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経済学基礎論a Kizuku Takao chapter10 20170620

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(1)

. . . . . .

生産と成長

青森公立大学

講師 高尾 築

2017 年度春学期 経済学基礎論 a (後半)

教科書 マンキュー入門経済学 (第 2 版)

1 / 47

(2)

. . . . . .

0. アウトライン

1. 一人当たりの実質 GDP の国際間データ

2. 生産性とは?

3. 生産性と国家の経済政策

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(3)

. . . . . .

1. 世界の国々の経済成長

3 / 47

(4)

. . . . . .

出所: Charles Jones, Useful Graphs for Macro

4 / 47

(5)

. . . . . .

出所: Charles Jones, Useful Graphs for Macro

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(6)

. . . . . .

2. 生産性 : その役割と決定要因

世界の国々の生活水準の大きな格差

⇐ “生産性 (productivity)” の違いで要約される

正確にいうと, 「労働生産性」を指す.

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(7)

. . . . . .

「ロビンソンクルーソー」経済モデル

無人島で 1 人きり

⇐ 自分で魚を獲り、野菜を栽培、衣服を作らなければなら

ない

(自給自足)

クルーソーの生活水準の決定要因

⇒ “(労働) 生産性”(労働投入 1 単位から生産される財・サービ

スの量)

ここでは「労働投入 1 時間当たり」と考えればよい

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(8)

. . . . . .

Example

クルーソーの魚釣りの技術 ↑

⇒ 魚生産量 ↑

or

⇒ 1 匹魚を獲るのにかかる時間 ↓

野菜栽培や衣服制作に余った時間を回せる

野菜、衣服生産量

or

余暇時間

すなわち、「クルーソーの魚釣りの技術 ↑

⇒ クルーソーの生活水準 ↑」

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(9)

. . . . . .

1 国の経済全体の場合

国民の生産性が高い国の方が生活水準も高い

アメリカ人 v.s. ナイジェリア人

アメリカ人の生産性 >> ナイジェリア人の生産性

アメリカ人の生活水準 >> ナイジェリア人の生産性

経済学の十大原理 (8): 「一国の生活水準は、財・サービスの生産

能力に依存している」

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(10)

. . . . . .

2.2 生産性の決定要因

1 国の生産性を決定するのは、

(労働者 1 人あたりの) 物的資本

(労働者 1 人あたりの) 人的資本

(労働者 1 人あたりの) 天然資源

技術知識

の賦存量で決定される

10 / 47

(11)

. . . . . .

労働者 1 人あたりの物的資本

物的資本とは:

財・サービスを生産するために使われる設備や建造物のス

トックのこと

フロー変数:ある一定期間において計測した変数

一定期間に行われた経済活動の価値を表す   ストック変数:ある一時点において計測した変数

フロー変数を積み重ねたもの

example(

家具職人

)

のこぎり

,

旋盤等の工具を十二分に持っている家具職人の生産 性

>>

工具が貧弱な家具職人の生産性

ある国の労働者 1 人当たりの物的資本の賦存量が多い

⇒ その国の生産性は高い

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(12)

. . . . . .

財・サービスの生産に用いられる投入物 (労働・資本)

⇒ 「生産要素」と呼んでいたのを思い出そう!

資本の特徴: “生産された” 生産要素

資本の例:

建物及び建物附属設備

(

住宅を除く

)

構築物

(

交通施設、発電施設、通信施設等

)

機械及び装置

船舶

,

車両及び運搬具 工具及び器具備品

⇐ もともと過去に企業に生産された物 (産出物)

⇐ このような財を「資本財」と呼ぶ

※家計に消費される「ホットドッグ」や「りんご」などの財を区別 して「消費財」と呼ぶ

最終財:家計や一般政府の消費あるいは資本形成等として最終 的に需要される財およびサービス 

中間(投入)財:生産過程で原材料費・光熱費・間接費等とし て投入される財およびサービス 12 / 47

(13)

. . . . . .

労働者 1 人当たりの人的資本

人的資本とは:

労働者が教育、訓練、経験を通じて獲得する知識量や熟練の

度合

人的資本の形成

学校教育

幼稚園 小学校 中学校 高等学校

専門学校, 大学, 大学院

企業内訓練

(On the Job Training) (

習得したスキルの一部は企 業特殊的と考えられる

)

によって形成

13 / 47

(14)

. . . . . .

労働者 1 人当たりの天然資源

再生可能資源: 森林など

木を切って机つくる ⇒ 時間がたてば木はまた生えてまた伐

採できる

枯渇性資源: 石油など

ある油田から石油をとりつづける

⇒ 時間がたてばその油田は廃田になる

天然資源の賦存量は生産性にとって重要か?

日本の生産性は

?

一方、ノルウェー

(

産油国

)

の生産性は

?

ナイジェリア

(

産油国

)

の 生産性は

?

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(15)

. . . . . .

左図の縦軸スケールは, 当該年の米国の GDP per capita(1人当たり GDP) を 100としたときの水準を示している

http://web.stanford.edu/ chadj/snapshots.html (Country Snapshots 9.0, Charles

I. Jones)より引用 15 / 47

(16)

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左図の縦軸スケールは, 当該年の米国の GDP per capita(1人当たり GDP) を 100としたときの水準を示している

http://web.stanford.edu/ chadj/snapshots.html (Country Snapshots 9.0, Charles

I. Jones)より引用 16 / 47

(17)

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左図の縦軸スケールは, 当該年の米国の GDP per capita(1人当たり GDP) を 100としたときの水準を示している

http://web.stanford.edu/ chadj/snapshots.html (Country Snapshots 9.0, Charles

I. Jones)より引用 17 / 47

(18)

. . . . . .

技術知識

技術知識とは: 財・サービスを生産する最善の方法に関する知

識のこと

(

原著の記述

: A fouth determinant of productivity is

technological knowledge − the best ways to produce goods and

services.)

技術

: (1)

「史記

(

貨殖伝

)

」物事をたくみに行うわざ

.

技巧

.

技 芸

[−

を磨く

]

(2) (technique)

科学

(

観察や実験など経験的手続きによって実 証された法則・体系的知識

)

を実地に応用して自然の事物を改 変・加工し

,

人間生活に役立てるわざ

.

「先端

(

広辞苑より抜粋

)

example

(昔) 大多数の人は農民 ⇐ 農業の技術レベルが低く、総人口

の食糧をまかなうには多くの労働力が必要だった

(今) 農業従事者少ない ⇐ 農業の技術レベルが高い、少ない

労働力で多くの食料を生産できる

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(19)

. . . . . .

技術知識の所有形態

共有知識

:

ヘンリーフォードの流れ作業生産方式が成功

他 企業もすぐにまねる

(

知識伝播

) ⇒

経済全体の生産性

独占知識

:

マクドナルドのフライドポテトの製法はマクドの独 占知識、コカ・コーラのコーラの製法

(trade secret,

企業秘密

)

新薬の製法

特許で保護

(

特許の期限

(20-25

)

が切れるま では、開発した会社に独占的な製造権が与えられる

) ⇒

特許期 限が切れると、他会社もその薬を作れる

(

ジェネリック薬

)

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(20)

. . . . . .

特許権について補足 (特許庁 HP より抜粋):

特許法第 1 条には、「この法律は、発明の保護及び利用を図ることにより、発明 を奨励し、もつて産業の発達に寄与することを目的とする」とあります。発明 や考案は、目に見えない思想、アイデアなので、家や車のような有体物のよう に、目に見える形でだれかがそれを占有し、支配できるというものではありま せん。したがって、制度により適切に保護がなされなければ、発明者は、自分 の発明を他人に盗まれないように、秘密にしておこうとするでしょう。しかし それでは、発明者自身もそれを有効に利用することができないばかりでなく、 他の人が同じものを発明しようとして無駄な研究、投資をすることとなってし まいます。そこで、特許制度は、こういったことが起こらぬよう、発明者には 一定期間、一定の条件のもとに特許権という独占的な権利を与えて発明の保護 を図る一方、その発明を公開して利用を図ることにより新しい技術を人類共通 の財産としていくことを定めて、これにより技術の進歩を促進し、産業の発達 に寄与しようというものです。

20 / 47

(21)

. . . . . .

知的財産権について補足 (特許庁 HP より抜粋):

(1)知的財産権制度とは、知的創造活動によって生み出されたものを、創作した 人の財産として保護するための制度です。「知的財産」及び「知的財産権」は、 知的財産基本法において次のとおり定義されています。

参照条文 知的財産基本法(外部サイトへリンク)

第 2 条 この法律で「知的財産」とは、発明、考案、植物の新品種、意匠、著作 物その他の人間の創造的活動により生み出されるもの (発見又は解明がされた自 然の法則又は現象であって、産業上の利用可能性があるものを含む。)、商標、 商号その他事業活動に用いられる商品又は役務を表示するもの及び営業秘密そ の他の事業活動に有用な技術上又は営業上の情報をいう。

2この法律で「知的財産権」とは、特許権、実用新案権、育成者権、意匠権、著 作権、商標権その他の知的財産に関して法令により定められた権利又は法律上 保護される利益に係る権利をいう。知的財産の特徴の一つとして、「もの」とは 異なり「財産的価値を有する情報」であることが挙げられます。情報は、容易に 模倣されるという特質をもっており、しかも利用されることにより消費される ということがないため、多くの者が同時に利用することができます。こうした ことから知的財産権制度は、創作者の権利を保護するため、元来自由利用でき る情報を、社会が必要とする限度で自由を制限する制度ということができます。21 / 47

(22)

. . . . . .

補足つづき:

近年、政府では「知的財産立国」の実現を目指し、様々な施策が進められてい ます。また、産業界や大学等の動向についてみると、産学官連携の推進、企業 における知的財産戦略意識の変化、地方公共団体における知的財産戦略の策定 等、知的財産を取り巻く環境は大きく変化しています。今後、知的財産権制度 の活用については、我が国経済の活性化だけではなく、企業や大学・研究機関 においても重要な位置を占めることになっています。

(2)知的財産権には、特許権や著作権などの創作意欲の促進を目的とした「知的 創造物についての権利」と、商標権や商号などの使用者の信用維持を目的とし た「営業上の標識についての権利」に大別されます。また、特許権、実用新案 権、意匠権、商標権及び育成者権については、客観的内容を同じくするものに 対して排他的に支配できる「絶対的独占権」といわれています。一方、著作権、 回路配置利用権、商号及び不正競争法上の利益については、他人が独自に創作 したものには及ばない「相対的独占権」といわれています。

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(23)

. . . . . .

特許庁 HP より抜粋 23 / 47

(24)

. . . . . .

3. 経済成長と公共政策

社会の生活水準は財・サービスの生産能力に依存し、その生産性は

(労働者 1 人あたりの) 物的資本

(労働者 1 人あたりの) 人的資本

(労働者 1 人あたりの) 天然資源

技術知識

の賦存量で決定されることをみた。

では、国の生産性を高めるためにどのような政策が必要となる

のか?

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(25)

. . . . . .

3.1 貯蓄と投資

資本は “生産された生産要素”

(

今日

)

経済が新しい資本財を生産

⇒ (

明日

)

より多くの

(

労働

1

人当たりの

)

資本ストックを持つ

⇒ (

労働

1

人当たりの

)

生産性向上

消費財生産と資本財生産のトレードオフ

トレードオフ

:

同時には成立しない二律背反の関係を指す用語

(

資源は希少

)

資本財生産

↑ ⇒

消費財生産

※資本財をより多く生産するには、経済にある生産要素の多く を消費財生産から資本財生産に振り向けないといけない 投資

には「消費

↓ ⇒

貯蓄

」が必要

25 / 47

(26)

. . . . . .

3.2 限界生産力逓減とキャッチアップ効果

高い貯蓄率 (消費せずに貯蓄に向けられる GDP の割合)

消費

↓ ⇒

消費財生産に必要な資源

(

生産要素

)

が少なくなる

資本財生産

⇒ (

労働

1

人当たりの

)

資本ストック

⇒ (

労働

1

人当たりの

)

生産性

⇒ (

労働

1

人当たりの

)GDP↑

26 / 47

(27)

. . . . . .

限界生産力逓減

(

労働

1

人当たりの

)

資本ストックが増加するにつれて

,

資本を 追加的に

1

単位増やすことによる産出の増加分が減少

※他のすべての産出量の決定要因を一定とした場合

貯蓄率の上昇

一時的には生産性の成長率は上昇

限界生産力が低減するので

,

長期においては生産性の成長率は 上昇しない

27 / 47

(28)

. . . . . . 28 / 47

(29)

. . . . . .

キャッチアップ効果

他の条件が同じであれば

,

相対的に貧しい状態にある国の方が

,

生産性の成長は高い

貧しい国が急速に成長できる

豊かな国の水準に近づく可能性

(example)

大韓民国

v.s.

米国

1960

大韓民国の

(

労働一人当たりの

)

資本ストック

<<

米国の

(

労 働一人当たりの

)

資本ストック

大韓民国の生産性成長率

>>

米国の生産性成長率

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(30)

. . . . . .

左図の縦軸スケールは, 当該年の米国の GDP per capita(1人当たり GDP) を 100としたときの水準を示している

http://web.stanford.edu/ chadj/snapshots.html (Country Snapshots 9.0, Charles

I. Jones)より引用 30 / 47

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http://web.stanford.edu/ chadj/snapshots.html (Country Snapshots 9.0, Charles I. Jones)より引用

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(32)

. . . . . .

3.3 外国からの投資

対内直接投資

(日本からみて) アメリカの企業が日本に工場つくる ⇒ 日本の

資本ストック ↑

※この資本ストックはアメリカの企業が所有, 経営もアメリカの企業主導 で行われる

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(33)

. . . . . .

対内証券投資

(日本からみて) アメリカ人から資金調達して, 日本人が行う

投資

※日本の企業の株をアメリカ人に買ってもらい, その資金を元手に投資を 行ったりすること

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(34)

. . . . . .

3.4 教育

人的資本への投資

学校教育を受ける

在学中に労働者として本来稼げたであろう賃金を放棄

機会費用を伴う

機会費用: 1 つの経済活動に対し, それを選択することで失う経 済活動の機会のうちの最大収益

人的資本には正の外部性がある

外部性

:

ある経済主体の経済活動が市場取引を介さずに他の経 済主体の状態に影響を及ぼすこと

(

個々の企業や家計の生産活 動が

,

他の企業や家計の生産量や効用

(

満足度

)

をより増加させ たり生産費用を減少させることを指す

)

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(35)

. . . . . .

教育を受けることの便益

= 私的便益 + 社会的便益

私的便益

:

高度な仕事に従事しやすくなる

生涯賃金の上昇

(

教育を受けた本人以外にもたらされる

)

社会的便益

:

知識のスピルオーバー (拡散)

公衆衛生の改善 犯罪率の低下 投票率の上昇 貧困, 格差の解消 etc...

個々人は教育を受ける時

,

私的便益のみを考慮して

(

社会的便 益を考慮せず

)

教育を受けるか受けないかを選択する

.

したがって

,

社会的便益がプラスの時

,

社会厚生の観点から教 育に対する補助金政策は正当化される

.

35 / 47

(36)

. . . . . .

頭脳流出 (brain drain)

最も高度な教育を受けた労働者が、より良い環境を求めて他

国に移住すること

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(37)

. . . . . .

出所: David N Weil, 経済成長, 2009 年

37 / 47

(38)

. . . . . .

出所: David N Weil, 経済成長, 2009 年

38 / 47

(39)

. . . . . .

3.5 健康と栄養

pp. 342-343 を読んでおくこと

39 / 47

(40)

. . . . . .

出所: David N Weil, 経済成長, 2009 年

40 / 47

(41)

. . . . . .

出所: David N Weil, 経済成長, 2009 年

41 / 47

(42)

. . . . . . 出所: Health and Economic Growth, D. N. Weil, Handbook of Economic Growth 2014

42 / 47

(43)

. . . . . .

3.6 所有権と政治的安定性

pp. 344-345 を読んでおくこと

43 / 47

(44)

. . . . . .

出所: David N Weil, 経済成長, 2009 年

44 / 47

(45)

. . . . . .

3.7 自由貿易

pp. 342-343 を読んでおくこと

45 / 47

(46)

. . . . . .

3.8 研究開発

pp. 346 を読んでおくこと

46 / 47

(47)

. . . . . .

3.9 人口成長

pp. 347-350 を読んでおくこと

47 / 47

参照

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