出生数でみると,実は長期 間にわたって出生数は減少傾向にあることがわか る。出生数のピークを記録した1940年代後半の第 一次ベビーブームには年間270万人を数えたが, 2013年には約103万人と半数を割っている。また, 1970年代前半に第一次ベビーブーム世代の子供世 代に当たる第二次ベビーブームが訪れ,出生数は もち直した。しかし,その子供世代として期待さ れた1990年代後半から2000年代前半の第三次ベビ ーブームは到来しなかった。このことが日本の出 生数の低下に大きな影響を与えている。

 もう一つの指標は一人の女性が子供を何人出産 するかの目安となる合計特殊出生率である。この 指標の変化をみると,1966年の丙午の例外的な低 い値を除外しても,1947年の4.32をピークとして 低下傾向にあり,2013年には1.43を記録している にすぎない。

 つまり,この二つの指標を合わ せてみると,近年の議論では合計 特殊出生率のみが取りあげられや すいが,日本の少子化は戦後一貫 して進行している現象であり近年 はその速度が加速しているようす が読み取れる。この状況では,少 子化の解消は大変困難であるとい わざるをえない。

 また,地域別の数値についても みてみよう。都道府県別の出生数と合計特殊出生 率を比較することで,次のことが明確になる。 2013年のデータによると,東京都と神奈川県とい う東京大都市圏を構成する都県が出生数の上位を 占めている。一方,この年の都道府県別の合計特 殊出生率を調べてみると,全国平均は1.43だが, 東京都は1.18と全国最低値であり,神奈川県は 1.34と低い値を示している。このことからも東京 大都市圏では人口の再生産率が低いことが裏づけ られている。

  住民基本台帳人口移動報告からみる日本  人口移動が地域差に与える影響を確認すること は人口問題を考えるときの基本となる。図3は, 住民基本台帳人口移動報告による三大都市圏への 人口移動の変化を示したものである。この図を見 ると,大都市一極集中から東京一極集中への変化 を読み取ることが容易である。

 1970年代初頭までの高度経済成長期には,三大 都市圏はそれぞれ地方からの大量の人口流入を経 験していた。1961年は,一年で三大都市圏の人口 は70万人以上の流入を記録した。しかしながら, 1970年中盤にオイルショックとともに高度経済成 長が終わりを告げたあとは,三大都市圏の足なみ はそろわなくなった。すなわち,三大都市圏の人 口流入量のほとんどは,東京大都市圏によるもの へと変化したのである。東京一極集中は政治経済 的な面でも言及されるものであるが,人口移動の パターンからも変化を容易に読み取れる。 万人

300 250 200 150 100 50 0

6.0 5.0 4.0 3.0 2.0 1.0 0 〈厚生労働省 人口動態調査〉 1947 50 55 60 65 70 75 80 85 90 95 2000 05 10 14年

※1972年以前は沖縄県を含まない

合計特殊出生率 出生数

(3)

  増田レポートで追加された指標

 増田レポートは人口問題について,単純だが説 得力のある人口指標で日本の地域変化を表現した。 それは,各地方自治体における人口再生産に大き な影響を与える20歳から39歳までの女性の人口に 着目した。この指標を用いることで,日本の地方 では,高齢者人口が占める割合が高く,また,女 性の占める割合が低く,さらに年少人口が占める 割合が低い状況が強調されることになった。この 傾向が多くみられる地方部では消滅する危機を示 されることとなった。

 また,増田レポートで用いた指標は,地方だけ でなく,大都市の自治体であっても,消滅可能性 が存在することを示した。つまり,一見人口が増 加している自治体であっても地方消滅とは無関係 ではないことを示した。この事例としては,東京 都豊島区が消滅可能性の高い自治体として取りあ げられた点がある。豊島区はひとり暮らしの住居 が多く,若い家族向けの物件が少ないことなどか らそのような評価を受けた。

 人口構成に着目したうえで,増田レポートは日 本の地域別人口構造を以下のとおりに記述する。 すなわち,日本の多くの地方では急激に高齢化が 進展しており,年少人口数も貧弱である。そして,

その地方の年少人口は大都 市圏,とくに東京大都市圏 に向かう傾向がある。若者 を吸収する東京大都市圏で は,多くの若者が移住する が,住宅スペースやコミュ ニティの点で子育てしやす い環境ではなく,人口再生 産率が低い。つまり,東京 大都市圏は日本の人口のブ ラックホール的な存在とし て取りあげられることとな る。

 さらに2025年ごろからは 東京大都市圏の人口高齢化 が深刻な局面に突入するこ とを指摘している。すなわち,75歳以上の後期高 齢者の占める人口の割合が東京大都市圏でひじょ うに高い水準に達する一方,都市インフラが医療 サービスを維持することができず,東京も介護破 綻などの深刻な状況に突入するというものである。 このことをふまえて,地域社会をデザインする必 要があるというのが,増田レポートの主張である。

  地方消滅論に関係する議論

 地方消滅関連の議論で問題なのは,論点がかみ 合っていない点である。例えば,増田レポートの 発表後,山下(2014)は,地方の多様性とコミュ ニティの重要性を重視する立場から増田レポート の主張は地方切り捨ての論理であると主張した。 一方,増田レポートは地方の自治体経営の困難さ に関する報告の意味が強い。したがって,増田の 主張は必ずしも地方コミュニティを軽視したもの ではない。自治体が提供する行政サービスにコス トを考慮する必要があることは重要である(東北 地方や北陸地方のコンパクトシティの研究活動は 雪かきなどの行政サービスの効率化などの視点も 含んでいる)。

 むしろ筆者は増田レポートの提案に対して疑問 をもっている。増田レポートでは状況を打開する 70

60

50

40

30

20

10

0

-10

(万人)

1980 1985 1970 1975

1960 1965

1955 1990 1995 2000 2005 2010 2015

(年)

総 数

東 京 圏……東京都,神奈川県,埼玉県,千葉県 名古屋圏……愛知県,岐阜県,三重県

大 阪 圏……大阪府,兵庫県,京都府,奈良県

図3 三大都市圏の転入・転出超過数の推移

(4)

ために「選択と集中」を提案している。これは, 地方にダム都市というべき中核となる都市をもつ ことで,東京への集中を緩和し,地方の人口流出 を防ぐ策だとしている。しかし,この提案は決し て新しいものではない。

 日本では,戦後の復興期に国家レベルの経済成 長を優先して,大都市中心に経済政策がとられて いた(傾斜生産方式)。一方で,そのままでは地 域格差が拡大する可能性がある。この経済成長優 先の政策と地域間の均衡という二つの立場の問題 に取り組むために,1960年代から現在にいたるま で,五つの全国総合開発計画と二つの国土形成計 画(全国計画,広域地方計画)が閣議決定されて きた。そして,増田レポートはこれらの計画で提 案されている事がらから新しいものを提案できて いない。この問題が,全国総合開発計画から50年 以上を経過した今も解消していないこともあり, 増田レポートの提案が達成される可能性は高いと は考えにくい。

 また,増田レポートの議論で注意する必要があ るのは,なぜ人々が東京などの大都市に集まる傾 向にあるのか,という点について十分な検証がな されているとは思われないことにある。つまり, 東京大都市圏は人口のブラックホール的存在とし ているが,東京が多くの人を引きつけるその魅力 を考察し,東京とは異なる地方の魅力とは何か, について掘り下げる必要がある。そのことは,地 方ならではの独自の魅力を活用することにつなが るのである。

 地域の活性化に向けてわれわれが早急に取り組 むべきことは,自分たちの地域がどのような状況 にあるのかを詳しく知ることである。地域を活性 化させることは簡単ではなく,いわゆる成功の方 程式という便利な手本は存在しない。しかし,参 考にされる地域の活性化に対する取り組み方には, ある程度の共通性があるように思われる。それは, 自分たちができることは何かを見定め,決して非 現実的な目標を設定しない。そして,自分たちで 取り組むために,地域の人材を掘り起こす。さら に,「よそもの,わかもの,ばかもの」と表現さ

れる他者の視点を意識して行動する(決してよそ 向きの行動をとることではない)ことである。  現在は,インターネットの普及によって,多く の統計資料に容易にアクセス可能となっているた め,データから地域を読み解くことのハードルは 下がっている。そして,少々の手間はかかるが高 度な分析を可能にするツールを無料で入手できる ようになった。例えば,内閣府が公表している 「RESAS(地域経済分析システム)」や,総務省 統計局のe-Stat内で整備されている「統計GIS」 は機能も取り扱うデータも整備が進んでいる。こ れらを用いて自分たちの地域の状況を分析してみ よう。今までの地域に対する考えを裏づける場合 もあれば,見落としていた新事実を発見する場合 もあるだろう。これらの理解をもとに議論し,行 動していくことがこれからは求められる。

  おわりに

 以上,日本の人口構造について基礎的なデータ をみたうえで,日本社会の諸問題について取りあ げてきた。これらのデータは一般に公開されてお り,学生諸君で意見交換をするなど,社会問題に 対して学生の興味を向けさせるきっかけとなれば 幸いである。

〈参考文献・ウェブサイト〉

・増田寛也編著『地方消滅 東京一極集中が招く人口急減』  中公新書 2014年

・山下祐介著『地方消滅の罠—「増田レポート」と人口減 少社会の正体』ちくま新書 2014年

・総務省統計局『国勢調査』

・総務省統計局『住民基本台帳人口移動報告』 ・内閣府『少子化社会対策白書』

・厚生労働省『人口動態調査』

・RESAS( 地 域 経 済 分 析 シ ス テ ム ) <https://resas. go.jp/>

(5)

はじめに     

 「裁判ざた」という言葉がある。要は,裁判に 巻き込まれることは,あまりよいことではない, という感覚にそれは支えられている。だが,人々 がさまざまな考え・利害を抱える社会において, 紛争が生じることは避けて通れない。その際,ヤ クザな親分や地元代議士が,お役所に斡旋して「丸 くおさめる」ことは,つまりは,正しくても弱い 者が泣き寝入りをすることであり,このような国 を近代立憲主義国家とはいわない。ルール(法) にのっとって結論が下されるほうが,公平である。  日本では,最高裁判所,8つの高等裁判所,50 の地方裁判所と家庭裁判所,438の簡易裁判所が あり,全国津々浦々,隔絶された山間部や離島ま で「法の支配」を及ぼしている。憲法は「特別裁 判所」を禁じており,最高裁に連なる,適正な司 法手続を行うもの以外,裁判所として認めていな い。このため,日本における「裁判」の舞台は(憲 法がとくに定める弾劾裁判所を除き),以上の裁 判所の法廷だということになる。

 では,「裁判」といって思いあたるものは何か。 多くの人のイメージは,「犯人」(正しくは被告人) が刑を宣告される刑事裁判だろうか。だが,刑事 事件は,年間103万2791件(2015年 このほかに 少年事件が9万4889件)であり,民事・行政事件 の143万2279件に及ばない。広義の民事事件に家 事審判(97万0018件)も入るとすれば,「裁判」 の3分の2は民事・行政事件ということになる。 ここでも,まず,民事事件から説明する。

民事裁判

 財布をはたいて,ローンを組んで買った建売住 宅が欠陥住宅だった。世間ではよくあることであ る。かたくいえば,売買契約(民法555条)の 務不履行(民法415条)である。この場合,買い

手は,修繕により完全な住宅の引き渡しを求める ことや,完成が遅れた分の損害賠償を求めること ができるし,あまりにもひどければ,売買契約を 解消して代金の返済を求めることもできる。  業者が素直に応じなければ,最終的には,買い 手は原告として,業者を被告として裁判所に訴え ることができる。請求額が140万円以下のときは

簡易裁判所に訴えるが(裁判所法33条),「不動産 に関する訴訟」は地方裁判所に訴えられる(同法 24条)ので,訴える先は,基本的には,地方裁判 所(50あるうち,売買契約書で定めていなければ, 普通は,被告の住所がある地裁)である。

 このことは,交通事故のような不法行為(民法 709条)でも同じである。けがの治療費,事故で こわれた自転車の修理代,仕事に行かれずもらえ なかった給料などの損害,慰謝料などを,過失あ る加害者は払わねばならないが,加害者が,被害 者にも不注意があるなどの主張をして,全額払わ ない,というのであれば,裁判で争う。最後まで 双方が争えば,裁判所は判決を下すことになる。  地方裁判所の判決に不満があれば,高等裁判所

へ,もう一度よく見て判断し直してください,と 求めることができる(一審が簡易裁判所の場合は, 地方裁判所へ)。これを控訴という。これにも不 満があれば,最高裁判所上告することもできる が,さすがに全国にただ一つの裁判所に全裁判が やってくると困るので,憲法違反があるとか,裁 判手続に問題があったような事件に上告が制限さ れている(民事訴訟法312条)。

 民事紛争は,話し合いで解決がつくなら,それ でもかまわない。自律した個人の自己決定による

私的自治が守られる。なかには,一般的には欠陥 住宅と思える家が,哀愁があっていい(?)とい う風流人がいるかもしれない。その人が裁判を起 こさなければ,隣のおじさんなどが親切に裁判所

裁判いろいろ─とくに民事裁判と刑事裁判の違いについて

(6)

に訴える権限はない。大きなお世話なのだ。また, 裁判を起こしたあとでも,業者や加害者が和解金 を出すと言い,その額などに納得すれば,そこで 「裁判上の和解」(民事訴訟法267条)が成立し,

裁判は終わる。あとで,やっぱりもう少し賠償額 をほしいと言っても,そういった和解は「判決」 と同じなので,くつがえすことができない。  このように,売買や取り引きの,いわゆる民事 の世界は,当事者が納得すれば,別にいちいち裁 判所で判決をもらう必要はない。実際,駄菓子屋 で10円で買ったチョコが半分しか入っていなけれ ば,駄菓子屋に行って,交換してもらえば話は終 わりであり,誰も裁判所にいちいち訴えない。他 方,訴訟を提起し,「判決」などが確定すれば, 当事者はそれに拘束されることになる。

 このほか,広義の民事裁判には,家事審判など の非訟事件もある。相続の放棄,離婚した夫や妻 への養育費の請求などは,家庭裁判所に訴える。 家庭裁判所は,審判や調停により,結論を下す。 不服があれば,高等裁判所に抗告できる。

行政裁判

 民事・行政事件というくくりで話が始まってい たが,日本では,例えば,国土交通省が行った道 路工事の欠陥があり,そのために生じた穴に落ち てけがをした,というような事例で,訴える相手 が国や地方自治体であるものをとくに行政裁判と いう。裁判の手続も,民事訴訟法ではなく,行政 事件手続法という法律に従って進められる。  戦前の日本では,国のやったことに臣民が楯突 くことなど認めがたく,あっても,東京にただ一 つの行政裁判所に訴えねばならなかった。一審限 りで,憲法上「行政」機関であった。国に損害賠 償を求めることはできなかった。戦後の日本国憲 法では,17条で,国家賠償請求権を保障し,国に 泣き寝入りすることを防止した(具体的には, 家賠償法にもとづき請求できる)。

 行政事件手続法では,問題が生じてから訴えを 起こすことができる期間(出訴期間)が6か月に 限られている(14条)など,民事訴訟法と異なる

面がある。そもそも,当事者が行政機関であるだ けなのだから,民事訴訟法で処理すればいいでは ないか,という意見もあろう。

 このことについては,まず大陸法英米法の違 いを説明せねばならない。ドイツやフランスなど のいわゆる大陸法諸国では,行政事件や労働事件, 商事事件などでは,通常の司法裁判所と異なる 別裁判所が伝統的に認められている。このため, そこでの裁判のルールも,別途定められている。 アメリカやイギリスといった英米法諸国では,こ ういった特別裁判所は認められず,裁判権は通常 司法裁判所(法律家集団)が独占し,行政機関な どの介入を厳しく排除している。近代立憲主義諸 国のなかでも,裁判所や訴訟の制度には,大別し て二つの流れが現在でも存在している。

 日本は,戦前の行政裁判所や軍法会議の弊害を 考え,憲法76条では特別裁判所の設置を禁じた。 しかし,戦前の日本法は,大日本帝国憲法(明治 憲法)がプロイセン憲法の影響で編纂されたよう に,民法や刑法,行政法でもドイツの影響が強かっ た。このため,戦後すぐに「日本国憲法の施行に 伴う民事訴訟法の応急的措置に関する法律」, 1948年には行政事件訴訟特例法を制定して対応し てきたが,1962年にようやく現行の行政事件訴訟 法を制定した,という経緯がある。つまり,この 意味では,日本法は,英米法と大陸法のハイブリッ ドな性格を有している(表)

 なお,行政事件には,日本では,簡易裁判所が 管轄する事件は定められていない。

刑事裁判

 刑罰を科す者は(ヤクザな親分などではダメで) 国家に限られる。刑罰が,自由や財産,ときには

表 司法制度の比較

英米法 大陸法 日本法 行政事件の手続法 民事訴訟法 行政訴訟法 行政事件訴訟法

行政裁判管轄 通常司法裁判所 行政裁判所 通常司法裁判所

憲法判断 通常司法裁判所 憲法裁判所 通常司法裁判所

(7)

生命をも奪う峻厳なもので,少なくとも不名誉な ものであるからである。また,それは,王様の気 まぐれでは困ることでもあり,当然に,裁判所に より適正な手続をふんだうえでのことであるとさ れてきた。そして,ちょっとした「悪いこと」で 処罰されるとなると,人々は萎縮して,自由がな くなってしまう。このため,法律(刑法)により, どういう行為が刑罰を科されうるものかを事前に 定めなければならない(罪刑法定主義)し,犯罪 とされるものは限定的であるべきだと考えられて いる(刑法の謙抑性)。

 つまり,刑事裁判にかけられるのは,基本的に は本人(被告人)の意思とは無関係である。国(こ の場合は,検察官)の側も,起訴して,この者を 有罪にしてください,と裁判所に訴え出た以上, 途中で,取り下げることもできない。しかも,判 決の結果は,峻厳なる刑罰なのである。有罪の立 証責任は検察官にあり,「疑わしきは被告人の利 益に」である。刑事裁判の基本理念は,適正手続 の保障であり,憲法31条もそのように解されてい る。そして,真実を発見せねばならないとの要請 は,民事裁判の比ではない。このため,冤罪とわ かれば,再審がせつに求められることになる。  現在では,刑事裁判も,実は,民事裁判の構造 に似ている。民事事件では,原告と被告がいて, 法廷でやり合うのであるが,刑事裁判では,検察 官と被告人がそれぞれのポジションを占めること になる(被告人は,このままでは武器平等ではな いので,弁護人がつく)。裁判官は公平な第三者 であることも同じである。このような訴訟構造を, よく,弾劾主義構造という。裁判官が,一段高い ところから被告人を職権でギリギリと責める糾 (糺)問主義構造は前近代的である(時代劇の遠 山の金さんは,事前に直接犯人を知っており,現 行憲法上,この意味で適正な刑事手続きではない)。  日本では,裁判は「お上」が「お白州」で行う ものと思っていたのか,市民の司法参加は遅れた。 立憲主義諸国では,バロン(封建諸侯)を裁ける のはバロンだけだ,というマグナカルタに由来し, 有罪判決には市民の評決が必要だとする英米法下

の陪審制と,裁判官と市民が有罪・無罪と量刑(ど の程度の刑罰が妥当か)を決める大陸法系の参審 制が並存してきた。日本では,戦前に,不完全な 形で陪審法があり,長く凍結されてきたが,2004 年には,一連の司法制度改革の一つとして,重大 な犯罪には,裁判員制度が導入された。これは, 大別すると,参審制(大陸法系)に属する。  刑事裁判でも,基本的に一審は地方裁判所であ る。罰金刑以下の刑のときは,簡易裁判所となる (裁判所法33条2項)。判決に不満があれば,いず

れも,高等裁判所に控訴できる。

憲法裁判

 見てのとおり,日本には憲法訴訟法という法令 はない。教科書に出てくる,いわゆる「憲法裁判」 とは,民事・行政・刑事裁判のいずれかのなかで, 自分に適用されている法令,もしくは,その適用 の仕方が憲法違反であると訴えているものの総称 である。「特別裁判所」が認められない日本に, ドイツのような憲法裁判所はなく,憲法判断は, アメリカと同じく,事件の解決のため必要なとき, 各通常司法裁判所が行うものである。

 日本法がハイブリッドであるため,裁判員が, 刑法などの規定の憲法判断に加わる可能性がある (現に,絞首刑は「残虐な刑罰」ではない,との 判断を下している)。これは,通常の英米法国で も大陸法国でもないことであり,興味深い。

おわりに

 法学部の学生の間でも,民訴(民事訴訟法)は 「眠ミン素ソ」といわれるくらい,訴訟法は無味乾燥な 印象がある。だが,結局,裁判で勝ちとれない権 利は,民法や地方自治法など(実体法)に書かれ ていても,画餅に等しい。また,「私的自治」や「適 正手続」という基本的な考え方の根幹から考えれ ば,いうほど難解でもないのである。

(8)

裁判について 練習問題

日本は,裁判員制度(参審制)にかえて陪審制にしたほうがよいだろうか。

Q1

授業で習う津地鎮祭訴訟は,誰が誰をどのような類型の裁判で訴えたものなのか,調べよう。

Q4

プライバシー侵害や名誉毀損の際の民事裁判は,戦後,どのような経緯をたどってきたか。それにつ いてどう考えるか。

Q2

日本では,海の事故などの際に海難審判という,裁判のようなものが「海難審判庁」という裁判所で はないところで開かれる。このことは憲法違反ではないのか。また,このような制度は合理的で望ま しいものだろうか。

Q3

        練習問題 解説          (以下は「解答例」であり,よく考えられた別 解は十分に考えられるだろう。反対の結論も可。)

基本的に陪審制度は,12人の陪審員の全員 一致で有罪か無罪かを決するものである(アメリ カでは州により例外もある)。もともとは,1215 年のマグナカルタ(大憲章)の39条の「自由な市 民は,同輩による合法的裁判がなければ,刑罰な どを科せられない」に由来する。マグナカルタは, ジョン王のもとに押しかけたバロンや教会,ロン ドン市などが国王と結んだ中世的封建契約である (直後にローマ教皇によって無効にさせられた)。

しかし,この基本的な考え方は,国王といえども 法の下にあることを宣言するものであり,17世紀 に,エドワード=コーク(クック)により,コモン・ ロー(伝統的なイギリスの慣習法)の一部として 発見され,王権神授説に対抗する根拠として用い られることにより,近代的意味を得た。現在でも, 1225年のマグナカルタが,イギリス憲法の一部を なすものとされる(イギリスには「憲法典」とい えるものがなく,いくつかの法令が集まって「実 質的意味の憲法」となっていると理解される)。  その後,アメリカ英植民地下でも,これがコモ ン・ローとして尊重されると,市民を有罪にする には市民による評決が必要と考えられ,陪審制度 のもととなったものである。

 陪審制度の意義は理解できるが,日本では,裁 判員制度が発足したばかりであり,これを根本か

らくつがえせねばならないほどの問題点はない。 また,以上のような歴史的経緯が直接ないのだか ら,まずは裁判員制度の整備・改善に努めるべき である。

プライバシー(私事)という概念は,「一人 で放っておいてもらう自由(right to be let alone)」 という理解の下,人格権の一部と理解されるととも に,日本国憲法13条の幸福追求権でも保障される と考えられるようになった。そして,情報化社会の 発達により,その内容も,自己情報コントロール権 と解されるようになっていった。

 1961年,三島由紀夫によるモデル小説『宴のあと』 について,そのモデルとされた有田八郎元外相が, プライバシー権の侵害であると訴えた。東京地方 裁判所は,1964年に,三島に対し,80万円の損害 賠償を命じる判決を下した(三島が控訴し,二審 の途中で有田が死去,遺族と和解が成立した)。こ れが,日本の裁判所が「プライバシー」概念を法 的に認めた最初であった。

(9)

ノンフィクション『逆転』での実名掲載についても, 50万円の賠償だけ認められた(最高裁1994年)。  しかし,1984年からのいわゆる「疑惑の銃弾」 報道(ロス疑惑)に対し,三浦和義が民事訴訟に おいて,いわゆる本人訴訟(弁護士を立てない訴訟) で相当数の勝訴を勝ちとり,賠償額も1件100万円 程度ということも頻出したことや,2001年にはプロ 野球選手の清原和博が小学館から1000万円の賠償 を勝ちとり,女優の大原麗子が光文社から請求ど おりに500万円の賠償を勝ちとるなど,名誉やプラ イバシーの価値を重んじる判断が多くなった。2002 年には,柳美里の小説『石に泳ぐ魚』の単行本出 版さしとめが認められ,合計130万円の慰謝料を認 める最高裁判決が確定した。他方,このような傾 向に対しては,日本の近代文学の伝統である私小 説などの執筆が困難になり,これらの判断が拡張 解釈され,政治家や官僚の醜聞報道が萎縮するこ とにならないかとの指摘もある。

日本国憲法76条は,最高裁判所と,それに 連なる裁判所しか設立できず,それに反する「特 別裁判所」の設立はできないと規定している。ま た,その2項は,「行政機関は,終審として裁判 を行ふことができない」としているが,これを反 対解釈すれば,行政機関は,前審としてならば裁 判を行うことができることになる。

 そこで,例えば,独立行政委員会をつくり,そ こに,ガイドラインをつくる準立法的機能をもた せ,他方,紛争を裁く準司法的機能を付与するこ とは可能である。「独立」「行政」委員会が許され るのは,憲法65条が,国会(41条)や裁判所(76条) の規定と異なり,内閣に行政権をすべてゆだねた とは読めないからである。専門性があり,政治的 中立性が求められる領域については,内閣から独 立した機関をつくり,内閣のコントロールがない 分,国会がその統制を行えばよい,とされている。 「準」司法的というのは,その判断に不服であれば,

それを終審とはせず,裁判所に訴えることができ るという意味である。このように,独占禁止法に 関するものでは公正取引委員会,労働争議につい

ては(中央・地方)労働委員会が設置されている。  さらに,これが「独立」行政「委員会」でなけ ればならないというわけでもない。海の事故につ いては,一般の裁判官が事実認定から何まで行う ことは難しい専門性の高い仕事である。むろん, 中立性は求められる。このため,その専門家にま ずは事件の処理をゆだねることは合理的である。  海難事故が起こると,理事官が調査し,懲戒相 当と考えれば,審判開始の申し立てを行う。審判 官は審判を行い,裁決をする。その際,海事補佐 人をつけることもでき,裁判に近い形態がとられ ている。裁決が不服であれば,東京高等裁判所に 訴える。このような制度は,基本的には公平かつ 公正な制度設計であり,必要に応じて,同種の制 度を設置していくことが望ましく思える。

この訴訟は,地方自治法242条の2の住民 訴訟により争われた。住民が,まず,地方自治体 の公金支出などについて監査請求を行い,これに 不服があるときは,住民訴訟という形で裁判所に 訴えることができる。大別すれば行政裁判の一種 である。事件は,津市の住民が,津市は,地鎮祭 を行うにあたり,神社神道の宮司らに報償や供物 料金を支出しており,これは違法(憲法20条・89 条違反)であることを争ったのである。

(10)

     教科書p.130 ~ 131『6 金融の役割』,p.132 ~ 133『なるほど経済教室 社会全体のお金の量 はどのくらいか?』を読みながら,今日,日本銀行が行っている金融政策の手段を確認しましょう。  (1) 日本銀行による金融政策のおもな手段は何ですか。

 (2) (1)では,最終的に何を調整しますか。

 (3) (1)では,具体的に何を売買しますか。

 (4) 図の空所①~④に適語を補い,金融政策と景気の関係をまとめてみましょう。

     今日,日本銀行が行っている金融政策の内容を整理しましょう。

 (1) 現在,日本銀行がとっている金融政策の方針はどういうものですか。次の二つのうち,あてはまる 方を○で囲みましょう。

 (2) (1)の政策をとる目的は何でしょう。次の四つのうち,あてはまるものを○で囲みましょう。

 (3) (2)の目的のためにとっている具体策はどういうものですか。次の四つのうち,あてはまるもの を○で囲みましょう。

課題1

課題2

金融引き締め政策 金融緩和政策

金利を下げる 金利を上げる

インフレ      デフレ      景気浮揚      景気鎮静

( ① )などを売る (売りオペ) 銀行の手持ちの

( ② )を減らす

( ① )などを買う (買いオペ) 銀行の手持ちの

( ② )を増やす

( ② )が不 足した 銀行は,企業や家 計への貸出( ③ )

を上げて,( ② )

を貸さなくなる。

( ② )が余った銀 行は,企業や家計 への貸出( ③ )を 下げて,( ② )を より貸そうとする。

企業や家計 は,あまり

( ② )を借 りなくなる。

企業や家計 は,( ② )

を多く借り るようにな る。

銀行 企業 家計

企業 家計 銀行

( ④ )の減少 景気が落ちつき,物価が安定する

( ④ )の増加 景気が活発になり,物価が安定する 日本銀行

( ① )

( ① ) ( ② )

( ② )

①        

②        

③        

④         ◆新しい公民教育のためのワークシート◆  『高等学校 新現代社会』p.130〜p.133

(11)

     かりに,今,インフレと景気浮揚が求められているとします。これまでの学習を参考に,どのよ うな金融政策をとることが考えられますか。

 (1) あなたが考える新たな金融政策を書きましょう。

 (2) グループのほかの人が提案する新たな金融政策を書きましょう。

 (3) あなたのグループが提案する新たな金融政策を書きましょう。

 (4) ほかのグループが提案する新たな金融政策を書きましょう。

     個人で今回の授業を振り返ってみましょう。

 (1) この授業で「できたこと」を書きましょう。金融政策の学習内容についてでも,グループワークや プレゼンなどの学習方法についてでもかまいません。

 (2) この授業で「できなかった」が,「やっておけばよかった」と思うことを書きましょう。金融政策 の学習内容についてでも,グループワークやプレゼンなどの学習方法についてでもかまいません。

 (3) グループやクラスに「貢献できた」ことを書きましょう。金融政策の学習内容についてでも,グルー プワークやプレゼンなどの学習方法についてでもかまいません。

課題3

(12)

金融単元の単元計画

 「金融の役割」,「日本銀行のはたらき」および「金 融の現状と課題」を通して金融の基礎的基本的な知 識を整理し確認させる。その際,「なるほど経済教室」 や図表などを適宜参照し実体経済と少しでも関連づ

 前時の知識理解の復習をふまえて,基礎的基本的 な知識を活用しながら,生徒自身の主体的な活動と ほかの生徒との協働的な学びを通して,知識理解を 深め,政策提言を試みることで金融政策の大切さを ■指導案

単元計画

学習項目 学習内容 指導上の留意点

・前時の学習内容と公開 市場操作を確認する。

・今日の金融政策の中心が公開市場操作 であることを確認する。

課題1 (1)~(4)を活用する。 ・日銀は,現在「買いオペ」を「金融

緩和オペ」という表現をしているこ とを確認してもよい。

・現在の金融政策を確認 する。

・現在の金融政策が金融緩和政策であるこ と,インフレと景気浮揚をめざしている こと,金利を下げマネーストックを増や す政策をとっていることを確認する。

課題2 (1)~(3)を活用する。 ・ 生 徒 の 理 解 力 に よ っ て は 教 科 書

p.1315により量的・質的金融緩和政 策を説明してもよい。

39

・インフレと景気浮揚の ための金融政策を個人 で考える。

・インフレと景気浮揚の ための金融政策をグ ループで共有する。

・インフレと景気浮揚の ための金融政策をクラ スで共有する。

・個人で新たな金融政策を考える。

・グループ内で各自の新たな金融政策を 提示し合いグループ内で意見を共有す る。

・グループごとに新たな金融政策を発表 しクラスで意見を共有する。

・自分の提案,グループ内の他者の提案, クラス内のさまざまな提案それぞれの 妥当性を確認し,分析する。

課題3 (1)を活用する。 ・現在,市場で行われていることと同

じでもかまわない。教科書には記述 がないので,生徒が調べて提言する のはむしろ歓迎したい。ただし,生 徒の実態に即して,ある程度,授業 者が誘導することもありうる。 ・ 課題3 (2)を活用する。 ・適宜,質問や意見交換を行い提案内

容の理解を深めさせる。 ・ 課題3 (3)(4)を活用する。 ・グループの発表は持ち時間1分程度

とする。適宜,質問や意見交換を行 い提案内容の理解を深めさせる。

・振り返りシートを記入 し,具体的な提言がで きたか,建設的な討論 ができたかを確認する。

・提案の妥当性や議論の進め方などを客 観的に分析する。

課題4 を提案内容の妥当性を吟味 させるのではなく,協働的で深い学 びを実現させるための手だてとして 活用する。

新しい公民教育のためのワークシート◆  『高等学校 新現代社会』p.130〜p.133

望ましい金融政策を提案する

 指導上の留意点・解答

(13)

ワークシート解答例

ねらい・評価の観点

課題1  金融政策の「理論」の確認です。グルー プワークで前時の復習と教科書の内容を確認します。 導入部分なので短時間の確認作業としてください。

課題2  導入の 課題1 と重複しますが,ここで は,実際に現在行われている金融政策を確認します。 「金融緩和」,「インフレ」と「景気浮揚」,「金利を

下げる」と「マネーストックを増やす」など知識理 解を深められるようになっています。 課題2 を受 け,生徒の学力によっては教科書p.1315により量 的・質的金融緩和政策に触れることも考えられます。 生徒の理解力に応じてコール市場やコールレートな どについて,あわせて説明することも考えられます。

課題3  (1)各自の具体案を書かせましょう。 何か一つ正答があるものではありません。突飛なも のや実現可能性の低いものでも,広く金融政策の範 疇に入るものなら,否定する必要はありません。あ る種のブレーンストーミングと割り切ってください。 教科書には書いてありませんが,新聞などを読めば, 日銀が不動産投資信託に資金を投入するとか,年 金積立金で株式を購入するなどの具体的な方法はす ぐに見つかります。生徒によってはネットで調べて こういう手法を引いてくることも考えられます。す でに取り組んでいることとして否定するのではなく, よく調べたとほめましょう。

 もちろん,授業者が,生徒に発想のヒントを提示 する意味で,新聞記事などを用意することも有効で す。新聞記事を教室内で授業に使う限りは著作権に

・金融政策を確認する。すなわち,かつては公定歩合操作が中心だが,現在は公開市場操作であることがわ かっているかを確認する。

・新たな金融政策を提案する。すなわち,国債や社債などの債券を買うなど具体策の提案を通じて理解を深 めさせる。

・グループやクラス内で提案を共有する。

ので,複数の新聞社から記事を集めれば政治的中立 性に抵触する危険も少ないでしょう。

 生徒によっては財政政策と区別がつかなくなる場 合もあります。効果がある点は評価するとともに「財 政」と「金融」の違いをていねいに説明してもうひ とひねり努力させましょう。財政政策が出たところ でもう限界かなと思われるときには,財政政策とし ての生徒の考えを引き取って,まず効果としてはよ いところに着眼したことをほめてから,金融政策と して手がかりを示唆し,授業者がある程度誘導する ことも必要です。

(2)それぞれの提案をメモし,意見を交換し提案 内容を確認させましょう。このメモをもとにグルー プごとに発表します。

(3)(4)それぞれの提案をメモし,意見を交換し 提案内容を確認させましょう。ほかのグループのプ レゼンを評価する作業も重要です。

課題4  単語でも文でもかまいません。短時間で 率直かつ具体的に書かせることが大切です。本時以 外でもふり返る作業を,適宜,行うことで,いわゆ る「前に転がす議論」ができるようになります。計 画を立てて,実行して,結果を確認して分析して, 計画を立て直して…という思考パターンを無理なく 取り組むことができます。アクティブ・ラーニング を実践するにあたり,この手の「ふり返り」トレー ニングを,適宜,導入することで,グループワーク やプレゼンを漫然と取り組むのではなく,議論を深

金融政策の確認ができたか。 「知識・理解」

具体的で妥当性のある新たな金融政策の提案ができたか。 「技能」「思考・判断・表現」

協働的な作業に参加できたか。 「関心・意欲・態度」

指導上の留意点

課題1  (1)公開市場操作(オープン・マーケッ ト・オペレーション) (2)マネーストック(通貨 残高) (3)国債(などの有価証券) (4)①国債 ②お金 ③金利 ④通貨残高

課題2  (1)金融緩和政策 (2)インフレ/景気

浮揚 (3)金利を下げる/マネーストックを増やす

(14)

 現代社会・政治経済で扱われている「国際貿易」「国 際経済」の単元で,戦後70年間の日本経済の歴史をふま えながら,一つ目の記事をもとに2000年以降に締結交渉 を進めているFTAやEPAなどの貿易協定によってどの ような影響を受けるのかを考える。そして,地域の身近 な「地場産業の将来」を考えることで,企業レベルの対 策だけでなく,個人レベルの技術や能力の育成までを考 えさせる授業を展開したい。

基本編 為替相場の変化による円高・円安のメリット・ デメリットを計算することで,日本の輸出企業の収益の 増減,輸入品の価格増減の要因になることを基準の為替 相場と比較しながら計算させる。

基準 日本 1ドル=150円の日本の輸入と輸出の計算 円高ドル安 1ドル=100円 円安ドル高 1ドル=200円

応用編 変動相場制へ移行した日本企業が,円高ドル安 に,どのように対応したのかを発問する。為替相場の70 年間の推移のグラフを提示し,円高局面は,何回あった のかを発問する。グラフを読解させながら,四つの主な 円高局面に注目させる。まずは,「経営者の視点」で考 えさせる。「もし,あなたが輸出企業の経営者だったら, 円高局面で,どのような企業経営をするか?」と発問す る。次に「消費者の視点」でも同時に円高局面を個人レ ベルで,どのような影響があるか発問し考えさせる。

①ニクソン・ショック ②プラザ合意

③1995年の円高(1ドル=79円)④2011年の円高(75円)

 過去4回の円高局面をのりこえた日本企業の動向をグ ラフ「海外への工場移転」「直接投資の増加」「産業の空 洞化」などから,海外へ工場を移転するようすに気づか せ,その理由は何かを発問する。人件費の安いASEAN 諸国などへ移転していることを身近な衣料品や家電製品 の生産国をヒントに気づかせる。経営者の視点で,リス トラ・合理化と工場の海外移転による産業の空洞化が進 行することをふまえつつ,逆に労働者の視点で,「もし,

するか」を考えさせる。そして,円高耐性をつけた日本 企業が増えるなかで,1997年のアジア通貨危機や2008年 のリーマン・ショックなど世界経済の激変,IT技術の進 歩や少子高齢化や人口減の影響,AI技術の進歩などから 「未来の日本企業」「未来の自分」を考えることができる。

 ここで創業100年以上の老舗企業の例として,日本各 地にある地場産業に注目させる。全国にある地場産業に は,どのようなものがあるか発問する。そして,身近な 地域にある地場産業にも気づかせるために活躍している 地場産業の新聞記事を紹介しながら,日本各地の地場産 業が生き残っているのは,なぜなのかを考えさせる。大 量生産の時代から高技術・高品質の製品への転換や国内 市場から海外市場へ展開することに気づかせ,オンリー ワンの企業へと成長していることを学ばせる。

発展編 世界経済の変化や日本国内の変化(少子高齢化 ・人口減少)に対応するために企業の生き残りも大切で はあるが,個人として,「人生100年時代」を生き抜くた めに必要な技術・能力をのばす必要がある。「国際化・自 由化・グローバル化」とともにIT技術・AI技術の活用 による個人の技術・能力をのばすことが大切であり,二 つ目の記事に登場する地場産業の経営者に学校で講演し ていただき,質疑応答を通して直接「経営学」を学ぶ機 会を設けた。将来の地域経済を活性化させるために必要 な能力・資質や地域経済に貢献できる人材像について, 生徒たち自身が考えるきっかけとなった。

今後の展望  無知・無関心・無理解が社会をゆがめてい る問題が,地域社会だけでなく,日本でも,世界でも起 こっている。小さな授業実践ではあるが,地域の実情に 合わせて応用できると考える。あらゆる世代の人々が, 地域社会だけでなく日本と世界を関連させながら,視野 を広げ,思考を深めながら,知識を活用しながら,課題 解決のために行動できることの大切さを授業を通じて生 徒に学ばせたい。

トピックス

「グローバル化」による地域経済への影響(光と影)

■授業での活用■

新聞スクラップ 

2017.7

2017.12

●日欧EPA妥結 19年発効へ

 

●「革の宝石」なめす情熱

(15)

過去から学ぶ「経済史からみる経済格差の拡大」  授業の観点で戦後日本経済の変遷を概観すると, 大きく4つの時期※に分けられる。「現代社会」 や「政治・経済」の授業では,それぞれの時期の おもなできごとや経済政策を解説し,教科書や資 料集の実質経済成長率や消費者物価指数のグラフ で裏づけるのが基本だろう。

 だが知識として理解させられても,それが現在 の課題へ結びつきにくい。生徒は未経験の経済状 況を想像しにくく,現況へ関連させるのはさらに 難しい。そこで導入で現在の課題を理解させ,「な ぜそうなったのかな」と問題提起してから展開す ると,生徒の興味関心を喚起できる。

 そのためには,経済格差の拡大を扱うとよい。 これは生徒の生活に直結する問題で,将来にも大 きな影響がある。経済格差を分析するには緻密で 複雑な作業が必要だが,深入りするとマクロの視 点をもちにくくなるため,授業では雇用形態の大 きな変化を統計から把握させるのが適当である。  1枚目のポスターは,非正規雇用労働者の割合 を年ごとに追ったグラフである。1985年に655万 人だった非正規雇用者数は,2016年に2023万人と 3倍以上に増加した。授業の初めにこのポスター を示すと,その急増ぶりが目を引くだろう。  そのうえで「なぜこんなに増えたのかな」と問 題提起し,考えさせてから解説する。これは産業 構造の変化も一因ではあるが,低成長期で人件費 削減に迫られた企業が,正規雇用を非正規雇用に 切りかえていったことが主因である。1996年以降, 労働者派遣法のあいつぐ改定による派遣労働者の 急増も大きく影響している。従来認められなかっ た業種に派遣労働者が急速に拡大したのである。  次に,非正規雇用労働の問題点を考えさせる。 発言する生徒の少ないクラスなら,ワークシート に書かせたり,グループで話し合わせてもよい。 アルバイトの経験がある生徒に,状況を語っても

らう方法もある。生徒からは所得が少ないことや, 雇用が不安定であることが出てくるだろう。  そして,非正規雇用労働者が2種類に大別でき ることも説明する。家庭の事情等でフルタイムを 希望しなかった場合と,正規雇用を希望したのに 非正規雇用しか職がなかった場合である。総務省 統計局によれば,正規雇用の約7割を男性が占め, 非正規雇用の約7割を女性が占めている。いわゆ る「不本意型」非正規雇用労働者ともよばれる『正 規の職員・従業員の仕事がないから非正規雇用の 職に就いた者』は,非正規雇用労働者の約2割で ある。約8割は希望して非正規雇用になったわけ だが,前述のとおり非正規雇用の約7割は女性だ から,育児や介護等の負担が女性に集中しがちな 現代日本において,非正規雇用を希望せざるをえ なかった場合も多いと推測される。いわば「隠れ 不本意型」である。むろん「隠れ」を含む不本意 型のほうが問題が大きいことを確認する。  そして,経済格差について考えさせる。日本で 「格差社会」という言葉が一般化したのは,この 10年ほどのことである。とくに2008年秋のリーマ ン・ショック以来,問題点が顕在化した。それ以 前は,個人間の「貧富の差」はあっても,社会階 層としての格差はめだたなかったのである。  格差拡大により貧困層も増加した。OECDの報 告書によると日本のジニ係数はOECD加盟国の平 均値より大きく,貧困率は主要先進国のなかでア メリカについで高い。

 社会構造の変化により経済格差が拡大し,貧困 層も増加したのが現状であることを理解できれば, 導入は成功である。たとえ実際に貧困家庭で暮ら す生徒がいたとしても,個人の努力不足とは限ら ないのである。続けて戦後日本の経済史を学習さ せる。高度経済成長期の「総中流社会」が格差社 会へ変化していく過程は,実質経済成長率の低迷 と相まって生徒の関心を引くことだろう。

⃝付録といっしょにご覧ください。

付録 過去から学ぶ・地域から学ぶ

 日本の経済格差 

解説・授業での活用方法

千葉県立市川東高等学校 星野 景一 過去から学ぶ・

(16)

地域から学ぶ「地図からみる地域による経済格差」  経済格差にもいろいろあり,性別や親の所得等 カテゴリーの違いによる格差もあれば,個人間の 格差もある。それらは別単元で扱うこととして, ここでは地域による経済格差を取りあげる。経済 で身近なのは物価や賃金,求人倍率,景況感等で あるが,生徒は自分が暮らす地域を念頭に判断し がちである。物価はともかく,それ以外は地域差 がかなりあることを認識させ,多面的な理解によ り経済格差を深く考察させたい。

 そこで2枚目のポスター,国内の都道府県別平 均年収の地図を活用する。所得の多寡は生徒にと って理解しやすい指標となり,求人倍率や景況感 とも密接に関連するからである。

 まずポスターを示し,そこから読み取れる事項 を生徒にあげさせる。都道府県により平均年収に 差があること,大都市が多い都道府県の所得が高 い傾向にあることをすぐに答えられるだろう。  むろん所得が低くても支出が少なければ問題な いが,現代の日本では地域により物価に大きな違 いはなく,個人の生活環境や生活様式による差が 大きいためここでは深入りしない。例えば農村地 域はおおむね地価が安く,農産物や水産物が安価 な場合もある。だが多くの場合,商品価格は都会 と同等かむしろ高く,交通が不便で交通費や自家 用車の維持費がかかったりするなど,総合的な支 出が少ないとはいえない。生徒には「今の日本で 物価の地域差は小さいから,所得の問題を考えよ う」と述べるにとどめたい。

 次に平均年収の低い県に注目させる。これはや はり沖縄県の低さがめだつだろう。そこで生徒に 理由を考えさせる。挙手させて発言させるか,授 業時間に余裕があればワークシートに記入させた り,グループで話し合わせて発表させる。「沖縄 県の歴史と地理を考えてみよう」と言い添えてお くとおおむね妥当な回答になる。そのうえで戦時 中から戦後,現代にかけての沖縄県の歴史を概説 し,地理条件とあわせ,構造的要因が生み出した 問題であることを確認させたい。沖縄戦では地上 戦で著しい戦禍を受けてあらゆる産業が根底から

破壊され,1972年までアメリカ軍の統治下にあり, 今も在日米軍基地が集中するという他の都道府県 と大きく異なる歴史を歩んだことを理解させる。 本土からの距離が遠いことや平地の少なさ,離島 が多いといった地理的要因も把握させたい。  続いて他の平均年収が低い県について,理由を 考えさせる。「都会じゃないから」といった意見 が出た場合,なぜ「都会じゃない」と所得が低い 傾向があるのかを考えさせればよい。生徒の意見 を集約すると,人口密度が低く過疎化が進む県, 農林水産業がさかんな県となる。さらに原因を考 えさせると,サービス業は人口密度が低いと利益 を増やすのが困難であることや,農林水産業は生 産品の商品価格が安価だったり,生産量が天候に 左右されがちであることが出てくるだろう。工業 も大規模な都市や港湾が近く,交通の便がよいと ころを好む傾向のあることが出るかもしれない。  人は生まれる場所を選べない。居住移転の自由 はあっても,遠方への転居はたやすいことではな い。したがって,地域による所得の格差は小さい ほうがよい。

 その観点から,改善策を生徒に考えさせたい。 意見が出にくければ,教員が適宜助言する。政府 や地方自治体レベルの経済政策は,いくつか考え られるだろう。例えば,租税による所得の再分配 である。これは地方交付税交付金をはじめ,すで にさまざまな形で実施されている。公共事業の実 施も同様である。

(17)

現場

から

 J.FECでは,食品ロスと畜産経営の二つの問題を同時に 解決するというコンセプトのもと,それまで焼却処分され ていた食品ロスを食品会社から引き取り,それを加工して 液体飼料を製造し,販売する事業を行っています。  実は自治体にある焼却炉のなかで燃やされているごみ のうち,約半分が食品なんですね。当然燃やすことによっ てCO2を排出しますし,しかもそのために税金が投入さ

れています。また,現在日本の畜産業はえさのほとんど を輸入穀物に依存しており,とくに豚はコストの6割を えさ代に費やしています。それが年々高騰して高止まり になってしまっているので,小さい農場はどんどん廃業 に追い込まれてしまっています。そこで,廃棄物の処理 費を近隣の自治体よりも低く設定して受け入れ,またで きあがる液体飼料も輸入穀物の半額程度で販売して,食 品会社と農家双方にとってコストダウンとなるしくみの 経済事業を展開しているわけです。

 また,液体飼料をつくっておしまいではなく,できあ がった豚肉を契約先のスーパーでブランド豚として販売 する取り組みもサポートしています。現在J.FECの液体 飼料を使ってくださっている15軒の農家はすごく意識が 高く,技術や知識も豊富です。既存のしくみではなく新 しい第1次産業をつくり出したいという意欲のある彼ら

整えるお手伝いをす ることによって,ほ んとうの意味で継続 性の高いしくみをつ くることをめざして います。

 液体飼料の最大のメリットはコスト削減です。粉の飼 料と比較すると,乾燥させるためのエネルギーが不要に なるので,約半分のコストで製造できます。以前は水分 を飛ばさないと保存がきかないといわれていたのですが, 乳酸発酵によって保存性が高まることで,夏場でも2週 間は常温のまま置いても腐敗しません。また,液体の廃 棄物も原料になるので,今まで捨てるしかなかった牛乳, ヨーグルトなども活用できるようになっています。  農家にとっては,粉のえさに比べて消化効率がいいの でふん尿の臭気が軽減できます。また,粉塵がないので 豚が肺炎になりづらくなり,その分抗生物質の投与を減 らすことができます。つまり,消費者としても安全性の 高い豚肉を食べることができるメリットがあります。  液体飼料そのものはもともとヨーロッパの技術で, チーズをつくるときに出るホエーや,ウイスキー,ワイ ンのかすを豚のえさにする方法は古くから行われていま した。日本でも,以前は残飯養豚といって残飯をドラム 缶に集めて混ぜたえさを与えていました。戦後,アメリ カがトウモロコシの乾燥飼料をたくさん輸出してきたの で,この40年ぐらいでえさ=粉という認識が広がってし まったのですが,意外と粉のえさは歴史が浅いのですね。 現在では,日本でも急速に液体飼料の普及が進んでいま す。確かに,液体なので遠くに運ぶと運送費がかさみ, タンク設置のために初期投資が必要というデメリットも あります。一方,一度設備を整えればその後は安く安全 に運用できるため,熱心な農家や大規模な農場を中心に,

食品リサイクルでめざす循環型社会 ~食品ロスに新たな価値を~

〈訪問先〉 株式会社日本フードエコロジーセンター 代表取締役 髙橋 巧一 さん

 2015年に国連で採択された「持続可能な開発目標(SDGs)」の17の目標のなかで,わたしたちの生活に最も身 近なものの一つが「12 つくる責任 つかう責任(持続可能な消費と生産)」だろう。日本では,まだ食べられるのに 捨てられてしまう食品廃棄物(食品ロス)が,年間632万tにのぼっている。

 そのような食品ロスを養豚用の液体飼料に再生することで循環型社会の実現を目指しているのが,株式会社日本 フードエコロジーセンター(J.FEC)だ。環境への配慮と経済活動を両立させる事業の詳細を,髙橋社長に伺った。

食品ロスを養豚用の飼料にリサイクルすると,な ぜ循環型社会の実現につながるのでしょうか?

Q.

飼料と聞いて一般的にイメージする粉の飼料と, 液体飼料との違いは何でしょうか?

Q.

SDGsの17の目標

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