心臓・血管内血流速度ベクトル分布イメージング装置の開発
研 究 責 任 お 大 阪 大 学 医 学 部 第 一 内 科 講 師 北 畠 顕 共 同 研 究 呂 } 大 阪 大 学 本 健 工 学 部 助 教 授 千 原 田 宏 大 版 大 学 医 学 部 第 内 科 助 子 田 内 潤 大阪大学医学部附属病院医長 吉 田 呈量'IT.
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ここで第1項を y‑方向に積分すると
U百=‑fY15fdu+UVO (2)
(Uyo・壁運動速度のy方向成分)
とな1),UxのギIl'Ii分布から, [I'{交速度成分 Uy がよl~ ま 1), UxとUyをベクトル合成することにより,速度ヘク トルUを求めることが可能である(同3)
Uu = ‑
f 。 官
Ux百=‑1 一一一dy+ Uy 0
Ux
Uyo ¥]0
図3 微小矩形を
ν
ー方向lと並べると,任意のν
における
ν
方向速度成分Uyは,おのおの微小矩形の両 側のx ‑
方向速度差分をy‑
方向l乙積算すること により求められる。壁が運動している場合は,壁運動の
y‑
方向の速度成分UyoをUyi乙加算す ればよい。心臓エコードプラ一法では,扇形走査型探触子を使用 することが多いので極座標 (r‑())で考えると,速度ベ
クトルU (Ur,U())において,式(1 )は
。
(γ・Ur) iJu
{jー一一一一一+一一一=0 (3) i
J
r iJ{j
(Ur 超??波ビ ム方向の速度成分 ーム i白:交)J向の速度成分)
とな1),式 (2)は
Un
。 =‑ = ‑
.1f J
{j 一ーァー..;.~γ ・Ur)
σ?・ d.n IJ +UnO υ叩α11
U () 超t;:~,皮ヒ
(4)
(U () 0 :壁運動θ方向速度成分)
となる。したがって断層ドブラ一法の断層面上で超音波 ビ ー ム 方 向 の 速 度 成 分Ur(r,())分布から,式 (4)よ り, I司半面上でこれと直交する方向の速度成分U()(r,θ) の分布を求めることが可能である。UrおよびU()をベク
トル合成することにより,断層面上二次元血流速度ベク トル分布を算出することができる(図4。)
U
い 一
J fj
仙U
Uγ:超音波ヒーム方向の速度成分 Uo 超音波ヒーム直交方向の速度成分 図
4
極 座 標(γ,0 )で超音波直交方向速度成分の算出法
2.システムの概要ならびに方法
A )
装置計測に用いた断層ドブラー装置はEUB‑ 151 (目立社 製‑搬送周波数2.5MHz,パルス操り返し周波数3.7kHz または5.2kHz,周波数解析法 自己相関法)でその1時 相 の フ リ ー ズ 画 像 情 報 を パ ー ソ ナ ル コ ン ビ ュ ー タ FM77AV40 (富士通社製)で取り込み,ビデオディジタ イザにて
A‑D
変換後,上記アルゴリス、ムに従って心腔 内二次元血流速度ベクトル分布図を描出した。B)方法
( 1 )モデル実験
モテゃル流路において定常流を作成し,パルスドプラ一 法で計測した流速と断層ドブラ一法で表示される色強度 とを比較し,断層ドブラ一法の速度情報として表示され る色強度と流速との関係を明らかにした。
(2 )臨床応用
1.臨床例において断層ドブラー装置(EUB‑ 151)によ る心尖長軸断層面のフリーズ画像情報を
A‑D
変換し,41
一旦テ。イスケソトに収め,以下のごとくオフラインで演 算処理した。
2.血流と壁との境界を判定後,断層ドプラ一法で表示 きれている, 32階 調 の 色 強 度 を 前 記 (1 )で求めた関係 をもとに速度情報に変換し,さらに量子化誤差軽減のた め, 128段階に補間,平滑化した。
3.ビデオ画面上の直交座標を極座標に変換し, Ur(r,8) を求めた。サンプル間隔は扇角60。内57ビーム. 1ビーム 15cm深度内200点 (0.75rnrn間隔),計約10.000点において Ur(r,8)を求めた。
4.7]1]途記録した,同断層面の相近接する(50msec間隔) 2時相のBモード像を重畳し,左室壁速度方向を壁境界 面に垂直と仮定し,壁運動の速度ベクトノしを求め,境界 条件として壁のθ方向速度U80を算出した(図5I c
図5 境 界 条 件U80の求め方
近 接 す る 連 続2時相のBモード像を畳重し,壁 運動速度ベクトルを求め(壁運動方向は壁表面 lと垂直と仮定).超音波ビーム直交方向速度成 分U80を算出する。
5.式 (4 )を用い, Ur(r,8)およびU 8 ()1J冶ら U8(r,8) を求めた。さらにU8は泌さ方│白J9ポイントのU8の移 動平均を採用した(図6)c
図6 超音波ビーム直交方向速度成分Ueは深さ方向
6mm
間 隔9
ポイントの移動平均を採用した。42
6.以上のアルゴリズムで求まった深さ方向200本の円弧 上のUθのうち,反対i則の壁での境界条件を満足するflJ
弧
jf
〕UOそiきび.Urとベケト Yし合成し.IIIL;M速べクトJl. U(Ur.U 8)をiW¥.表示した 成 果
[モデル流路実験]
モテ、ル流路にて作成した〉ι市 ;A~I 二おいて,ハルスドワ
ラ 法で計測した流速と断Mドマラ‑i'去で計測したi記述 を比較した結果. [lf,îtーの ì~iJ jUI自の n司には Y 二 0.648.\
+
4.0 ( r=
0.951司P<0.001 ì の n~i な [H*!Jl関係をi認 め司 ItJi¥1 1'I、フラ‑i12にて司定量的計i!!村、可能であること を確認した[臨床例における左室血流分布]
正常例では,収縮期の左蚕腔内全体の血流は流IIJ路に 収束しており,流出路に近づくにつれ,十分に加速きれ ていた(同7)。拡張期(急速流入期)には、左房からの 流入血流は後墜に沿って速度を減じながら,緩やかにそ の方向を心尖部から中隔,流出路へと転じていた。また,
f圭壁基部寄りの小領域に,流れの剥離・反転が認められ た(図8。)
‑);,心不全例では収縮期に,左室流入血流の大部分 が収縮期直前の心房性流入期に流入するため,収縮中期 にも左室後壁寄りになお流入血流が残っているのが認め られた。また流出路においては,形態学的に流出路の急 激な狭小化が認められるにもかかわらず,後壁寄リの流 入血流のため流出血流は正常例ほと収束せず司流出血流 の加速は正常例に比し,低下していた(図9)
心不全例の左室流入血流は心房ーから左室腔内にジェッ ト状に流入し,後壁で心尖部方向に屈曲したあと,心尖 部で減速していた。また,中隔基部,後壁基部に回旋iAL を認めた(図10)円
図7 [正常例収縮中期の血流速ベクトノレ分布
凶8 正常例急速流入期の血流速ベクトル分布
図9 心不全例収縮中期の血流速ベクトル分布
同10 心不全例心房収縮期の血流速ベクトル分布
った。今後,種々の心疾患例に本法を応用し,その流れ 構造の差異について検討する予定である。
最後に,本研究をご援助いただいた中谷電子計測技術 振興財団に厚くお礼申し上げます。
発表論文
(1) 吉田豊,北畠顕,囲内潤,千原因宏他心臓・血管 内血流速度ベクトル分布イメージング装置の開発 日本 超音波医学会B T部会, vol 86,4,1987
(2) 吉間豊,北畠顕,田内i問, 千原因宏他:心臓・血管 内血流速度ベクトル分布イメージング装置の開発:日本 超音波医学会第50回研究発表会予稿集, 1987
(3) 北畠顕,田内j閏,吉田豊,千原因宏他:左室腔内断 層面上血流速ベクトル分布およぴ圧分布算出の試み 医 用電子と生体工学,第25巻特別号, 1987
(4) 吉田豊,北畠顕,団内潤他:二次尤血流速度ベクト ル分布図法による心腔内流れ構造の解析.第35回日本心 臓病学会予稿集, 1987
(5) 吉田豊,北畠顕,田内潤,千原因宏他 Flow vector‑ mapping法による心腔内血流動態の解析 第2回日本 ME学会秋季大会予稿集, 1987
(6) 吉田豊,北畠顕,団内潤,千原因宏他心腔内二次 元血流速度ベクトルマッピング法による左室腔内血流動 態の解析:日本超音波医学会第51回研究発表会予稿集,
1987
(7) ,';問豊,北畠顕司問内i閏他 IfI[流速度ヘクトル分布 同法による左主腔I"1J血行力学的解析 日本循環器学会第 64~lJ 近畿地ノJ 会予稿集, 1987
(H) Yutaka Yoshida, Akira Kitabatake, J un Tanou chi, Kunihiro Chihara lntracardiac Flow Vector Mapping on the Basis of Equation of Continuity:Proc. of 2nd ]apan‑China Symp. on Bio‑Med. Eng., 1987 (9) Akira Kitabatake, Jun Tanouchi, Yutaka Yo‑
shida, et a. : l Flow vector mapping in the heart : Proc.
。
f3rd international congress on cardiac Doppler, 1987(10) 田内潤,北畠顕,吉田豊,千原因宏他・血流速ベク トルマッピンクゃ法による左室内流れ構造の解析 医用電 子と生体工学,第26巻特別号, 1988
(12) 北畠顕,田内1閏,吉田豊他:超音波ドブラ一法に基 づく血流ベクトルマッピング法による心不全患者の左室 内流れ構造の解析 第85同日本内科学会講演会予稿集,
1988
(13) Akira Kitabatake, ]un Tanouchi, Yutaka Y
。
まとめ shida, et a. l Abnorma l̲flow distril】utionin the left 新たに開発した血流速度ベクトル7 ソピング法は,従 ventricle in patients with heart failure assessed by 来の断層ドブラ一法の情報からJtn流速度ーベクトル分布イ Dopp1er flow vector mapping : Proc. of 60th scienー
メージングの描出を可能とした。これにより形態的異常 tific sessions, American heart association, 1988 からは推定困難な血流の異常を描出することが可能とな
43
「基礎体温自動計測システムの開発 J
男 之 健 世 達 隆
1
変 ィ 告 )11島 村 藤 戸 辻 豊 田 斉 東 京 医 科 歯 科 大 学 教 授 東 京 医 科 歯 科 大 学 助 教 授 東 京 医 科 歯 科 大 学 助 手 東 京 医 科 商 科 大 学 助 手 東京医科歯科大学教務職員 研究責任者
共同{iWj主将
2. 1.理論解析
図Iの構造の断熱材のブCロ ブを体表においたときの ブロ ブ内の各センサ部の平衡温度を,有限要素法を用
L、て解析した。{本表に近い組織は,一定深き以上は体温 と等しいー様な温度て、¥その深さ以内は熱i原がない伝熱 iMとみなし,熱伝導率が血管拡張によけ, 0.5xlO‑3‑4x 1O‑3cal/ cm' s' degの範回て¥またその厚さは1‑10mm 変 化 す る も の と し た 。 プ ロ ー ブ の 材 質 の 熱 伝 導 率 は 3xlOcal/cm' s. degと仮定した)また外気j晶度は25'Cと し体表およびプロープ表而からの肢熱は,平直壁にお けるt'l然対流熱交換の条件を仮定したc
プロープ内の3点の温度から組織深部の温度を推定す るiEi:似式として2次式を仮定し,その係数は,有限要素 j去により上記条件において算出された値から,最小自乗 法により決定した。
2. 2.モデル実験
断熱材として,エンソライトおよびウェソトスーツの 素材を用いて図 1の形状のプロープを作成した,ここで,
エンソライトは塩化ビニル系の独立気泡フォーム素材で あり,熱伝導率は約8.6xl0‑5cal/ cm・s.degである。温 度センサにはサーミスタを用い,カ、リウムスタン夕、ード
を用いて校正して使用した。図2に示すように,3TCに {呆った恒温水槽上に金属容器を置き,その上に,伝熱層 として厚き 1‑10mmの合成ゴム板あるいはガラス板を 置き,その上にプロープを置いて,安定した状態におい てプロープ各点の温度を記室、ょした。ガラス恨の熱伝導率 のとだ損iJ1J直は1.9xlO‑3cal/cm・s.degであり,合成ゴムの 熱伝導率はおよそ0.5xlO‑3cal/cm・5・degである。外気 温度は2TC一定とした。
伝熱層の厚きおよび、材質を変えたときの各温度計測値 から, 2次多項式の近似式を仮定して,最小自乗法によ り係数を決定し,深部温度の推定値と水槽温度を比較し f二。
1.まえが'き
体温の計測は,通常の体温計を用いて舌下あるいは肢 寓てー検温を行う以外に簡便な方法がなし とくに婦人の 基礎体温の計測に応用できるような,簡便で正確な計測 技術が望まれている。そこで,われわれは1980年頃より 基礎体温を就寝中に自動計測する方法について検討を行 い,熱流補償法を利用した深部体温計によって基礎体温 の正確な計測が可能であることを示した(1 )。しかし,
熱流補償法による装置は加温機構が必要なため消費電力 が大きし小型化が困難であったため,実用化するにい たらなかった。
そこで,加温機構を用いないで正確な体温計測のでき る方法が必要であると考え,基礎的研究を行ってきた
( 2 。)
本研究は,新たな機構の体温センサについて,理論解 析.モデル実験,および被検者による実験の3段階につ いて実施し,その結果から,本法の評価を行った。
2.方法
本法は,悶1に示すように,直径6cm,厚さ10mmの断 熱材に温度センサをとりつけたプロ ブを体表に装着し プローブの中心部の温度を指標とし,プローブ周辺およ ひ、上部の温度情報を用いて,補正を行うものである。
44
断 納 付
図1
フ ロ ー プ
温 度 セ ン 竹
プローブと体表の構造
線 描 度 断 総 層 外 気
10
10