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PDF バルトレックス 製品基本情報|HealthGSKjp

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(1)

【禁 忌】 (次の患者には投与しないこと)

本剤の成分あるいはアシクロビルに対し過敏症の既往歴

のある患者

【組成・性状】

1.組成

成分 ・ 含量 1 錠中に日局バラシクロビル塩酸塩556mg

(バラシクロビルとして500mg)

添 加 物

結晶セルロース、クロスポビドン、ポビドン、 ステアリン酸マグネシウム、軽質無水ケイ酸、 ヒプロメロース、酸化チタン、マクロゴール 400、ポリソルベート80、カルナウバロウ

2.性状

白色∼微黄白色のフィルムコート錠である。

販 売 名 識別コード 表 裏 側 面 質 量

バルトレックス

錠500 GX CF1 長径:18.5mm

短径: 7.3mm 厚さ:6.1mm 700mg

【効能・効果】

単純疱疹

造血幹細胞移植における単純ヘルペスウイルス感染症(単純

疱疹)の発症抑制

帯状疱疹

水痘

性器ヘルペスの再発抑制

効能・効果に関連する使用上の注意

性器ヘルペスの再発抑制に対する本剤の投与により、

セックスパートナーへの感染を抑制することが認められ

ている(「臨床成績」の項参照)。ただし、本剤投与中もセ

ックスパートナーへの感染リスクがあるため、コンドー

ムの使用等が推奨される。

【用法・用量】

[成人]

単純疱疹:

通常、成人にはバラシクロビルとして 1 回500mgを 1 日

2 回経口投与する。

造血幹細胞移植における単純ヘルペスウイルス感染症(単純

疱疹)の発症抑制:

通常、成人にはバラシクロビルとして 1 回500mgを 1 日

2 回造血幹細胞移植施行 7 日前より施行後35日まで経口

投与する。

帯状疱疹:

通常、成人にはバラシクロビルとして 1 回1000mgを 1 日

3 回経口投与する。

水痘:

通常、成人にはバラシクロビルとして 1 回1000mgを 1 日

3 回経口投与する。

性器ヘルペスの再発抑制:

通常、成人にはバラシクロビルとして 1 回500mgを 1 日

1 回経口投与する。なお、HIV感染症の患者 (CD4リンパ球

数100/mm

3

以上)にはバラシクロビルとして 1 回500mgを

1 日 2 回経口投与する。

[小児]

単純疱疹:

通常、体重40kg以上の小児にはバラシクロビルとして 1

回500mgを 1 日 2 回経口投与する。

造血幹細胞移植における単純ヘルペスウイルス感染症(単純

疱疹)の発症抑制:

通常、体重40kg以上の小児にはバラシクロビルとして 1

回500mgを 1 日 2 回造血幹細胞移植施行 7 日前より施行

後35日まで経口投与する。

帯状疱疹:

通常、体重40kg以上の小児にはバラシクロビルとして 1

回1000mgを 1 日 3 回経口投与する。

水痘:

通常、体重40kg以上の小児にはバラシクロビルとして 1

回1000mgを 1 日 3 回経口投与する。

性器ヘルペスの再発抑制:

通常、体重40kg以上の小児にはバラシクロビルとして 1

回500mgを 1 日 1 回経口投与する。なお、HIV感染症の患

者(CD4リンパ球数100/mm

3

以上)にはバラシクロビルと

して 1 回500mgを 1 日 2 回経口投与する。

用法・用量に関連する使用上の注意

(1) 免疫正常患者において、性器ヘルペスの再発抑制

に本剤を使用している際に再発が認められた場合

には、 1 回500mg 1 日 1 回投与(性器ヘルペスの再

発抑制に対する用法・用量)から 1 回500mg 1 日 2

回投与(単純疱疹の治療に対する用法・用量)に変

更すること。治癒後は必要に応じ 1 回500mg 1 日 1

回投与(性器ヘルペスの再発抑制に対する用法・用

量)の再開を考慮すること。また、再発抑制に対し

て本剤を投与しているにもかかわらず頻回に再発を

繰り返すような患者に対しては、症状に応じて 1 回

250mg 1 日 2 回 又 は 1 回1000mg 1 日 1 回 投 与 に 変

更することを考慮すること(「臨床成績」の項参照)。

(2) 腎障害のある患者又は腎機能の低下している患者、

高齢者では、精神神経系の副作用があらわれやすい

ので、投与間隔を延長するなど注意すること。なお、

本剤の投与量及び投与間隔の目安は下表のとおり

である。また、血液透析を受けている患者に対して

は、患者の腎機能、体重又は臨床症状に応じ、クレ

アチニンクリアランス10mL/min未満の目安よりさ

らに減量(250mgを24時間毎 等)することを考慮す

ること。また、血液透析日には透析後に投与するこ

と。なお、腎障害を有する小児患者における本剤

の投与量、投与間隔調節の目安は確立していない。

(「慎重投与」、「重要な基本的注意」、「高齢者への

投与」、「過量投与」及び「薬物動態」の項参照)

2017年12月改訂(第15版)(  :改訂箇所) 2017年 5 月改訂(第14版)

※※

規制区分:

処方箋医薬品

(注意−医師等の処方箋

により使用すること)

貯 法:室温保存

使用期限:包装に表示

日本標準商品分類番号 8 7 6 2 5

承認番号 21200AMY00148 薬価収載 2000年 8 月 販売開始 2000年10月 再審査結果 2012年12月 効能追加 2014年11月 国際誕生 1994年12月

抗ウイルス化学療法剤

※日本薬局方

※ バラシクロビル塩酸塩錠

(2)

クレアチニンクリアランス(mL/min)

≧50 30∼49 10∼29 <10 単純疱疹

/造 血 幹 細胞移植 における 単純ヘル ペスウイ ルス感染 症( 単 純 疱 疹 )の 発症抑制

500mgを12 時間毎

500mgを12 時間毎

500mgを24 時間毎

500mgを24 時間毎

帯状疱疹 /水痘

1000mgを 8 時間毎

1000mgを 12時間毎

1000mgを 24時間毎

500mgを24 時間毎

性器ヘル ペスの再 発抑制

500mgを24 時間毎 なお、HIV 感 染 症 の 患者(CD4 リ ン パ 球 数100/mm3 以上)には、 500mgを12 時間毎

500mgを24 時間毎 なお、HIV 感 染 症 の 患者(CD4 リ ン パ 球 数100/mm3 以上)には、 500mgを12 時間毎

250mgを24 時間毎 なお、HIV 感 染 症 の 患者(CD4 リ ン パ 球 数100/mm3 以上)には、 500mgを24 時間毎

250mgを24 時間毎 なお、HIV 感 染 症 の 患者(CD4 リ ン パ 球 数100/mm3 以上)には、 500mgを24 時間毎

肝障害のある患者でもバラシクロビルは十分にアシ

クロビルに変換される ( 「薬物動態」 の項参照) 。なお、

肝障害のある患者での臨床使用経験は限られている。

【使用上の注意】

1.慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)

(1) 腎障害のある患者[精神神経症状等があらわれやす

い。(「用法・用量に関連する使用上の注意」、「重要

な基本的注意」及び「薬物動態」の項参照)]

(2) 高齢者[精神神経症状等があらわれやすい。(「用法・

用量に関連する使用上の注意」、 「重要な基本的注意」、

「高齢者への投与」及び「薬物動態」の項参照)]

2.重要な基本的注意

(1) 各効能・効果に対し設定された用法・用量で投与し

た場合、本剤投与時のアシクロビル曝露は、アシク

ロビル経口製剤投与時よりも高いことから、副作用

の発現に留意すること(「重要な基本的注意(7)」及び

「薬物動態」の項参照)。

(2) 本剤の投与は、発病初期に近いほど効果が期待でき

るので、早期に投与を開始すること。なお、目安と

して、帯状疱疹の治療においては皮疹出現後 5 日以

内に、また、水痘の治療においては皮疹出現後 2 日

以内に投与を開始することが望ましい

1)

(3) 単純疱疹の治療においては、本剤を 5 日間使用し、

改善の兆しが見られないか、あるいは悪化する場合

には、他の治療に切り替えること。ただし、初発型

性器ヘルペスは重症化する場合があるため、本剤を

10日間まで使用可能とする。

(4) 成人の水痘の治療においては本剤を 5 ∼ 7 日間、小

児の水痘の治療においては本剤を 5 日間使用し、改

善の兆しが見られないか、あるいは悪化する場合に

は、他の治療に切り替えること。

(5) 帯状疱疹の治療においては、本剤を 7 日間使用し、

改善の兆しが見られないか、あるいは悪化する場合

には、他の治療に切り替えること。

(6) 本剤による性器ヘルペスの再発抑制療法は、性器ヘ

ルペスの発症を繰り返す患者(免疫正常患者において

は、おおむね年 6 回以上の頻度で再発する者)に対し

て行うこと(「臨床成績」の項参照)。また、本剤を 1

年間投与後、投与継続の必要性について検討するこ

とが推奨される。

(7) 本剤の活性代謝物であるアシクロビルの曝露量が増

加した場合には、精神神経症状や腎機能障害が発現

する危険性が高い。腎障害のある患者又は腎機能が

低下している患者、高齢者においては、本剤の投与

間隔及び投与量を調節し、患者の状態を観察しなが

ら慎重に投与すること。なお、一般に精神神経症状

は本剤の投与中止により回復する。(「用法・用量に

関連する使用上の注意」及び「過量投与」の項参照)

(8) 腎障害のある患者又は腎機能が低下している患者、

高齢者、水痘患者等の脱水症状をおこしやすいと考

えられる患者では、本剤の投与中は適切な水分補給

を行うこと(「高齢者への投与」の項参照)。

(9) 水痘の治療において、悪性腫瘍、自己免疫性疾患な

どの免疫機能の低下した患者に対する有効性及び安

全性は確立していない(使用経験がない)。

(10) 水痘の治療における本剤の使用経験は少ないため、

本剤を水痘の治療に用いる場合には、治療上の有益

性と危険性を勘案して投与すること。

(11) 意識障害等があらわれることがあるので、自動車の運

転等、危険を伴う機械の操作に従事する際には注意

するよう患者に十分に説明すること。なお、腎機能障

害患者では、特に意識障害等があらわれやすいので、

患者の状態によっては従事させないよう注意するこ

と (「用法・用量に関連する使用上の注意」 の項参照) 。

3.相互作用

併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子 プロベネシ

本剤の活性代謝物のア シクロビルの排泄が抑 制 さ れ、 ア シ ク ロ ビ ル の平均血漿中濃度曲線 下面積(AUC)が48%増加 するとの報告がある2)注)

プロベネシドは尿細管 分泌に関わるOAT1及び MATE1を阻害するため、 活性代謝物のアシクロ ビルの腎排泄が抑制さ れると考えられる(「薬 物動態」の項参照)。 シメチジン 本剤の活性代謝物のア

シクロビルの排泄が抑 制 さ れ、 ア シ ク ロ ビ ル のAUCが27%増加すると の報告がある2)注)

シメチジンは尿細管分 泌に関わるOAT1、MATE1 及びMATE2-Kを阻害する ため、活性代謝物のア シクロビルの腎排泄が 抑制されると考えられる

(「薬物動態」の項参照)。 ミコフェノ

ー ル 酸  モ フェチル

本剤の活性代謝物のア シクロビルとの併用に よ り、 ア シ ク ロ ビ ル 及 び ミ コ フ ェ ノ ー ル 酸  モフェチル代謝物の排 泄 が 抑 制 さ れ、 両 方 の AUCが増加するとの報告 がある3)注)

活性代謝物のアシクロ ビルとミコフェノール 酸 モフェチル代謝物 が尿細管分泌で競合す ると考えられる。

テオフィリ ン

本剤の活性代謝物のア シクロビルとの併用に よ り、 テ オ フ ィ リ ン の 中毒症状があらわれる ことがある4)

機序は不明であるが、 本剤の活性代謝物のア シクロビルがテオフィ リンの代謝を阻害する ためテオフィリンの血 中濃度が上昇すること が考えられる。 注) 特に腎機能低下の可能性がある患者(高齢者等)には慎重

に投与すること。

4.副作用

成人:

単純疱疹を対象とした臨床試験において、総症例397例

中、64例(16.1%)に臨床検査値異常を含む副作用が報

告されている。その主なものは、頭痛11例(2.8%)、眠

気等の意識低下10例(2.5%)、肝機能検査値の上昇 5 例

(1.3%)であった。(承認時)

造血幹細胞移植患者を対象とした臨床試験において、

総症例21例中、臨床検査値異常を含む副作用はみられ

なかった。(承認時)

帯状疱疹を対象とした臨床試験において、総症例345例

中、74例(21.4%)に臨床検査値異常を含む副作用が報

告されている。その主なものは、肝機能検査値の上昇

20例 (5.8%)、BUN上昇、クレアチニン上昇等の腎障害

11例 (3.2%)、腹痛 6 例(1.7%)であった。(承認時)

性器ヘルペスの再発抑制を目的とした海外臨床試験に

おいて、総症例1646例中、481例(29.2%)に臨床検査値

異常を含む副作用が報告されている。その主なものは、

頭痛158例(9.6%)、嘔気106例(6.4%)、下痢62例(3.8%)、

腹痛43例(2.6%)であった。(承認時)

(「臨床成績」の項参照)

(3)

単純疱疹・帯状疱疹を対象とした使用成績調査4286例

中、48例(1.1%)に臨床検査値異常を含む副作用が報告

された。その主なものは、腹部不快感 8 例(0.2%)、頭

痛 6 例(0.1%)であった。また、帯状疱疹を対象とした

特定使用成績調査(帯状疱疹患者における疼痛の検討)

369例中、12例 (3.3%)に臨床検査値異常を含む副作用が

報告された。その主なものは、嘔気、嘔吐、頭痛、傾

眠の各 2 例(0.5%)であった。(再審査終了時)

水痘を対象とした調査において、61例中 1 例(1.6%)に

肝障害が報告された。(第 7 回安全性定期報告時)

再発型性器ヘルペスに対する長期調査において、368例

中12例(3.3%)に副作用が報告された。その主なものは、

上腹部痛、肝機能異常各 2 例(0.5%)等であった。(第

7 回安全性定期報告時)

小児:

造血幹細胞移植患者を対象とした臨床試験において、

総症例19例中、臨床検査値異常を含む副作用はみられ

なかった。(承認時)

水痘を対象とした臨床試験において、総症例43例中、

2 例 (4.7%)に臨床検査値異常を含む副作用が報告され

ている。その内訳は、肝機能検査値の上昇、便秘各 1

例(2.3%)であった。(顆粒剤承認時)

(「臨床成績」の項参照)

水痘を対象とした特定使用成績調査369例中、 3 例 (0.8%)

に副作用が報告された。その内訳は、蕁麻疹 2 例 (0.5%) 、

下痢 1 例 (0.3%) であった。 (再審査終了時)

(1) 重大な副作用

次のような症状がまれにあらわれることがあるの

で、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、

投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

①アナフィラキシーショック、アナフィラキシー(呼

吸困難、血管浮腫等) (いずれも頻度不明

注1)

②汎血球減少(0.13%)、無顆粒球症(0.03%)、血小板

減少(0.05%)、播種性血管内凝固症候群(DIC)、血

小板減少性紫斑病(いずれも頻度不明

注1)

③急性腎不全(0.02%)

④精神神経症状:意識障害(昏睡)、せん妄、妄想、

幻覚、錯乱、痙攣、てんかん発作、麻痺、脳症等

(0.24%)

⑤中毒性表皮壊死融解症 (Toxic Epidermal Necrolysis:

TEN) 、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)

(いずれも頻度不明

注1)

⑥呼吸抑制、無呼吸(いずれも頻度不明

注1)

⑦間質性肺炎(頻度不明

注1)

⑧肝炎(頻度不明

注1)

)、肝機能障害(0.05%)、黄疸(頻

度不明

注1)

⑨急性膵炎(頻度不明

注1)

(2) その他の副作用

次のような症状があらわれることがあるので、異常

が認められた場合には、減量又は投与を中止するな

ど適切な処置を行うこと。

0.5%以上 0.5%未満 頻度不明注1)

過 敏 症注2) 発疹、蕁麻疹、

瘙痒 光線過敏症

肝 臓 肝機能検査値の上昇

消 化 器

嘔気、嘔吐、腹 部不快感、下痢、 腹痛

精神神経系 めまい、頭痛、意識低下

腎臓・泌尿器 腎障害、排尿困 尿閉

注1) 自発報告又は海外のみで認められている副作用につ いては頻度不明とした。

注2) このような場合には投与を中止すること。

5.高齢者への投与

本剤は、活性代謝物のアシクロビルに変換された後、

主として腎臓から排泄されるが、高齢者では腎機能が

低下していることが多いため高いアシクロビルの血中

濃度が持続するおそれがあるので、投与間隔を調節し、

患者の状態を観察しながら、慎重に投与すること(「用

法・用量に関連する使用上の注意」、「重要な基本的注

意」及び「薬物動態」の項参照)。また、本剤の投与中は

適切な水分補給を行うこと。

6.妊婦、産婦、授乳婦等への投与

(1) 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療

上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にの

み投与すること。

[活性代謝物のアシクロビルにおいて、動物実験(ラ

ット)の妊娠10日目に、母動物に腎障害のあらわれる

大量(200mg/kg/day以上)を皮下投与した実験では、

胎児に頭部及び尾の異常が認められたと報告されて

いる

5)

。]

(2) 本剤による性器ヘルペス再発抑制療法中に妊娠し、

その後も本療法を続けた場合の安全性は確立してい

ない。

(3) 授乳婦への投与は慎重に行うこと。[本剤投与後、活

性代謝物のアシクロビルがヒト乳汁中へ移行するこ

とが報告されている(「薬物動態」の項参照)。]

7.小児等への投与

低出生体重児、新生児又は乳児に対する安全性は確立

していない(低出生体重児、新生児に対しては使用経験

がなく、乳児に対しては使用経験が少ない)。[動物実

験(ラット)でバラシクロビルを経口投与したときの活

性代謝物であるアシクロビルの曝露量は、成熟動物に

比べて幼若動物で大きいことが報告されている。]

8.過量投与

徴候、症状:本剤の過量投与により、急性腎不全、精

神神経症状(錯乱、幻覚、激越、意識低下、昏睡等)が

報告されており、嘔気・嘔吐が発現する可能性も考え

られる。

なお、これら報告例には、適切な減量投与が行われな

かったために過量投与の状態となった腎障害患者又は

高齢者における例が多く含まれていた。

処 置: 毒性の発現を注意深く観察すること。血

液透析により、アシクロビルを血中より除去すること

ができるので、過量投与により症状が発現した場合は、

処置の一つとして血液透析を考慮すること(「薬物動

態」の項参照)。

9.適用上の注意

(1) 服用時:

1) 本剤は主薬の苦みを防ぐため、コーティングを施し

ているので、錠剤をつぶすことなく服用させること。

2) 本剤を飲みにくい場合には多めの水で 1 錠ずつ、服

用させること。

(2) 薬剤交付時:

PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用する

ように指導すること。(PTPシートの誤飲により、硬

い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこし

て縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告

されている)

10.その他の注意

(1) 海外において、本剤の高用量( 8 g/日)を用い、重度

の免疫不全患者(特に進行性HIV感染症患者)における

CMV感染症予防に対する臨床試験が実施されている。

この試験において、本剤が長期間にわたり投与され

た患者で、腎不全、微小血管溶血性貧血及び血小板

減少(ときに併発)の発現が認められている。また、

これらの症状は本剤の投与を受けていない同じ基礎

疾患、合併症等を有する患者においても発現が認め

られている。

(2) Ames試験及びラット骨髄細胞染色体異常試験では陰

性であったが、マウス骨髄小核試験では、高用量(経

口投与、500mg/kg、アシクロビルのヒト血漿中濃度

の26∼51倍相当)において小核出現頻度の軽度増加

を認めた。また、マウスリンフォーマ細胞を用いた

遺伝子突然変異試験では、代謝活性化系の存在下で

1000μg/mL以上の濃度において弱い遺伝毒性 (変異コ

ロニー頻度の増加)を示した。

(4)

【薬 物 動 態】

バラシクロビルはアシクロビルのL-バリルエステルであり、経口 投与後、主に肝初回通過効果によりアシクロビルに加水分解され、 アシクロビルとして抗ウイルス作用を発現する。プロドラッグ化 により経口吸収性が改善され、アシクロビル経口製剤より高いAUC が得られる。なお、バラシクロビルの消化管吸収にはペプチドト ランスポーター(PEPT1)の関与が示唆されている。

1.吸収

(1) 血漿中濃度6)

6 例 の 健 康 成 人 に バ ラ シ ク ロ ビ ル500mg又 は1000mgを 単 回経口投与した場合、その活性代謝物であるアシクロビル に主に肝臓において速やかに代謝され、血漿中アシクロビ ル濃度推移及び薬物動態パラメータは下記の通りであっ た。また、バラシクロビル500mgを 1 日 2 回(12時間毎)又 は1000mgを 1 日 3 回( 8 時間毎)6 日間反復経口投与した場 合、数回の投与で血漿中アシクロビル濃度は定常状態に達 し、トラフ濃度の平均はそれぞれ0.22∼0.29μg/mL及び0.94

∼1.18μg/mLであり蓄積性は認められなかった。

図 健康成人にバラシクロビル500mg又は1000mgを単回経 口投与した場合の血漿中濃度

投与量 例数

単回経口投与時の薬物動態パラメータ

(平均値±標準偏差) Cmax

(μg/mL) Tmax

(hr)

AUC0-∞

(μg・hr/mL) t1/2

(hr) 500mg 6 3.66±0.83 1.50±0.63 12.74±2.77 2.96±0.41 1000mg 6 5.84±1.08 2.17±0.61 22.26±5.73 3.55±0.27

(2) バイオアベイラビリティー(外国人における成績)7) 健康成人にバラシクロビル1000mgを単回経口投与した場合 のアシクロビルの生物学的利用率は54.2%であった。

(3) 食事の影響(外国人における成績)8)

食事により血漿中アシクロビルの最高血漿中濃度到達時間 は僅かに遅延したが、AUCに有意な差を認めなかった。

(4) 吸収過程における相互作用(in situでの成績)9)

バラシクロビルの吸収過程にはPEPT1の関与が報告されてい る。

ラット小腸にバラシクロビル0.01mMを含む緩衝液を灌流し たとき、バラシクロビルの小腸透過係数はPEPT1の基質とし て知られるβ-ラクタム系抗生物質(アモキシシリン、アンピ シリン、セファドロキシル、セファラジン;各々5mM)の高 濃度の共存下で有意に低下した。

ヒトにこれらの薬剤の臨床用量を併用投与したときの相互 作用は不明である。

2.代謝・排泄6),10)∼14)

6 例の健康成人にバラシクロビル1000mgを単回経口投与した 場合、主な排泄経路は尿中であり、24時間以内の尿中に未変 化体、アシクロビル及び9-カルボキシメトキシメチルグアニ ン(既知のアシクロビルの代謝物)がそれぞれ投与量の0.4%、 43.1%及び5.0%排泄された。

ラットにおいて、バラシクロビルの加水分解活性は肝、腎、 胃及び小腸粘膜に認められ、特に肝で高い活性を示した。ヒ ト肝においても高い加水分解活性が認められた。

In vitroにおいて、本剤の活性代謝物であるアシクロビルは、 OAT1又はOAT2、MATE1及びMATE2-Kの基質であった。

3.その他

(1) 血漿蛋白結合率(in vitro)15)

バラシクロビル:13.5∼17.9%、アシクロビル(活性代謝物): 22∼33%

(2) 乳汁移行(外国人における成績)16)

バラシクロビル500mg経口投与後、アシクロビルの乳汁中 Cmaxは、母体血清中Cmaxの0.5∼2.3倍(中央値:1.4)を示し、 アシクロビルの乳汁中AUCは、母体血清中AUCの1.4∼2.6倍

(中央値:2.2)を示した。 4.腎機能障害者における薬物動態17)

透析患者(クレアチニンクリアランス値 平均0.93mL/min)にバ ラシクロビル1000mgを単回経口投与した場合の薬物動態パラ メータは以下のとおりであった。また、 4 時間の透析により 血漿中のアシクロビルは約70%が除去された。(「用法・用量 に関連する使用上の注意」の項参照)

被験者 例数

単回経口投与時の薬物動態パラメータ

(平均値±標準偏差) Cmax

(μg/mL) Tmax注)

(hr) t1/2

(hr)

AUC0-∞

(μg・hr/mL) 腎機能障害

患者 18 10.60±4.22 2.00

(1.00-4.00)22.2±5.0 249.43±105.09 注) 中央値(範囲)

5.肝機能障害者における薬物動態(外国人における成績) 健康成人及び肝機能障害者にバラシクロビル1000mgを単回経 口投与した場合、アシクロビルの薬物動態パラメータに大き な違いは認められず、バラシクロビルは肝機能障害者におい ても十分にアシクロビルへ加水分解された。この結果から、 肝障害のある患者における用量調節は必要ないと考えられる。

被験者 例数 Cmax

(μg/mL) Tmax

(hr) t1/2

(hr) AUC0-∞

(μg・hr/mL) CL/F

(mL/min) 健康成人 12 4.79±1.24 1.50(0.50-2.50) 2.95±0.36 17.40±4.34 703±175 肝機能障害

(中度)

(重度・腹水なし)

(重度・腹水あり) 12

8 4

7.75±2.45* 5.21±1.32 4.23±2.21

1.01(0.75-2.50) 1.50(0.75-3.05) 1.50(1.00-2.00)

2.93±0.39 2.70±0.40 2.92±0.30

23.41±5.53* 22.31±11.56 19.42±6.99

518±117 628±254 683±336 平均値±標準偏差、†中央値、*健康成人に対して有意差有り

(p<0.05、分散分析)

6.高齢者における薬物動態(外国人における成績)18)

高齢者(平均72歳、クレアチニンクリアランス値 平均57mL/ min)にバラシクロビルを経口投与した場合、健康成人に比べ 血漿中アシクロビルのCmax及びAUCはそれぞれ15∼20%及び 30∼50%増加した。この変化は高齢者での加齢に伴う腎機能 低下によると考えられた。

7.小児等における薬物動態19)

小児水痘患者( 1 ∼ 9 歳)にバラシクロビル25mg/kg(顆粒剤50 mg/kg)を 1 日 3 回 5 日間反復経口投与した場合の初回投与時 の血漿中アシクロビル濃度推移及び薬物動態パラメータ、な らびに投与 5 日目の血漿中アシクロビル濃度は下記の通りで あった。投与 5 日目の血漿中アシクロビル濃度に反復投与に よる蓄積性は認められなかった。

図 小児水痘患者( 1 ∼ 9 歳)にバラシクロビル25mg/kgを 1 日 3 回 5 日間反復経口投与した場合の血漿中濃度

投与量

(mg/kg) 年齢

(歳)例数

初回投与時の薬物動態パラメータ Cmax

(μg/mL) Tmax

(hr)

AUC0-∞

(μg・hr/mL) t1/2

(hr) 25 1∼9 11 6.21±2.46 1.03

(1.00-4.08) 16.90±6.99 1.34±0.29 平均値±標準偏差、†中央値(最小値-最大値)、*AUC0-∞及び t1/2については、 9 例。

(5)

【臨 床 成 績】

1.単純疱疹

国内において実施された成人単純疱疹患者を対象とした本剤の 用量設定試験(計56施設、152例)及びアシクロビル対照二重盲検 比較試験(計59施設、300例)の結果は以下のとおりである20)21)

(1) 臨床効果

用量設定試験における有効率( 1 回500mg 1 日 2 回投与群)は 90.0%(36/40)、アシクロビル対照二重盲検比較試験(アシク ロビル投与群: 1 回200mg 1 日 5 回投与)における有効率は 95.9%(141/147)であった。

(2) 安全性

1) 用量設定試験において、本剤との関連性が疑われた副作用

(臨床検査値異常を含む)の発現状況は以下のとおりである。 安全性解析

対象症例数

発現症例数

(件) 主な種類(件)

131 21(27)

ALT(GPT)上昇(4)、頭痛(2)、眠気(2)、 白血球減少[血液](2)、好酸球増多(2)、 AST(GOT)上昇(2)、尿蛋白(2) 2) アシクロビル対照二重盲検比較試験において、本剤又はア

シクロビルとの関連性が疑われた副作用(臨床検査値異常を 含む)の発現状況は以下のとおりである。

安全性解析 対象症例数

発現症例数

(件) 主な種類(件)

本剤投与群 149 33(55)

眠気(7)、頭痛(6)、白血球増多

[尿中](5)、軟便(3)、血小板増 多(3)

アシクロビル

投与群 148 39(50)

白血球増多[尿中](4)、不快感

[胃](3)、下痢(3)、嘔気(3)、 カリウム上昇[血清](3)、頭痛

(3)

2.造血幹細胞移植における単純ヘルペスウイルス感染症(単純疱 疹)の発症抑制

国内において実施された成人及び小児造血幹細胞移植患者を 対象とした本剤の非対照非盲検試験(計11施設、40例)の結果

(臨床効果)は以下のとおりである(錠剤及び顆粒剤の成績)22)。 成人には本剤を 1 回500mg 1 日 2 回、小児には 1 回25mg/kg 1 日 2 回( 1 回最高用量は500mg)、造血幹細胞移植施行 7 日前よ り施行後35日までの計43日間投与することにより、投与期間 中の単純疱疹の発症を認めなかった。

3.帯状疱疹

国内において実施された皮疹出現後72時間以内の成人帯状疱 疹患者を対象とした本剤の用量設定試験(計56施設、183例)23)・ アシクロビル対照二重盲検比較試験(計58施設、202例)24)の結 果、及び帯状疱疹に伴う疼痛消失に関する試験成績は以下の とおりである(錠剤の成績)。

(1) 臨床効果

①有効率

用量設定試験における有効率( 1 回1000mg、1 日 3 回投与群) は89.1%(49/55)、アシクロビル対照二重盲検比較試験(アシ クロビル投与群: 1 回800mg 1 日 5 回投与)における有効率 は87.3%(89/102)であった。

②帯状疱疹に伴う疼痛消失

国内において実施された特定使用成績調査において、成人 帯状疱疹患者に本剤を投与(平均2944mg/日×7.2日)した316 例の帯状疱疹に伴う疼痛の消失推移を検討した。その結果、 疼痛消失までの日数(中央値)は35日であり、PHN(帯状疱疹 後神経痛、Post Herpetic Neuralgia)移行率(皮疹発現90日後の 疼痛残存率)は24.7%(78/316例)であった。

(参考)海外における臨床試験成績25)

無作為化二重盲検比較試験において、50歳以上の免疫機 能が正常な成人帯状疱疹患者を対象に、本剤1000mg 1 日 3 回 7 日間投与(384例)又は14日間投与(381例)、アシクロビ ル800mg 1 日 5 回 7 日間投与(376例)した 3 群間で帯状疱疹 に伴う疼痛の消失推移を比較した。その結果、本剤 7 日間 投与群及び14日間投与群はアシクロビル投与群に比べPHNを 含む帯状疱疹に伴う疼痛消失までの期間を有意に短縮した

(p=0.001及びp=0.03、Cox比例ハザードモデル)。また、疼痛 消失までの日数(中央値)は本剤 7 日間投与群で38日、本剤 14日間投与群で44日、アシクロビル 7 日間投与群で51日で あった。なお、本剤 7 日間投与群と14日間投与群の間には、 有意な差が認められなかった。

(2) 安全性

1) 用量設定試験において、本剤との関連性が疑われた副作用

(臨床検査値異常を含む)の発現状況は以下のとおりである。 安全性解析

対象症例数

発現症例数

(件) 主な種類(件)

172 35(54)

ALT(GPT)上昇(9)、AST(GOT)上昇(7)、 BUN上昇(4)、白血球増多[血液](3)、 食欲不振(2)、胃痛(2)、不快感[胃](2)、 単球減少(2)、総コレステロール減少

(2)

2) アシクロビル対照二重盲検比較試験において、本剤又はア シクロビルとの関連性が疑われた副作用(臨床検査値異常を 含む)の発現状況は以下のとおりである。

安全性解析 対象症例数

発現症例数

(件) 主な種類(件)

本剤投与群 102 26(39)

ALT(GPT)上昇(5)、BUN上昇(3)、 血清クレアチニン上昇(3)、 怠感(2)、腹痛(2)、不快感[胃]

(2)、 下 痢(2)、 尿 糖(2)、AST

(GOT)上昇(2)、急性腎不全(1) アシクロビル

投与群 98 22(32)

怠 感(2)、 腹 部 膨 満 感(2)、 ALT(GPT)上昇(2)、尿蛋白(2)、 血小板増多(2)、BUN上昇(1) なお、単純疱疹を対象とした国内臨床試験総症例397例中 4 例 及び帯状疱疹を対象とした国内臨床試験総症例345例中11例に 腎機能に関する副作用が認められた。このうち、帯状疱疹を 対象とした 8 例は非ステロイド性消炎鎮痛剤、降圧剤、抗て んかん剤が併用されていた。よってこれらの薬剤と本剤を併 用する場合には、腎機能異常に注意すること。

4.水痘

国内において実施された小児水痘患者を対象とした本剤の非 対照非盲検試験(計10施設、43例)の結果は以下のとおりであ る(顆粒剤の成績)19)

(1) 臨床効果

小児水痘患者に本剤を 1 回25mg/kg 1 日 3 回、 5 日間投与す ることにより、前胸部の皮疹数は、顕著な増加を認めるこ となく、投与 2 日目以後は減少を続ける推移を示した。な お、本試験の結果とアシクロビルを 1 回20mg/kg 1 日 4 回、

5 日間投与した試験における前胸部の皮疹数の推移とを比 較した結果は以下のとおりである。

(6)

バラシクロビル試験

投与後日数 0 1 2 3 4 5 6

n 41 41 41 41 41 41 40

平均値 30.7 54.6 57.0 49.4 40.9 35.1 26.4 アシクロビル試験

投与後日数 0 1 2 3 4 5 6

n 51 22 28 38 27 25 19

平均値 45.5 38.1 48.1 51.5 36.7 25.3 18.2

(2) 安全性

本剤との関連性が疑われた副作用(臨床検査値異常を含む) の発現状況は以下のとおりである。

安全性解析 対象症例数

発現症例数

(件) 種類(件)

43 2(3) ALT増加(1)、AST増加(1)、便秘(1) 5.性器ヘルペスの再発抑制

海外において実施された、成人免疫正常患者を対象とした試 験及びHIVに重複感染し免疫不全状態にある成人患者を対象と した試験の結果は以下のとおりである26)∼29)

(1) 臨床効果

海外において実施された臨床試験における、性器ヘルペス の未再発率、プラセボ群又はアシクロビル投与群と比較し た再発リスク低下率は以下のとおりであった。

未再 発率

再発リスク低下率

(95%信頼区間)

免疫正常患者

用量設定試験(52週間投与) 年間 6 回以上

性器ヘルペス の再発を繰り 返す患者

本剤500mg 1 日 1 回

投与群(266例) 40% 71%注1)

(63∼78) プラセボ投与群

(134例) 5.4%

プラセボ対照二重盲検比較試験(16週間投与) 年間 8 回以上

性器ヘルペス の再発を繰り 返す患者

本剤500mg 1 日 1 回

投与群(288例) 69% 85%注1)

(79∼89) プラセボ投与群

(94例) 9.5%

HIV感染患者

用量設定試験(48週間投与)

1 年以内に性 器ヘルペスが 再発した患者

本剤500mg 1 日 2 回 投与群(355例) 82%

27%注2)

(-6∼50) ア シ ク ロ ビ ル 1 回

400mg 1 日 2 回 投 与 群(349例)

78%

プラセボ対照二重盲検比較試験( 6 ヵ月間投与) 年間 4 回以上

性器ヘルペス の再発を繰り 返す患者

本剤500mg 1 日 2 回

投与群(194例) 81% 80%注1)

(70∼87) プラセボ投与群

(99例) 37%

注1) プラセボ投与群との比較

注2) アシクロビル 1 回400mg 1 日 2 回投与群との比較 なお、年間 6 回以上性器ヘルペスの再発を繰り返す免疫正 常患者に対して、本剤1000mg 1 日 1 回投与(269例)又は本剤 250mg 1 日 2 回投与(274例)した場合の、52週間投与時の未 再発率は、それぞれ48%、51%であり、プラセボ群と比較 した再発リスク低下率(95%信頼区間)は、それぞれ78%(71

∼83)、79%(73∼84)であった。

(2) 安全性

海外において実施された臨床試験における、本剤との関連 性が疑われた副作用(臨床検査値異常を含む)の発現状況は 以下のとおりである。

安全性解 析対象症 例数

発現症 例数

(件)

主な種類

(例数)

免疫正常患者

用量設定試験(52週間投与)

年間 6 回以上 性器ヘルペス の再発を繰り 返す患者

本剤500mg 1 日 1 回投 与群

266 (178)88

頭痛(34)、嘔気

(20)、口内乾燥

(7)、下痢(7)、 腹痛(6)

本剤1000mg 1 日 1 回投 与群

269 96

(173)

頭痛(34)、嘔気

(22)、下痢(12)、 腹痛(11)、消化 不良(8)、浮動 性めまい(6) 本剤250mg

1 日 2 回投 与群

274 87

(173)

頭痛(31)、嘔気

(13)、下痢(9)、 無力症(8)、腹 痛(7) プラセボ対照二重盲検比較試験(16週間投与) 年間 8 回以上

性器ヘルペス の再発を繰り 返す患者

本剤500mg 1 日 1 回投 与群

288 66

(112)

頭痛(21)、嘔気

(16)、腹痛(7)、 下痢(6)

HIV感染患者

用量設定試験(48週間投与) 1 年以内に性

器ヘルペスが 再発した患者

本剤500mg 1 日 2 回投 与群

355 94

(191)

嘔気(24)、下痢

(22)、頭痛(19)、 発 疹(14)、 腹 痛(11)、嘔吐(8) プラセボ対照二重盲検比較試験( 6 ヵ月間投与)

年間 4 回以上 性器ヘルペス の再発を繰り 返す患者

本剤500mg 1 日 2 回投 与群

194 (-)23 (5)、嘔気(4)頭痛(9)、下痢

6.性器ヘルペスのセックスパートナーへの感染抑制

海外において実施された、性器ヘルペスの年間再発回数が 9 回以下の成人免疫正常患者を対象としたプラセボ対照無作為 化二重盲検比較試験(1484例)の結果は以下のとおりである30)

(1) 臨床効果

8 ヵ月投与時のセックスパートナーへのHSV-2による性器ヘ ルペス初感染発症率は、本剤 1 回500mg 1 日 1 回投与群で0.5

%(4/743例)、プラセボ投与群で2.2%(16/741例)であった。

(2) 安全性

本剤との因果関係が疑われた副作用(臨床検査値異常を含 む)の発現状況は以下のとおりである。

安全性解析 対象症例数

発現症例数

(件) 主な種類(例数)

519 63(118) 頭痛(30)、下痢(11)

【薬 効 薬 理】

本剤はアシクロビルのプロドラッグであり、投与後速やかにアシ クロビルに変換されて抗ウイルス作用を発現する。

1.抗ウイルス作用

(1) 単純ヘルペスウイルスに対する作用

バラシクロビルの活性代謝物であるアシクロビルは、単純 ヘルペスウイルス 1 型及び 2 型のin vitroにおける増殖を抑 制し、IC50はそれぞれ0.01∼1.25μg/mL及び0.01∼3.20μg/mL であった31),32)。また、単純ヘルペスウイルス 1 型を鼻面に接 種したマウスに、バラシクロビル 1 mg/mLを飲水に溶解し

4 日間投与すると、皮膚の病巣の悪化が抑制された。

(2) 水痘・帯状疱疹ウイルスに対する作用

バラシクロビルの活性代謝物であるアシクロビルは、水痘・ 帯状疱疹ウイルスのin vitroにおける増殖を抑制し、IC50は0.17

∼7.76μg/mLであった33)∼35)。また、サル水痘ウイルスを気道 に接種したサルにバラシクロビル200及び400mg/kg/日を 1 日 3 回に分割し連続10日間経口投与したところ、皮疹の発 現が抑制され、血中ウイルス価が減少した。

2.作用機序34),36)∼40)

バラシクロビルは投与後、速やかにアシクロビルに変換され る。アシクロビルは、単純ヘルペスウイルスあるいは水痘・ 帯状疱疹ウイルスが感染した細胞内に入ると、ウイルス性チ ミジンキナーゼにより一リン酸化された後、細胞性キナーゼ によりリン酸化され、アシクロビル三リン酸(ACV-TP)となる。 ACV-TPは正常基質であるdGTPと競合してウイルスDNAポリメ ラーゼによりウイルスDNAの3’末端に取り込まれると、ウイ

(7)

ルスDNA鎖の伸長を停止させ、ウイルスDNAの複製を阻害する。 アシクロビルリン酸化の第一段階である一リン酸化は感染細 胞内に存在するウイルス性チミジンキナーゼによるため、ウ イルス非感染細胞に対する障害性は低いものと考えられる。

【有効成分に関する理化学的知見】

一般名:バラシクロビル塩酸塩(Valaciclovir Hydrochloride) 化学名:2-[(2-Amino-1,6-dihydro-6-oxo-9H-purin-9-yl)methoxy]

ethyl L-valinate monohydrochloride 分子式:C13H20N6O4・HCl

分子量:360.80 構造式:

性 状:白色∼微黄白色の結晶性の粉末である。水に溶けやすく、 エタノール(99.5)に極めて溶けにくい。

0.05mol/L塩酸試液に溶ける。

【包 装】

42錠( 6 錠× 7 )PTP

【主 要 文 献】

1) Red Book, American Academy of Pediatrics

2) De Bony F, et al.:Antimicrob Agents Chemother, 46, 458-463

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20) 新村眞人ほか:臨床医薬, 18, 1131-1154(2002) 21) 川島 眞ほか:臨床医薬, 18, 1155-1175(2002) 22) 陶山和明ほか:臨床医薬, 30, 583-591(2014) 23) 新村眞人ほか:臨床医薬, 14, 2833-2866(1998) 24) 新村眞人ほか:臨床医薬, 14, 2867-2902(1998)

25) Beutner KR, et al.:Antimicrob Agents Chemother, 39, 1546-1553

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