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理論ゼミ(後期) 2016 P3 sakurai 2 5b

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Academic year: 2018

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(1)

1 重力ポテンシャルでの厳密解

重力ポテンシャルV = mgz中のシュレーディンガー方程式は

¯h

2

2m d2u

dz2 + mgzu(z) = Eu(z) (1)

で与えられる。ここで、z0=(¯h2/m2g)1/3、E0 = mgz0 = (¯h2mg2)1/3 とし、さらに無次元量y = z/z0、 ε = E/E0を定義すると、

d2u

dy2 − 2(y − ε)u(y) = 0 (2)

さらに位置原点をずらしてx = 21/3(y − ε)と定義すると、

d2u

dx2 − xu(x) = 0 (3)

この方程式はエアリー方程式と呼ばれ、解は、次の独立な第一種エアリー関数Ai(x)と第2種エアリー関数 Bi(x)の線形結合で表される。

u(x) = αAi(x) + βBi(x) (4)

ここで、

Ai(x) = 1 π

0

cos( t

3

3 + xt )

dt (5)

Bi(x) = 1 π

0

[ exp

(

t

3

3 + xt )

+ sin( t

3

3 + xt )]

dt (6)

である。このうち、無限遠で収束するのはAi(x)の方であるので、解は、

[4]

Height (µm)

Energy (peV)

0 1 2 3 4 5

0 10 20 30 40 50 60

1 本実験でのポテンシャルV(z)[8]

1

(2)

2 第一種エアリー関数Aiと第二種エアリー関数Bi[7]

u(x) = αAi(x) (7)

となる。さらに、今回、鏡はポテンシャル無限大としているので、z=0で波動関数が0にならなければならな い。z=0は、上の定義より、x = −21/3εの時である。したがって、境界条件として、

u(−21/3ε) = αAi(−21/3ε) = 0 (8)

が課され、第一種エアリー関数の零点によりエネルギ準位ε =が離散化される。第一種エアリー関数Ai(w) の零点は低い方からw0=-2.338、-4.088、-5.521、-6.787、-7.944である。これから、

E = E0ε =h

2mg2)1/3

21/3 × w0 (9)

となる、したがって、離散化された高さは、

z = E mg =

( ¯h2 2m2g

)1/3

× w0= z0× w

0

21/3 (10)

となる。中性子の重さはm = 1.68 × 10−27であるので、z0=(¯h2/m2g)1/3 = 7.40µm。したがって、予想さ れる高さは、

z = 14µm、24µm、32µm、 (11)

である。

2 応用

• ポジトロニウムで重力の束縛状態を見る [5]

ポジトロニウムは電子と陽電子の束縛状態であり、中性である。式(10)より、離散化される高さzの m依存性は、m−2/3である。したがって、中性子の質量mn = 940MeV、ポジトロニウムの質量が

Mp = 2me = 1.02MeVであることを考慮すると、ポジトロニウムが離散化される高さは中性子が離

2

(3)

lon me re tum 0.0 co th 10–3

10–2 10–1

0 10 20 30 40

GAP HEIGHT ( m)m

NEUTRONFLUX(counts/s)

F

µ ⅿ)

3 予想結果[4]青線は古典力学による予想。赤線は量子力学による予想。黒い横線は検出器のバックグラウンド。

散化される高さの約(1000)2/3 = 100倍となる。したがって、ポジトロニウムが離散化される高さは zp∼ 1mmとなる。

ニュートリノだと? 

最も軽いと予想される素粒子は電子ニュートリノであり、その上限はmν < 2.5eVである。したがっ て、少なくとも中性子より10−9 倍軽い。このため、離散化される高さは、zν ∼ zn × (109)2/3 =

1µm × 106= 1mとなる。逆にこの高さを測定することが出来ればニュートリノの質量を決定すること

が出来るかもしれない。

参考文献

[1] V. V. Neavizhevsky, H. G. Borner, A.K. Petrov, H. Abele, S. Baessler, G. Divkovic, F. J. Ruess, Th. Stoferle, A. Westphal, A. V. Strelkov, K.V. Protasov, A.Yu. Voronin, Phys. Rev. D 67, 102002-1 (2003)

[2] V.V.Nesvizhevsky他Nuclere Instruments and Methods in Physics Reserch A 440 (2000) 754-759 [3] V.V.Nesvizhevsky他Eur. Phys. J. C 40 479-491 (2005)

[4] Betram Schwarzschild Physics Today 55(3), 20 (2002)

[5] P.Crivelli, V.V. Nesvizhevsky, and A. Yu. Voronin Can We Observe the Gravitational Quantum States of Positoronium? Advances in High Energy Physics Article ID 173572.7 (2015)

[6] J. J. Sakurai (2014)『第2版 現代の量子力学 上』 吉岡書店 [7] https://ja.wikipedia.org /wiki/

[8] http://www.jahep.org/hepnews/2013/13-2-5-UCN.pdf

3

図 2 第一種エアリー関数 Ai と第二種エアリー関数 Bi[7] u(x) = αAi(x) (7) となる。さらに、今回、鏡はポテンシャル無限大としているので、 z=0 で波動関数が 0 にならなければならな い。 z=0 は、上の定義より、 x = −2 1 /3 ε の時である。したがって、境界条件として、 u(−2 1 /3 ε) = αAi(−2 1 /3 ε) = 0 (8) が課され、第一種エアリー関数の零点によりエネルギ準位 ε = が離散化される。第一種エアリー関数 Ai(w) の零点は

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