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図5 被検者による計測結果.横軸:深部温度計lとよ る計測結果.縦軸 本法による計測値. a

ンソライトプローブ.b:ウェッ卜スーツ素材 フローフ.

4 .考察

本研究の目的は,婦人の基礎体温の計測に使用でき,

消費電力の少ない体温プローブを開発することであり,

計測誤差として0.050C程度が目標であった。理論解析の 結果からは,熱流補償のような方法を用いなくともこの 程度の精度が実現できることが示された。

しかし,モデル実験および被検者による実験において は,プローブの大きさ,構造および素材の熱伝導率が理 論解析の条件とほぼ同じものを使用したにもかかわらず,

計測誤差が予想した値より大きし目標の精度が達成で きないことがわかった。

その原因として,モデル実験においても体表に装着し た場合においても,プロープと対象表面との熱的接触が 不安定であること,生体において伝熱層を熱的に一様な 媒質とみなせないこと,非定常な状態においてはプロー プ内の各センサ周辺の熱的条件の違いによる追従特性の 差のため,各点の温度情報が深部温度の推定に有効に作 用しなくなることなどが考えられる。

これらの誤差要因を完全に除くことは困難であるが,

プロープの大きさの拡大,プローブの構造の改良,装着 法の工夫,装着部位の選択,各センサ出力が安定してい ることを確認して計測するような計測アルゴリズムの採 用などにより改善の余地があると考えられる。

また今回のモデル実験および、被検者による評価におけ る計測条件に比べ,就寝時の条件は,寝具で覆われてい るため熱的に安定であり,生理的にも末梢循環が良〈体 温変動も少なく,また計測に十分長い時間がかけられる など有利な条件が多いので,この実験結果よりは高い精 度が期待される。

以上のように,熱流補償を用いずに体表から体内深部 46 

の温度を推定する方法について検討した結果,理論的に は誤差0.05'C以内の計iRIJ精度が得られることが示された にもかかわらず,モテソレ実験および被検者による実験に おいては, 0.20C程度の精度しか得られないことがわか り,当初の目標の精度が容易に達成できないことが明か となった。したがってこのままの方法では,満足な性能 の基礎体温計調JIシステムを実現することが困難であるこ

とがわかった。

しかし.これらの結果は,今回の理論解析および実験 的研究によって初めて明かにされたことであり,今後精 密な体温計測法を開発していく上では.重要な知見であ

ると考えられる。

5.成果のまとめ

本研究成果は以下の通りである。

1 )理論解析により 3個の温度センサをもっ直径6cm.  厚さ10mmの断熱材フ。ロープにより,体表より深部組織温 度を推定した場合,体表伝熱層の厚き 1‑10mmに対し て,伝熱層の熱伝導率が4倍に変化しでも,誤差0.05'C 以内て府計測が可能て、あることを示した。

2 1 モテ )~実験により.理論解析とほほ同様の条件にお いて司計U!IJ精度を評価した結果,正常な皮膚に近い熱伝 導十ーのい熱層に対しては誤差:は0.2'C以内であったが,熱

!I;;辛子:を 14にすると,誤差の標準偏ざがおよそ0.28'C どなうた

3 )被検者による評価において,プロープを腹部に装着 し深部体温計による体温計測値と比較した結果,断熱 材にエンソライトおよびウェットスーツ素材を使用した プロープについて,誤差の標準偏差はそれぞれ0.21

' c

お よび0.31'Cであった。

41実験結果から実際の計測条件においては理論解析 から予想、きれた精度が得られないことがわかったが,そ の原因の考察などから,精度の改善の余地のあることが 司ミされた。

以上の成果は,実用的な基礎体温計測システムにはま だ不十分であるが.体表から組織深部の温度を推定する 方法に関して重要な知見を得たものであり,今後体温計 測技術を開発する上で,本研究はきわめて有益であった

と考えられる。

おわリに司中谷電子計掛け主体J振興財[、J]よリ戴いた御助 成に士、lし深"射の怠を表します」

文 献

1.  111.根本, 111 村・主H楚{本I品口重rJ.J;j十 ì~IJ 用深部体iιH,

l

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電fと生体工学.18 Suppl .,672, 1980 

2.  i 加熱機構を用いない深部体温計. [実用電子と 生体工学司 25Supp,3.l02,1987 

サーモグラフィー用室温動作赤外線撮像素子の開発

研究責任者大阪大学基礎工学部電気工学科助教授 奥 山 雅 則

1. まえカずさ

生体におけるサーモグラフィーは皮膚から輯射される 遠赤外線を検知し,これを画像化することによって温度 分布をもとめるものであり,近年各種の診断に用いられ てきている。これを行う場合キーテクノロジーとなるの は遠赤外線を検知するセンサ,特に撮像素子である。現 在用いられている赤外線撮像素子では低温で動作きせな けれは、ならないこと,動作電圧が高いこと,装置が大型 であることなど広〈普及するまでには至っていない。焦 電体とシリコン電荷結合素子 (CCD)を組み合わせた赤 外線撮像素子ができれば,これは,室温動作可能で、'動 作電圧が低く,小型で、あるなどの特長を有するため,従 来の素子の欠点を克服することが可能で,その応用は広 汎なものとなる。

本研究ではLiTa03焦竜体結晶とシリコンCCDを組 み合わせた焦電型赤外線撮像素子を試作し,また高性能 素子用PbTi03薄作製を改良し,撮像を試みることが目 (]てーある。

11.研究内容

ここでは提案した素子の構造,動作原理,動作解析,

最適構造について述べる。

1.素子構造と動作原理

図1に提案した焦電型赤外線撮像素子つまり赤外線電 荷結合素子(IR一CCD)の1画素分の構造を示す1‑5)0 Si  電荷結合素子(Si‑CCD)の画素数は64X32である。 1画

図1 焦電型赤外線撮像素子の構造

素の大きさは80X133μm'であり,検知部の総面積は4

5 mm2て。ある。赤外線感度の良い焦電体としては焦電係数 Pが 大 き し キ ュ リ ー 温 度Tcが高くなくてはならない。

LiTa03はPが大きく (P=2.3X10‑8C/cm'k),Tcが高い (Tc=618'C)だめ今回の焦電体として用いられた。

LiTa03'ま分極処理後,鏡面がCCDと接するように付着 させた。LiTa03とSi一CCDの電気的結合を良くするよ うにその聞に,低融点,高誘電率,低熱伝導率,高絶縁 率を有する誘電性接合剤としてグリセリンを挿入した。

LiTa03のもう一方の荒い面には.赤外線をよく吸収す るようにNiCr膜をコートしである。

赤外線がNiCr面上にあたると, LiTa03の温度が僅か に上昇し焦電々荷が生ずる。この電荷がSi02とグリセリ ンを介して焦電ゲート下のSi表面ポテンシャルを変化 する。ここで注入電極から焦電ゲート下を通って蓄積ゲ ート下まで電荷注入される。注入電荷は焦電々荷により 制御され,赤外線強度に対応した量となる。この信号電 荷は転送部に移きれ, 4位相のパルスによってさらに転 送きれ,最後にソースホロワFETのゲートにきてイン ピーダンス変換された後,高速増幅器により増幅きれる。

その際,雑音やバイアス電圧を除くため上の信号出力か ら差し引かれる。

2.焦電応答の解析

赤外光照射によって生ずる焦電々荷の変化は微小量で あるため,焦電ゲート下のSi表面ポテンシャルの変化ム Vsに比例する。同様に出力電圧もムVs1こ比例すると考 えられるので,電気回路と熱伝導の式を解いてD.V sを 解 析 的 に も と め た 。 図2はムVsの 角 周 波 数ω成 分 D.

Vswの周波数依存性を示す。入射光強度は10mW/cm', NiCr,グリセリン, Si02, Si,空乏層の厚きはそれぞ、れ

o  . 

2, 1, O.  ,1 500, 1μmであり, LiTa03の厚さがパラ メータである。 LiTa03が厚い時,ムVswは周波数に逆 比例し,焦電効果特有の性質を示す。より薄い時、高周 波数域では上と同様で、あるが,低周波数域では熱がSiに 伝わるのでムVswはあまり増えない。素子を普通のフ 47 

10

LiTa03  20)Jm  50μm  100μm  200μm  500μm  10

= 100

10

0.2μm  1μm  0.1μm  500μm 

10 10  10 103  周 波 数 (Hz ) 

図2 金属一LiTa03ーグリセリン‑SiOz‑Si構造 のSi表面ポテンシャノレの赤外光照照射による 変化t1Vsωの周波数依存性(理論値)

レーム周波数(例えは"30Hz)で動作する場合, LiTa03の 厚きは数十 数百μmて、出力が最大となるので今回80μm

とした。

111研究結果

ここでは検知部構造の静電容量,試作素子の基礎特性,

PbTi03薄膜の改良について得られた結果を述べる。

1.金属 LiTa03  グリセリン ~Si02~Si 構造の静電 容 量

金属一 LiTa03ーグリセリン ~SiO, ~ Si(MLGOS)構造 は素子の焦電ゲート部に対応しているのでその基礎特性 を調べた。この構造の静電容量の電圧印加による変化は,

LiTa03 の静電容量が SiO, ~Si のものより非常に小き いため僅かであった。この光照射効果を調べるため CO,

レーザ一光を減衰し,チョッブしてMLGOS構造にあて た。LiTa03の焦電々荷はSi空之層幅を変えるため,その 静電容量が変化する。図3は静電容量の変化s Cの印加 電圧依存性を示す。負電圧領域では, SiO, ~Si 界面付近 に蓄積層ができるためs Cはノj、きい。正電圧領域では,

空乏層ができるためムCは 大 き パ 電 圧 増 大 と 共 に 減 少 する。またs Cの周波数依存性から, 8 ‑20Hzの低周波 数域ではムCはほぼ、一定であるが,20Hz以上て、は周波 数と共に減る。これは焦電効果特有の性質である。また 信号強度はSi温度上昇のみによるものよリかなり大き

,また速い。さらに LiTa03の分極方向を変えると信号 も反転する。これらから MLGOS構造のSi表面ポテン シャルは焦電効果によって制御されることがわかり,提 48 

咽 ト

Ll 七

d u ル

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10 o  10 

印 加 電 圧 (V)

20 

図3 金属一LiTa03ーグリセリンーSiOz‑Si構造 の静電容量の赤外光照射による変化t1Cの印加 電圧依存性(実験値)

案した IR~CCD の赤外光検出の可能なことを示してい る。

2. 赤外線撮像素子 IR~CCD の動作と基礎特性 試作された撮像素子 IR~CCD は 11種のパルスにより 駆動された。 IR~CCD のデータ出力と参照出力は図 4 に 示す赤外線撮像系において,差動増幅,サンプルホール

, A/D変換の後,マイクロコンビュータ内に取込まれ た。

G,レンズ

1R‑CCD駆動パルス発生器

4 赤外線撮像素子1RCCDを用いた赤外線撮 像系のプロッダイアグラム

図5は出力の蓄積ゲート電圧依存性を示す。蓄積ゲー ト領域の電荷はその表面ポテンシャルの減少と共に増加 するため,出力は蓄積ゲート電圧と共に増えた。出力は 4.8V以上で蓄積ゲート領域からあふれるので飽和する。

3.8V以下では焦電ゲートの表面ポテンシャルが蓄積ゲ ートのそれより低くなるため出力信号はOになる。また 焦電ゲ ト電圧を上げるとその表面ポテンシャルが下が

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