行 政 視 察 等 報 告 書
平成25年2月28日
長野市議会議長 祢 津 栄 喜 様
報告者氏名(代表)
公共交通対策特別委員会 委員長 塩 入 学
この度、行政視察をしましたので、その概要について下記のとおり報告いたします。
記
1 視 察 区 分 公共交通対策特別委員会行政視察
2 視察者氏名 塩入 学 田中 清隆 原田 誠之 野本 靖 松井 英雄 松田 光平 布目裕喜雄 小泉 栄正 岡田 荘史
3 随 行 者 書記 宮沢 彰
4 視 察 期 間 平成25年1月22日(火) ~ 平成25年1月24日(木)
5 視察先及び視察事項
視 察 先 視 察 日 時 視 察 事 項
静岡県静岡市 1月22日(火) 午前10時30分~正午
・LRT導入に向けた検討状況について
岐阜県岐阜市 1月22日(火) 午後3時~5時
・岐阜市型BRTの導入について
大阪府高槻市 1月23日(水) 午後1時15分~3時
・高槻市営バスについて
両備ホールディ ングス株式会社
(岡山市)
1月24日(木) 午前10時~11時30分
1 地域公共交通再生への取組について 2 エコ公共交通大国おかやま構想について
2 月 日
視 察 地 等
(市町村名等)
考 察
(所感、課題、提言等) 1月22日 静岡市 <LRT導入に向けた検討状況について>
【現状】
静岡市の中心市街地は、行政と商業の集積地である静岡都 心と、港湾と工業の集積地である清水都心との2極型都市と なっている。それぞれの最寄り駅である静岡駅と清水駅との 間 は 約 11 k m で あ る 。 都 心 間 を 結 ぶ 公 共 交 通 ( J R 東 海 道 線、静岡鉄道)と都心内を回遊する交通(LRT)とが一体 的、連続的に機能することによる都心間及び都心・副都心間 の交流活性化、都心のにぎわい、都心の魅力の向上を目指し LRTの導入が検討されている。
検討ル ート は、 新静 岡駅 から 中心 市街 地方 面への 延長 1k mの葵 ルー ト、 新静 岡駅 から 市役 所方 面へ の延長2.6k mの 駿河ル ート 、J R清 水駅 から 日の 出方 面へ の延長2.5k mの 清水ルートの3ルートである。
LRT導入に当たり課題は、
・需要の確保(市民の定期利用者確保)
・都心部への自動車流入抑制
・静岡鉄道との結節 など山積している。
解決されたルートから整備に着手するとのことであるが、 採算がとれるのは需要予測が1日1,800~3,000人の葵ルート だけである。
【考察】
・なぜLRTかという市民からの意見もあるとしているとお り、LRTの必要性について具体的説明 に欠けているように 思う。そうした中で、市民の関心と合意形成が求められる。 市 民 、 経 済 界 、 鉄 道 事 業 者 及 び 市 が そ れ ぞ れ の 役 割 を 踏 ま え、一体となった連携、協力が必要である。その意味で「地 区LRT導入検討協議会」の行方が注目される。
・LRTは、駅間隔が近く、高頻度運転 であることが必要と 考える。それに見合った利用者が求められるので、需要の確 保のための施策が必須。沿線でのまちづくり政策と一体とな った取組が必要と感じる。
・LRTとバス路線網の連携と再編、パークアンドライド駐 車場、駐輪場整備等のまちづくりが欠かせない。
・HUB(周辺各地への様々な交通機関が集中する場所のこ と)化の必要性は地方交通では不可欠だと感じているが、長 野市もHUBの計画を具体化すべきと考える。
・視察を参考に、LRTの導入等について調査研究を行う。
月 日
視 察 地 等
(市町村名等)
考 察
(所感、課題、提言等) 1月22日 岐阜市 <岐阜市型BRTの導入について>
【現状】
BRTの導入は、乗降客が多くバス1台では乗り切れない 路線から始まった。
平 成 23年 3月 から 、岐 阜大 学 病院 線を 定員 130 人 の連 結 バ スで運 行開 始。 その 結果 、輸 送力 が増 強さ れ、朝 は1 台100 人以上 の利 用 が あり 、1 日平 均は800人 で、 25%の 利用 率ア ップになった。
平成24年11月から市内ループ線の運行開始。
一部カラー舗装のバス優先レーンで速達性・定時性の確保 を図っている。
BRTの利点は、LRTに比べ初期投資が少ないことや、 段階的な整備が可能で都市構造の変化に対応できることであ る。
低 床 で 車 椅 子 も 簡 単 に 乗 降 で き 、 揺 れ も 少 な く 快 適 で あ る。
【考察】
・公共交通の利用者の維持拡大には、高頻度運行や定時性確 保 の た め の P T P S ( 公 共 車 両 優 先 シ ス テ ム ) が 必 要 と な る。また、路線周辺のまちづくりが必要と考える。
・BRTの導入に当たっては、片側2車線の道路が必要不可 欠であり、運行計画においてはバスレーンの整備、道路拡幅 が必要である。
・本市においてはBRTを導入するに当たり、岐阜市のよう な大学・大学病院といった大量に需要のある地域があるのか 考えた場合、大きな課題があるが、新交通システム導入の参 考として更に調査研究を進める。
4
(市町村名等) (所感、課題、提言等)
1月23日 高槻市 <高槻市営バスについて>
【現状】
高槻市市営バス事業は健全経営である。
大阪市と京都市の中間に位置し、大都市近郊のベッドタウ ンであり、市街地が約33K㎡と集中している。東西をJR京 都線と阪急京都線が走っており、鉄道駅を起点にしてバス路 線を組んでおり、自動車に頼らず、公共交通機関だけで便利 に移動できる。
市南部地域は、運行環境の悪化などから減少傾向は続いて いるものの、市北部地域では丘陵地に大規模開発で住宅地が 形成され、効率的に運行できるため利用者は圧倒的に多い。 利用の多い路線によっては、2分間隔で運行している。それ でも乗車できない人がいるとのことである。
山間地路線4路線は非常に乗車率が低いが、トータルで、 乗客の需要が大きいことが経営の安定化を支えている。
【考察】
・健全な経営ができるのは地の利の影響が大きい。
・70歳以上の運賃は無料であるが、営業収益の減少の中、市 財政の厳しい状況を踏まえ、補助制度の明確化を今後検討す るときに差し掛かっていると思われる。
・ほぼ全てが市営バス路線であるため、効率的なダイヤの適 正化を図ることができるようだ。
・家族割引運賃など、低廉かつ増収に貢献する運賃制度の企 画を実施していて、利用者への魅力的なサービスを提供して いると思われた。
・公営バスであるが、今後人件費を中心とした、経費の更な る削減を図り経営改善に努める必要性を感じた。
・視察を参考に、公共交通の役割と再生について調査研究を 進める。
月 日
視 察 地 等
(市町村名等)
考 察
(所感、課題、提言等) 1月24日 両備ホ ール ディ
ングス㈱
(岡山市)
<地域公共交通再生への取組についてなど>
【現状】
両備ホールディングス㈱は、地方公共交通の危機的状況を 打開するための提言や、数々の地方公共交通の不採算路線や 廃止路線を引き継ぎ、再生を手掛けており次のよう実績があ る。
2004年 津エアポートライン 2005年 和歌山電鐵
2006年 中国バス
2008年 ハロー・トーキョー 2010年 神戸ベイクルーズ
2011年 イースタンエアポートモータース などである。
【考察】
・会社の経営理念が、伝統に裏打ちされた非常にしっかりし た企業である。
・小嶋光信会長の公共交通に対する思い入れと分析、また従 業員の士気、お客様本位の取組など学ぶところが多い。
・地方公共交通の再生の条件は、
1.応援する団体の協力(市民団体) 2.自治体の支援
3.事業者の熱意(なんでもする社員) であるとのこと。
・延命治療的な交通政策から、夢のある地域公共交通政策へ 転換していく必要を感じる。
・長野市バス路線をどのように 再編するのか。ICカードの 利 便 性 の 向 上 を ど の よ う に 図 っ て い く の か 。 バ ス 専 用 レ ー ン、バス優先レーンの拡充の可能性はあるのか、バスロケー ションシステムの有効性はあるのか、PTPS導入の可能性 などの検討が必要となろう。
・市街地における新交通システム策定には、LRTかBRT かという選択的な議論、検討の前に、歩いて楽しい活力ある まちづくりの観点から、都市計画と連動した「まちづくり」 構想をしっかり位置付ける必要があり、視察を参考に調査研 究し提言を検討する。