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遺伝子組換え表示の表示方法の考え方(案)について
平成29年11月17日
一般財団法人 食品産業センター 武石 徹
1 論点3について
(1) 「遺伝子組換え不分別」に代わる表示の使用について
制度が出来てから15年も経過して表示の意味が浸透していないのは、遺伝子組換 え食品と表示制度について行政による啓蒙が不足していたのではとの懸念もあります が、消費者の方々が遺伝子組換え表示にそれほど関心を持っていないことが原因とも 考えられます。
一方で、アンケート調査の結果や食品メーカーのお客様相談で、「遺伝子組換え不 分別」表示が分かりにくいとの声があるのも事実です。(ただし、お客様相談の割合は 極めて低い水準です。)
従って、まずは制度の普及啓発が急がれますが、この際、消費者にとって分かりにく い表示になっていないかという視点での議論も必要と考えます。
なお、「遺伝子組換え不分別」表示については、現在、別紙1のような使用例が見られ ます。
【提案】
現在の「遺伝子組換え不分別」表示はあくまでも例示の一つであるので、例えば、「遺 伝子組換えを含む」、「遺伝子組換え非分離」、「遺伝子組換え非選別」といった表示に ついて、消費者の方の分かりやすさという視点で議論してはどうか。
また、一括表示欄外に「○○については、遺伝子組換えのものと非遺伝子組換えの ものを分別管理していない」との説明を行うことについて議論してはどうか。
さらに、東京都が行っているようなマーク表示を用いることについて議論してはどうか。
(2) 「遺伝子組換え不分別」表示の言葉とカテゴリーの廃止について(別紙2)
現在、遺伝子組換えの義務表示には、IPハンドリング(分別流通管理)実施を前提と した「遺伝子組換え」表示と、IPハンドリング非実施の「遺伝子組換え不分別」表示の二 つのカテゴリーがあります。
武石委員提出資料
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現実の表示では、「遺伝子組換え」表示は、ほとんど使われておらず、一部の企業や 商品で「遺伝子組換え不分別」が用いられていますが、使用例は限られています。一方 で、上記(1)のように不分別という言葉が分かりにくいとの声もあるのは事実です。
言葉の問題であれば、上記(1)のような見直しを行えば良いと考えます。しかしながら、
「遺伝子組換え不分別」という言葉(表示)とそのカテゴリーそのものを無くした場合、当 該「遺伝子組換え不分別」表示を行っているカテゴリーの商品をどう表示するかとの問 題が生じます。
「遺伝子組換え」と「遺伝子組換えでない」のシンプルな分類が良いとの消費者の方 のニーズを踏まえると、「遺伝子組換え不分別」は「遺伝子組換え」に分類すべきとなり ますが、現在は「遺伝子組換え」については、IPハンドリングしたものしか表示出来ない とされており、誤認を与えないため、この条件が必要とすれば、結果的に不分別の流通 は許されず、全ての遺伝子組換え農産物にコストの掛かるIPハンドリングの実施を義務 付けて輸入するという非現実的な選択になりかねません。
このため、従来の「遺伝子組換え」のカテゴリーを拡大し、IPハンドリングの限定を外し、 IPハンドリングを行わない「遺伝子組換え不分別」のカテゴリーも含め「遺伝子組換え」 という整理にすることが現実的と考えられますが、こうした整理について消費者の方がど のような受け止めをするか(誤認を与えないか)慎重に議論する必要があると考えます。
2 論点4について
(1)「意図せぬ混入率」の引き下げについて
「意図せぬ混入率」については、基本的には各国の遺伝子組換え農産物、加工品の 流通実態に合わせて考えるべきものであり、食品産業センターが昨年実施したIPハン ドリングの海外での運用実態調査によれば、日本の港湾サイロベースでみても、トウモ ロコシの「意図せぬ混入率」の調査結果は「検出せず~4.1%」と比較的高い数値ととも に、ばらつきが多く、5%という混入率の引き下げは難しい実態にあります。
ただ、4.1%の数値にはスタックの影響が考えられることから、スタックの影響を除去し た混入率はより低いと考えられますが、公定分析法としてどこまで検証可能かということ は専門家により判断して頂くべきことであり、本検討会のヒアリング等ではその難しさが 指摘されていると承知しています。
また、遺伝子組換え農産物の国際取引を熟知している輸入商社が本検討会ヒアリン グの際に説明されているように、非遺伝子組換え農産物についての引き合いが多い中 で「意図せぬ混入率」を引き下げると、アメリカからの輸入に頼る日本ではコスト増等か ら安定的な買い付けが出来なくなるとの懸念を表明されており、特にバラ流通の多いト
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ウモロコシについては現実的ではないとまで言い切っていることを十分に考慮すべきと 考えます。
なお、遺伝子組換え食品を忌避される消費者の方にとってどの程度の混入率なら 納得されるのかということも慎重に考えるべきです。
例えば、「意図せぬ混入率を5%からと4%に引き下げた結果、どの程度消費者の方 の安心感が増したと考えられるのか」ということについて冷静な議論が必要なのではな いでしょうか。
(2)「遺伝子組換えでない」表示の要件の見直しについて(別紙3)
検討会のヒアリング等で指摘のあったように「遺伝子組換えでない」表示については、 遺伝子組換え原料が入っていないと受け取る消費者がいるかも知れないということは否 定できないものと考えます。
一方で、この表示も「遺伝子組換え不分別」と同様、事業者は制度発足以来ルール に従って表示してきている訳であり、消費者に正しく浸透していないのは遺伝子組換え 食品と併せ、行政による消費者への周知の問題やそもそも消費者の方々の関心が そ れほどないのではと考えられます。
また、現在、コーデックスや我が国の有機食品の定義では、有機原材料以外の使用 も5%まで認められており、複合原材料の表示免除の5%ルールも含め、5%以下の意 図せぬ混入を「でない」と表示するのは国際的に見てもルール違反とは言えないので はないのでしょうか。
加えて、どの程度の方々が「遺伝子組換えでない」表示についての厳格化を求めて いるかのデータもない中で、現行の遺伝子組換え表示制度では最も多く用いられてい る「遺伝子組換えでない」表示を見直すに当たっては、実際に表示を行っている中小 零細を含めた事業者への影響(例えば、仮にα%から5%までは表示出来ないとした 場合、遺伝子組換え原料を使用するようになったとの誤解から問い合わせが殺到し混 乱しないかなど)について十分に検討する必要があります。
また、α%の設定水準を厳しくすることにより、コストアップから多くの事業者が「遺伝 子組換えでない」との表示ができる原料の調達が出来なくなると、遺伝子組換え表示を 行った商品がほとんど出回らなくなり、遺伝子組換えに関する情報が消費者の方々に ほとんど提供されなくなる可能性があるということも慎重に議論すべきと考えます。
なお、仮にα%をEU並に検出限界まで引き下げた場合、混入リスクを恐れて事実 上アメリカからの非遺伝子組換え農産物の輸入は出来なくなり、国産原料か有機原料、 東欧などの遺伝子組換え農作物の商業栽培を行っていない国からの輸入に頼ることに なり、アメリカを中心とするIPハンドリングの仕組み自体が崩壊し、非遺伝子組換え原料
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の安定供給は難しく、相当のプレミアム原料となる恐れがあり、このことが消費者にとっ てメリットになるのかということも考慮すべきと考えます。
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(別紙1)
遺伝子組換え不分別表示例について
1 表示例
・ポテトチップス :じゃがいも(遺伝子組換え不分別)
・お菓子 :ショートニング(大豆)遺伝子組換え不分別(遺伝子組換え大豆 が含まれている可能性があります。)
・清涼飲料 :果糖ぶどう糖液糖(とうもろこし)遺伝子組換え不分別(遺伝子組換え とうもろこしが含まれる可能性があります。)
2 表示マーク例
東京都のガイドライン
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事 務 局 資料よ り
「 遺伝子組換え 不分 別の区分を廃止し、2 区分に整理する。
≪ 義 務表示≫
「 遺 伝子組換え」
≪ 任 意表示≫
「 遺 伝子組換えでな い」
【IPハンドリング有り】 【IPハンドリングなし】
【論点3】消費者にとって分かりやすい「遺伝子組換え」
及び「遺伝子組換え不分別」表示の検討
ここに属するものは分 別管理を行って おらず、 非遺伝子組換え 原料も 含むので 、「 遺伝子組換 え 」 という 表示は誤認を 与え るので は?
武 石 意 見 現 行 制 度
≪ 義 務表示≫
「 遺 伝子組換え」
≪ 任 意表示≫
「 遺伝子組換えでな い」 5%
【IPハンドリング有り】
意 図 せ ざ る 混 入 率 100%
0%
【IPハンドリングなし】
【 論 点3( 2)】「 遺伝子組換え不分別」の廃止
5% 100%
0%
≪ 義 務表示≫
「 遺伝子組換え」
(別紙2)
誤認を与え な い「 遺伝子組換え」 という表示の ためにはこちらに整理されることになるが、
「 遺伝子組換え 」表示をするためだけに、コス トをかけて IPハンド リングすることは非現実的。
実 質 的に表示なし 実 質 的に表示なし
≪ 義 務表示≫
「 遺伝子組換え不 分 別 」
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混入率がα% 以下の場合に 遺伝子組換え で な い」 表示を 認める。 α %
【論点4】「遺伝子組換えでない」表示をするための要件の検討
現 行 制 度
≪ 義 務表示≫
「 遺 伝子組換え」
≪ 任 意表示≫
「 遺伝子組換えでな い」 5%
【IPハンドリング有り】
事 務 局 資料よ り
意 図 せ ざ る 混 入 率 100%
0%
【IPハンドリングなし】
武 石 意 見
【IPハンドリング有り】 【IPハンドリングなし】
≪ 義 務表示≫
「 遺伝子組換え不 分 別 」
【 論 点4( 2)】「 遺伝子組換えでない」表示が認められる混入率を引き下げる
5% 100%
0%
(別紙3)
≪ 任 意表示≫
「 遺 伝子組換えでな い」 表 示 不可
この部分で 「 遺伝子組換え で な い」 表示を不可とすると、事 業者に問い合わせが殺到し、 混乱を生じる。
この部分はごく僅かな ものにしか表示が行 われな くな り、消費者の選択の幅が狭まる。 また、α%を検出限界のような低水準とする と、アメリカからの輸入は事実上不可能とな り、安定供給に支障が出る。
≪ 義 務表示≫
「 遺伝子組換え」
実 質 的に表示なし
実 質 的に表示なし
≪ 義 務表示≫
「 遺 伝子組換え不 分 別 」