のでZp,qの固有値はXp,qの固有値の一部となる.すなわち,Zp,qの自明でない固有値はラマヌジャンの 範囲r2?
p,2?
psに入る.
p q
1のときも同様である.よってZp,qはラマヌジャングラフである.
3.2節のように法qで考える.
τq :HpZq ÑHpFqq
はΛ1からHpFqqの可逆元の群HpFqqへの写像を作る.ZqをHpFqqの中心とする:
Zq tαPHpFqq :ααu.
α, βPΛ1とするとαβのときτqpαq1τqpβq PZqとなる.これはτq : Λ1ÑHpFqqがwell-definedな 群準同型
Πq : ΛÑHpFqq{Zq
を作ることを意味する.Πqの核をΛpqqとするとΠqの像は商群Λ{Λpqqだとわかる.Tp,q pΠqQqpSpq とする.
補題3.2.1よりqをpに対して十分大きな数とすると(例えばq¡2?p),|Tp,q |p 1となる.グラ フYp,qをTp,qによるΛ{Λpqqのケーリーグラフとする:
Yp,q GpΛ{Λpqq, Tp,qq.
ΛはQpSp,qqにより生成されるから(命題3.3.1の証明より),命題3.1.2よりq¡2?pのときグラフ Yp,qはpp 1q-正則で連結となる.
命題2.3.2の前の同型写像ψ :HpFqqÑGL2pqqはZqをGL2pqqの部分群であるスカラー行列に送り,
スカラー行列はφ : GL2pqq ÑPGL2pqqの核となる.したがって同型写像 β :HpFqq{Zq ÑPGL2pqq を定義できる.
これによりXp,qとYp,qを可換図式により比較できる.
τq ψq
SpΛ1 ÝÑ HpFqq ÝÑ GL2pqq
ÓQ Ó Óφ
Λ ÝÑ HpFqq{Zq ÝÑ PGL2pqq
Πq β
(これらの縦矢印はすべて商写像である.)グラフXp,qはφψqτqにより定義され,Yp,qはΠqQによ り定義される.Xp,qが連結かどうかはまだ分からないがどの群からなるかは知っていて,pが法qで平方 かどうかによりPGL2pqqかPSL2pqqからである.対称的にYp,qは定義より連結だが,群Λ{Λpqqはよく わからない.しかし,βpTp,qq Sp,qからYp,qがXp,qの一部となることがわかる.両方の構成は互いに 反していることからゆくゆくはXp,qはq¡p8のとき連結であり,Xp,qとYp,qは同型であることを示し ていく.
補題3.3.2.
Λpqq trαs PΛ :αa0 a1i a2j a3k, q|a1, a2, a3u. 証明.
rαs PΛpqq ôτqpαq PZq
ôqはa0を割り切らず,q|a1, a2, a3 ôq|a1, a2, a3.
2行目から3行目の同値はNpαqはpのべき乗でpqであることからわかる.
補題 3.3.3. qを奇素数とする.a, bをqで割り切れず,a2b2 pmodq2qとなる整数とする.このとき,
a b pmodq2qとなる.
証明. a2b2 pmodq2qよりa2b20 pmodq2q,すなわちpa bqpabq 0 pmodq2qとなる.このと きa b0 pmodqqまたはab0 pmodqqが成り立つ.a b0 pmodqqのときab0 pmodqq も成り立つとするとab0 pmodqqとなり仮定に矛盾する.よってab0 pmodqqからa b0 pmodq2qがわかる.ab0 pmodqqのときも同様である.よってa b pmodq2qとなる.
Yp,qのgirthの下限を与える.
命題3.3.4. gpYp,qq ©2 logpqとなる.
p q
1のときはgpYp,qq ©4 logpqlogp4となる.
証明. 簡単のため gpYp,qq gとする.x0, x1, , xg1, xg x0 をYp,q での長さ g の閉路の頂点と する.Yp,q の頂点推移よりΛ{Λpqqでx0 xg 1としてよい.Yp,q はケーリーグラフであるから,
t1, t2, , tgPTp,qがあり
xi t1t2 ti p1¨i¨gq
とできる.ti Πqprγisqはγi P Sppi 1, , gqにより一意的に表される.α γ1γ2 γg P Λ1を αa0 a1i a2j a3kとする.αはSp 上の既約語であるので命題3.3.1(b)よりrαs rγ1srγ2s rγgs はΛでr1sと異なる.すなわち,αはΛ1で1と同値でなく,a1, a2, a3の中の少なくとも1つが0でない ことを意味する.一方,
Πqprαsq t1t2 tgxg1
よりrαs PΛpqqである.補題3.3.2より素数qはa1, a2, a3 を割り切る.これらの中の少なくとも1つは0 でないから
pgNpαq a20 a21 a22 a23©q2 となる.pを底にして対数をとるとgpYp,qq ©2 logpqとなる.
p q
1とする.pga20 pmodq2qより
1 pg
q
p
q g
p1qg, となる.すなわち,gは偶数となり,g2hといえ,
p2ha20 pmodq2q と表され,補題3.3.3から
ph a0 pmodq2q (1)
となる.一方,a20¨pg,すなわち|a0|¨phである.背理法で示していく.g 4 logpqlogp4logpq4 4 とするとph q2
2 となる.このとき,|ph a0 | q2となり,(1)よりph a0となる.pg a20から a1a2a30となり矛盾する.よってgpYp,qq ©4 logpqlogp4となる.
注意3.3.5. 命題1.3.6からp©3のとき
gpYp,qq ¨2 2 logp|Yp,q| であり,命題3.3.4から
|Yp,q |© q p となる.また,
p q
1のときは
|Yp,q|© q2 2p
となる.これは|Yp,q||Λ{Λpqq |が少なくともqの1次式となることを示している.
定理3.3.6. p©3とする.q¡p8に対し,グラフXp,qは連結である.したがってXp,qとYp,qは同型で ある.
証明. 命題3.1.2(c)よりSp,qは p
q
1のときPSL2pqqを生成し,
p q
1のときPGL2pqqを生成 することを示したい.同型写像β:HpFqq{Zq ÑPGL2pqqがあり,βpTp,qq Sp,qとなった.これから
βpΛ{Λpqqq
$' '&
''
%
PSL2pqq
p q
1のとき
PGL2pqq p
q
1のとき
を示せばよい.2番目の場合,Sp,q PGL2pqq, Sp,q ∩PSL2pqq ∅ であることはすでに述べている.
Hp,q PSL2pqq∩βpΛ{Λpqqqとする.どちらの場合も Hp,q PSL2pqq
をいえばよい.そのために| Hp,q |¡ 60かつHp,q がメタアーベルでないことを示す.このとき,もし Hp,q SL2pqqならこれは定理2.6.5に反する.よってHp,q PSL2pqqがいえる.
|Hp,q |¡60であることはq¡p8かつp©3から,注意3.3.5より
|Λ{Λpqq |© q p ¡p8
p p7©37¡120, すなわち|βpΛ{Λpqqq |¡120より|Hp,q |¡60となる.
Hp,qがメタアーベルでないことは命題2.6.13より,あるg1, g2, g3, g4PHp,qに対し,
rrg1, g2s,rg3, g4ss 1 を示せばよい.それぞれの場合で考える.
(a)
p q
1のとき,Sp,qの元の中から次のようにgiを選ぶ.g1PSp,qを任意とし,g2R tg11u, g3g1 とし,g4R tg11, g21uとする.このように選ぶとrrg1, g2s,rg3, g4ssはSp,qの長さ16の既約語となる.
命題3.3.4よりYp,qのgirthは
gpYp,qq ©2 logpq
¡2 logpp816
をみたし,Sp,qの長さ16の既約語はHp,qで1と等しくなれない.
(b)
p q
1のとき,h1, h2, h3をSp,qから次のように選ぶ.h1PSp,qを任意とし,h2R th11u, h3R th11, h21uとする.このときg1h1h3, g2h2h3, g3h1h2, g4h3h2とすると,これらは Hp,qの元となる.このように選ぶとrg1, g2s h1h3h2h11h31h21,rg3, g4s h1h2h3h11h21h31より
rrg1, g2s,rg3, g4ssはSp,qの長さ24の既約語となる.命題3.3.4よりYp,qのgirthは gpYp,qq ©4 logpqlogp4
¡4 logpp8logp4 32logp4¡24 をみたし,Sp,qの長さ24の既約語はHp,qで1と等しくなれない.
よってHp,qはメタアーベルではなく,Hp,q PSL2pqqがいえた.Sp,q が生成元となるのでXp,qは連結 で,グラフYp,qはグラフXp,qと等しくなることがわかった.
系 3.3.7. q¡p8とする. Xp,qはpp 1q-正則で連結グラフである.
paq p
q
1のとき,Xp,qは2彩色可能でなく,girthは
gpXp,qq ©2
3logp|Xp,q| となる.
pbq p
q
1のとき,Xp,qは2彩色可能で,girthは
gpXp,qq © 4
3logp|Xp,q| logp4 となる.
証明. 連結性は定理3.3.6で示された.girthの評価は命題3.3.4と命題2.5.1からのq3¡|Xp,q |よりわか る.(
p q
1のときはgpXp,qq ©2 logpq¡2 logp |Xp,q |13 2
3logp |Xp,q |で,
p q
1のときは gpXp,qq ©4 logpqlogp4¡4 logp|Xp,q |13 logp4 4
3logp|Xp,q| logp4となる.) p
q
1とする.命題3.1.2(d)とXp,q の連結性から,Xp,q が2彩色可能でないことは定理2.5.5の PSL2pqqが単純であることを使うとわかる.
p q
1のとき,Xp,q が2彩色可能であることは注意 3.2.3(c)でわかっている.
注意3.3.8. 族pXmqm©1を有限で連結なk-正則グラフで,mÑ 8のとき|Xm|Ñ 8をみたすとする.
C ¡0が存在し,gpXmq © pC op1qqlogk1|Xm|のとき大きなgirthをもつという.命題1.3.6より C¨2となる.Erd¨osとSachsは構成的でない方法でC1をみたす族があることを示した.
p q
1 のとき,グラフXp,qはpp 1q-正則で大きなgirthを持つ,すなわちC 4
3をみたす族となった.これは,
構成的な方法が構成的でない方法よりも良い結果となる,グラフ理論での数少ない例の1つである.
補題3.3.9. p1 pmod 4qとする.Λpqq trαs PΛ :αa0 a1i a2j a3k, 2q|a1, a2, a3uとなる.
証明. p1 pmod 4qからSpの定義よりa1, a2, a3は偶数である.
命題3.3.10. p1 pmod 4qで p
q
1のとき,gpYp,qq ©4 logpqとなる.
証明. p1 pmod 4qで p
q
1とする.pga20 pmodq2qより
1 pg
q
p
q g
p1qg となる.すなわち,gは偶数となりg2hがいえ,
p2ha20 pmodq2q と表され,補題3.3.3から
ph a20 pmodq2q となり,a0はSpの定義より奇数なので
ph a20 pmod 2q2q (2)
となる.一方a20¨pgすなわち|a0|¨phである.背理法で示していく.q 4 logpqとするとph q2と なる.このとき|ph a0| 2q2となり(2)よりph a0となる.pga20からa1a2a30となり 矛盾する.よってgpYp,qq ©4 logpqである.