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rs11231770 ( PPP1R14B )

ドキュメント内 Kyushu University Institutional Repository (ページ 73-78)

Risk rs72635708

3.4.3.2. rs11231770 ( PPP1R14B )

本論⽂によって新たに同定した乾癬関連機能多型候補であるrs11231770は,PPP1R14B 遺伝⼦の転写開始点から約 126 kb 離れた遠位エンハンサー領域に位置しており,

RPS6KA4遺伝⼦領域内に位置する乾癬感受性SNP rs645078と完全連鎖の関係にあった

(r2 = 1.0000)(図32a).この機能多型候補は転写因⼦SP1,SP2およびZNF263の結

合モチーフ内に位置しており(図32b),実際にSP1はA549,H1-hESC,HCT116およ びK562細胞株,SP2はH1-hESCおよびK562細胞株,ZNF263はHEK293細胞株にお いて結合が認められた(表15).Rs11231770のメジャーアリル(リスクアリル)はG,

マイナーアリル(⾮リスクアリル)はAであり,それぞれの転写因⼦の結合モチーフと 塩基配列を⽐較すると,この座位はいずれの転写因⼦の結合においても G が優位であ り,とくにSP1 とSP2 の結合に対してアリルの影響が⼤きいことが予想された.実際 に,マイナーアリル(⾮リスクアリル)であるrs11231770-Aの本数は10種の細胞・組 織においてPPP1R14B遺伝⼦の発現量と負の相関を⽰しており(図23;補⾜図4),こ れは SP1および SP2結合の減少がプロモーター活性を減少させることに起因すると考 えられた.

32PPP1R14B遺伝⼦遠位エンハンサー領域における機能多型候補rs11231770 a. 11番染⾊体の乾癬感受性SNP rs645078と機能多型候補rs11231770の座位およびヨ

ーロッパ⼈集団におけるr-squared value.⻘縦線は乾癬感受性SNP,⾚縦線は機能多 型候補の座位を⽰す.

b. PPP1R14B遺伝⼦エンハンサー領域の機能多型候補rs11231770の周辺配列と転写因

⼦SP1,SP2およびZNF263の結合モチーフ.

Window Position Scale chr11:

Human Feb. 2009 (GRCh37/hg19) chr11:64,001,001-64,144,000 (143,000 bp)

50 kb hg19

64,050,000 64,100,000

DNAJC4 DNAJC4 DNAJC4 VEGFB VEGFB

FKBP2 FKBP2 FKBP2 PPP1R14B

LOC105369340 LOC105369340

PLCB3 PLCB3 PLCB3

BAD BAD

GPR137 GPR137 GPR137 GPR137 GPR137

KCNK4 KCNK4 KCNK4-TEX40 KCNK4 KCNK4

TEX40 ESRRA ESRRA ESRRA

TRMT112 TRMT112 TRMT112 PRDX5 PRDX5 PRDX5

CCDC88B

MIR7155 RPS6KA4

RPS6KA4 RPS6KA4 RPS6KA4

MIR1237

Layered H3K4Me3150 -0 _ Layered H3K4Me150 -0 _ Layered H3K27Ac100 -0 _ 100 Vert. Cons

1

-0 _

rs645078 r2 = 1.0000

rs11231770

WebLogo 3.7.1

T CA

GTA

G

A

G GG

TCA

G

A

G

T

G

AC

G

ATGCA

WebLogo 3.7.1

TA CG TA CG

TA C G T C GA C TA

G

TA

G

A

G

A

G G

T

C

A

G

A

G

TA

G

CAGTCAG

WebLogo 3.7.1

C

TA

G

A

G

TG

A

AT

G

AC

G

CT

A

CAT

G

TCA

G

TCGATCGACTGACTGACTGATCGACTGAT

G

AT

G

ATG

A

T

G

ACT

G

ACTGA

...GGGTGGAGAGTAAGGGAGGGGTGG...

SP1 (MA0079.3)

SP2 (MA0516.1)

ZNF263 (MA0528.1)

rs11231770 (A>G)

a

b

CAGEによって計測されたeRNAの発現量に基づくと,rs11231770が位置するエンハ ンサー領域(hg19: chr11: 64,140,304–64,140,795)は,様々なepithelial cellsやskin fibroblast において⾼い活性を⽰していた(図33).

33eRNAの発現量に基づくrs11231770が位置する PPP1R14B遠位エンハンサーの活性

CAGE によって測定された PPP1R14B 遠位エンハンサー(hg19: chr11: 64,140,304–

64,140,795)の発現量.縦軸に⾼発現する細胞7種を,横軸に“Percentage of Expression”を

⽰す.各細胞種における“Percentage of Expression”とは,解析したすべての細胞において 測定された全発現量(normalized CAGE counts from all cells)に対する発現量の⽐を表し ている.グラフ中の数値はそれぞれの細胞種におけるTPM(Tags Per Million)を⽰す.

機能多型候補 rs11231770 が位置する遠位エンハンサー領域とPPP1R14B 遺伝⼦プロ モーターの機能的相互作⽤を更に検証するために,このエンハンサー領域が⾼い活性を

⽰す線維芽細胞由来細胞株の IMR90 の Hi-C データを⽤いて染⾊体のコンタクトマッ プを作成した.その結果,rs11231770が位置する遠位エンハンサー領域とPPP1R14B遺 伝⼦プロモーターは同じTAD領域内に存在していなかった(図34).

34:機能多型候補rs11231770を含む染⾊体領域のHi-Cコンタクトマップ

IMR90細胞株のHi-Cコンタクトマップ(10 kb解像度)とCTCF ChIP-seqシグナルを⽰

更に,Hi-Cデータを⽤いてPPP1R14B遺伝⼦の転写開始点をアンカーとした4C-like plot を作成した結果,IMR90細胞株において機能多型候補 rs11231770 を含む染⾊体領 域は低いシグナルを⽰していた(図35).

35PPP1R14B遺伝⼦の転写開始点をアンカーにしたHi-Cデータの4C-like plot

IMR90細胞株のPPP1R14B遺伝⼦の転写開始点をアンカーにしたHi-Cデータの4C-like

plot(10 kb解像度)を⽰す.⻘波はbias-removed interaction frequency,紫⾊の点はdistance normalized interaction frequencyを⽰している.Distance normalized interaction frequencyが 2.0 以上の領域は⻘⾊の弧で表現している.⾚縦線は機能多型候補rs11231770 の座位を

⽰している.

ドキュメント内 Kyushu University Institutional Repository (ページ 73-78)