また、当該改正案に併せ、液状化物質の運送許容水分値等の決定について規定したコー ド第 8.1 節の次の文章についての審議が行われた。
“For a Group A cargo, the actual moisture content and transportable moisture limit shall be determined in accordance with a procedure determined by the appropriate authority as required by section 4.1.4 of this Code, unless the cargo is carried in a specially constructed or fitted ship.”
オーストラリアは、新 7.3.3 節を満たす船舶で乾操貨物を運送する場合であっても、船 長等への情報提供のため、運送許容水分値( TML )及び船積み水分値を計測すべきである との意見を述べた。これに対して日本は、新 7.3.3 節を満たす船舶で乾操貨物を運送する 場合、貨物の水分値を計測することは現実的では無く、こうした運送の際には、第 8 章の 適用も免除できることが合意された旨を指摘した。また、中国は、乾操した貨物であって
も Group A に区分することで、船長等への液状化に関する注意喚起はなされており、 TML
及び船積み水分値の計測は不要であるとの意見を述べ、 E&T Group は、この意見に合意す ると共に、第 8.1 節の文章は単に試験法を規定しているに過ぎないとの解釈の下、 “, unless the cargo is carried in a specially constructed or fitted ship” を削除することに合意した。
(4) IMSBC Code 03-15 改正案の作成
① 日本から提案された新規個別スケジュール
► 鉄鋼スラグ及びその混合物( E&T 21/5/2 )
以下の修正等の後、“IRON AND STEEL SLAG AND ITS MIXTURE”の個別スケジュール 案が合意された。
ノルウェーから、個別スケジュールの適用に係る文において、環境基準に言及すること への懸念が示されたため、 “at values permitted for environmental reasons”が削除された。また、
Description において各種化合物が含まれている旨の記載があるが、SDS にはこれらの物質
を含んでいない旨の記述があり、“such as calcium silicate (Ca
2SiO
4, Ca
3SiO
5etc.), calcium ferrite (Ca
2Fe
2O
5), Melilite (Ca
2Al
2SiO
7etc.) and so on”が削除されることとなった。
► 鉄鋼スケール(E&T 21/5/3)
Precautions 規 定 さ れ た 粉 塵 か ら の 保 護 に 係 る 要 件 の 文 を 修 正 の 上 、 “SCALE
GENERATED FROM IRON AND STEEL MAKING PROCESS”の個別スケジュール案が合意 された。
► マンガン系合金鉄スラグ( E&T 21/5/4 )
Description に記述された貨物の色に関する表現、及び、 Precautions に規定された粉塵か
らの保護に係る要件の文を修正の上、 “MANGANESE COMPONENT FERROALLOY SLAG”
の個別スケジュール案が合意された。
本貨物の SDS 第 6 節に関し、ドイツから、同節の記述された注意事項は非常に危険性の 高い貨物に関するものであるとの指摘があった。日本は、単に安全側で注意を記述してい るだけであると説明した。さらに IIMA は、 SDS においては、非常時の措置については、
安全のため標準的な記載を用いることは珍しいことでは無く、問題にすべきことでは無い ことを説明した。
► 化学石膏( E&T 21/5/5 )
Precautions に規定された粉塵からの保護に係る要件の文を修正の上、 “CHEMICAL
GYPSUM” の個別スケジュール案が合意された。
なお、ノルウェーから、 Stowage Factor の桁数を他の個別スケジュールと合わせるべきで あるとの指摘があり、同 Factor を “0.85 to 1.74” とし、これに合わせて見かけ密度を “570 to 1170”に修正された。
► 非鉄スラグ(E&T 21/5/13)
Precautions に規定された粉塵からの保護に係る要件の文を修正の上、 “COPPER SLAG”
及び“ZINC SLAG”の個別スケジュール案が合意された。
ドイツから、高密度貨物に係る要件を個別スケジュールでは無くコードの本文に記載す べきとの指摘があったが、船員への注意喚起の観点から要件は個別スケジュールに残すべ きであり、また、高密度貨物からの船体構造の保護は本文第 2.1.2 節に規定されているこ とが確認され、同指摘は合意されなかった。
② その他の新規個別スケジュール
► 木材ペレット(DSC 18/6/5 & DSC 18/INF.2:カナダ)
“WOOD PELLETS”の個別スケジュールを“WOOD PELLETS CONTAINING ADDITIVES AND/OR BINDERS”と“WOOD PELLETS NOT CONTAINING ANY ADDITIVES AND/OR BINDERS”の二種類に分け、後者を火災危険性の低い貨物とするとの個別スケジュール改 正案が合意された。
火災危険性の高い貨物については、NL を CB(combustible solids)及び WF(solids that
evolve into flammable gas when wet )とすることし、火災危険の低い貨物については、試験
結果から、 CB にも WF にも該当しないことから、 MHB とすべきではないとの意見も示さ
れたが、この貨物は過去に酸欠及び一酸化炭素に起因する事故を起こしていることが指摘 され、 IMSBC コード第 9.2.3.1.3 節 “A material may also be classified as MHB by analogy with similar cargoes with known hazardous properties or by records of accidents.” に基づき、 MHB とす ることが合意された。なお、 Class の標記については、 NL を含めず、単に MHB とする案 が、一旦、合意された。
この審議に関連して、さらに MHB の定義について議論があり、次のような意見が示さ れた。
“others” として Class 9 の危険物に類似した規定を設ける 酸欠という分類を設ける
酸欠は多くの貨物が該当するため MHB の基準としては不適当である NL は義務要件にすべきでは無い
分類に “N.O.S.” を追加し、 IBC コード第 21.1.3 節をベースにした定義を含める
NL を付けずに単に “MHB” とする
検討の結果、二の選択肢を用意して CCC 1 で更に検討することが合意された。 ( (1) 参照)
► ホウ酸( DSC 18/6/22 & DSC 18/INF.16 :米国)
貨物の吸湿性( Caking )に関する注意を追加すると共に NL を TX (毒性固体)とした上 で個別スケジュールが合意された。
► 無水珪酸ナトリウム(DSC 18/6/24 & DSC 18/INF.17:イタリア)
DSC 18 がイタリアに対し皮膚や眼への刺激性に関する情報提供を要請したものの今次
会合に情報提供が無かったことから、個別スケジュール案は合意されなかった。
► 焼結鉄鉱(E&T 21/5 & E&T 21/J/5 フィリピン)
DESCRIPTION 中の華氏温度に係る記述を削除した上で、 Group C 貨物として個別スケジ
ュール案が合意された。
► 無水硫酸カルシウム(E&T 21/5/1, DSC 18/6/25 & DSC 17/INF.18:イタリア)
DSC 18 より吸入毒性及び液状化に関する情報の提供が要請されていたが、吸入毒性につ
いては情報が提供されたものの、液状化に係る情報が提供されなかったことから個別スケ ジュール案は合意されなかった。
► 無水リン酸二水素カルシウム(MCP)(E&T 21/5/6:スウェーデン)
眼への刺激性から MHB に該当するのではないか、また、粒径から考えて液状化物質に 該当するのではないかとの指摘があり、今後、Group A&B の貨物として再度スケジュール 案が提案されることとなった。
► 合成二酸化珪素( E&T 21/5/7 :スウェーデン)
個別スケジュール案は合意されず、スウェーデンが液状化特性及び腐食性物質との隔離
を要求することについて明確化したスケジュール案を提案することとなった。
► 含水直接還元鉄粉( D ) ( E&T 21/5/8 :ベネズエラ)
審議の中で以下の問題点が指摘され、提案された個別スケジュールでは、安全運送のは 確保はできないとの意見が示された。
DRI (C) との違いが不明確。
この貨物は Group A&B に該当すると考えられる。
TML を個別スケジュールに記載すべきでは無い。
通風に関する記述に矛盾がある。
時間等の通風の条件が曖昧である。
特定の産地の貨物の情報しか示されていない。
一方、この貨物は現在三カ国合意の基で運送されており、同様の審議を長年繰り返して いることから議論の進展を図るため各国・機関が協力する必要があるとの意見が示され、
審議の結果、興味のある国が共同提案を行うよう要請することが合意された。
► ガラスカレット( E&T 21/5/9 :スウェーデン)
Hazard 中の「液状化の危険性は無い」との文を削除するとともに、荷繰り要件を標準的
な文にする等の修正を加えた上で、個別スケジュール案が合意された。
► 合成フッ化カルシウム(E&T 21/5/10:スウェーデン)
提案が不完全であることから個別スケジュール案は合意されず、今後、総合的な情報を 添えて再提案が行われることになった。
► マンガン鉱粉(E&T 21/5/11, E&T 21/INF.4, E&T 21/INF.5:オーストラリア)
編集上の修正の上、マンガン鉱粉の個別スケジュール案が合意された。
► フッ化アルミニウム(E&T 21/5/12:イタリア)
以下の修正を行った上、個別スケジュール案が合意された。
Description の第 2 文「この貨物は粘着性では無い」を削除
Hazard の中の“vapours of fluorine”を「フッ化水素(hydrogen fluoride) 」に修正 天候要件のうち雨中荷役の実施に係る規定、人間の粉塵からの保護に係る要件、荷繰 り要件を標準的な表現に修正
Clean-up の第 1 文 “Difficulty of washing” を削除
③ SOLAS 条約改正等に対応する IMSBC コードの改正(E&T 21/5/16:事務局)
事務局の提案に基づき IMSBC コードの改正案の検討が行われた。検討の結果、SOLAS
条約第 VI 章のうち、固体ばら積み貨物に無関係の第 5-1 規則及び第 5-2 規則を IMSBC コ
ードに掲載しないことが合意されるとともに、当該変更を反映した第 1.6 節の規定文を修
正した改正案が準備された。
(5) その他
① IMSBC コード第 13 章(参考情報)の改正( E&T 21/5/14 )
IMSBC コード第 13 章の改正案の検討が行われた。検討の中で、ここに記載する規格は
IMO として適合を推奨していると解釈されるのに対して、 IEC や ISO の規格は IMO とは 無関係に改正されることを理由に、記載すべきでは無いとの意見が示される一方、実際に は IEC 規格が船級規則で適用されていること等を理由に、参考情報として IEC 規格を示す ことに問題は無いとの意見も示された。妥協案として日本が規格のバージョン(日付:実 際には発行年)を明記することを提案したが、現実には最新版の IEC 規格が適用されてい ることを理由に、日付を明記することに反対する意見が示された。審議の結果、 IEC 規格 を第 13 章に含めることは合意されたが、バージョンの記載については CCC 1 に判断を委 ねることとなった。
② セルフアンローダー船のコンベヤベルトスペースの火災安全( E&T 21/5/15 :バハマ)
セルフアンローダー船の閉囲されたコンベヤベルトスペースの火災に係るリスク評価
の要件を IMSBC コードに追加するバハマ提案の検討が行われた。 IACS から、この要件へ
の適合に係る第三者機関による監査、及び、リスク評価を実施する者が明確では無い点が 指摘され、もし要件を取り入れるのであれば第三者機関による監査を要しないこと、また、
リスク評価を実施する者を特定しない場合には、IMSBC コード第 1.4.3 節の規定に従って 各国政府は判断することになることを明記すべきであるとの意見が示された。これに対し、
議長から、リスク評価は ISM コード(特に A 部第 1.2.2.2 節)でカバーされているとの意 見や、カナダから、セルフアンローダー船は ISM コードに基づく評価で安全に運航されて おり、セルフアンローダー船のための指針も策定している等、 Operational requirements であ
る IMSBC コードに船舶の区画に関するリスク評価の規定を入れることの是非について、
各種の意見が表明された。バハマが提案した要件では、リスク評価を実施するタイミング が不明であるため、事務局から、もし要件を取り入れるなら「定期的に(regularly) 」との 言葉を入れてはどうかと提案が行われ、審議の結果、「定期的に(regularly)」との言葉を
入れ、 IMSBC コード第 3 章に、リスク評価に係る要件を取り入れることが合意された。ま
た、IACS の要請に従い、 「この要件への適合については第三者機関による監査を要せず、
且つ、リスク評価を実施する者は各国政府が決定する」との解釈が合意され、報告書に明 記されることとなった。
③ フランス語版及びスペイン語版における固体ばら積み貨物の索引の改正(DSC 18/6/9)
各国語のアルファベット順にするとの DSC 18 の決定に従い、フランス語版及びスペイ
ン語版における固体ばら積み貨物の索引が準備された。
ドキュメント内
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