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セールス ・マ ネ ジメ ントのた めの情 報 戦 略
計画立 案の 過 程 で 上位者 と下位者 との共 同 作 業の 場 を 整 備 す る こ と に よっ て, 市 場 に密着し た計画 立案作 業を促進するこ と がで きるか ?
計画作成の フ ェ ーズ に お い て ,営 業 方 針と業 務計画 との 整合 性 を確保 する た め の仕 組み を整 備で きる か ?
計画作成お よびモ ニ タ リ ン グ を行 う上 で必 要 と な る情 報 を明 ら か にする こ と が で き
る か ?期 中の活 動 を通 じて , その よ う な 情 報 を 収 集 ・蓄積す る た めの 仕 組み を 整備 で きる か ?
計 画作成 お よ びモ ニ タ リ ン グ の作 業 負荷 を軽 減 し, マ ネジ メ ン ト ・サ イ クル の リー ドタイム を短縮 する こ とが で きる か ? モニ タ リン グ情 報 を計画作 成に 迅速にフ ェ ー ドバ ッ ク す る た めの 仕組 み を 整 備で きる か ?
業 績 評 価 におい て , 環 境要 因 と業 務 努 力に よ る要 因 と を極 力 分 離 し た評 価 方 法を導 入 する こ と が で きるか ?
こ れ らの課 題の有 効 性は一般に広 く認 識 さ れて い る にもか かわ らず, これ まで 放置さ れ
て き た背 景に は, マ ネジメ ン ト ・シ ス テ ム を整備しよ うに も, 情報処理の 負担が制 約 と し
て 大きかっ た こ とも事実で ある .し か し, 情報 処理の 負 担に関して は, 近 年の情 報技 術の 発 達はその よ うな 制 約 を取 り払 うの に十 分 な機 能と性 能を提
供
しつ つ ある. 精緻な情報 分 析 を容 易に行 うこ とに対 する情 報機 器の 有用 性が , 飛躍的に高 ま りつ つ ある,そこ で本研究は ,セ ールス ・マ ネジ メ ン トの 計画 作 成 プ ロ セ ス に 焦 点 を 当て ,営 業 戦 略
の 策定プロ セ ス とそ れ を 支援す る情 報 活用の 仕組 み と を明確に描 き 出 し たうえで , 情報 処 理の体 系を構 築 し ようと す る もの で ある.
2
.営 業 戦 略 策 定 プ
ロセ ス の構 築
こ の節で は, 前述の 検 討課 題 を念頭 に 置い た うえで ,営 業 戦 略の 策 定プロ セ ス を体 系 化 す る.営業戦 略 の策 定プロ セ ス を 精緻に体 系 化 する こ とに よっ て, 市 場状 況に注 意 深 く対 応 するた めの セ ール ス ・マ ネ ジメ ン トの仕 組み を明らか に しよ うとする もの で ある. 営 業戦略 策 定の フ レーム ワ ークは, お お よそ 図
3
の よ うに な る.以下 ,こ の 図に添っ て 検 討を 進 め て い く が,議 論 が 抽 象的 に流 れ ない よ うにする た め,モ デ ル事 業 部 と その事 業 環 境 を 想 定 し た う えで 具 体 的 な 例 示 を 添 え な が ら説明 す る こ とに し よ う.2
.1
モデル 事業部の事業環境モ デル 事 業部は,外 科 手術 用の 消 耗 品 を 製 造 して い る医療機 器メ ーカーで あ る.図
4
に管理会訂 学 第2巻 第1写
事 業 方 針
4
営 業 方 針展 開
地 域市 場
デ ータの
収 集
・顧 客の購買 力
・市 場 規 模成長 性
自社の カバ レ ッ ジ
・競 合 状 況
・顧 客 別 営 業 施 策
・顧 客.
訪 問 回 数
・面 談 回 数
業 務 計 画の 有 用 性 評 価
・
驫
・評価 基準
・業 務計 画の有用性
図
3
営業 戦略 策定の フ レー厶 ワ ーク営 業戦略の 決 定
示す よ うに,営 業部門 を 組織 して主要な 医療機関 に 対 して販 売 活 動 を 行 っ て い る.営業 部 門 は, 地 域別に組織 し, 販売拠点には 地域マ ネ ジャーを 配 置 して い る.地域マ ネ ジャ ーは
,
担 当地域の マ ネジ メ ン トを まか され てお り, 営 業 部 員 と共に担 当 地 域の営 業活 動 に責 任を 負っ て い る .営 業 部 門長は, 地域マ ネ ジャ ーを統括 してお り, 営 業 部門 に責任 を負っ て い
る.
モ デ ル 事 業 部の顧 客は, 製 品 特 性 ,顧 客の 要望 に対 する対 応 力 , 製 品の供給体制お よ び 価 格な ど を評 価 して製 品の購 買 を決 定 する傾向が強い . 製 品の種 類や特 性の違い に よっ て 手術の し や す さ や 生体反応が変わ るの で , 術式に応 じて 製 品 を使い 分 け るの で あ る.その た め, 製 品特 性が 同 じで も形 状 な どの 品揃 えが 豊富で ある こ と も重 要 な 要 因で あ る.手術 前には手術道具 が全て揃っ て い る必 要が ある た め , 供給体制 が 迅 速 ・柔 軟 で あ るこ と も望
ま しい ,
医 師は製 品を直接 使 用 する ため 購 買 決 定 者 とし て最 も影 響 力が大きい が, 病 院長 と購 買 担当 者 は病院経営の 観点 か ら 主 に コ ス ト面に関 与 して い る.通常は, 医 師の指 定 し た業 者 が採用 さ れ るこ と が多い が, 購 買担 当者に 対 して, 価 格 面で の折 り 合い をつ け る 必 要 が あ る. 医師は術式に応 じて使用する製 品を 予め決め て い る こ とが多い が, 業者の勧め に応 じ
て別 の製品 を試用する こ と に も積 極 的で ある. 製 品の 使用 を医 師に勧め るに当 り, 医 師と
セールス ・マ ネ ジメン トの た めの情報戦略
図
4
モ デル事業部の 組織構造の会話に的確 に応 え ら れ る ように, 製 品 特性や 周辺知 識な どに精 通 して い る こ と が重 要で ある.
この業界は, こ れ まで は老人の 人 口増加に伴い 順調に 成長 して きたが, 今 後は, 急 速に 成 熟期を迎えよ うと して い る .老 人の 人口増 加傾 向は 引 き続 き変化 し ない が, 業者間の競 争 激化と価 格 低下の傾 向が 強 くなり, 市 場規 模は全 体 的に は横這で , 粗 利益 率は 逓 減 す る 傾 向を示 して い る ,今 後は,市 場状 況に応 じ て注 意 深 く経 営 資 源を 配 置 する こ との重要 性
が業界の 共通 認 識 と して深まりつ つ あっ た.
トッ プ ・マ ネ ジメ ン ト は, モ デ ル 事業 部の 事 業 環 境が 成熟 化 しつ つ ある一方で,成長 過 程 にある他の 事業 部で 人 材 要 求や 資金需 要が 高まっ て い る こ と を考慮 し, モ デ ル事業部に 利益 志 向 を 強化す る よ うに示 達 し た.これ を受 けて, モ デ ル事 業 部は, こ れ まで 「シ ェ ア 拡大志 向」で あ っ た営 業 方針 を 「利 益拡 充 志向」と な る よう改 め,(
1
)営 業利益 の拡 大 ,(2 )営 業 資 源の 効 率 的 活用 , (
3
)地域 市場 に お け る地位確 立 の3
つ を 営 業 方 針の柱 と し て設 定 した.こ の よ うな営 業 方 針の 転 換 に伴い ,モ デ ル 事 業部の 営 業部 門は , セ ール ス ・ス キル の 一
層の向上 とセ ール ス ・マ ネ ジメ ン トの 改 変と を基 本 戦 略 と して位 置づ けた . 自社 製 品の 取 り扱い を増や して い く に は,医 師に対 する訴 求 力を向上 さ せる必 要が ある た め, 製 品 知識
の周 知徹 底や 医師の ニ ーズ に的確に対 応 し た提 案を行う能 力の 向上 が不可欠で ある.さ ら に ,営 業 方針の 転 換 に伴い ,営 業 部隊の 活 動が営 業 方針 に整合 する ように組 織体 制を確立 する に は,セ ール ス ・マ ネ ジメ ン ト ・シ ス テ ム を 再 構 築 す るこ と が 有 効 で ある と判断 し た
管琿会 計 学 第2巻 第 1号
の で ある,
2
.2
地 域営業情報の収 隻営業戦略を作成 す る に は,顧客の 手術件 数 ,術式別 の製 品使用 状 況, 自社の販売機会や 脅威 な どの地 域営 業に関わ る様々 な分 析 を行 う必 要が あ る が, モ デル 事業部の場 合 は, 顧 客の購 買 状 況を調 査 するこ と が 地 域市 場 動 向を把 握する うえで 有用 性が高い . 自社の 販 売
シ ェ ア や製 品の利 用 状 況な ど を顧 客別に把 握で きれ ば,地 域営 業の 強み ・弱み を顧 客 別に 詳細に 分析 する こ とがで きる.
顧 客の購 買金額 を把 握 する に は, 供 給 業 者か らの購 買 を管理 し て い る購 買部門 な ど か ら 情報を入手で きれ ばよい わ けだ が, 顧客は その ようなデ ータを外部に提供する こ とは稀で
あ る.そこ で ,購買 金額の代理変数 と な る情報 を 顧 客 先 か ら 入手し,代理情 報を も と に統 計モ デ ル な ど を開発 して推 定 する こ と が実用に なる場合が多い .紙 面の 都 合か ら, 統 計モ
デ ルの 構 築 方 法につ い て は次稿 に譲る こ と にするが, 経 験 的には, 顧客が 製品 を利 用する 目的に応 じて 使用構 成な ど を詳 しく調査 する こ と によ っ て , 有 効なモ デ ルが構 築で きるこ とが多い .モ デル 事業部 に おい て は, その よ う な 統 計 モ デ ルが 既 に開発 さ れてお り,顧客
の 購買 金額の推定 値が 用 意 して あ る もの と して,議 論を 進 め るこ とに し よう.
2
.3
業 務 計 画の作 成 と有 用性の評価業務計画の作成 を効果的 に行 うた めの鍵 は,営 業 部員と 地 域マ ネ ジャーとの共 同作 業を 巧み に行 うこ とで ある. 営 業 部 員は , その よ うな業務 計 画を作 成 する過 程に おい て , 短期 と長期の バ ラン ス を保 ちつ つ 営業 方針 を 達 成 して い くこ と を志 向して , 業務 計 画の有 用 性 を評価 す るこ と に しよ う.
2
.3
.1
業 務計画の有用 性 評価の方針 と評価基 準業務 計 画の優 先 順 位 を付 けるため の評 価 基 準は , 営 業 方 針に対 する 整合 性が確保さ れて
い る こ とが望 ま しい ため , 営 業 方針を図 5 に 示 すようない くつ か のサ ブ 目標に 展 開 し たも
の を評 価基 準と して設定 しい る.
短期 と 長期の バ ラン ス の 中で 業務 計 画の 有 用 性 を検 討す る場合 には,営 業 方針 に関する 現 在の 整合 性の みに着 目して優 先 順位 を付 けるわけにはい か なくなる .短 期 的に は営 業 方 針の達成に関 して貢 献度の低い 業務 計 画で あっ て も,長 期 的な効 果が 見込 まれ る場合に は ,
その 業 務 計 画の 優 先順 位を引 き上 げて や る必要がある. し た が っ て ,長 期的 な観点 も含め