平成15年度 第2回浦安市文化財審議会開催結果報告
1 開催日時 平成15年6月18日(水) 10:30∼14:30
2 開催場所 浦安市郷土博物館 集会室
3 出 席 者
(委 員)泉澤委員長,相馬副委員長,西脇委員,吉野委員,丸山委員,岩下委員, 宇田川委員
(事務局)村井教育長,佐久間生涯学習部長,山田生涯学習部次長,河野館長,高梨主 査,尾上主任学芸員(記)
(傍聴人)1名
4 内 容
1.委員長あいさつ 2.教育委員会あいさつ 3.議事
(1)報告事項
①旧宇田川家住宅礎石修復工事の概要について
②博物館移築民家4棟の長期修繕計画について
(2)協議事項
<史跡表示板の原稿確認> ①おっぱらみ
②おびんずる
③待ち合わせのボンギ ④境川
⑤金魚池
(3)その他
(4)出土遺物巡回展「房総発掘ものがたり」の見学
5 会議経過
泉澤委員長,村井教育長の挨拶が行われ、議事に入った。
( 1 ) 報告事項
①旧宇田川家住宅礎石修復工事の概要について
河野館長より、旧宇田川家住宅の礎石補修工事に関する説明が行われた。梅雨明け後、 閉館せずに工事を実施する旨を伝える。
( 質疑応答)
委 員 : 風基建設は技術的にも信用できる専門業者か。 事務局 : 古建築の専門業者である。
委 員 : 浦安ではいつから業務を担当しているのか。 事務局 : かなり前からと聞いている。
委 員 : 詳細を後日、ご教示いただきたい。 →後日、事務局より説明する。
②博物館移築民家4棟の長期修繕計画について
河野館長より、移築民家4棟の長期修繕計画に関する説明が行われた。 ( 質疑応答)
委 員 : 博物館の展示は丹青社が担当したが、風基建設との調整はうまくい くのか。
委 員 : 全体の展示は丹青社が行ったが、文化財住宅の設計管理は風基建設、 監修を丸山委員が行った。本澤家・吉田家・太田家は地元の工務店が、 長屋は風基建設が工事を行った。
委 員 : 文化財の場合、1 社に集中するのはやむをえないが、十分に説明し疑 念をもたれないようにするのが大事である。
事務局 : 1 社に随意契約する場合、理由書を書いて対応している。
( 2 ) 協議事項 <史跡表示板の原稿確認> ( 説明内容)
・林主任学芸員が病気療養中のため、金魚池跡の原稿ができていない旨を伝える。 金魚池跡の原稿は、次回提出することで了承していただいた。
①おっぱらみ
○ 3行目 「江戸時代において・・・」
委 員: 「・・・において」は論文調である。ここは簡単に「江戸時代、」とす るのがよい。
○ 4行目 「行徳が幕府に保護された・・・」
委 員: 徳川幕府としたほうがよりわかりやすい。
○ 5行目 「5月から9月」
委 員: 縦書きなので漢数字にしたほうがよい。
○ 8行目 「行徳の製塩業者」
委 員: ここで製塩業者とするならば、11行目の「堀江・猫実の漁師」を、 「堀江・猫実の漁業者」とするべきである。当時、どのように表現して いたのかよくわからないのだが、「行徳の塩つくりの人々」とするほうが わかりやすいのではないか。
委 員: 製塩業者とはいわないだろう。
委員長: 「製塩業者」ということばを再検討してください。 委 員: 市川の博物館の方にも聞いてみるのもよい。
○ 8行目 「毎年梅雨時期になると」
委 員: 漢字が続いて読みづらいし、5行目に「入梅時期」とあるので、「毎年 梅雨どきになると」としたほうがよい。
○ そのほかの意見
委員長: 部長は「おっぱらみ」と聞いたことはありますか。 部 長: 聞いたことはない。
委 員: 聞いたことはないなあ。
事務局: 大正時代の『浦安町誌』には記載があるが、江戸時代の文献等には出 てこない。現在では知る方はほとんどいない状況である。
委員長: 100歳を越えた方々でないと知らないだろう。「おっぱらみ」と呼ば れていたのは確からしい。
委 員: 前田治郎助さんの昔物語には出ている。
委 員: 境川だけ止めても、江戸川があるので淡水は出てしまう。
委 員: 江戸時代の史料に出てこない状況では、伝承ということを明記する必要 があるのでは。史料的に追えない場合、伝承といれないと誤解を生じる かもしれない。
委 員: 「・といわれています」と伝承であると匂わして書いているので、こ の書き方でよいのでは。
委員長: この近辺で年配の方もいるので、もう少し聞いてみることにしたい。 ⇒以上の指摘点を踏まえて事務局で書き直し、次回提出することとする。
<参考資料 『浦安町誌』(大正6年)にある「追払オッパラミ」> 追払オツパラミ
境橋辺ヲ追払と称ス コノアタリモトハメ切アリシモノナリ 是ハ行徳領製塩業ノタメ ナリ 然レドモ平常ハ漁船出入スルコト黙認セラレタリドモ 江戸川満水ノ時ハ 行徳 領製塩業者 徳川ノ権力ヲ仮リ 大挙シ来リテココヲメ切リタルモノナリシガ 其後ニ 至リテココヲ取払ヒテ公然ト船舶ヲ航行スルニ至レリ 是追払ノ名称ナリトカ
②おびんずる
○ 表示板の位置について
事務局:宝城院の本堂の中にある仏像で、表示板は本堂の前に立っている。 委員長:以前、審議会で現場を確認したものである。
委 員:同じ場所に立てるのか。
事務局:本堂のおびんずる様のちょうど前あたりに位置するので、同じ場所を考 えている。
○ 4行目 「西山浄慶・清八」
委 員:「にしやまじょうけい・せいはち」とルビをふったほうがよい。
○ 5行目 「岡崎善蔵」
委 員:「よしぞう」か「ぜんぞう」か。
委員長:家はわかっているので聞いて確認するので、待って欲しい。
○ 5行目 「仏像の後には」
委 員: 後という表現がわかりずらいので、「背面には」としたほうがよい。 事務局: 確かに後だけだと抽象的なので、背面と直したい。
○ 8行目 「仏の教えを受けて、人々に福を授ける人」 委 員: 人というのはどうか。
教育長: 賓頭盧尊者について、説明するならもう少し説明して、省くなら「仏 の教えを・・」以降を省いたらどうか。
○ 10行目 「撫で仏」
委 員: 浦安の中でほかに賓頭盧様はあるのか。賓頭盧様でなくてもほかの撫で 仏はどうか。ほかにあるのかどうか、そこらへんを区別して記述した ほうがよい。
委 員: 撫で仏としては正福寺の浄行様。
委 員: 善福寺の鯖大師は、おなかが痛い人がお参りした。 委 員: 薬師様(東学寺)も調べなくてはいけない。
○ 文章構成について
委 員: 文章全体の構成は昭和60年の史跡表示板のほうがよい。はじめに賓頭 盧の説明をして、続いて仏像の説明をする。そして修復の説明をする。 委 員: 以前の文章を現代的に書き換えて、直したほうがよい。台座の新しい 情報などは入れておく必要がある。
委員長: もう一度、時間をかけて検討するためにも、再提案してほしい。 ⇒以上の指摘点を踏まえて事務局で書き直し、次回提出することとする。
③待ち合わせのボンギ ○ 写真について
委 員: 待ち合わせのボンギの写真はないのか。
事務局: 竜宮ボンギなどの写真はあるが、待ち合わせのボンギの写真はわからな い。
委 員: ボンギの一般的な説明もあるので、どのボンギの写真でもよい。写真が ほしい。
○ 1行目 「漁業権が一部放棄され」
委 員: 「漁業権の一部が放棄され」にしたほうがよい。
委員長: 「漁業権が一部放棄され」、「漁業権の一部が放棄され」の両方を併記 したものを次回出してください。
○ 7行目 「ボンギとは、漁場の境界や澪(水路)を示すために建てられた棒木の ことで・・・」
委 員:3行目に「ボンギと呼ばれる棒木があちらこちらに建てられ、」とあり、 重複しているので、7行目の「建てられた棒木のことで」を削除してもよい。 ここを「ボンギには、漁場の境界や澪(水路)を示すために、目立つよ う先端に枝葉を残した木が使われます。」にしたらどうか。
委 員:澪、みおと読めないので振り仮名がほしい。
○ 10行目 「目印となるもの(ボンギ、・・・)」
委 員: 括弧がうるさいので、とったほうが読みやすい。「例えば、、、」とする のはどうか。
12行目は「このようにボンギは、」とはじめたらよい。
○ 15行目 「境川河口から通じる澪(江間川澪、通称エマッカ)」
委 員: 浦安ではイマッカというが、エマッカとはいわない。江間川澪は正式名 称か。
委 員: 通称なのでイマッカでよいのではないか。 事務局: 江間川澪については再度調査する。
委 員: 待ち合わせのボンギは、主に漁業で潮待ちするときに目印としたボンギ である。
⇒以上の指摘点を踏まえて事務局で書き直し、次回提出することとする。
④境川
○ 写真について
委 員: 写真はどの写真を使うのか。
事務局: はじめての原稿なので、まだ写真を選んでいない。
○ 1行目 「本市の中央を東西に流れ、」
委 員: 東西を「西から東に流れ」としたほうがよい。
○ 3行目以降
委 員: 1.7キロメートルから4.8キロメートルになったという部分をも う少し工夫して記述したほうがよい。
○ 7行目 「浦安は、境川沿いに人々が住み始め、」
委 員: わかる範囲で年代を入れるなど、工夫をしたほうがよい。いつ頃から 人が住みはじめたのか記述しないと、いつの話であるかわからない。
○ 8行目 「北側が猫実村、南側が堀江村です。」
委 員: 掲示板を立てる場所によって、北、南といってもわかりずらい。工夫が 必要である。地図を入れるなどして、文章を削るのもよい。
○ 11行目 「浦安の人々は」
委 員: 当代島もあるので、猫実・堀江だけのこととして、「両村の人々は」 にしたほうがよい。
○ そのほかの意見
委員長: 境川への思いがもう少し伝わるとよい。境川の水は飲料水のほか、消防 用水にも使われていた。
委 員: 平成元年の表示板である護岸工事についても加えたらどうか。 委員長: 十二分に時間をかけて検討してもよいのではないか。
⇒以上の指摘点を踏まえて事務局で書き直し、次回提出することとする。
(3)その他
①「猫実の庚申様」について
委員長: 「猫実の庚申様」について、地元から難しいという声を聞いた。何 度も審議会で検討していただいたのだが、とくに「庚申信仰とは・・」 以降の部分、例えば「三尸説」などの部分を再検討できないだろうか。 委 員: 本音をいうとあまり変えたくはない。ただし再検討する余地はある とは思う。
委員長: もう一度検討する場を設けたい。
⇒委員了解。次回、修正案を事務局で用意して提出することとする。
②丸山委員より
1.ホテルへ博物館のパンフレットを(提案)
開館直後、市内のホテルへ博物館のパンフレットを置いた。観光客が浦安
の博物館を知るよい機会である。継続的に置いたほうがよい。 →事務局側で検討する。
2.太田家住宅について
○ 板の間は上げ蓋になっている。危険なので底上げをしたほうがよい。 →宇田川委員が点検し、工事が可能かどうか検討する。
○ 中二階を見せるのも必要である。現在、「二階に上がってはいけません」 となっているが、お客さんをあげるよう検討してほしい。
→事務局側で検討する。
3.池田家寿野邸について
委員: 池田氏本人から、保存できない旨を聞いた。現状ではどうなってい るのか。
部長: もともとは熊川市長時代からの話である。家屋調査では、隣の太田 薬局なども含めて3軒あわせると文化財的な価値があるという判断 であった。まちづくり事務所が池田さんと話をしている現状である。 現時点ではまだ結論は出ていない。
委員: まちづくりをする際、文化財を生かすのか、壊すのかは問題。事実 認識が違っている。3軒あわせてはじめて価値があるのではなく、 3軒が残っているので、3軒揃ってまちづくりに活用できればよい ということで報告した。
部長: まちづくり事務所とも話しているが、こちらとしてはなんともいえ ない状況。建物については断念しなくてはならないかもしれない。
次回の会議予定は9月24日(水) 13:30∼
会議終了後、「出土遺物巡回展 房総発掘ものがたり」の見学を行った。