Semblogプラットフォームでは,すべてのコンテンツはRSSメタデータを持つことが望ま
しい.しかしながら,RSSはRDF Site Summaryの略であるように,サイト全体の概要,と くに最新情報を公開するためのフォーマットとして提案されたものである.RSSの規約によ れば,1つのサイトにつき 1つの RSSを用意し,配信すべきであるとされている.これに従 えば,1つのサイトが保持するコンテンツのすべてにRSSメタデータを付加する場合には,1 つのRSSファイルにすべてのメタデータを記述する必要がある.このような方法では,RSS ファイルのサイズが極めて大きくなり,情報流通の過程で他のアプリケーションが処理するこ とを考慮すると現実的ではない.また,ユーザにとっては不必要な情報が流通することにな り,有効な支援につながらない可能性がある.
そこで,本研究では,RSS のモデルを継承し,コンテンツ単位でのメタデータ付加を可能 にするメタデータセットである「Permanent RSS: PermaRSS」を提案する.PermaRSSで
は,Weblogを用いたコミュニケーションに適した語彙を導入し,アグリゲーション層やアプ
リケーション層のツールに新たな機能を提供することを考える.
PermaRSSは,RSSとは異なり,Weblogサイトが保持する個別のコンテンツ(Permalink) に対して1つのファイルを対応させる.すなわち,サイトが持つコンテンツ数とPermaRSS ファイルの数は一致する.
PermaRSSのデータ構造を図6.2以下に示す.
PermaRSSはRSS 1.0と同様にRDF記法を用いて表現する.基本構造はRSSと同じく,
RDFの宣言,channel,itemの3つのブロックから構成される.RDFの宣言部では,RSS 1.0で使用されているRDF自体の語彙,Dublin Coreに加え,Semblogプラットフォーム独 自の語彙を示す名前空間である「semblog」を記述する.channelにはメタデータを付加する 対象のコンテンツ情報を記述する.従来のRSS 1.0のitem部に記述されていたtitle要素,
link 要素ならびにdescription要素などがこの channel 要素に入る.また,PermaRSS ファイルとサイトの関係を明示化するために,新たな語彙semblog:siteを定義し,この要 素にサイトのURIを記述する.
item要素には,対象となるコンテンツとリンク関係を持つコンテンツに関する情報が記述 される.title要素,link要素はそのコンテンツのタイトルとURIが入る.そして,そのコ ンテンツが元のコンテンツからリンクされるものであればsemblog:out要素を,TrackBack されたものであればsemblog:in要素を利用してコンテンツのURIを記述する.
PermaRSSの生成と管理は,既存のWeblogツールにプラグインを付加することで行うマ
第6章 個人のための情報流通プラットフォーム 95 ネジメント層による方法と,RSSリーダーがRSSを収集する際にPermaRSSを生成するア グリゲーション層による方法を提案する.詳細は次節以降で述べる.
第6章 個人のための情報流通プラットフォーム 96
図6.2 PermaRSSの記述例
第6章 個人のための情報流通プラットフォーム 97