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4. 3.5  3.0  2.5  2.0  ].5 

[C.‑)  100  1000 

qANDARD CURVE 

図3 我々のシステム(図 2)によるスタン夕、ードカー

生理的カルシウムイオン濃度範囲とおもわれる50‑1000 nMの範囲でカーブが急峻で、あり,本システムが細胞内

カルシウムイオン濃度測定に適してしる。

1

11.研究成果

血管平滑筋細胞内カルシウムイオンと高血圧 従来より高血圧と [Ca++Jiの聞の関係が論じられて研 究されてきた。高血圧は多くの原因が複雑に関係する多 因子的な病態であるが,血管の緊張,収縮性もその原因 のーっと考えられている。一般に王子j骨筋細胞においては,

[Ca++Jiが高まると,細胞の収縮緊張度も高まると考え られており,多くの研究者が [Ca++Jiと高血圧の関係を 検討してきた。しかしながら, [Ca++Jiを測定する試料と しては,血管平滑筋を対象にせず,血小板細胞を用いて 検討しているのがほとんどであった。これは,平滑筋内 の [Ca++] iを,細胞を障害しない条件下で測定する方法 がこれまでなかったために,筋細胞類似の収縮タンパク を有し生体内で浮遊状態で存在する血小板を.平滑筋の モデルとして代用したものである。これらの研究により,

ヒトの本態性高血圧患者や,その動物モデルである SHR

レーザー顕微境とコントロール部 コービューター ( 東 大 杉 山 , 矢 崎 )

nM 

金属ワクの中にレーザーがある

上の機器はレーザーコントローノレ部分とX‑ystage  コ ン ト ロ ー ル 部 分 ( 東 大 杉 山 )

図4 今凶我々が開発したレーザー蛍光顕微鏡 分光測定装置

(自然発症高血圧ラット)においては,正常血圧コント ロールに比べて血小板内 [Ca+

iが高値であることが示

された。しかし,血小板のデータがそのまま血管平滑筋 細胞に適用きれるかについては,議論の多かった点であ

った。

77 

我々は今回新たに開発したレーザー蛍光顕微鏡分光iHIJ 定法ではじめて生理的条件で,血管平滑筋内[Ca++Jiを 測定し次のような結果を得た。

SHRにおいて生後4週令ではその血圧は正常血圧コン トロールである WKY(WistarKyoto Rats)と同じレベ ルで、あるが, 8週令以降はWKYに比べて有意に高値を 示す。 SHR及ぴWKYの大動脈中膜由来の初代培養平 滑筋内の [Ca++] iを比較すると, WKYでは4,8, 12  週令でそれぞれ144:t8, 135:t 8, 146:t 7 nMと一定で あったが, SHRおいては, 8, 12週令でのみWKYに比 べ有意に高値であった。このことは4週 令 に お い て は SHRでもWEYと血圧に差がなし 8, 12週令でSHR が高血圧を発症したことと合わせると興味深いことであ る。

SHRにおける血管平滑筋内 [Ca++Jiの高値が高血圧の 影響をうけた二次的な変化によるものか明らかにする目 的で,生後4週令のWKYのー側腎を摘除し他側腎動脈 に狭窄をつくり 1腎lクリップのGoldblatt型高血圧 ラットを作成 8週令まで飼育し同様に血管平滑筋内 [Ca++Jiを測定した。ところがSHRと異なり血圧は十 分に上昇しているのにもかかわらず, [Ca++Jiは132:t3  nMであり,同週令のWKYと有意差はなかった。この こ と に よ り 我 々 はSHRに お け る 血 管 平 滑 筋 細 胞 の [Ca++Jiの上昇は,高血圧による二次性のものではな し遺伝的に規定きれた病態であることを示した。

78 

IV. まとめ

以上[Ca++Ji測定法を概説し,我々の開発したレーザ ー顕微蛍光分光法の特徴と利点,およびその成果の一部 を紹介した。冒頭で述べたように,細胞内カルシウムイ オンはセカンドメッセンジャーとして注目され,研究の 進歩は著しいものがある。今後は[Ca++Jiと他の細胞活 動の指標を同時に測定することが細胞内でのCa++の役 割を解明する上で重要であると考えられる。細胞活動の 指標としては細胞内pH,膜電位,細胞の働色分泌顕粒 のような細胞内小器官の働きなどが考えられる。これら の指標と [Ca++Jiの同時測定は今後の大きな課題である が,我々の開発した装置をベースにすればその実現性は 高いものと思われる。なお本研究の一部は中谷電子計調)1

技術振興財団の研究助成を得て行った ご援助に対し厚

〈お十しをftJし上げたい、

V .

参考文献

1.  Sugiyama, T.,  Yazaki, Y. et. al.  (1986)  Biochem. Biophys. Res. Commun. 14 ,1 340~345

2.  Sugiyama, T.,Yazaki, Y. et.  al.  (1987)  J. Mo. lCell.  Cardiol.  19(5uppl 1), S18 

3.  Tsien, R. Y. (1980)Biochemistry 19, 2396~2404

4. Grynkiewicz, G.,Poenie, M.,and Tsien, R. Y. (1985)  J. Bio. lChem. 260. 2440~3450

超高感度カメラと画像処理技術を用いた細胞内 Ca イオンの動態解析システムの開発

研究責任者東京医科歯科大学難治疾患研究所自律生理学部門教授共同責任者東京医科歯科大学難治疾患研究所自律生理学部門助手東京医科歯科大学難治疾患研究所自律生理学部門助手

丈 史 芳 恵 仁 山 井 巳

まえカずき

神経機能の発現にカルシウム (Ca)が重要な役割を果 たすことが知られているが,このときのCaの作用機楠 についての詳細は解明されていない。十!神士活動に伴う細 胞内のじa イオンの動態に関しでも未だにつi~Llfl な点が多 し 細 胞 内Caの濃度を谷弘かっ迅速に測定することが 不可欠でありJIつ久しく望まれてきた九

近 年 開 発 さ れ たCaイオン蛍光指示薬であるfura‑

21)を用いる Caイオン濃度の光学的測定法は従来の測定 法に比べて多くの利点を持ち,既に,培養した神経細胞 の細胞内Caイオン濃度の測定に適用されるようになっ た日)。本研究では,体内での神経回路構成を保持した状 態の晴乳動物の神経組織において, fura‑2を用いて神 経活動に伴う細胞内Caイオンの動態を解析できるシス テムの開発を行った。従って,本研究で特に留意すべき ことは.培養なとの非生理的処置を砲さない状態にある 哨乳動物の成熟神経組織が標本として可能なこと,及び 電気生理学的解析を同時に実施できることである。

2 .研究内容

1 ) 顕微測光システム

神経細胞にfura‑2を負荷して,紫外光を照射すると,

fura‑2が励起きれ微弱な蛍光を発し,この時の励起ス ベ ク ト ル はCaイ オ ン 濃 度 に 応 じ て 変 化 す る 。 こ の fura‑2の光学的特性を利用してCaイオン濃度を知る ことができる1)c波長340nmの励起光で励起した時の蛍 光 強 度 (F340)と,波長360nm(又は380nm)の励起光 で の 蛍 光 強 度 (F360又はF380)の比を計算することに よってCaイオンの濃度を求める方法が一般に用いられ ている日ぺ本研究ではこの方法を採用して細胞内Caイ オン濃度を測定するために,図1に示す顕微測光システ ムを製作した。

紫外光対応に改造し,光源をキセノンランプに変えた 倒 立 型 落 射 蛍 光 顕 微 鏡 を 用 い た 。 波 長340,360及 ぴ 380nmの励起光を得るために,励起フィルタとして3

の干渉フィルタ(340,360及び380nm透過)を光源と顕微 鏡の聞に置いてノりレスモータによって随時変換できるよ うにした。倒立型落射蛍光顕微鏡の架台上にfura‑2を 負荷した標本を置いて,紫外光照射しこの時発生した 蛍光を発光側フィルタ (502nm透過の干渉フィルタ)を 通して,二つの方法によって観測した。一つは超高感度 テレビカメラ (SrTカメラ)を,他は光電子増倍管を用 いるものである。前者では,励起ワイルタを変換しなが らF340蛍光像と F380(或はF360) 蛍光像を撮影し,

テレビモニタで観察し,ビデオテープに収録した。後で

Fluorescence image 

TV  rnonl. tor 

Calciwn distribution 

図1 細胞内Caイオン濃度を測定するシステムの

概要 79 

を求めることができるヘ今回製作した測光システムの較 正曲線の例を同2に示す。しかしこの較正曲線を決定す

ることに関しては種々の問題点、が指摘されている日、

3 .成果

本研究で試作したシステムを用いて,モルモットの腸 管壁内在神経で得られた成果について述べる。

図3は, fura‑2を注入した単一神経細胞から得たも ので, SITカメラを用いて撮影したfura‑2蛍光像を画 像処理し,その結果を疑似カラー表示したものである。

上段,左図はコントロール条件(正常クレブス液で潅流) での細胞内Caイオン濃度を示し,右図は潅流液を無Ca /高濃度 (6mM)マグネシウム (Mg)の試験液に変換

した後の,同一細胞内のCaイオン濃度を示ヤ。上段左右 の差,即ちコントロールと試験液での細胞内Caイオン 濃度の差をとって,下段左に試験液で濃度が低下した部 分,右に上昇した部分について,それぞれ変化分を疑似 カラーで表示した。この図から,神経細胞を無Ca/高濃 度Mgの環境に置くと細胞内Caは 減 少 し 特 に 細 胞 の 周辺部て1成少が顕著であることが分かる~燃本におけ るある種の神絞細胞では静11:時にも Caが細胞外から流 人しており無Ca条件一卜ではCaの流入が減少し細胞内 Caイオン濃度が低iごすると示唆されてきたc今回得られ たテ タはこのことを

H

寺するものと思われるヘ

他にも幾つかの坑象にCaイオンが関与することが電 気生理学的に示唆きれているし例えば司活動電

¥ i

i:i走過分 憎むまCa依存性のカリウム(K)千ャンネ/しの活性化によ ると考えられているJ 今│口],活動電位と後過分極の予告生 にfî'.コて細胞内の Ca イオン濃度が増大することを ~lERJJ した、{主流液のKイオン濃度を上げると膜を脱分隠させ Caイオンの細胞内流入を起こすと考えられている。本実 験で,高濃度Kイオンによって玄起きれる脱分悔は細胞 内Caイオシの増加を

n

うことが確認されたが,この11,) 1吋向電流を与えて脱分慨を相殺すると Caイオンは殆と 増加しなかったο このように細胞内Caイオン濃度が膜 電併に依存して変化することを明らかにした 更に.細 胞内Caイオンの濃度の変化に

1

下って起こる現象に関す る解析を進めているご

本研究で用いている腸管壁内在神経には p物質やエ ンケファリンなど脳と共通の数多くの神経ペプチドが存

L

,これらは「脳ー腸ペプチド」の名でよは、れ,神経 伝達物質或は神経修飾物質として機能していると考えら れてきた。これらのペプチドの作用にCaが関与すると 示唆されており,ペプチドの作用に伴う細胞内Caイオ ン濃度の変化を本システムで解析した。

P物質(1μM)をガラス管に詰めて記録している細胞 の近傍に置いて空気圧で正出すると,図 4J二段 (Vm)に 示すような約15mVの脱分極を発生する。下段にはこの 再生しながら順次画像入力装置に取り込み,画像各点に

おけるF340とF380(又はF360)の比の計算の他,必要 な画像処理を適宜施しその解析結果を疑似カラーで表示 した。後者では,励起光照射領域を大体単一のニューロ ン の 細 胞 体 に 相 当 す る 範 囲 に 絞 り , そ の 部 分 全 域 の fura ‑2蛍 光 の 強 度 (F340とF380又はF360)を 測 光 し,その出力をI.Vコンパータを介してベンレコーダで 表記した。

神経細胞の電気的活動を細胞内記録するために,細胞 内微小電極を操作するマニフ。レータを顕微鏡に付加設置 した。電気生理学的実験には通常の市販のブリアンプ,

オシロスコープ,刺激装置,ぺンレコーダなどを用いた。

2 )  細胞内Caイオン濃度の測定

まえがきで述べたように,本研究の目的は成熟神経組 織の神経活動に伴う細胞内Caイオンの動態を解析でき

るシステムを作ることにある。従って,最適の標本を選 択することが重要である。我々がこれまで,用いてきた モルモソトの腸管壁内在神経系は生体内での神経団路を 保持したままで非常に薄い標本(厚き 100μm以下)とす ることができ,伺j立型顕微鏡を用いた電気生理学的実験 も可能で、あるので,本研究に適していると思われる。

腸管壁内在神経の標本をfura‑2/AM(20μM)を含ん だクレブス液 (37'C)で約30分間インキユベー卜した。

この方法は広く用いられているが,多数の神経細胞を染 めてしまうため,細胞が重層すると信号の

S/N

が低下す る可能性が考えられる。そこで,単一細胞を染めるため に, 300μMのfura‑2と1 MのKCIを封入したカ、、ラス 微小電極を細胞に刺入して,内向電流を通電してfura‑

2を細胞内に注入した。

蛍光測光て、、得られたF340とF380(或はF3601の比 と,事前に作成した較」ト;曲線を用いて, Caイオンの濃度

。 。

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