行政視察等報告書
平成25年12月16日
長野市議会議長 高 野 正 晴 様
報告者氏名(代表)
議会運営委員会委員長 松 田 光 平 ㊞
このたび、行政視察をしましたので、その概要について下記のとおり報告いたします。
記
1 視察区分 議会運営委員会行政視察
2 視察者氏名 高野 正晴、近藤 満里、松田 光平、小林 秀子、佐藤久美子、塩入 学、 布目裕喜雄、西沢 利一、寺沢さゆり、野本 靖、中野 清史、岡田 荘史 3 随 行 者 書記 飯島 康明、書記 松倉 良幸
4 視察期間 平成25年11月12日(火)~ 11月14日(木) 5 視察先及び視察事項
視察先 視察日時 視察事項
横須賀市 13:00-15:00 ・インターネット中継(本会議・委員会)について
・議会報告会について
・議員研修会について
・予算決算常任委員会について
堺市 10:00-12:00 ・インターネット中継(本会議・委員会)について
・議会報告会について
・議員研修会について
・特別委員会からの提言書について
下関市 9:00-11:00 ・インターネット中継(本会議・委員会)について
・市民と議会のつどいについて
・委員会の活動方針について
6 調査概要
月 日 視察先 視察結果(参考になった事項、考察) 11 月
12 日
横須賀市 ◆予算決算委員会
長野市と同様に、これまで各常任委員会に分割付託で予算審議を行ってき たが、平成 21 年新市長の誕生により各委員会ごとの審査では予算の組み替 えなど対応の困難さや本議会の表決と異なる議決になる可能性も懸念され、 全議員が所属する予算決算常任委員会の設置が必要となった。
こ れま でと 大き く異 なる点は 常任 委員 会が 分科会 に変 更に なり 採決は分 科会では行わず、本会議で行うとのこと。
これにより、分割付託解消による円滑な議案審査。
同一議員が予算決算審査を行うことによるチェック機能の強化。 本会議での議案採決の時間減など挙げられる とのこと。 ただ、予算決算を徹底的に討議するため、委員会時間が長くなっているとの ことだが、分科会で審議されたことを会派内で再度検討でき、すべての議案 について全議員が採決に関われることは、市民への予算審議の過程など説明 もしやすく、評価できる。と感じた。
◆議会報告会
平成 23 年5月より、市民との意見交換の場を多様に設け、市民からの政 策提案の機会の拡大を図ることを目的に、年1回以上一回につき5か所で 実施、全議員がポスターやチラシの作成や掲示・配布を精力的に行っている。
これまで、予算を中心に議会報告会を開催。市民が集い安い日・時の設定 を行ってきた。3年続いているが参加者が明らかに減っているのが気がかり だ。特に女性・青年層の参加に課題がある。
また、参加者の固定化など課題も多いとのこと。議員の努力に反して市民 のニーズを摑む難しさを感じた。
◆議会のIT化
インターネット中継については、本議会が平成15 年から委員会が平成20 年から行われている。
委員会での発言者の方にカメラが向くなど画期的なものだが、議会事務局 の職員が書記と兼務し操作するとのこと。そのため、人的な経費は発生して いない。
これまでの公開の手順は、不適切な発言など訂正して議事録を作成していた 経過があるが、インターネットはいったん流れると発言の訂正は困難で、そ の対応の難しさを感じた。横須賀市では議員の意識改革につながっていると のこと。
情報の公開は必要だが、システムの導入、運用費用などに課題があるようだ。 パソコンを議員全員に配布し、研修を行い、ペーパレス化を図っているこ とは時代の要請であり、評価できる。グループウエアによる連絡などを行っ ており、長野市議会でも、取り組む必要性を感じる。
中学生向けのマンガやイラストを多用に使った「議会でゲンキ」という冊 子は議会の権限や市民との関係性など解り易くまとまっていてすばらしい。
月 日 視察先 視察結果(参考になった事項、考察) 11 月
13 日
堺市 ◆特別委員会の設置状況
特別委員会の課題として、調査審議し、政策を立案することを目指し、平 成23 年5 月の改選時から特別委員会の設置が行われている。
一年間で提言まで持って行くのは大変難しく、二年~数年間の特別委員会に していくことで、提言という形になっていくようだ。
長野市議会と異なり、議場においての報告はせず、市長へ送付ということ。 提言を市の政策に生かされているのか。検証が必要と感じた。
◆インターネット中継
平成16 年から中継開始 庁舎内のみ インターネット未接続 平成23 年 2 月より、生中継、録画中継を開始する。
本会議では、発言者にフルオートで画像が追尾するシステムを開発。 委員会は、発言者や答弁者の位置や動きが不規則なので、マニアル式のシス テムであり、パナソニックが設計、イギリス法廷でのシステムと同様とのこ と。
事務局職員が、委員会までに設定し、テロップなども、マニアルで切り替え て対応。理事者もすべてテロップを入れるので、事務局職員の負担が多いと 感じた。
インターネット中継は、市民アクセスの四倍が庁内職員のアクセスで、その ため、通信速度が落ちる可能性もあり、庁内ネットに接続することとした。
本会議場には 150 インチスクリーン 2 台(419,000 円/台 取り付け台併せて 70 万円)設置せれている。
不規則発言 や 修正に手間取るが市民も多くみているとのこと。
議場の中継は長野市議会でも行っているが、堺市の場合は通告制をとってい るとのこと。国会の予算審議を模しているようだが、中継については議場以 上に臨場感があり、市民の関心が高いと感じた。
◆議会報告会
平成 23 年から議場で議会報告会を開催。一部が報告会で二部が議員との 懇談会。
議場を使って報告会を開催している関係で、申込制となっている。また、議 員との懇談会は事前に質問内容を通告することになっている。
第三回の議会報告会を今週末予定。1 回、2 回の報告会は、議員が参加のお 願いに歩いたりしたそうだが、今回は広報のみで実施してみようとのこと。 年々参加者が減少していることが気がかりであり、マンネリ化や 参加者の 固定化 という問題がある。議会報告会を市民にとって魅力あるものにして いくため、検討していく必要があると感じた。
◆議員研修会
議会基本条例により、新任議員研修・議員聴講研修を実施。 議員聴講研修は、職員研修を議員が聴講。
情報を議員に流してもらえることで参加ができ、議員としてありがたい。長 野市でも可能なら取り入れられるのではないか。
月 日 視察先 視察結果(参考になった事項、考察) 11 月
14 日
下関市 ◆インターネット中継
1市4町が平成17 年合併。
旧下関市の議会改革の取り組みとして、すでに委員会のモニター放映、会議 録のインターネット上の公開、会派控室へパソコンの設置、本会議のインタ ーネット中継が行われていた。
委員会の同時中継は、音声の混信が起きる、との理由で1委員会室だけ行わ れている。委員会中継は、すべて事務局職員で行っている
議会改革の基本理念として、「お金をかけない」との趣旨のため 3人職員で 対応。開催日当日に配信できるように対応している。
基本的には、そのまま放送しているが、発言取り消しなどは、議長の応諾を 得て、カットするなどの加工をしている。便利な反面、問題が起きたときは 対応が大変とのこと。職員での対応に負担が大きいと感じた。
アクセス件数は、多く、当初は回線がパンクしてダウンしたり、フリーズを 起こした。最近はあまり集中することは少ないが、質問当日の夜や土日には 増えるとのこと。多くの職員や市民が視聴してくださっている。ニーズはあ ると感じた。
合併地域ではインターネットが使えない状況で地デジも入らない、難視聴地 域が二町ある、情報格差の問題は深刻と感じた。
◆市民と議会の集い
「議会報告会」という一方的に教えて上げるというスタンスではなく、情報 を共有するという意味合いで 「集い」としたが、これまで3回開催。 30 分ほどの報告をし、質問を多く受けることとしている
予算措置も行わず、 議員の労力だけで行っている。ただしポスターは外注。 また、私的な意見を入れないために、委員会で資料を作成するなど、開催に 向けて議員の努力は感じた。しかし、回を追うごとに参加者が減ってきてい ることが気がかりだ。曜日や時間などそれぞれ工夫しながら行っているよう で、効果としては、一定のものはあると感じるが、議会用語やお役所言葉な ど市民には理解しにくいとのアンケート結果。工夫が必要と感じた。 視察した市では、議員が相当努力していることが伺えた、ただ、参加者につ いては努力が報われるほどではないが、議会が主体者となって伝える努力を していることは評価に値すると感じた。
◆委員会の取り組むべき課題
下関市議会では年当初に委員会の課題を決め、それに基づき委員会審査を 行っている。が、長野市では課題を決めることはなく、議会ごとの対応。 市の課題を設定することで、積極的に取り組む姿勢が出来たとのこと。参考 になった。また、委員会が農協へ出向たり、連合自治会との懇談は 8 月に行 っているとのこと。当初は議会側の一方的な報告と、自治会側からの陳情だ けだったが、自治会側から事前に質問事項を受け付け、議会が答えるスタイ ル に変 更し てい ったが 、行 政へ の陳情 と議 会へ の要望 の区 別が でき ないた め、最近では単純な懇談となっている。とのこと。多くの市民の意見を聞い ていくという議会の姿勢が良いと感じた。長野市議会でも必要があれば出前 の委員会を行った経緯もある。参考になった。
月 日 視察先 視察結果(参考になった事項、考察) 全体総括 1.議会報告会
議 会報 告会 の取 り組 みは議会 ごと に試 行錯 誤が繰 り返され てい る状 況で あり、市民が参加しやすい報告会、市民が意見を言いやすい報告会、政策立 案につながる報告会、もう一度行きたくなる報告会というあり方に心を配る 必要があるのではないか
そうした市民ニーズから、報告よりも懇談という形で意見交換を重視する 取り組み、平日・休日など開催日に関する試行、開催回数、開催場所などに ついて、柔軟な思考と取り組みが求められる。
議 会報 告会 だか ら報 告が 主と いう固定 的な 考えか ら脱 却す る必 要が ある のではないか。
共通する課題は、参加者の増、とりわけ若年層と女性の参加である。 例えば、学生を対象にした議会報告会や、子育てをテーマに女性や子育て 世代を対象とする議会報告会といった工夫が求められる。
報告会を行う市の主要施設や公共交通機関・主要駅へのポスター掲示、議 員によるチラシ配布・宣伝にも取り組みたい。との意見もあった。
さらに、議会報告会の開催にあたり、長野市議会としての開催要綱(要領) を整理しまとめていくことも将来必要ではないか。
いずれにせよ、1回目の議会報告会に寄せられた参加市民の意見をくみ取 り、充実させていくことが肝要である。
2.委員会のインターネット中継について
長野市議会では新庁舎建設に際し導入を検討するとしている課題である。 市民のアクセス数の評価は難しいところであるが、開かれた市議会として情 報発信していくツールを増やすことは重要である。
システム導入にあたり、映像・音声・テロップ等自動化されたシステムを 多角的に検討し、議会事務局の負担増につながらない対応が必要である。ま た、導入コスト・管理運営コストも慎重に検討する必要がある。
また、インターネット中継における不適切発言の扱いなどルールを明確化 するとともに、議事録との整合性にかかわる修文の基準作りも必要である。
いずれにしても、本会議中継システム(サーバーを含め)と合わせ、連携 できる委員会中継システムの導入に向け検討を急ぎたい。とした意見や委員 会のネット中継は慎重にすべきと感じた。など賛否は様々である。
3.市議会ネットワークの構築について
新たに導入検討課題とすべきである。整備されている庁内LANをベース に議会事務局としてのサーバー経由で、議員が情報共有できる仕組み、議員 への情報伝達の仕組みを構築したいものである
月 日 視察先 視察結果(参考になった事項、考察) 全体総括 4.予算・決算の審査について
活性化検討委員会では決算特別委員会の役割に関し、次年度予算案に反映 で きる 決算 審議 の必要 性が 課題とされ 決算 委員 会の早 期開 催に つい ても行 ってきた経過がある。
横須賀市議会の予算・決算常任委員会方式は、評価でき参考にしたい。 因 みに 堺市 議会 は予算 審査 と決 算審査 をそ れぞ れ全議 員に よる 特別 委員会 方式をとっている。いずれも、決算と予算の一体的な審査を通じ、より監視・ 評価機能を強めることを目的としている。
決算審査の結果を次年度予算編成に反映させていくためにも、決算審査に ついて、限られた特別委員会の審査ではなく、予算案と同様、常任委員会に 分割付託し審査する方法を試行できないか、検討したいものである。
5.議員研修について
会派毎に様々な研修が行われているところであるが、市議会全体の共通認 識を醸成していく観点から、議会基本条例に関する研修はもとより、政策研 修にも取り組みたい。また、堺市議会の市当局の職員研修の活用も検討して よいであろう。