誠 実・真 な取り組み
明治グループCSR報告書2017は、社会から信頼し続けられる 企業となるために、さまざまな課題に誠実かつ真 に取り組んでき たことが伝わる報告書となっています。特に、幅広い取り組みの中 で、以下の点は優れている点だと考えます。
企業行動憲章をはじめ、人権方針、調達方針など、方針づくりを 一つ一つ着実に進めてきたこと。
品質マネジメント、環境マネジメント、リスクマネジメントなど、土 台となるマネジメントにしっかりと取り組んでいること。 特集1,2にあるように、医療・衛生習慣問題、牛の健康管理など
のテーマに、グループ横断でのシナジー効果発揮を意識して取 り組んでいること。
男性の育児休業、ボランティア休業などは、毎年取得実績を残し 制度が活用されていること。
持続可能なカカオ豆生産のWCFへの加盟(2006年)、パーム油 調達のRSPOへの加盟(2016年)など、グローバルなイニシアチ ブに参加して持続可能な調達に取り組んでいること。 ドラベ症候群治療薬や特殊ミルクなど、難病患者に光を当てた
商品の供給で実績をあげ社会に貢献していること。
未 来 起 点でマテリアリティ特 定 の 検 討を
一方で、そうした実績ある取り組みを土台に、今後グループとして どう発展させどんなインパクトを社会にもたらすのか、また、社会課 題をどうとらえその解決をどう企業価値向上につなげるのかなど、未 来に向けた方向性をより鮮明にしていくべきではないかと考えます。 現在、マテリアリティ特定の作業に入っているとのことですが、こ れまでの実績や現時点での重要課題を再確認することに終わらず、 明治グループ2026ビジョンにあるように、世界が直面する課題解 決への貢献を通じて企業価値を向上するという視点から、マテリア リティ特定を行っていただきたいと思います。そのためには、 SDGsへの対応として企業に推奨されているアウトサイド・インの アプローチ、すなわちグローバル課題や外部環境を起点として、長 期的視点で自社は何をすべきか検討することが有効と考えます。
今 後 注 力していただきたい 点
環境については、マネジメント体制やGHG削減実績などの情報 公開だけに終わらず、世界が目指している脱炭素社会をにらんだ 長期目標を掲げて取り組むこと。
人権については、企業に求められている人権侵害未然防止のため の仕組みづくり、デューディリジェンス導入に取り組むこと。特に アジアへの事業拡大を目指している貴社にとって重要な点です。 CSR調達は、第一段階として行う国内第一次取引先の調査・確認
に加えて、今年発行されたISO20400(持続可能な調達規格)も 活用しつつ、海外展開に取り組むこと。
全社員数における海外比率はすでに26%に達していることから、 グローバルな人材育成は「日本人社員のグローバル化」だけでな く、世界の全従業員に共通の人材育成課題として取り組むこと。 薬剤耐性菌問題は先のG20 首脳宣言にも取り入れられるなど、 世界的に大きな課題になっています。1社だけの取り組みでは解 決できないと思いますが、関連ステークホルダーと協働して解決 にあたってほしいと思います。
今 後 の 取り組みの 視 点として
途上国での事業展開においては、人権侵害の未然防止だけにと どまらず、より積極的に人権を増進し途上国の課題解決に資す る、戦略的なインクルーシブ・ビジネスの視点を持っておくとよい と考えます。病気の予防と衛生環境向上のため、うがい・手洗い 習慣は海外でも普及したらよいのではないでしょうか。 持続可能な消費の推進に向けて、消費者へのさらなる積極的な
働きかけも期待します。例えば、食品ロス削減への取り組みとそ の情報開示を通じて、また宅配リターナルビンの軽量化・強度向 上など、地道な良い取り組みをもっと消費者に伝えることを通じ て、消費者とのエンゲージメント強化を望みます。
貴社はさまざまな業界団体で、会長・副会長など重要な役割を 担っておられます。そのポジションをいかして、業界全体での取り 組みにしていくなどの形で、強いリーダーシップを発揮されるこ とを期待します。
この度は、当社グループのCSR活動に対して貴重なご意見やご 指摘を数多くいただき、誠にありがとうございました。
これまでの当社グループは、CSR活動を推進するための基盤や 体制の整備にも意を用いながら幅広く取り組みを進めてまいりまし た。しかしながら、今回ご指摘いただいたように長期的視点からの アプローチやグローバルな取り組みは、必ずしも十分ではなかった
と反省しています。そこで、今回ご提言いただいた内容は、現在鋭 意作業を進めている「明治グループCSR長期ビジョン」の中で、数 値目標や時間軸なども意識しながら具体的なアクションプランを検 討してまいります。
これからも、着実に社会課題の解決に取り組むことでステークホ ルダーの期待に応え、企業価値の向上を目指してまいります。
ISO26000策定時、日本産業界代表として参画したほか、環境やCSRに関する内閣府、環境省、経済産業省、文部科学省などの 委員会に参加。現在、経団連CBCC企画部会長、経団連企業行動憲章改定タスクフォース座長などを務める。
明治ホールディングス株式会社 取締役執行役員 IR広報部長
関 正雄 氏
古田 純
第三者意見を受けて
第 三 者 意 見
損害保険ジャパン日本興亜株式会社 CSR室 シニア・アドバイザー